一匹狼みたいな少年
◆ ジャック視点
2年前、名門魔法士養成学校のナイトレイブンカレッジに女子生徒が入学したというニュースはネットや、テレビ、新聞様々な媒体でみかけた。
女子生徒の入学に最初こそ様々な憶測が流れたらしいが、俺はそんなこと気にしなかった。ああいうところで見かける話って言うのは半分以上が大体信用ならねぇからだ。
それでも〝あの人〟の情報を追いかけると、その女子生徒の情報も同時に入ることが多かった。すると、俺の中で、その女子生徒に対する尊敬の念のようなものが生まれ始めた。
――野郎ばかりの中、大変なことが多い中ですげぇな。
優秀ではあるがひと癖も、ふた癖もあると噂に聞くナイトレイブンカレッジの生徒。そんな中、女子一人。しかも、一般家庭ではなく王族のお姫様が、だ。それでも周りに負けぬ成績を収めているとは尊敬の念を抱かずにいられなかった。
だから、もし入学することができたあかつきには一度は話してみたいと思っていた。
「ふふ。なんだかそこまで言われるとくすぐったいわね」
透き通るほど白い頬を薄っすらと染めながら上品にはにかむエルサ先輩。その横にはいつものように昼寝をしているレオナ先輩がいる。
レオナ先輩を起こしに来ると何か知らないが高確率エルサ先輩が横にいる。最初は恋人なのかと思った。それにエルサ先輩は「そんなんじゃないわ。幼馴染よ」と答え。レオナ先輩は俺を睨みながら舌打ちをした。
なんだ? と、思ってラギー先輩にも「恋人みたいっすよね」と言ったら苦いものを100個噛んだような顔で「そのこと他の人には言っちゃダメッスからね」と釘を指された。
踏み込んでいはいけない話題らしい。まぁエルサ先輩は将来女王になるからきっとその辺り厳しいんだろう。
――とはいえ、やっぱりいい雰囲気だよな。
正直、俺の中ではお似合いだと思っているがまぁ何も言わない。
「さて、ジャックはここで寝転んでいるレオナを起こしに来たのよね」
「っす。今日の午後の授業は必修らしいんで」
「ええ、そうよ。だから、ほらレオナ行くわよ」
レオナ先輩に声をかけるエルサ先輩に感心してしまう。流石、同級生。レオナが取るべき授業も何となく把握しているらしい。
――そういや、ラギー先輩が「今日は大丈夫だと思うけど」とか言ってたな。
世話係であるラギー先輩も必修科目でレオナ先輩を呼びにいけないから代わりにとお願いされたときだった。「今日は」というのはきっとエルサ先輩がいるからだったんだろう。それでも保険として俺を行かせたんだろう。
先を考えるラギー先輩もすげぇ、と改めて尊敬の念を抱いているとレオナ先輩が起きた。くわっと大きく口を開けて閉じた横顔は相変わらず整っている。
「あ~だりぃ」
「もう。毎回そればっかりね。ほら、頑張って授業に言って一緒に進級しましょう」
「ね」と言うエルサ先輩は何だか下のきょうだいにいい聞かるみたいだった。それが面白くて口元が緩むとレオナ先輩に睨まれて慌てて引き締める。
「じゃ、レオナ先輩も起きたんでエルサ先輩あとは任せてもいいっすか?」
俺も必修ではないが次の授業は教室移動がある。まだ上級生のように教科書などの召喚は上手くいかない。だから、教室に一度戻らないといけねぇ。とはいえ、これも鍛錬すればできるから魔法の鍛錬あるのみだ。
「すみませんがウチの寮長お願いします」
「ふふ、まかせてちょうだい」
優雅に手を振るエルサ先輩に頭を下げ、何だか鬱陶しそうなレオナ先輩に「ちゃんと言ってください」と念を押して植物園を後にした。
2年前、名門魔法士養成学校のナイトレイブンカレッジに女子生徒が入学したというニュースはネットや、テレビ、新聞様々な媒体でみかけた。
女子生徒の入学に最初こそ様々な憶測が流れたらしいが、俺はそんなこと気にしなかった。ああいうところで見かける話って言うのは半分以上が大体信用ならねぇからだ。
それでも〝あの人〟の情報を追いかけると、その女子生徒の情報も同時に入ることが多かった。すると、俺の中で、その女子生徒に対する尊敬の念のようなものが生まれ始めた。
――野郎ばかりの中、大変なことが多い中ですげぇな。
優秀ではあるがひと癖も、ふた癖もあると噂に聞くナイトレイブンカレッジの生徒。そんな中、女子一人。しかも、一般家庭ではなく王族のお姫様が、だ。それでも周りに負けぬ成績を収めているとは尊敬の念を抱かずにいられなかった。
だから、もし入学することができたあかつきには一度は話してみたいと思っていた。
「ふふ。なんだかそこまで言われるとくすぐったいわね」
透き通るほど白い頬を薄っすらと染めながら上品にはにかむエルサ先輩。その横にはいつものように昼寝をしているレオナ先輩がいる。
レオナ先輩を起こしに来ると何か知らないが高確率エルサ先輩が横にいる。最初は恋人なのかと思った。それにエルサ先輩は「そんなんじゃないわ。幼馴染よ」と答え。レオナ先輩は俺を睨みながら舌打ちをした。
なんだ? と、思ってラギー先輩にも「恋人みたいっすよね」と言ったら苦いものを100個噛んだような顔で「そのこと他の人には言っちゃダメッスからね」と釘を指された。
踏み込んでいはいけない話題らしい。まぁエルサ先輩は将来女王になるからきっとその辺り厳しいんだろう。
――とはいえ、やっぱりいい雰囲気だよな。
正直、俺の中ではお似合いだと思っているがまぁ何も言わない。
「さて、ジャックはここで寝転んでいるレオナを起こしに来たのよね」
「っす。今日の午後の授業は必修らしいんで」
「ええ、そうよ。だから、ほらレオナ行くわよ」
レオナ先輩に声をかけるエルサ先輩に感心してしまう。流石、同級生。レオナが取るべき授業も何となく把握しているらしい。
――そういや、ラギー先輩が「今日は大丈夫だと思うけど」とか言ってたな。
世話係であるラギー先輩も必修科目でレオナ先輩を呼びにいけないから代わりにとお願いされたときだった。「今日は」というのはきっとエルサ先輩がいるからだったんだろう。それでも保険として俺を行かせたんだろう。
先を考えるラギー先輩もすげぇ、と改めて尊敬の念を抱いているとレオナ先輩が起きた。くわっと大きく口を開けて閉じた横顔は相変わらず整っている。
「あ~だりぃ」
「もう。毎回そればっかりね。ほら、頑張って授業に言って一緒に進級しましょう」
「ね」と言うエルサ先輩は何だか下のきょうだいにいい聞かるみたいだった。それが面白くて口元が緩むとレオナ先輩に睨まれて慌てて引き締める。
「じゃ、レオナ先輩も起きたんでエルサ先輩あとは任せてもいいっすか?」
俺も必修ではないが次の授業は教室移動がある。まだ上級生のように教科書などの召喚は上手くいかない。だから、教室に一度戻らないといけねぇ。とはいえ、これも鍛錬すればできるから魔法の鍛錬あるのみだ。
「すみませんがウチの寮長お願いします」
「ふふ、まかせてちょうだい」
優雅に手を振るエルサ先輩に頭を下げ、何だか鬱陶しそうなレオナ先輩に「ちゃんと言ってください」と念を押して植物園を後にした。