エース
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来年きっと、
「エースくんのお誕生日って新学期なんだ」
『そ。だから昔から「もー過ぎてんじゃん!」ってよく言われた』
『けどここでは無理だったわ』と言いながら苦笑いをしながらループタイを揺らすエースくん。その姿はいつもの白いシャツじゃなくて黒のシャツだった。どうやらナイトレイブンカレッジではお誕生日の生徒は特別な衣装をその日に着るらしい。
『知らない先輩とかにまで「おめでとー」なんて言われるんだぜ。びっくりするつーの』
「ふふ。そうだね。あ、でもお兄さんが卒業生じゃなかったっけ?」
『そ! そーなんだけど兄貴の奴こんなこと一度も話してくれなかったわ……』
はぁと溜息をつく画面越しのエースくんに見たこともないお兄さんの笑い顔が浮かぶ。たぶん、エースくんにもこの恥ずかしさとか体験してもらいたかったんだろう。意地悪なお兄さんみたいだけれどエースくんがその立場だったら同じことしそう。似た者兄弟なのが伝わってくる。
くすくす笑いながらもワタシはひとつがっかりとしたことを話す。
「ワタシ、何も用意できなかったなぁ」
『ん? 別にいいよ。オレも言ってなかったしお互い話題にならなかったし』
気にすんな、とエースくんは言うけれど。ワタシはやっぱり大切なお友達の誕生日をお祝いしたかった。でも、まだお友達になったばっかりで何を送っていいかわからない。欲しい物といってもすぐに用意できないし男の子への贈物なんて全く想像がつかない。
『あ、お前の誕生日は? いつなの?』
「え」と突然の質問に目を瞬かせるとエースくんが僅かに視線を逸らす。それから頬を掻いて「あー」と言いながら「一応、ほら、オレの知ったじゃん」と歯切れ悪く言う。もしかして気にしてくれたのかなと思うと心がホワホワした暖かさが浮かぶ。嬉しくって、嬉しくて頬がとろけそうになるのを必死に耐えながら答える。
すると、エースくんは「ぴったりだな」と笑って何度か口にして覚えたと言ってくれた。そしれ、パチンと綺麗なウィンクをして「楽しみにしてろよ」と言った。
「もしかして何かしてくれるの」
『それも含めて楽しみにしてろって』
にんまり猫のように笑うエースくんに今から誕生日が楽しみになる。同時にやっぱり今年の今日お祝いできなかったことが寂しく、悔しい。
「やっぱり遅れてでも誕生日プレゼント用意するね」
『いや。だから今年はもーいいって』
「でも」
『あぁ~ならさ』
白い頬を薄ら染めながらエースくんが頭を掻きながら言う。その照れた姿に何だかこっちもつられて照れそうになる。一体何を言われるのかとドキドキしていれば――。
『来年、来年さ、期待してる』
「来年」と繰り返せばエースくんは『おう』と頷いた。それからまた口を開いて。
『来年も、再来年も、もっと先もあるじゃん』
だから気にするなと言う彼はとても照れくさそうだった。前髪をぐしゃっとして『らしくねぇこと言った』と付け足す。これにワタシの心臓が破裂しそうになる。これから先もエースくんと友達でいられるということなんだと思う。でも、何だか、何だかエースくんの言い方だと違うような。
違う。違う。ワタシが勝手に勘違いしているだけ。ワタシが勝手に舞い上がっているだけ。友達の多い彼の言葉を深読みしてはいけない。いや、いや、深読みってなに。
『おい? どしたの?』
「ぁ、えっと、来年もエースくんと友達なんだと思ったら嬉しくね」
『んだよ、それ……』
むすっとした顔をするエースくんにワタシは「え、ぇっと」と焦ってしまう。何だか茶化されると思ったのにちょっと違う反応に驚く。
『お前はさぁ……オレと友達のまんまでいいの?』
じっと夕陽の色に似た赤い瞳が真っ直ぐにワタシを見る。それにやっぱりワタシはどう反応していいか困った。だって、困るでしょう。そんなどうすればいいのかな。
「えっと、えっと、」
『あ~あ、今はいいよ』
『悪かった』と言うエースくんに申し訳なくなる。だって、まだそんな男の子と友達になったことがないから分からない。このエースくんの問いかけにどう答えていいか。ワタシが思うことで間違いないのか。
『来年。来年の今日また聞くかんな』
「え」
どうしようと悩んでいたらそんなことを言われた。エースくんはふんと鼻を鳴らしてちょっと目尻をつり上げた。
『お前まだ全然経験値ねぇからオレが経験値増やしてやる』
「ん? う、うん。よろしくお願いします」
『おーよ』
何だかやる気に満ち始める彼に首を傾げるけれど来年こそと思う自分がいる。
「来年はバッチリプレゼントも――答えも用意できるように頑張ります!」
『待ってるぜ!』
最後にニカッと笑うエースくんが見えてワタシの胸はまだ見ぬ未来に胸躍らせた。
「エースくんのお誕生日って新学期なんだ」
『そ。だから昔から「もー過ぎてんじゃん!」ってよく言われた』
『けどここでは無理だったわ』と言いながら苦笑いをしながらループタイを揺らすエースくん。その姿はいつもの白いシャツじゃなくて黒のシャツだった。どうやらナイトレイブンカレッジではお誕生日の生徒は特別な衣装をその日に着るらしい。
『知らない先輩とかにまで「おめでとー」なんて言われるんだぜ。びっくりするつーの』
「ふふ。そうだね。あ、でもお兄さんが卒業生じゃなかったっけ?」
『そ! そーなんだけど兄貴の奴こんなこと一度も話してくれなかったわ……』
はぁと溜息をつく画面越しのエースくんに見たこともないお兄さんの笑い顔が浮かぶ。たぶん、エースくんにもこの恥ずかしさとか体験してもらいたかったんだろう。意地悪なお兄さんみたいだけれどエースくんがその立場だったら同じことしそう。似た者兄弟なのが伝わってくる。
くすくす笑いながらもワタシはひとつがっかりとしたことを話す。
「ワタシ、何も用意できなかったなぁ」
『ん? 別にいいよ。オレも言ってなかったしお互い話題にならなかったし』
気にすんな、とエースくんは言うけれど。ワタシはやっぱり大切なお友達の誕生日をお祝いしたかった。でも、まだお友達になったばっかりで何を送っていいかわからない。欲しい物といってもすぐに用意できないし男の子への贈物なんて全く想像がつかない。
『あ、お前の誕生日は? いつなの?』
「え」と突然の質問に目を瞬かせるとエースくんが僅かに視線を逸らす。それから頬を掻いて「あー」と言いながら「一応、ほら、オレの知ったじゃん」と歯切れ悪く言う。もしかして気にしてくれたのかなと思うと心がホワホワした暖かさが浮かぶ。嬉しくって、嬉しくて頬がとろけそうになるのを必死に耐えながら答える。
すると、エースくんは「ぴったりだな」と笑って何度か口にして覚えたと言ってくれた。そしれ、パチンと綺麗なウィンクをして「楽しみにしてろよ」と言った。
「もしかして何かしてくれるの」
『それも含めて楽しみにしてろって』
にんまり猫のように笑うエースくんに今から誕生日が楽しみになる。同時にやっぱり今年の今日お祝いできなかったことが寂しく、悔しい。
「やっぱり遅れてでも誕生日プレゼント用意するね」
『いや。だから今年はもーいいって』
「でも」
『あぁ~ならさ』
白い頬を薄ら染めながらエースくんが頭を掻きながら言う。その照れた姿に何だかこっちもつられて照れそうになる。一体何を言われるのかとドキドキしていれば――。
『来年、来年さ、期待してる』
「来年」と繰り返せばエースくんは『おう』と頷いた。それからまた口を開いて。
『来年も、再来年も、もっと先もあるじゃん』
だから気にするなと言う彼はとても照れくさそうだった。前髪をぐしゃっとして『らしくねぇこと言った』と付け足す。これにワタシの心臓が破裂しそうになる。これから先もエースくんと友達でいられるということなんだと思う。でも、何だか、何だかエースくんの言い方だと違うような。
違う。違う。ワタシが勝手に勘違いしているだけ。ワタシが勝手に舞い上がっているだけ。友達の多い彼の言葉を深読みしてはいけない。いや、いや、深読みってなに。
『おい? どしたの?』
「ぁ、えっと、来年もエースくんと友達なんだと思ったら嬉しくね」
『んだよ、それ……』
むすっとした顔をするエースくんにワタシは「え、ぇっと」と焦ってしまう。何だか茶化されると思ったのにちょっと違う反応に驚く。
『お前はさぁ……オレと友達のまんまでいいの?』
じっと夕陽の色に似た赤い瞳が真っ直ぐにワタシを見る。それにやっぱりワタシはどう反応していいか困った。だって、困るでしょう。そんなどうすればいいのかな。
「えっと、えっと、」
『あ~あ、今はいいよ』
『悪かった』と言うエースくんに申し訳なくなる。だって、まだそんな男の子と友達になったことがないから分からない。このエースくんの問いかけにどう答えていいか。ワタシが思うことで間違いないのか。
『来年。来年の今日また聞くかんな』
「え」
どうしようと悩んでいたらそんなことを言われた。エースくんはふんと鼻を鳴らしてちょっと目尻をつり上げた。
『お前まだ全然経験値ねぇからオレが経験値増やしてやる』
「ん? う、うん。よろしくお願いします」
『おーよ』
何だかやる気に満ち始める彼に首を傾げるけれど来年こそと思う自分がいる。
「来年はバッチリプレゼントも――答えも用意できるように頑張ります!」
『待ってるぜ!』
最後にニカッと笑うエースくんが見えてワタシの胸はまだ見ぬ未来に胸躍らせた。
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