うたた寝少年
お姫様には王子様が定石
いとおしい子がさいきん気になる子ができたみたいなの。
しってるわ! しってるわ!
あの雪のお姫さまでしょ!
とってもキレイな子!
うん、うん、しってる!
いとおしい子はさいきんよくそのお姫さまのおはなしをするよね。
きっと愛しているのよ!
そうね! だって、いとおしげに見つめているもの!
なら! なら! たすけてあげないと!
でも、お姫さまは?
お姫さまもあの子の前ではよく笑うよ!
しってる! しってる! みたことがあるわ!
でしょ! なら、はやく、はやくつれていきましょう!
そうね! あのお姫さまは皆に愛されているから!
取られちゃうからね!
「きゃ、きゃぁあああ!!!」
ある日、エルサの周りにどこから出て来たというような動物たちが集まった。その動物はエルサのスカートや三つ編みを引っ張り、どこかへと連れて行こうとした。
「な、なに! なに! なにいぃぃ!」
背中を押され、引っ張られるスカートを抑えて、解けそうな三つ編みを抑えながらエルサは涙目だ。あまりの事態に教師陣が来るまで誰も手出しができなかった。なお、いつも両脇を固める騎士はこのとき不在であったのがエルサにとって不運であった。
一方、厩でシルバーも部活に励んでいたが騎乗していた馬が学内に向かって走り出した。
「どうしたっ!」
いつもシルバーの言うことを聞く暴れ馬が駆けだす。それでもシルバーを振り落とすことはなかった。まるでどこかへ誘おうとすることに無理に手綱を引くことができなかった。そして、連れていかれた場所には動物に囲まれるエルサと助けに来ただろう教師陣がいた。
「な、なん、」
驚愕に目を見開いていると動物たちが一斉にこっちを見た。その動物たちは見覚えがあった。いや、まさか、と思うやいなやエルサ共々こっちに来ようとする。そして、馬はそっちに向かって動きだした。シルバーは人生で初めて血の気が引いた。
これは数十年後のナイトレイブンカレッジに「動物婚姻物語」として語り継がれるのだった。
2023/07/15 加筆修正
いとおしい子がさいきん気になる子ができたみたいなの。
しってるわ! しってるわ!
あの雪のお姫さまでしょ!
とってもキレイな子!
うん、うん、しってる!
いとおしい子はさいきんよくそのお姫さまのおはなしをするよね。
きっと愛しているのよ!
そうね! だって、いとおしげに見つめているもの!
なら! なら! たすけてあげないと!
でも、お姫さまは?
お姫さまもあの子の前ではよく笑うよ!
しってる! しってる! みたことがあるわ!
でしょ! なら、はやく、はやくつれていきましょう!
そうね! あのお姫さまは皆に愛されているから!
取られちゃうからね!
「きゃ、きゃぁあああ!!!」
ある日、エルサの周りにどこから出て来たというような動物たちが集まった。その動物はエルサのスカートや三つ編みを引っ張り、どこかへと連れて行こうとした。
「な、なに! なに! なにいぃぃ!」
背中を押され、引っ張られるスカートを抑えて、解けそうな三つ編みを抑えながらエルサは涙目だ。あまりの事態に教師陣が来るまで誰も手出しができなかった。なお、いつも両脇を固める騎士はこのとき不在であったのがエルサにとって不運であった。
一方、厩でシルバーも部活に励んでいたが騎乗していた馬が学内に向かって走り出した。
「どうしたっ!」
いつもシルバーの言うことを聞く暴れ馬が駆けだす。それでもシルバーを振り落とすことはなかった。まるでどこかへ誘おうとすることに無理に手綱を引くことができなかった。そして、連れていかれた場所には動物に囲まれるエルサと助けに来ただろう教師陣がいた。
「な、なん、」
驚愕に目を見開いていると動物たちが一斉にこっちを見た。その動物たちは見覚えがあった。いや、まさか、と思うやいなやエルサ共々こっちに来ようとする。そして、馬はそっちに向かって動きだした。シルバーは人生で初めて血の気が引いた。
これは数十年後のナイトレイブンカレッジに「動物婚姻物語」として語り継がれるのだった。
2023/07/15 加筆修正