主従な少年たち

笑顔が素敵なお姫様!



 エルサはすごく人気者だ。女神さまって呼ばれているほど人気ですげぇ驚いた。
 本人は「他に女の子がいないからよ」って言っていたけれどそうでもないと思う。だって、エルサは小さい頃から可愛いし誰にでもとても優しい女の子だった。だから、誰からも好かれるんじゃないかな。けど、誰からも好かれるって結構大変なんだなぁ。

「はぁ。カリム助かったわ」

 申し訳なさそうな顔をするエルサに首を横に振る。

「エルサの方が大変だっただろ?」
「……これでも慣れたと思ったんだけど」

 深い溜息をつくエルサはさっきまでオレのクラスメイトに絡まれていた。どうやらさっきの授業でペアを組んで色々教えていたらしいけど――。

「そんな強引そうなヤツに見えなかったけどなぁ」

 どうやらその流れでエルサはお茶に誘われたらしい。けど、エルサはこういう付き合いはしないらしく断ったらしい。でも、あいつは食い下がって言い方悪いけれどしつこく誘って来たらしい。断るのに困っていたところにオレが通りかかったらピュンと逃げたらしい。

「ジャミルがエルサを一人にするなって言ったのが分かった気がするぜ」
「やだ。ジャミルが?」
「おう!」

 「やだわ」と言うエルサだけどジャミルの言葉は今だったら分かる。

「エルサ! 何かあったらすぐに呼べよ! 何とかするから!」

 ジャミルとオレが何とかする、と言えばエルサは疲れた顔から綺麗に笑った。その笑い方は昔見た小さい頃と変わらない。それにオレはやっぱり笑っているエルサが好きだ。

「うん! やっぱり! エルサは笑っている方が綺麗だな!」

 「いつも笑っていろよ!」と言えばまたエルサが笑った。やっぱりその方がすごくいいとオレは思うぜ! ついでに「笑った顔が好きだ」と言えばエルサの真っ白な雪みたいな頬が薔薇色に染まった。

「ふふ。ありがとう。わたしも笑顔のカリムが好きよ」

 はにかみながらのエルサの言葉。それは妙にオレの胸に突き刺さった。
 なんだか心臓がドキドキする。嬉しいけれど先になんか心臓が落ち着かない。その日は夜までなんだかふわふわした感じだった。

 ちなみにこの次の日の昼休みに、ジャミルがランチボックス片手に血相を変えてオレのところに来て――。

「オマエ! エルサに告白したってホントか!」

 なんて言ってきた。なんでそんな話になったんだ?
 首を傾げればジャミルの深い溜息しか返って来なかった。



2023/07/15  加筆修正
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