記念日を重ねる
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記念日を重ねる・2
幼馴染の冴がスペインに渡って4年が経っていた。あたしは高校2年生になった。中学生のときに県外の大学に行くのは何となくと思っていたけれど、専攻などを考えるとやっぱり県外になりそうだった。そんな感じで大学進学のために日々勉強している冬に冴が久々に帰国すると母から聞いた。
「雪……」
寒いな、寒いな、と思って窓の外を見れば雪が降っていた。鎌倉で雪が降るなんて珍しいなと思いながらミルクティーを片手に部屋に戻る。
「ん?」
部屋に戻るとスマホに誰かからメッセが来ていた。友達からのメッセかなとあたりをつけて開いてみて目を見開く。
「冴……」
4年間音沙汰がなかった幼馴染からだった。といっても、日本にいるときから筆不精なのか。隣に家に住んでいるからなのかスマホをもってからもメールなんかのやり取りもしていなかった。だから、ほぼこれは初めてのことなのではと思ってすぐにメッセージに目を走らせようとしたけれどそんな必要はなかった。
彼からのメッセージは簡素すぎるものだった。
「駅に来い、ね」
ただそう一言メッセージが送られて来ていた。命令口調は変わらないけれど、帰省してきたんだろう。なら、冴がこっちに来ればいいだろうに。どうして駅に――と考えあたしはスマホ画面を覗き込む。
「どこの駅よ……」
これ成田の空港だったか羽田の空港から送ってんじゃないわよね。
東京の駅ではないことを祈りながらあたしは「どこの駅」と同じくらい簡素に返信をした。しばらくすると既読のマークがついてすぐにまた簡素な返信があった。
「鎌倉駅……帰ってきてんじゃないの」
ため息を洩らしながらスマホを机に置く。続いて机にある時計を見る。時計はもう夕方の時間を越えて夜になっている。この時間はもう少ししたら妹が塾から帰って来る時間。
夕飯の時間はなるべく家に居たいけれど――。
このとき、幼馴染の勘というべきか何だか何とも言えない気持ちがこみ上げていた。そして、もう一度息を吐きだしてあたしは立ちあがった。せっかく入れたミルクティーをそのままにして家を出た。
雪が降る中、鎌倉駅に辿り着いて辺りを見回していると日本語が上手い外国人に声をかけられた。
誰だ、と訝し気に見ていたあたしにその人はすぐに冴のマネージャーであることを伝えて名刺までくれた。それから穏やかな顔立ちで少し困ったような表情で「冴ちゃんが車の中で待ってるから」と言って出てきた車を指さした。
「……冴、家に帰らないんですか」
「帰るつもりないみたい」
指していた指を引っ込めながら困った表情に僅かに悲しさが混じったような気がした。それは何を意味しているのかあたしは分からない。
「東京のホテルに泊まるって聞かないんだけれど、その前に貴方に会いたいって言うんだ」
さらに意味が分からない。あたしはちょっと困ったようにマネージャーさんを見上げる。けれど、マネージャーさんはそれ以上言葉をくれなかった。だから、あたしは進むしかなかった。
「じゃあ、少しだけ失礼します」
「うん。あ、でも、もう遅いし最後は送っていくから」
「……ありがとうございます」
それは助かるけれどあたしの家は冴のお家の隣ですよ、とは言えなかった。とりあえず、お礼を言って車に近づいて行った。
車に近づいて覗き込む。黒い窓は少し中が見えない。それはそうか。なにせ冴もメディアに取り上げられるくらいの有名人なんだもの。こういう配慮はあるわよね。
とりあえず、窓をノックすると中の人影が動いた。うごうご動いた人影は何かゼスチャーをしているのが見える。
――離れろってことかしら?
少し扉から離れると軽く扉が開いた。そして中から掠れた低い声で「はいれ」と言われた。
最後に聞いた声より大分低い声になっている。4年も経てば変声期も迎えているか。
納得しながら「お邪魔します」と傘を閉じて車に乗り込む。そして、目に飛び込んでいたのは短かった前髪を上げて目の下に薄っすらと隈を作った幼馴染だった。身長が伸びたからなのか中学生の頃とは比べ物になんらないくらい身体が大きくなっているように見える。
「随分大きくなったわね」
「久しぶりに会ってそれか」
「だって4年経っているのよ。そうなるわ」
「そうか」と言ったきり冴は疲れた顔でむっつり黙ってしまった。
車の中で無言の時間が続く。あたしはじっとぼんやりとどこか見つめる幼馴染の横顔を見つめる。その横顔はキラキラ輝いていたように見えるのにすっかり輝きを失っている。
何となく冴の様子から様々なことが読み取れる。
――サッカーにわかでも存外分かるものね。
とはいえ、冴は柔なプレイヤーじゃない。もし彼の精神が柔だったらそもそも4年を待たずして帰国しているだろうし、こんなところにいないでさっさと家に帰っているはず。そうしないですぐにでもスペインに戻ろうとしているのはまだサッカー選手としての自身を諦めていないからなんじゃないかしら。
でも、ならどうして戻って来たのか考えれば浮かぶのは冴の弟のこと。
凛は4年間で海外に行くことはなかった。ただ、たまに見る彼のサッカーは冴がいた頃とはまるっきり違うように見えた。すっかり彼らしくないサッカーをしていて妹も心配をしていた。
――ああ、もしかして。
禁句かもしれないけれど、と思いつつあたしは彼の弟の名前を口にする。
「凛に会いに来たの?」
冴の身体が小さく動いた。それからぼんやりとしていた視線があたしに向けられた。
いつも眠そうだった双眸は少し昏くなっている。なんか目が死んでるっていうのか。昏い。とにかく昏い。
「あいつのことはどうでもいい……」
誰よりも先に凛に会ったことがこれで分かった。そして、今の凛に冴が失望しているのが伺える。けれど、心底どうでもいいと思っていないこともまた分かる。
お互い言葉少なに分かり合えていると思っていたのかもしれない。でも、4年経ってそれが崩れたのか。それとももともとお互い分かり合えていなかったのか。
きっと、今の冴と凛はどうしようもないほど深い溝がある。
――なんて不器用なのかしら。
あれだけ凛は4年間らしくもないサッカーをして頑張ったのに。冴の言葉ひとつでもう凛は冴の言葉でサッカーをやめてしまうかもしれない。でも、きっと冴はそれならもうその程度の奴だったと見切りをつけているのかもしれない。
「凛、サッカーやめちゃうんじゃない」
「ならその程度の人間だったつーことだ」
厳しいこと言うじゃない。けれど、凛はどうなるのかしら。冴とのサッカーが中心だったあの子が少しだけ心配になったけれど、たぶん、あたし以上に心配するのが妹でしょうね。だって、あたしの妹はとっても優しいから。ああ、けれど、その優しさに凛は溺れないといいけれど。
「ま。凛のことはいいわ」
「てめぇも大概ひでぇ女だな」
「あら。あの子は昔からあたしの言葉なんてちっとも響かないんだから」
だから、どうしようもない。そういえば冴は「たしかに」と言って少しだけ、ほんの微かに笑みを浮かべた。僅かに解れた唇に安心しながらあたしは何となく声をかける。
「スペインに戻るの?」
「……ああ」
「そう。風邪引かないようにね」
「ん」
端的な返事にまた会話が途切れる。でも、別に会話したいわけじゃないし、冴もきっとそうだと思う。なら、もういいのかしら。
「じゃ、帰るわね」
さすがに送ってもらうのは家も隣同士だし微妙な気持ちだ。だから、気にしないように出ようとしたら「まて」と掠れた声で引き留められる。
「なに?」
「送ってく」
「……あんた、あたしの家がどこか分かって言ってんの?」
そう半目になって尋ねれば眉を顰めて「バカか?」と言いたげな顔をされた。人がせっかく気を使ってやっているのに失礼な男。
「はぁ。いいわよ。あんたは家に帰る予定ないんでしょ。なら、バスで帰るから」
「バイバイ」と言って今度こそ出ようとしたらまた引き留められた。しかも、今度は腕を掴まれて。
冴の手で掴まれた腕を見下ろす。痛くはないけれど随分と大きくなった。
じっと、見下ろしていれば「悪ぃ」と言ってゆっくりと離れていった。
「痛くはなかったけれど……まだ何かあるの」
「……はぁ。だから、送って行くって言っただろ」
疲れ気味やつれた顔のせいかもう勘弁してくれという空気を感じる。これはもう何も言わないでいよう。つまり、彼の言葉に甘えることにした。
あたしは大人しく手を引いて座りなおすと冴の身体が少しだけ緩んだ気がする。そんな姿を見るとほんとに疲れているんだと思うけれど。
「どうしてあたしを呼んだのよ」
つい口に出たことにしまったと咄嗟に口を紡ぐ。
余計なことを口走ったと冴を見るとこっちを見ていた。何とも言えない瞳に見つめられて、すぐに我に返る。
「ごめんなさい。余計なこと言ったわ」
忘れて、と言う前に乾いた薄い唇が動いたのが薄暗い車の中で見えた。
「お前に、初に会いたかったから」
何とも言えない瞳は少しだけ煌めいたように見えた。きっとそれは気のせいだと思う。
柄にもなく照れる。いや、何に照れているのか。熱くなる頬が見えないことを祈りながら視線を逸らす。
「明日は雪の代わりに槍が降るのね」
「はっ。そうかもな……」
やだ。そんなこと言うなら本当に降りそうね。あたしは心の中でそっとこの日を何とも言えない気持ち記念日にした。
それから数日も経たずに冴は再びスペインへと戻り新世代世界11傑に選出された。
幼馴染の冴がスペインに渡って4年が経っていた。あたしは高校2年生になった。中学生のときに県外の大学に行くのは何となくと思っていたけれど、専攻などを考えるとやっぱり県外になりそうだった。そんな感じで大学進学のために日々勉強している冬に冴が久々に帰国すると母から聞いた。
「雪……」
寒いな、寒いな、と思って窓の外を見れば雪が降っていた。鎌倉で雪が降るなんて珍しいなと思いながらミルクティーを片手に部屋に戻る。
「ん?」
部屋に戻るとスマホに誰かからメッセが来ていた。友達からのメッセかなとあたりをつけて開いてみて目を見開く。
「冴……」
4年間音沙汰がなかった幼馴染からだった。といっても、日本にいるときから筆不精なのか。隣に家に住んでいるからなのかスマホをもってからもメールなんかのやり取りもしていなかった。だから、ほぼこれは初めてのことなのではと思ってすぐにメッセージに目を走らせようとしたけれどそんな必要はなかった。
彼からのメッセージは簡素すぎるものだった。
「駅に来い、ね」
ただそう一言メッセージが送られて来ていた。命令口調は変わらないけれど、帰省してきたんだろう。なら、冴がこっちに来ればいいだろうに。どうして駅に――と考えあたしはスマホ画面を覗き込む。
「どこの駅よ……」
これ成田の空港だったか羽田の空港から送ってんじゃないわよね。
東京の駅ではないことを祈りながらあたしは「どこの駅」と同じくらい簡素に返信をした。しばらくすると既読のマークがついてすぐにまた簡素な返信があった。
「鎌倉駅……帰ってきてんじゃないの」
ため息を洩らしながらスマホを机に置く。続いて机にある時計を見る。時計はもう夕方の時間を越えて夜になっている。この時間はもう少ししたら妹が塾から帰って来る時間。
夕飯の時間はなるべく家に居たいけれど――。
このとき、幼馴染の勘というべきか何だか何とも言えない気持ちがこみ上げていた。そして、もう一度息を吐きだしてあたしは立ちあがった。せっかく入れたミルクティーをそのままにして家を出た。
雪が降る中、鎌倉駅に辿り着いて辺りを見回していると日本語が上手い外国人に声をかけられた。
誰だ、と訝し気に見ていたあたしにその人はすぐに冴のマネージャーであることを伝えて名刺までくれた。それから穏やかな顔立ちで少し困ったような表情で「冴ちゃんが車の中で待ってるから」と言って出てきた車を指さした。
「……冴、家に帰らないんですか」
「帰るつもりないみたい」
指していた指を引っ込めながら困った表情に僅かに悲しさが混じったような気がした。それは何を意味しているのかあたしは分からない。
「東京のホテルに泊まるって聞かないんだけれど、その前に貴方に会いたいって言うんだ」
さらに意味が分からない。あたしはちょっと困ったようにマネージャーさんを見上げる。けれど、マネージャーさんはそれ以上言葉をくれなかった。だから、あたしは進むしかなかった。
「じゃあ、少しだけ失礼します」
「うん。あ、でも、もう遅いし最後は送っていくから」
「……ありがとうございます」
それは助かるけれどあたしの家は冴のお家の隣ですよ、とは言えなかった。とりあえず、お礼を言って車に近づいて行った。
車に近づいて覗き込む。黒い窓は少し中が見えない。それはそうか。なにせ冴もメディアに取り上げられるくらいの有名人なんだもの。こういう配慮はあるわよね。
とりあえず、窓をノックすると中の人影が動いた。うごうご動いた人影は何かゼスチャーをしているのが見える。
――離れろってことかしら?
少し扉から離れると軽く扉が開いた。そして中から掠れた低い声で「はいれ」と言われた。
最後に聞いた声より大分低い声になっている。4年も経てば変声期も迎えているか。
納得しながら「お邪魔します」と傘を閉じて車に乗り込む。そして、目に飛び込んでいたのは短かった前髪を上げて目の下に薄っすらと隈を作った幼馴染だった。身長が伸びたからなのか中学生の頃とは比べ物になんらないくらい身体が大きくなっているように見える。
「随分大きくなったわね」
「久しぶりに会ってそれか」
「だって4年経っているのよ。そうなるわ」
「そうか」と言ったきり冴は疲れた顔でむっつり黙ってしまった。
車の中で無言の時間が続く。あたしはじっとぼんやりとどこか見つめる幼馴染の横顔を見つめる。その横顔はキラキラ輝いていたように見えるのにすっかり輝きを失っている。
何となく冴の様子から様々なことが読み取れる。
――サッカーにわかでも存外分かるものね。
とはいえ、冴は柔なプレイヤーじゃない。もし彼の精神が柔だったらそもそも4年を待たずして帰国しているだろうし、こんなところにいないでさっさと家に帰っているはず。そうしないですぐにでもスペインに戻ろうとしているのはまだサッカー選手としての自身を諦めていないからなんじゃないかしら。
でも、ならどうして戻って来たのか考えれば浮かぶのは冴の弟のこと。
凛は4年間で海外に行くことはなかった。ただ、たまに見る彼のサッカーは冴がいた頃とはまるっきり違うように見えた。すっかり彼らしくないサッカーをしていて妹も心配をしていた。
――ああ、もしかして。
禁句かもしれないけれど、と思いつつあたしは彼の弟の名前を口にする。
「凛に会いに来たの?」
冴の身体が小さく動いた。それからぼんやりとしていた視線があたしに向けられた。
いつも眠そうだった双眸は少し昏くなっている。なんか目が死んでるっていうのか。昏い。とにかく昏い。
「あいつのことはどうでもいい……」
誰よりも先に凛に会ったことがこれで分かった。そして、今の凛に冴が失望しているのが伺える。けれど、心底どうでもいいと思っていないこともまた分かる。
お互い言葉少なに分かり合えていると思っていたのかもしれない。でも、4年経ってそれが崩れたのか。それとももともとお互い分かり合えていなかったのか。
きっと、今の冴と凛はどうしようもないほど深い溝がある。
――なんて不器用なのかしら。
あれだけ凛は4年間らしくもないサッカーをして頑張ったのに。冴の言葉ひとつでもう凛は冴の言葉でサッカーをやめてしまうかもしれない。でも、きっと冴はそれならもうその程度の奴だったと見切りをつけているのかもしれない。
「凛、サッカーやめちゃうんじゃない」
「ならその程度の人間だったつーことだ」
厳しいこと言うじゃない。けれど、凛はどうなるのかしら。冴とのサッカーが中心だったあの子が少しだけ心配になったけれど、たぶん、あたし以上に心配するのが妹でしょうね。だって、あたしの妹はとっても優しいから。ああ、けれど、その優しさに凛は溺れないといいけれど。
「ま。凛のことはいいわ」
「てめぇも大概ひでぇ女だな」
「あら。あの子は昔からあたしの言葉なんてちっとも響かないんだから」
だから、どうしようもない。そういえば冴は「たしかに」と言って少しだけ、ほんの微かに笑みを浮かべた。僅かに解れた唇に安心しながらあたしは何となく声をかける。
「スペインに戻るの?」
「……ああ」
「そう。風邪引かないようにね」
「ん」
端的な返事にまた会話が途切れる。でも、別に会話したいわけじゃないし、冴もきっとそうだと思う。なら、もういいのかしら。
「じゃ、帰るわね」
さすがに送ってもらうのは家も隣同士だし微妙な気持ちだ。だから、気にしないように出ようとしたら「まて」と掠れた声で引き留められる。
「なに?」
「送ってく」
「……あんた、あたしの家がどこか分かって言ってんの?」
そう半目になって尋ねれば眉を顰めて「バカか?」と言いたげな顔をされた。人がせっかく気を使ってやっているのに失礼な男。
「はぁ。いいわよ。あんたは家に帰る予定ないんでしょ。なら、バスで帰るから」
「バイバイ」と言って今度こそ出ようとしたらまた引き留められた。しかも、今度は腕を掴まれて。
冴の手で掴まれた腕を見下ろす。痛くはないけれど随分と大きくなった。
じっと、見下ろしていれば「悪ぃ」と言ってゆっくりと離れていった。
「痛くはなかったけれど……まだ何かあるの」
「……はぁ。だから、送って行くって言っただろ」
疲れ気味やつれた顔のせいかもう勘弁してくれという空気を感じる。これはもう何も言わないでいよう。つまり、彼の言葉に甘えることにした。
あたしは大人しく手を引いて座りなおすと冴の身体が少しだけ緩んだ気がする。そんな姿を見るとほんとに疲れているんだと思うけれど。
「どうしてあたしを呼んだのよ」
つい口に出たことにしまったと咄嗟に口を紡ぐ。
余計なことを口走ったと冴を見るとこっちを見ていた。何とも言えない瞳に見つめられて、すぐに我に返る。
「ごめんなさい。余計なこと言ったわ」
忘れて、と言う前に乾いた薄い唇が動いたのが薄暗い車の中で見えた。
「お前に、初に会いたかったから」
何とも言えない瞳は少しだけ煌めいたように見えた。きっとそれは気のせいだと思う。
柄にもなく照れる。いや、何に照れているのか。熱くなる頬が見えないことを祈りながら視線を逸らす。
「明日は雪の代わりに槍が降るのね」
「はっ。そうかもな……」
やだ。そんなこと言うなら本当に降りそうね。あたしは心の中でそっとこの日を何とも言えない気持ち記念日にした。
それから数日も経たずに冴は再びスペインへと戻り新世代世界11傑に選出された。