傲慢に失いそうになった、恋
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◆ 夢主視点
「ジェイド・リーチを放っておいていいのか」
気になっていたゼリーを手に戻ったときの開口一番がジェイドのことだった。
目の前の彼は真顔であまり表情が動かない。だけど、今は意地悪そうに口角を上げている。その笑い方がまさにナイトレイブンカレッジの生徒らしい。
「貴方の笑い方、ここの生徒らしいわね」
「そうか?」
頬に触れるの姿を見てから手元のゼリーを見る。涼やかなゼリーはジェイドから貰ったもの。
――私の好きなものよく知っていたわよね。
でも、ジェイドだから情報として持っていたのかもしれないわ。彼なら十分ありえる。私だからきっと覚えていたわけじゃない。特別なわけじゃない。
――引き止められたのも驚いたわ。
そして引き止めた時のジェイド顔は初めて見るものだった。
いつものツンとしたものはなく、まるで迷子のような感じだった。その表情に本人は自覚はないみたいだったけれど。
私はそんな縋るような彼の手を振り払った。いや、実際そうしたわけではないけど、変わらないことをしたと思う。
どうしてジェイドを選ばなかったのか。分からない。言ってしまえば気分。何だか気分だったとしか言えなかった。
「で、展覧会の話しに戻っていいか?」
彼もジェイドに対する興味が失せたのかさっきまで話していた話しに戻る。その話しに耳を傾け、ジェイドに貰ったゼリーを食べながら相槌を返す。
その間も後ろから視線なようなものを感じる。けど、それがジェイドとは限らない。振り返ることはしない。そして、ジェイドと話すことなく交流会が終わった。
* * *
あの日から数年。私はジェイドと肌を重ね熱を交わす仲になっていた。
そして、彼は離れがたいと言いたげに指を絡めるようになっていた。
あの日、ジェイドを選ばなかった日から変わった。根本的なところは変わらないのだけど、私に対する態度が変わった。
ツンツンした態度が軟化し私に対して不器用に縋り甘える様を見せるようになった。つまり。
――甘えん坊になってことよね。
あの日、彼の手を振り解いたからなのか離れがたいというとき私を離さなくなった。恋人になってからは特にで数ヶ月離れて久々に会ったときは甘え縋って来る。
そういうときのジェイドはほんとうに可愛く愛しい。同時に私も離れがたくなる。
そして、今もそう。起きるとは言ったけれど私はこの時間がもう少し続くことを願っていると、左右色の違う双眸が私を捕らえる。
そういえば、彼の双眸に私はよく映るようになった。以前は私を双眸に映すことは少なかったのにあの日を境に私をよく映すようになった。それは単純に嬉しかった。
――私ばかりだったから。
ああ。そうだ。あの日、気分とか言いながらジェイドに仕返ししたかったのかもしれない。
結果的にジェイドが私を見てくれるようになった。もしあの時に何も思うことがなければ今この日はなかったに違いない。
――まっ、今さら何を考えても意味はないわね。
そう。私が考えるべきは、もしも、あったことじゃなくて目の前にいる可愛いヒトのこと。私を瞳に映す彼のことだけで――ふいに甘さを含んだ低い声で名前を呼ばれた。
「なに?」
訊き返せばまた名前を呼ばれた。また訊き返すとまた名前を呼ばれる。ああ、これは彼の甘えのひとつ。同時に私のことを確認する作業。
――意識が向いていなかったのが嫌だったのかしら。
ああ、ほんとう可愛い人魚だこと。そして、私を映さない昏い双眸が憎らしくて私も少し手を抜いて返事をする。すると、ジェイドがちょっと不安そうに瞳を揺らす。
――なんて瞳で私を見るの。
それが演技だとは思わない。けど、私に対して不安に思うジェイドはやっぱり不思議。
彼からの執着心に内心で首をかしげながらこのやり取りに私はいつも負けてしまう。
「なぁにジェイド」
甘く名前を読んで私は彼の瞳にまた映る。
2024.12.30
2025.03.24 加筆修正
「ジェイド・リーチを放っておいていいのか」
気になっていたゼリーを手に戻ったときの開口一番がジェイドのことだった。
目の前の彼は真顔であまり表情が動かない。だけど、今は意地悪そうに口角を上げている。その笑い方がまさにナイトレイブンカレッジの生徒らしい。
「貴方の笑い方、ここの生徒らしいわね」
「そうか?」
頬に触れるの姿を見てから手元のゼリーを見る。涼やかなゼリーはジェイドから貰ったもの。
――私の好きなものよく知っていたわよね。
でも、ジェイドだから情報として持っていたのかもしれないわ。彼なら十分ありえる。私だからきっと覚えていたわけじゃない。特別なわけじゃない。
――引き止められたのも驚いたわ。
そして引き止めた時のジェイド顔は初めて見るものだった。
いつものツンとしたものはなく、まるで迷子のような感じだった。その表情に本人は自覚はないみたいだったけれど。
私はそんな縋るような彼の手を振り払った。いや、実際そうしたわけではないけど、変わらないことをしたと思う。
どうしてジェイドを選ばなかったのか。分からない。言ってしまえば気分。何だか気分だったとしか言えなかった。
「で、展覧会の話しに戻っていいか?」
彼もジェイドに対する興味が失せたのかさっきまで話していた話しに戻る。その話しに耳を傾け、ジェイドに貰ったゼリーを食べながら相槌を返す。
その間も後ろから視線なようなものを感じる。けど、それがジェイドとは限らない。振り返ることはしない。そして、ジェイドと話すことなく交流会が終わった。
* * *
あの日から数年。私はジェイドと肌を重ね熱を交わす仲になっていた。
そして、彼は離れがたいと言いたげに指を絡めるようになっていた。
あの日、ジェイドを選ばなかった日から変わった。根本的なところは変わらないのだけど、私に対する態度が変わった。
ツンツンした態度が軟化し私に対して不器用に縋り甘える様を見せるようになった。つまり。
――甘えん坊になってことよね。
あの日、彼の手を振り解いたからなのか離れがたいというとき私を離さなくなった。恋人になってからは特にで数ヶ月離れて久々に会ったときは甘え縋って来る。
そういうときのジェイドはほんとうに可愛く愛しい。同時に私も離れがたくなる。
そして、今もそう。起きるとは言ったけれど私はこの時間がもう少し続くことを願っていると、左右色の違う双眸が私を捕らえる。
そういえば、彼の双眸に私はよく映るようになった。以前は私を双眸に映すことは少なかったのにあの日を境に私をよく映すようになった。それは単純に嬉しかった。
――私ばかりだったから。
ああ。そうだ。あの日、気分とか言いながらジェイドに仕返ししたかったのかもしれない。
結果的にジェイドが私を見てくれるようになった。もしあの時に何も思うことがなければ今この日はなかったに違いない。
――まっ、今さら何を考えても意味はないわね。
そう。私が考えるべきは、もしも、あったことじゃなくて目の前にいる可愛いヒトのこと。私を瞳に映す彼のことだけで――ふいに甘さを含んだ低い声で名前を呼ばれた。
「なに?」
訊き返せばまた名前を呼ばれた。また訊き返すとまた名前を呼ばれる。ああ、これは彼の甘えのひとつ。同時に私のことを確認する作業。
――意識が向いていなかったのが嫌だったのかしら。
ああ、ほんとう可愛い人魚だこと。そして、私を映さない昏い双眸が憎らしくて私も少し手を抜いて返事をする。すると、ジェイドがちょっと不安そうに瞳を揺らす。
――なんて瞳で私を見るの。
それが演技だとは思わない。けど、私に対して不安に思うジェイドはやっぱり不思議。
彼からの執着心に内心で首をかしげながらこのやり取りに私はいつも負けてしまう。
「なぁにジェイド」
甘く名前を読んで私は彼の瞳にまた映る。
2024.12.30
2025.03.24 加筆修正
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