ジェイド
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キャンディはブドウ味でした
カラ、コロと彼女の小さな口から軽やかな音がした。喧騒に紛れてしまいそうな音なのに何故かジェイドの耳に歯にキャンディが当る音がするのだろうか。
カラ、コッ、カッ、コカッ。キャンディは小さくなっているのだろうか。先ほどよりも一層高い音が耳に響く。カラ、カラ、カラという転がす音に限界が来た。
「レティ」
「ん?」
顔を見上げる彼女の小さな唇は細く白い棒を挟んでいた。その白い棒を掴んで「口を開けて」と言う。レティシアは長い睫に縁どられた目を瞬かせる。けれど、大人しく小さな口を僅かに開けた。ジェイドはすかさず棒を掴み取り出す。
取り出したブドウ色のキャンディは随分と小さくなっていた。
「これぐらい噛んだらいいじゃないですか」
と、彼女が先ほどまで舐めていたキャンディを自分の口に持って行く。そして、口に入れた瞬間噛み砕く。砕けたキャンディはほんの小さな欠片となって瞬く間に溶けて消えた。
「ぁ、何で食べちゃうの」
ムスとするレティシアの小さな唇がツンと尖る。飴を舐めていた所為かいつもより艶めいて見える。珊瑚色の唇はキャンディのように舐めたくなってきた。そうか。自分はずっとお預け状態にされていた〝キャンディ〟を舐めたかったようだ。
「はぁ。出会い頭にキャンディなど差し上げなければよかったですね」
「なによ。ねぇ、口寂しいからもうひとつちょうだい」
持ってないの、と人のジャケットのポケットを探り出すレティシアの手を掴む。それに彼女は「何よ」と顔を上げながらもう片方の手で飴を探す。そこまでしてキャンディが舐めたいか。
「美味しかったんですか」
顔を近づけて訊ねれば彼女は死んだような瞳を僅かに輝かせて「おいしかったわ!」と声を上げた。
「あのウツボのキャンディ食べたい」
「ウツボの形をしているキャンディです。ですが、残念ですねぇ。今は手元にないんです」
「ぇえ、ウツボのキャンディ食べたい」
あくまで先ほどまで食べていたキャンディを所望するようだ。全くここまできて色気のない。とはいっても、この色気のない展開に持っていったのは自分自身だ。なので、恋人らしい雰囲気に持って行くのも自分でしなければいけない。
「はぁ。レティ」
「なぁに?」
コテンとあざとく首を傾げる彼女に顔を近づけて珊瑚色に艶めく唇に触れる。
目を開いたままの死んだように暗い瞳の瞳孔がキュッと小さくなった。驚いたときによくなる瞳だ。
その瞳を見て唇から少し離れて吐息が交じりあう距離で訊ねる。「キスしたいんですが」とすると彼女の目尻が下って「もちろん」と答え目を閉じた。
空気が読めるんだか、読めないんだかわからない恋人だ。でも、素直に目を閉じたキス待ち顔をしてくれた恋人。やっぱり、可愛いなと先ほどより深く口づけた。
カラ、コロと彼女の小さな口から軽やかな音がした。喧騒に紛れてしまいそうな音なのに何故かジェイドの耳に歯にキャンディが当る音がするのだろうか。
カラ、コッ、カッ、コカッ。キャンディは小さくなっているのだろうか。先ほどよりも一層高い音が耳に響く。カラ、カラ、カラという転がす音に限界が来た。
「レティ」
「ん?」
顔を見上げる彼女の小さな唇は細く白い棒を挟んでいた。その白い棒を掴んで「口を開けて」と言う。レティシアは長い睫に縁どられた目を瞬かせる。けれど、大人しく小さな口を僅かに開けた。ジェイドはすかさず棒を掴み取り出す。
取り出したブドウ色のキャンディは随分と小さくなっていた。
「これぐらい噛んだらいいじゃないですか」
と、彼女が先ほどまで舐めていたキャンディを自分の口に持って行く。そして、口に入れた瞬間噛み砕く。砕けたキャンディはほんの小さな欠片となって瞬く間に溶けて消えた。
「ぁ、何で食べちゃうの」
ムスとするレティシアの小さな唇がツンと尖る。飴を舐めていた所為かいつもより艶めいて見える。珊瑚色の唇はキャンディのように舐めたくなってきた。そうか。自分はずっとお預け状態にされていた〝キャンディ〟を舐めたかったようだ。
「はぁ。出会い頭にキャンディなど差し上げなければよかったですね」
「なによ。ねぇ、口寂しいからもうひとつちょうだい」
持ってないの、と人のジャケットのポケットを探り出すレティシアの手を掴む。それに彼女は「何よ」と顔を上げながらもう片方の手で飴を探す。そこまでしてキャンディが舐めたいか。
「美味しかったんですか」
顔を近づけて訊ねれば彼女は死んだような瞳を僅かに輝かせて「おいしかったわ!」と声を上げた。
「あのウツボのキャンディ食べたい」
「ウツボの形をしているキャンディです。ですが、残念ですねぇ。今は手元にないんです」
「ぇえ、ウツボのキャンディ食べたい」
あくまで先ほどまで食べていたキャンディを所望するようだ。全くここまできて色気のない。とはいっても、この色気のない展開に持っていったのは自分自身だ。なので、恋人らしい雰囲気に持って行くのも自分でしなければいけない。
「はぁ。レティ」
「なぁに?」
コテンとあざとく首を傾げる彼女に顔を近づけて珊瑚色に艶めく唇に触れる。
目を開いたままの死んだように暗い瞳の瞳孔がキュッと小さくなった。驚いたときによくなる瞳だ。
その瞳を見て唇から少し離れて吐息が交じりあう距離で訊ねる。「キスしたいんですが」とすると彼女の目尻が下って「もちろん」と答え目を閉じた。
空気が読めるんだか、読めないんだかわからない恋人だ。でも、素直に目を閉じたキス待ち顔をしてくれた恋人。やっぱり、可愛いなと先ほどより深く口づけた。
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