レオナ
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新しい春が貴方を連れて来た
ウィンターホリデーも終わりレオナ様は学園へと戻り、私も大学の寮に戻った。
休み明けから課題が続き図書館に通い続ける日々。今日も寮の自室で課題をしていると、珍しくレオナ様からメッセージが送られた。その際、不思議な写真が一枚添付されていた。
何かしら、と思ってよぉく文面を見て首を傾げる。
「これがライオン……?」
丸い耳は確かにライオンのようにも見えるが顔はどちらかと言えば犬のように見える。それに雄ライオンにしては鬣らしき部分がなんとも心もとない。顔だけじゃなくて胴体が緑色の布なのはなぜなのかしら。
思わずまじまじ見ているとスマートフォンが震えてレオナ様の名前が表示された。
慌ててタップするとパッとレオナ様が映し出される
『ライオンに見えたか?』
「……些か厳しいかと」
『だぁよなぁ』
視線を斜め上に向けて肩眉を上げるレオナ様。どうやらレオナ様も困惑していたよう。私への写真は確認だったのかしら。
「ところでこの、えっとSHISHIMAIは赤龍の国のものなのですか?」
『赤龍の国経由で東方の国に伝播したものらしい』
「たしか、その国とは比較的近いのですよね」
赤龍の国も夕焼けの草原や黎明の国の位置を考えれば遠い国。東方の国はさらに遠方にあると外交の知識の一環として勉強はしているけれど、このSNSが発達している時代でも中々全貌が伺えないミステリアスな国。
「あちらの国々にはライオンがいなかったのでしょうか」
『だろうな。こっちの方から絵か何かで抽象的に伝わったんだろう』
「なるほど。ですが、ライオンがこういう縁起物になるのも不思議ですね」
『権力の象徴の意味合いもあったんだろうが――不思議なもんだな』
笑う様の様子から学内とはいえアルバイトが楽しかったのだろう。
一体、どういった経緯があったのか今聞いてみたい気がするけれど。
「レオナ様。次のホリデーでお会いした際にお話し聞かせてくださいませ」
『あ? 次のホリデー?』
少し不満そうに眉を上げるレオナ様に私は「ええ」と返す。
「画面越しというのは少々味気ないですし――なによりレオナ様の初めてのアルバイトのお話はしっかりとお聞きしたいので」
『ふぅ~ん』と不貞腐れた色が見え隠れするレオナ様。
あら、これは間違ったことをしてしまったかしら。でも、ナイトレイブンカレッジがあるのは黎明の国に属する賢者の島。公共交通機関をたくさん使って行く中々の難所。
行けないわけではないけれど、行くとなると時間もかかる。今の課題の具合から会いに行くのは難しい。
「スプリングホリデーまでお預けですね」
『そうだなぁ』
言葉も、向けてくる眼差しも含みがあるわね。気にしたら負けってやつかしら。
レオナ様の言いたげな顔にとりあえず微笑んでおくことにした。すると、厚みのある唇が綺麗に引き上がる。
「た、楽しみですわ」
『あぁ、俺もだよ』
艶というよりも獲物を狙うような微笑み。一体何か起きるのかしらと戦々恐々としながら通話を終えた。
それから数日後「春は遠いからな」と言ってナイトレイブンカレッジの制服をきっちりと着込んだレオナ様が大学に現れたのだった。
レオナ様の思いがけない訪問は予想外でだらしなくにやける唇を隠すのに必死だった。
「お前が来られないなら俺が行けばいいだけの話だろ」
かけられた言葉に私は今度こそ抑えられない気持ちが溢れた。そして、それがレオナ様を慌てさせてしまった。これはレオナ様と私の新しい思い出となった。
2026.01.07
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