最期を迎えるその日まで
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◆ 蘭視点
オレは黄色の石が大小二つ着いた指輪を海に投げ飛ばす。横に立っている竜胆が「ぁ」と小さな声を上げる。けれど、もう遅い指輪は綺麗な弧を描いて大海へと落ちて行った。
「これでよし」
「何がいいんだよ」
不満顔の竜胆にニヤリと笑う。すると竜胆は勝気な眉をさらに上げて「なに」と唇を尖らせる。そんな弟を見て「可哀想だったからさ」と答えて車に寄り掛かる。
「可哀想って?」
「だって、橙子のやつ、欠片になってもあんなところに押し込められて可哀想だろ」
「なら、せめて外してやれよ」
「外しかた分かんねぇし」
竜胆が深く溜息をつくと同じく車に寄り掛かった。それからぼんやりと夕陽に染まりつつある海を見る。その横顔が何とも言えずオレは目を逸らすように海を見る。
「橙子のやつ、結構バカだったんだな」
「ブハッ。バカってオマエな」
唐突なディスりに笑いが納まらない。口を押えながら逸らした視線を竜胆に戻して目を瞬かせる。
「オマエ、ディスってたくせに泣いてんのかよ」
「いや。ディスらずにはいられねぇだろ」
ぐいぐいと涙を拭いながら「マジでバカ」と死んだ人間の悪口を言う。でも、まぁ、一言二言は言いたくはなるよな。でも、せめて愛の言葉でも言えばって感じ。いや、似合わねぇわ。
「ハァ。そろそろ行く?」
「まぁ。ここに橙子はいねぇしな」
男が日本海に橙子を遺灰ばらまいたとか言うから九井たちに仕事を押しつけて福井県まで来た。いや、なんで捨てるにしても東尋坊だよ。つか、普通に骨壺に入れて墓に入れてやれよ。その方がオレらだって墓参りに行けんのに。
「なぁ。兄貴、福井じゃなくて金沢行かねぇ?」
「お。いいな」
ついでに旅行していくか。さっきまで泣きべそをかいていた竜胆はすっかり笑顔になっている。その笑顔によかった、と思いながら海に背を向け歩き出す。
「そういえば、橙子と竜胆で金沢行きたかったんだよね」
「じゃあ、そのコースで行く?」
「いや、別に考えてはねぇから適当に遊ぼうぜ」
「わぁった」
オレが運転席、竜胆が回り込んで助手席。二人揃って車に乗り込んで妙に薄暗い場所を後にした。
オレは黄色の石が大小二つ着いた指輪を海に投げ飛ばす。横に立っている竜胆が「ぁ」と小さな声を上げる。けれど、もう遅い指輪は綺麗な弧を描いて大海へと落ちて行った。
「これでよし」
「何がいいんだよ」
不満顔の竜胆にニヤリと笑う。すると竜胆は勝気な眉をさらに上げて「なに」と唇を尖らせる。そんな弟を見て「可哀想だったからさ」と答えて車に寄り掛かる。
「可哀想って?」
「だって、橙子のやつ、欠片になってもあんなところに押し込められて可哀想だろ」
「なら、せめて外してやれよ」
「外しかた分かんねぇし」
竜胆が深く溜息をつくと同じく車に寄り掛かった。それからぼんやりと夕陽に染まりつつある海を見る。その横顔が何とも言えずオレは目を逸らすように海を見る。
「橙子のやつ、結構バカだったんだな」
「ブハッ。バカってオマエな」
唐突なディスりに笑いが納まらない。口を押えながら逸らした視線を竜胆に戻して目を瞬かせる。
「オマエ、ディスってたくせに泣いてんのかよ」
「いや。ディスらずにはいられねぇだろ」
ぐいぐいと涙を拭いながら「マジでバカ」と死んだ人間の悪口を言う。でも、まぁ、一言二言は言いたくはなるよな。でも、せめて愛の言葉でも言えばって感じ。いや、似合わねぇわ。
「ハァ。そろそろ行く?」
「まぁ。ここに橙子はいねぇしな」
男が日本海に橙子を遺灰ばらまいたとか言うから九井たちに仕事を押しつけて福井県まで来た。いや、なんで捨てるにしても東尋坊だよ。つか、普通に骨壺に入れて墓に入れてやれよ。その方がオレらだって墓参りに行けんのに。
「なぁ。兄貴、福井じゃなくて金沢行かねぇ?」
「お。いいな」
ついでに旅行していくか。さっきまで泣きべそをかいていた竜胆はすっかり笑顔になっている。その笑顔によかった、と思いながら海に背を向け歩き出す。
「そういえば、橙子と竜胆で金沢行きたかったんだよね」
「じゃあ、そのコースで行く?」
「いや、別に考えてはねぇから適当に遊ぼうぜ」
「わぁった」
オレが運転席、竜胆が回り込んで助手席。二人揃って車に乗り込んで妙に薄暗い場所を後にした。
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