金吾受
まだ知らなかったキミのこと
さらりと肩に流れる髪の毛は随分と短くなった。
五年の中頃までは腰までありよく遊ばれていたのを覚えている。そして、皆触り心地がよかったのかよく彼の髪に触れていた。
平太は思わず笑みが零れる。金吾の髪が長かった頃は他人が触れるだけよく嫉妬したものだ。
「今も嫉妬はするけど」
「ん、なに?」
「いや、随分と思いきり切ったなって思ったから」
流れる金吾の髪の毛に触れる。先ほどまでお互い乱れていた所為か髪の毛は湿っていた。それでも柔らかく触り心地がいい。
金吾もさして気になる様子がないのか平太にされるがままだ。
その様子が可愛らしく目を細めながら平太は彼を抱き寄せながら囁くように問う。
「何かあったの?」
「たいして深い理由はないよ。なんだかいきなり邪魔になってさ。滝夜叉丸先輩たちも卒業したからいっかなぁって」
「え? 先輩たちに言われて伸ばしていたの?」
初耳のことに平太は目を丸くさせる。
金吾も同じく目を丸くさせながら言わなかったけ、と瞬かせている。
「聞いてない」
「そうだったか。うん。なんか卒業していった先輩たちが『伸ばした方がいい!』っていうからさ。ただ、何となく」
「へぇ。特に思い入れはないの?」
「ん~。ちょっと。でもほんとにちょっとだよ」
ほんとだよ、と何に取り繕っているのだろうか。
十五歳での愛らしい取り繕い方に平太は肩を震わせて笑った。
「笑うことないだろ」
「ごめ、けど、金吾眠いんだね」
むっとする金吾の表情はとろりと寝る一歩手前という様だ。
ようやく先ほどの疲れがやってきたようだ。もう目が閉じたりしている。
「寝なよ。まだ夜だし」
「ん……へいた、も」
「わかってるよ」
普段は頑張っている彼は寝る前などは甘えん坊になる。それも平太のみと思うと嬉しい。
穏やかな寝息が聞こえると平太は丸くなって眠る金吾を抱き込んで目を閉じた。
2025.08.02 サイト再掲に伴い改題
さらりと肩に流れる髪の毛は随分と短くなった。
五年の中頃までは腰までありよく遊ばれていたのを覚えている。そして、皆触り心地がよかったのかよく彼の髪に触れていた。
平太は思わず笑みが零れる。金吾の髪が長かった頃は他人が触れるだけよく嫉妬したものだ。
「今も嫉妬はするけど」
「ん、なに?」
「いや、随分と思いきり切ったなって思ったから」
流れる金吾の髪の毛に触れる。先ほどまでお互い乱れていた所為か髪の毛は湿っていた。それでも柔らかく触り心地がいい。
金吾もさして気になる様子がないのか平太にされるがままだ。
その様子が可愛らしく目を細めながら平太は彼を抱き寄せながら囁くように問う。
「何かあったの?」
「たいして深い理由はないよ。なんだかいきなり邪魔になってさ。滝夜叉丸先輩たちも卒業したからいっかなぁって」
「え? 先輩たちに言われて伸ばしていたの?」
初耳のことに平太は目を丸くさせる。
金吾も同じく目を丸くさせながら言わなかったけ、と瞬かせている。
「聞いてない」
「そうだったか。うん。なんか卒業していった先輩たちが『伸ばした方がいい!』っていうからさ。ただ、何となく」
「へぇ。特に思い入れはないの?」
「ん~。ちょっと。でもほんとにちょっとだよ」
ほんとだよ、と何に取り繕っているのだろうか。
十五歳での愛らしい取り繕い方に平太は肩を震わせて笑った。
「笑うことないだろ」
「ごめ、けど、金吾眠いんだね」
むっとする金吾の表情はとろりと寝る一歩手前という様だ。
ようやく先ほどの疲れがやってきたようだ。もう目が閉じたりしている。
「寝なよ。まだ夜だし」
「ん……へいた、も」
「わかってるよ」
普段は頑張っている彼は寝る前などは甘えん坊になる。それも平太のみと思うと嬉しい。
穏やかな寝息が聞こえると平太は丸くなって眠る金吾を抱き込んで目を閉じた。
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