あなたの体温を知りたいけど
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◆ エース視点
9月の誕生日を迎えて誰よりも早く18歳を迎えた。そんで4年生が学外実習に出ているため学園内の実質的な最上級生だ。一番トップになると色々やりやすくなるといえばなるが面倒ごとも増えるのも事実。なんて、考えながらオレは後輩指導とか、勉強とか、部活とか、進路とかの悩みなんかよりも大きな悩みを抱えていた。
「もう3年なんだよな」
ようやく一人部屋となった部屋でベッドに横になって独り言を呟いても大丈夫。ほんと一人部屋万歳。
なんて考えている場合じゃない。オレにはとっても大きい悩みがある。しかも、おいそれと他人に相談することができないでっけぇ悩みがある。
「うぅっ、付き合って2年目……」
恋人のルルと付き合って2年目になった。1年生の終盤に付き合い始めてついこの間1年に経った。そして、今2年目に突入している。
なんやかんや上手くいっている。恋人としてとても順調に進んでいる――そう、進んでいるのだけれど。
――まだセックスはできてねぇんだよなぁ~~。
流石に独り言でいうのもちょっと躊躇する悩みであり、オレが今、抱える一番大きな悩み。恋人とまだセックスできていないということだ。
手も繋いでいるし、キスだってしている。でも、まだセックスはしていない。お互い辺境の学校に通っているし、寮生活だから機会が得られないというのが前提にあるが――それだけが〝できない〟理由じゃない。
彼女は身体が小さい。出会った頃なんかは小学生に間違えたくらいの小柄だった。あいつも3年生の18歳になるけれど、小柄なのは変わらない。
ちなみにオレはしっかりと身長が伸びた。流石にジャックやセベクほどの身長ではないけれど、1年生の頃に比べればだいぶ伸びた。身長が伸びたのは嬉しかったけど、おかげでルルと身長の差がまた開いた。
身体が小さい。横に並んだときや、抱きしめたときなんかはより感じる。
――そんなところも好きなんだけれど……小せぇよなぁ。
思わず腕を囲って恋人の体の小ささを思い出す。本当に小さいし、柔らかい。あの身体を抱くとなると――想像した内容を慌てて頭から追い出す。
オレ自身、女子と付き合ったことがあってもそこまでの経験はない。もちろん、ルルもオレ以外との経験はない。お互い初めて同士。そうなると――。
――失敗しそぉ。
それだけはぜってぇヤダ。初めて失敗したら2回目のタイミングすっげぇ難しそう。多くの男たちはどうやって〝初めて〟を失敗せずに通過できるのか。それとも多くの男たちは失敗して学ぶのか。つか、失敗してまた同じ子とできるのか。
――え。もしかして2回目は別の女子とかってこと?
破局、という言葉が脳裏にチラつき思わず顔を両手に覆って呻く。こんな奇行も一人部屋だから許される。
誰かに相談したい内容だが――まず同級生であるデュースたちに相談できない。オレよりも経験値低い奴らに相談なんかできねぇよ。
なら、とすぐ上の先輩たちが頭に浮かんだ。何人かは恋人がいるという噂を聞いたことがある。なんなら部活が同じだったフロイド先輩はめちゃくちゃ美人の恋人がいるだとか。けど、フロイド先輩になんか相談したらアズール先輩ではないにしろ何を要求されるやら。そもそもフロイド先輩が〝普通〟のお付き合いをしているのが想像できない。
というか、すぐ上の学年は学外実習で忙しすぎて気軽に連絡が取れない。なら、と浮かぶのは卒業したばかりのトレイ先輩とケイト先輩の二人。二人とも恋人がいるとは聞いている。経験もある……気がする。たぶん。
「そうなるとケイト先輩、かな?」
トレイ先輩は修行とかだとかで実家とは別のケーキ屋に就職した忙しい社会人。ケイト先輩はオレらと同じで勉強があまり好きではないのになぜか大学に進学した。理由は濁されたけれど何かあるらしい。というわけで大学生になったばかりとはいえケイト先輩の方が時間に余裕があるような気もする……。
「いっちょしてみる?」
んー。でも、同性とはいえこういう相談ってどう切り出せばいいんだ。あと、どこで相談すればいい。そもそもいきなり連絡とって迷惑にならないか。
ぐるぐると思考の渦に巻き込まれる。一人、頭を抱えていると、もう一人相談できる可能性がある人を思い出す。
「兄貴がいたわな」
すっかり忘れてた。過去に兄貴に恋人がいた覚えがある。長く続いたかどうか分かんねぇけど。たぶん、経験はあるはず。うん、流石にあんだろ。いや、どうかな。
つか、同性の先輩に相談すんのも難しいけれど、身内に相談するのはなんか恥ずかしい。いや、恥ずかしいわ。
「ん~~まぁ別に急がなくても」
なんて、なんて、言ってみてもシたい。
欲求不満というわけではない。そんなの2年生のときに置いてきたし。ほんとあの頃のオレはすごく誠実だったよ。紳士、紳士、さすが薔薇の王国出身だよ。
――いや、別に、別にぃ! ルルに合わるのがイヤってわけじゃねぇよ!
たまにもどかしくてしょうがなくなるけど。でも、だからって無理矢理どうこうしたいわけでもないし。そんで嫌われるのイヤだし、別れるのだってイヤだし。
「実際問題、あいつはどーなんだ?」
女子から誘うって聞かないわけじゃないし、ルルもたまぁに自分からキスとか強請ってくれるし、してくれるし。それも頻繁ってわけじゃない。ほんとたまぁにで、しかもそれで満足気だし。そのときの顔を思い出して頬が緩むついいでに思い出す。
「って、そんなこと考えてる場合じゃねぇっての」
どうしたら誘えるか。そもそもルルはイヤじゃないか。というか、どこかヤる場所探さないと。色んな考えが頭をぐるぐる廻ったけれど、その日結局答えはでなかった。
「はぁ。どーしたらい~んだろ」
9月の誕生日を迎えて誰よりも早く18歳を迎えた。そんで4年生が学外実習に出ているため学園内の実質的な最上級生だ。一番トップになると色々やりやすくなるといえばなるが面倒ごとも増えるのも事実。なんて、考えながらオレは後輩指導とか、勉強とか、部活とか、進路とかの悩みなんかよりも大きな悩みを抱えていた。
「もう3年なんだよな」
ようやく一人部屋となった部屋でベッドに横になって独り言を呟いても大丈夫。ほんと一人部屋万歳。
なんて考えている場合じゃない。オレにはとっても大きい悩みがある。しかも、おいそれと他人に相談することができないでっけぇ悩みがある。
「うぅっ、付き合って2年目……」
恋人のルルと付き合って2年目になった。1年生の終盤に付き合い始めてついこの間1年に経った。そして、今2年目に突入している。
なんやかんや上手くいっている。恋人としてとても順調に進んでいる――そう、進んでいるのだけれど。
――まだセックスはできてねぇんだよなぁ~~。
流石に独り言でいうのもちょっと躊躇する悩みであり、オレが今、抱える一番大きな悩み。恋人とまだセックスできていないということだ。
手も繋いでいるし、キスだってしている。でも、まだセックスはしていない。お互い辺境の学校に通っているし、寮生活だから機会が得られないというのが前提にあるが――それだけが〝できない〟理由じゃない。
彼女は身体が小さい。出会った頃なんかは小学生に間違えたくらいの小柄だった。あいつも3年生の18歳になるけれど、小柄なのは変わらない。
ちなみにオレはしっかりと身長が伸びた。流石にジャックやセベクほどの身長ではないけれど、1年生の頃に比べればだいぶ伸びた。身長が伸びたのは嬉しかったけど、おかげでルルと身長の差がまた開いた。
身体が小さい。横に並んだときや、抱きしめたときなんかはより感じる。
――そんなところも好きなんだけれど……小せぇよなぁ。
思わず腕を囲って恋人の体の小ささを思い出す。本当に小さいし、柔らかい。あの身体を抱くとなると――想像した内容を慌てて頭から追い出す。
オレ自身、女子と付き合ったことがあってもそこまでの経験はない。もちろん、ルルもオレ以外との経験はない。お互い初めて同士。そうなると――。
――失敗しそぉ。
それだけはぜってぇヤダ。初めて失敗したら2回目のタイミングすっげぇ難しそう。多くの男たちはどうやって〝初めて〟を失敗せずに通過できるのか。それとも多くの男たちは失敗して学ぶのか。つか、失敗してまた同じ子とできるのか。
――え。もしかして2回目は別の女子とかってこと?
破局、という言葉が脳裏にチラつき思わず顔を両手に覆って呻く。こんな奇行も一人部屋だから許される。
誰かに相談したい内容だが――まず同級生であるデュースたちに相談できない。オレよりも経験値低い奴らに相談なんかできねぇよ。
なら、とすぐ上の先輩たちが頭に浮かんだ。何人かは恋人がいるという噂を聞いたことがある。なんなら部活が同じだったフロイド先輩はめちゃくちゃ美人の恋人がいるだとか。けど、フロイド先輩になんか相談したらアズール先輩ではないにしろ何を要求されるやら。そもそもフロイド先輩が〝普通〟のお付き合いをしているのが想像できない。
というか、すぐ上の学年は学外実習で忙しすぎて気軽に連絡が取れない。なら、と浮かぶのは卒業したばかりのトレイ先輩とケイト先輩の二人。二人とも恋人がいるとは聞いている。経験もある……気がする。たぶん。
「そうなるとケイト先輩、かな?」
トレイ先輩は修行とかだとかで実家とは別のケーキ屋に就職した忙しい社会人。ケイト先輩はオレらと同じで勉強があまり好きではないのになぜか大学に進学した。理由は濁されたけれど何かあるらしい。というわけで大学生になったばかりとはいえケイト先輩の方が時間に余裕があるような気もする……。
「いっちょしてみる?」
んー。でも、同性とはいえこういう相談ってどう切り出せばいいんだ。あと、どこで相談すればいい。そもそもいきなり連絡とって迷惑にならないか。
ぐるぐると思考の渦に巻き込まれる。一人、頭を抱えていると、もう一人相談できる可能性がある人を思い出す。
「兄貴がいたわな」
すっかり忘れてた。過去に兄貴に恋人がいた覚えがある。長く続いたかどうか分かんねぇけど。たぶん、経験はあるはず。うん、流石にあんだろ。いや、どうかな。
つか、同性の先輩に相談すんのも難しいけれど、身内に相談するのはなんか恥ずかしい。いや、恥ずかしいわ。
「ん~~まぁ別に急がなくても」
なんて、なんて、言ってみてもシたい。
欲求不満というわけではない。そんなの2年生のときに置いてきたし。ほんとあの頃のオレはすごく誠実だったよ。紳士、紳士、さすが薔薇の王国出身だよ。
――いや、別に、別にぃ! ルルに合わるのがイヤってわけじゃねぇよ!
たまにもどかしくてしょうがなくなるけど。でも、だからって無理矢理どうこうしたいわけでもないし。そんで嫌われるのイヤだし、別れるのだってイヤだし。
「実際問題、あいつはどーなんだ?」
女子から誘うって聞かないわけじゃないし、ルルもたまぁに自分からキスとか強請ってくれるし、してくれるし。それも頻繁ってわけじゃない。ほんとたまぁにで、しかもそれで満足気だし。そのときの顔を思い出して頬が緩むついいでに思い出す。
「って、そんなこと考えてる場合じゃねぇっての」
どうしたら誘えるか。そもそもルルはイヤじゃないか。というか、どこかヤる場所探さないと。色んな考えが頭をぐるぐる廻ったけれど、その日結局答えはでなかった。
「はぁ。どーしたらい~んだろ」
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