レオナ編
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いとしいものに囲まれて
子どもが産まれてから自分の誕生日が少しだけ好きになったような気がする。
「パパぁ! こぇあげぅ!」
「ん!」と小さな両手には黄色い花で出来た手製らしい花束があった。それを掲げているのはまだまだ小さなレオナの愛しい息子ラディ。
数か月前からこそこそ妻のジェマと一緒になって何か始めたと思っていたら今日このときのためだったらしい。そういえば朝もなんだか一人そわそわしていたのはこの花束が要因だったらしい。
レオナは目に入れても痛くないほど可愛い息子の可愛さに眦を下げて腰をかがめる。
「パパにくれるのか?」
「ん! おたんじょーびのお花。ママといっしょにつくったのぉ」
にかっと口を開いて笑う姿に頬が緩む。唇の間から小さな歯が覗くその笑い方は少々間抜けにも見えるが可愛い。レオナにとって妻によく似た息子はすこぶる可愛いのだ。
「ありがとう。大切にする」
「んふ、うふふ、ん! してねぇ~」
小さな両手から花束を受け取ると息子が満足気に笑って抱き着いて来る。
まだまだ体温の高い柔らかい身体。その身体から熱がじんわりと移って来る。この夏場少々辛くも感じるが愛息子を邪険にすることはできない。
花を片手に持って小さな体を抱き上げて立つ。
「ママはどうした?」
「まだおはなのとこぉ~」
首を伸ばして頬をすり合わせてくる息子に頬を緩ませる。
きっといの一番に渡したくて先に来たんだろう。現に後ろに控えている侍女を見ればひとつ頷いていた。
「ラディ。ママのところに行くけど一緒に行くか?」
「いくぅ!」
抱き着いたまましっぽをふわふわ揺らす姿は可愛いなと笑みが深くなる。
一度、息子の身体を抱きかかえ直すと短い腕を首に回してぎゅっと抱き着いて来る。それから「パパ」と呼んでくるので「ん?」と答える。
「おはな。はなしちゃだめだからね」
「ハハッ。離さねぇよ」
じっと大きな目で花を見ながら言う様に思わず笑いが洩れる。
息子がくれた可愛い花束を誰か離すものか。何だったら呪文を唱えずに魔法でこっそりと保護魔法をかけるくらいしてもいい。名案と指輪にはめこまれた魔法石が輝き花束に魔法の粉が纏う。
これなら何があっても息子から初めて貰った花束は護られる。
「お前もしっかりとパパに掴まってるんだぞ」
「うん!」
しっかり頷いてぎゅぅっと抱き着いて来る。その小さな手の一生懸命具合に笑いながらゆっくりと花が咲き誇る庭へと向かう。
* * *
「あっち、あっちね、あっち」と元気がよかった声は到着する前に体力を使い切ってしまった。今はこっちに体重をかけてすやすや夢の世界へ旅立ってしまった。
ほぼ一人で到着すると見慣れた妻の姿が見えた。彼女の名前を呼ぶと同じ小さな耳をピクリと動かしてしっぽを揺らして振り返る。
「レオナさん。それに、あら坊やは眠ってしまったんですね」
両腕に花を一杯に抱えたままくすくす笑う。
すっかり眠ってしまった息子を抱えたまま妻に近づく。同じようにジェマも花を抱えたまま近づいて来た。
「暑いでしょうし、侍女に連れてってもらいますか?」
「いや。このままでいい」
「よろしいんですか」
「おう」
すやすや寝ている息子の寝顔を一度見てから頭を緩く横に振る。
以前、寝ている間に侍女に連れてもらったときのことだ。起きたときに傍にいたはずのレオナがいないとラディがわんわん泣いたことがあった。だから余程のことがない限り寝ても抱っこしたままにする。
「あら花束。しっかり渡せたようでよかったです」
レオナが手にしている花束を見てジェマがまた眦を下げる。そして「魔法かけたんですね」と目ざとく花にかけた魔法に気づく。
「おう。可愛い息子の初めてのプレゼントだからな」
「あら。まぁまぁ、ふふ」
微笑ましさが溢れた様子のジェマに苦笑しながらその腕の中の花を見る。
「それもラディとこそこそ育てていた花か?」
「あら。バレていましたか。ふふ。種から植えてちゃんと水も上げて育てたんですよ」
「ほぉ。そいつはすげぇな」
感心の声をあげるが細かい世話はきっとジェマがしたんだろう。けど、ここまでしっかりと世話をしたという記憶はきっと息子にとっていいことだ。
ジェマのお蔭でラディはレオナが幼い頃に体験しなかったことをたくさんしている。そういうとき彼女の存在はとても大きく感じる。
「来年もやりたいって言ってましたよ」
「へぇ」
どうやら来年もまた花を贈ってくれるらしい。花に特別興味はないが二人が手塩にかけた花ならそこらへんの花とは比べものにならない。鮮度そのままに保護ができないのが惜しいが何か形に残らないか調べなければ。
「何とかして半永久的にも保護できたらいんだがな」
「魔法で鮮度維持をしなくてもドライフラワーや、レオナさんでしたら栞など実用的なものにもできますね」
「それはいいな」
妻の提案に機嫌を上げると腕の中の息子が少しむずがる声をあげる。
それに妻ともども口を紡ぐとまた頭の位置を直して眠り始めた。
「レオナさん」
ん、とジェマがいる方を見ると同時に柔らかな花の香りがした。花の香りに意識が向いていて彼女の気配へ対する意識が少しだけ薄れてしまった。
ちゅ
頬に柔らかな感触と共に可愛らしいリップ音がした。パッと顔を向けるとそこには恥ずかしそうに両腕に抱えた花に顔半分を埋める妻の姿がいた。
「レオナさん、お誕生日おめでとうございます。この世に生まれてきてくださってありがとうございます」
はにかみ花から顔を上げる姿は普段の凛々しい姿から想像でいないほど愛らしい。その妻の愛らしい姿にレオナの情緒は大変乱れた。
奥ゆかしい妻からの滅多にないキスに頬がだらしなく緩みそうになるのを耐える。何とか恰好をつけながら体を寄せる。
「どうしたよ」
「今日はレオナさんのお誕生日でありますでしょう」
「これでプレゼントは終わりか?」
「お花もそうです」
「それだけ?」
息子を落とさないように顔を寄せると##妻##は少し視線をさ迷わせた後。
「夜に……」
甘い囁きにレオナは満足げに笑みを深める。
「楽しみにまっているぜ」
そう言って先ほどのお返しというように妻の頬にキスを贈った。再びはにかむ妻にレオナも笑みを返した。
子どもが産まれてから自分の誕生日が少しだけ好きになったような気がする。
「パパぁ! こぇあげぅ!」
「ん!」と小さな両手には黄色い花で出来た手製らしい花束があった。それを掲げているのはまだまだ小さなレオナの愛しい息子ラディ。
数か月前からこそこそ妻のジェマと一緒になって何か始めたと思っていたら今日このときのためだったらしい。そういえば朝もなんだか一人そわそわしていたのはこの花束が要因だったらしい。
レオナは目に入れても痛くないほど可愛い息子の可愛さに眦を下げて腰をかがめる。
「パパにくれるのか?」
「ん! おたんじょーびのお花。ママといっしょにつくったのぉ」
にかっと口を開いて笑う姿に頬が緩む。唇の間から小さな歯が覗くその笑い方は少々間抜けにも見えるが可愛い。レオナにとって妻によく似た息子はすこぶる可愛いのだ。
「ありがとう。大切にする」
「んふ、うふふ、ん! してねぇ~」
小さな両手から花束を受け取ると息子が満足気に笑って抱き着いて来る。
まだまだ体温の高い柔らかい身体。その身体から熱がじんわりと移って来る。この夏場少々辛くも感じるが愛息子を邪険にすることはできない。
花を片手に持って小さな体を抱き上げて立つ。
「ママはどうした?」
「まだおはなのとこぉ~」
首を伸ばして頬をすり合わせてくる息子に頬を緩ませる。
きっといの一番に渡したくて先に来たんだろう。現に後ろに控えている侍女を見ればひとつ頷いていた。
「ラディ。ママのところに行くけど一緒に行くか?」
「いくぅ!」
抱き着いたまましっぽをふわふわ揺らす姿は可愛いなと笑みが深くなる。
一度、息子の身体を抱きかかえ直すと短い腕を首に回してぎゅっと抱き着いて来る。それから「パパ」と呼んでくるので「ん?」と答える。
「おはな。はなしちゃだめだからね」
「ハハッ。離さねぇよ」
じっと大きな目で花を見ながら言う様に思わず笑いが洩れる。
息子がくれた可愛い花束を誰か離すものか。何だったら呪文を唱えずに魔法でこっそりと保護魔法をかけるくらいしてもいい。名案と指輪にはめこまれた魔法石が輝き花束に魔法の粉が纏う。
これなら何があっても息子から初めて貰った花束は護られる。
「お前もしっかりとパパに掴まってるんだぞ」
「うん!」
しっかり頷いてぎゅぅっと抱き着いて来る。その小さな手の一生懸命具合に笑いながらゆっくりと花が咲き誇る庭へと向かう。
* * *
「あっち、あっちね、あっち」と元気がよかった声は到着する前に体力を使い切ってしまった。今はこっちに体重をかけてすやすや夢の世界へ旅立ってしまった。
ほぼ一人で到着すると見慣れた妻の姿が見えた。彼女の名前を呼ぶと同じ小さな耳をピクリと動かしてしっぽを揺らして振り返る。
「レオナさん。それに、あら坊やは眠ってしまったんですね」
両腕に花を一杯に抱えたままくすくす笑う。
すっかり眠ってしまった息子を抱えたまま妻に近づく。同じようにジェマも花を抱えたまま近づいて来た。
「暑いでしょうし、侍女に連れてってもらいますか?」
「いや。このままでいい」
「よろしいんですか」
「おう」
すやすや寝ている息子の寝顔を一度見てから頭を緩く横に振る。
以前、寝ている間に侍女に連れてもらったときのことだ。起きたときに傍にいたはずのレオナがいないとラディがわんわん泣いたことがあった。だから余程のことがない限り寝ても抱っこしたままにする。
「あら花束。しっかり渡せたようでよかったです」
レオナが手にしている花束を見てジェマがまた眦を下げる。そして「魔法かけたんですね」と目ざとく花にかけた魔法に気づく。
「おう。可愛い息子の初めてのプレゼントだからな」
「あら。まぁまぁ、ふふ」
微笑ましさが溢れた様子のジェマに苦笑しながらその腕の中の花を見る。
「それもラディとこそこそ育てていた花か?」
「あら。バレていましたか。ふふ。種から植えてちゃんと水も上げて育てたんですよ」
「ほぉ。そいつはすげぇな」
感心の声をあげるが細かい世話はきっとジェマがしたんだろう。けど、ここまでしっかりと世話をしたという記憶はきっと息子にとっていいことだ。
ジェマのお蔭でラディはレオナが幼い頃に体験しなかったことをたくさんしている。そういうとき彼女の存在はとても大きく感じる。
「来年もやりたいって言ってましたよ」
「へぇ」
どうやら来年もまた花を贈ってくれるらしい。花に特別興味はないが二人が手塩にかけた花ならそこらへんの花とは比べものにならない。鮮度そのままに保護ができないのが惜しいが何か形に残らないか調べなければ。
「何とかして半永久的にも保護できたらいんだがな」
「魔法で鮮度維持をしなくてもドライフラワーや、レオナさんでしたら栞など実用的なものにもできますね」
「それはいいな」
妻の提案に機嫌を上げると腕の中の息子が少しむずがる声をあげる。
それに妻ともども口を紡ぐとまた頭の位置を直して眠り始めた。
「レオナさん」
ん、とジェマがいる方を見ると同時に柔らかな花の香りがした。花の香りに意識が向いていて彼女の気配へ対する意識が少しだけ薄れてしまった。
ちゅ
頬に柔らかな感触と共に可愛らしいリップ音がした。パッと顔を向けるとそこには恥ずかしそうに両腕に抱えた花に顔半分を埋める妻の姿がいた。
「レオナさん、お誕生日おめでとうございます。この世に生まれてきてくださってありがとうございます」
はにかみ花から顔を上げる姿は普段の凛々しい姿から想像でいないほど愛らしい。その妻の愛らしい姿にレオナの情緒は大変乱れた。
奥ゆかしい妻からの滅多にないキスに頬がだらしなく緩みそうになるのを耐える。何とか恰好をつけながら体を寄せる。
「どうしたよ」
「今日はレオナさんのお誕生日でありますでしょう」
「これでプレゼントは終わりか?」
「お花もそうです」
「それだけ?」
息子を落とさないように顔を寄せると##妻##は少し視線をさ迷わせた後。
「夜に……」
甘い囁きにレオナは満足げに笑みを深める。
「楽しみにまっているぜ」
そう言って先ほどのお返しというように妻の頬にキスを贈った。再びはにかむ妻にレオナも笑みを返した。
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