貴方を想って手紙に綴る
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貴方を想って手紙に綴る
今日はあいにく晴天とは言い難い薄っすらと雲が覆った空。その所為か、街全体から寒さを感じる。
寒さを感じながら街の中心に聳え立つ城が見えた。近寄り難さを感じるほどの威厳に満ちている城の傍に降りるとお母様が言う。
ドキドキする。上手く着地できるだろうか。下降していく両親につていくように姿勢を整える。そして、城がぐんぐんと近づくと両親の姿が淡く輝きだす。
緊張で魔法を忘れそうになるけれど、何回も練習したことを思い出し私も人型へと姿を変える。それから上手く着陸できるように風魔法を使ってと手順をこなしていく。
重かった身体は軽くなり、ふわっと身体が浮いてここ数年やっと違和感がなくなった足で地面を踏む。
「できたっ」
閉じていた目を開いて先に着陸していた両親を見る。両親は目を細めて私の頭を撫でながら「よくできた」、「上手くなった」と褒めてくださった。
嬉しさに唇がもにゅもにゅしていると城の奥から誰かができた。城からの使いらしい。恭しくだが、どこか余所余所しく両親に対応している。
何だかそれにモヤモヤしているけれど、両親は気にしている様子がない。気づいていないわけではないから気にしていないのだろうけれど、どうしてだろう。
私たち家族はその使いの妖精の後に続いて城内へ入る。城の中は温かみのひとつもなかった。薄暗く人を寄せ付けない色が外で見るよりも強く感じる。
それとも私たち家族が招かれざる者なのか。何だか怖くてお父様とお母様の手を握る。二人は何も言うことなく私の小さな手を握り返してくれた。それに安心しているとひと際豪華な部屋へと通された。
こうした部屋は絵本で見たことがある女王様や王様がいるお部屋だ。そして、両親の話では今この国を治めているのは女王様のマレフィシア様というお方。
まもなくそのお方が現れた。威厳に溢れた女王様に両親が頭を下げるのを見て私も教わった通りに頭を下げる。けれど、すぐに気兼ねなく、と言うので両親は恭しい態度からまるで親戚のような態度へと変わる。それに部屋の隅にいる妖精たちから刺々しい空気が発せられるが、すぐに女王様が窘め引っ込まれた。
ほっとしていると名前を呼ばれる。女王様は眦を下げて柔らかな表情へと変わっていた。
「ベアトリス?」
「ぁ、はい。ベアトリスと申しますっ」
お母様に名前を呼ばれて慌て自分の名前を告げる。女王陛下は私の粗相に顔を顰めることなく頷く。
一体何だろうか。妙に身体が落ち着いかないとなると女王陛下が両親だけと話したいことがあると告げる。そうすると私はどうなるのかと思ったら――。
目の前に私と同じくらいのドラゴンの子どもが現れた。
いや、あちらからしたらいきなり現れたのは私の方なんだろうけれど……。
侍従の妖精に連れられてやって来た部屋に一人のドラゴンの角を持った子どもがいた。たぶん、人型の姿から私とそう変わらない年齢。
あちらは私を見て大きなつり気味の瞳をパチパチさせている。好奇心に満ちた瞳というのか。物珍しいものを見る瞳だ。
ドラゴンの末裔は世界中に散らばっているがもう少ないとお父様、お母様、それにお祖父様にお祖母様が言っていた。だから、どこへ行っても珍しがられるのだ、と。同年代となるとさらに希少だとか。なら、今目の前にいる子どもは私から見ても希少な同年代となるのか。
「きみが、おばあ様が言っていた〝お客様〟?」
「おばあ様……」
「ん? きみは会ってないの?」
パチパチ目を瞬かせて聞かれた。この流れだときっとこの子がいう〝おばあ様〟というのは〝マレフィシア様〟のことだろう。そういえば、お孫様がいるとか両親が言っていたような。どうやら私の相手をお孫様が直にしてくださるご様子。
「私が、たぶん、お客様だと思います……他に居なければですが」
「うん。僕と変わらない女の子だけだと言っていたからきみだよ……」
知っていたのか。ならなぜ問いかけた。いや、いいや。
私は尾にもつれないようにお孫様の傍に行く。すると、お孫様もソファから立ち上がり私の目の前に来た。
身長はそう変わらない。けれど私の巻いた角と違って、お孫様の角はまっすぐ伸びているから少し高く見える。
とりあえず女王様のときと同じように姿勢を正す。
それに合わせるようにお孫様も姿勢を正した。しっかりと見つめた先の瞳は蛍の光のように淡く輝いたように見えた。
「私はベアトリス・ジールと申します」
「僕はマレウス・ドラコニアだ」
これがお孫様ことマレウスと私の出会い。
今日はあいにく晴天とは言い難い薄っすらと雲が覆った空。その所為か、街全体から寒さを感じる。
寒さを感じながら街の中心に聳え立つ城が見えた。近寄り難さを感じるほどの威厳に満ちている城の傍に降りるとお母様が言う。
ドキドキする。上手く着地できるだろうか。下降していく両親につていくように姿勢を整える。そして、城がぐんぐんと近づくと両親の姿が淡く輝きだす。
緊張で魔法を忘れそうになるけれど、何回も練習したことを思い出し私も人型へと姿を変える。それから上手く着陸できるように風魔法を使ってと手順をこなしていく。
重かった身体は軽くなり、ふわっと身体が浮いてここ数年やっと違和感がなくなった足で地面を踏む。
「できたっ」
閉じていた目を開いて先に着陸していた両親を見る。両親は目を細めて私の頭を撫でながら「よくできた」、「上手くなった」と褒めてくださった。
嬉しさに唇がもにゅもにゅしていると城の奥から誰かができた。城からの使いらしい。恭しくだが、どこか余所余所しく両親に対応している。
何だかそれにモヤモヤしているけれど、両親は気にしている様子がない。気づいていないわけではないから気にしていないのだろうけれど、どうしてだろう。
私たち家族はその使いの妖精の後に続いて城内へ入る。城の中は温かみのひとつもなかった。薄暗く人を寄せ付けない色が外で見るよりも強く感じる。
それとも私たち家族が招かれざる者なのか。何だか怖くてお父様とお母様の手を握る。二人は何も言うことなく私の小さな手を握り返してくれた。それに安心しているとひと際豪華な部屋へと通された。
こうした部屋は絵本で見たことがある女王様や王様がいるお部屋だ。そして、両親の話では今この国を治めているのは女王様のマレフィシア様というお方。
まもなくそのお方が現れた。威厳に溢れた女王様に両親が頭を下げるのを見て私も教わった通りに頭を下げる。けれど、すぐに気兼ねなく、と言うので両親は恭しい態度からまるで親戚のような態度へと変わる。それに部屋の隅にいる妖精たちから刺々しい空気が発せられるが、すぐに女王様が窘め引っ込まれた。
ほっとしていると名前を呼ばれる。女王様は眦を下げて柔らかな表情へと変わっていた。
「ベアトリス?」
「ぁ、はい。ベアトリスと申しますっ」
お母様に名前を呼ばれて慌て自分の名前を告げる。女王陛下は私の粗相に顔を顰めることなく頷く。
一体何だろうか。妙に身体が落ち着いかないとなると女王陛下が両親だけと話したいことがあると告げる。そうすると私はどうなるのかと思ったら――。
目の前に私と同じくらいのドラゴンの子どもが現れた。
いや、あちらからしたらいきなり現れたのは私の方なんだろうけれど……。
侍従の妖精に連れられてやって来た部屋に一人のドラゴンの角を持った子どもがいた。たぶん、人型の姿から私とそう変わらない年齢。
あちらは私を見て大きなつり気味の瞳をパチパチさせている。好奇心に満ちた瞳というのか。物珍しいものを見る瞳だ。
ドラゴンの末裔は世界中に散らばっているがもう少ないとお父様、お母様、それにお祖父様にお祖母様が言っていた。だから、どこへ行っても珍しがられるのだ、と。同年代となるとさらに希少だとか。なら、今目の前にいる子どもは私から見ても希少な同年代となるのか。
「きみが、おばあ様が言っていた〝お客様〟?」
「おばあ様……」
「ん? きみは会ってないの?」
パチパチ目を瞬かせて聞かれた。この流れだときっとこの子がいう〝おばあ様〟というのは〝マレフィシア様〟のことだろう。そういえば、お孫様がいるとか両親が言っていたような。どうやら私の相手をお孫様が直にしてくださるご様子。
「私が、たぶん、お客様だと思います……他に居なければですが」
「うん。僕と変わらない女の子だけだと言っていたからきみだよ……」
知っていたのか。ならなぜ問いかけた。いや、いいや。
私は尾にもつれないようにお孫様の傍に行く。すると、お孫様もソファから立ち上がり私の目の前に来た。
身長はそう変わらない。けれど私の巻いた角と違って、お孫様の角はまっすぐ伸びているから少し高く見える。
とりあえず女王様のときと同じように姿勢を正す。
それに合わせるようにお孫様も姿勢を正した。しっかりと見つめた先の瞳は蛍の光のように淡く輝いたように見えた。
「私はベアトリス・ジールと申します」
「僕はマレウス・ドラコニアだ」
これがお孫様ことマレウスと私の出会い。
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