短編
はじめにお名前変換してください
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
「せん、せ、月先生っ」
「ん?どうしたの」
水を滴らせたままのモップをびちゃびちゃさせながら廊下を走ってきたあたしを困ったように見た、センセの視線、ゲット!
「…で、誰がやったの?」
「知らないよ、来たらこうなってたの、ね?」
「そうそう!」
二階の女子トイレ、あたしたちのクラスが掃除受け持ちのトイレの全個室からはまるで噴水のごとく水が溢れ、トイレはびっしょびしょ。
今日の当番のあたしたちは助けを求めて月センセを呼びにいったってわけ。
「うーん、僕は実習生だし、男だから女の先生を呼んできた方が」
「え、月センセ、あたしのコト見捨てるの?」
クラスメイトAが涙目ですがりつく。
「こんなびしょびしょのトイレ見られたら怒られちゃうよ…」
クラスメイトBがAを押しどけ上目遣いで囁く。
「あたし、何も悪いことしてないよセンセ…」
クラスメイトCがひざかっくんでBを撃退し、夜神月の腕に絡まりついた!
おわかりかもしれないが、あたしたちが本当に無関係なわけではない。
どうにかして実習中に月センセをオトそうとしているのはなにもあたし達だけではなくて、クラスメイトはおろか、学年の女子殆どが目論んでいたりする。
だって、あんなかっこいい人が先生だなんて、こんな美味しい時期はあたしらが卒業するまでにはもうきっとないんだよ!しかも教師と生徒っていう禁断の関係はすぐに終わってしまうわけで、それまでにモノにしちゃえば、そのあとはイケメン彼氏を自慢できる薔薇色の日々!顔良し声良し頭脳良し、噂によれば将来の夢は教師じゃなくて警察官!ステキじゃないですか!
と、いうわけで。
掃除をしにトイレへ来て見たら詰まっていました→流したら水が溢れました→先生を呼びに行こうとしました→閃いた!
こんな流れで全トイレをぶっ壊し、月センセを誘い込み、掃除中で「立ち入り禁止」の札を掲げた女子トイレでまぁアレコレしてしまいましょう、みたいな?小悪魔で狡猾な恋に必死な女子校生の考える事なんてこんなもの。
誰が1番にオトせるかで必死になって、アプローチしすぎで若干月センセが引いていることに皆気付いちゃいない。
そんなぎゃあぎゃあ取り合ってたら教室まで聞こえて他の女子が押しかけて来てしまいますよ。あたしは言い争いを始めたクラスメイトちゃん達の輪の中だか外だか良くわからない位置に立たされて困ったように立ち尽くしている月センセの服の裾を掴み、そのまま勢いよく引っ張って掃除道具入れに突っ込んで扉を閉めた。
がっしゃん!という多分バケツがひっくり返った音で皆ぴたり、と言い争いをやめ、思惑通りに「月センセは?」と言ってくれたAちゃんに「さっき女の先生を呼びに言っちゃったよ」と返せば、三人とも血相を変えて隣の校舎の職員室まで走っていった。
行ってらっしゃい、そのびしょ濡れの上履きで階段を駆け下りて、そのまま三人で滑って意識不明になってくれたらいいのにな。
そんな都合良くはいかないだろうけど、まぁ、五分強は戻ってこないであろう彼女らに心の中で平謝りしつつ、とびきりの笑顔を作って掃除道具入れを静かに開けた。
「センセ、あたしとイイコトしません?」
学級清掃は学級戦争
(ひっくり返ったバケツに座ったセンセは目を丸くするでもなく、全てを見通したような瞳をギラつかせて口の端だけで笑ったんだ)(嗚呼、その妖艶な笑みに何人の乙女が酔わされたのか、わかっているの?センセ)
「ん?どうしたの」
水を滴らせたままのモップをびちゃびちゃさせながら廊下を走ってきたあたしを困ったように見た、センセの視線、ゲット!
「…で、誰がやったの?」
「知らないよ、来たらこうなってたの、ね?」
「そうそう!」
二階の女子トイレ、あたしたちのクラスが掃除受け持ちのトイレの全個室からはまるで噴水のごとく水が溢れ、トイレはびっしょびしょ。
今日の当番のあたしたちは助けを求めて月センセを呼びにいったってわけ。
「うーん、僕は実習生だし、男だから女の先生を呼んできた方が」
「え、月センセ、あたしのコト見捨てるの?」
クラスメイトAが涙目ですがりつく。
「こんなびしょびしょのトイレ見られたら怒られちゃうよ…」
クラスメイトBがAを押しどけ上目遣いで囁く。
「あたし、何も悪いことしてないよセンセ…」
クラスメイトCがひざかっくんでBを撃退し、夜神月の腕に絡まりついた!
おわかりかもしれないが、あたしたちが本当に無関係なわけではない。
どうにかして実習中に月センセをオトそうとしているのはなにもあたし達だけではなくて、クラスメイトはおろか、学年の女子殆どが目論んでいたりする。
だって、あんなかっこいい人が先生だなんて、こんな美味しい時期はあたしらが卒業するまでにはもうきっとないんだよ!しかも教師と生徒っていう禁断の関係はすぐに終わってしまうわけで、それまでにモノにしちゃえば、そのあとはイケメン彼氏を自慢できる薔薇色の日々!顔良し声良し頭脳良し、噂によれば将来の夢は教師じゃなくて警察官!ステキじゃないですか!
と、いうわけで。
掃除をしにトイレへ来て見たら詰まっていました→流したら水が溢れました→先生を呼びに行こうとしました→閃いた!
こんな流れで全トイレをぶっ壊し、月センセを誘い込み、掃除中で「立ち入り禁止」の札を掲げた女子トイレでまぁアレコレしてしまいましょう、みたいな?小悪魔で狡猾な恋に必死な女子校生の考える事なんてこんなもの。
誰が1番にオトせるかで必死になって、アプローチしすぎで若干月センセが引いていることに皆気付いちゃいない。
そんなぎゃあぎゃあ取り合ってたら教室まで聞こえて他の女子が押しかけて来てしまいますよ。あたしは言い争いを始めたクラスメイトちゃん達の輪の中だか外だか良くわからない位置に立たされて困ったように立ち尽くしている月センセの服の裾を掴み、そのまま勢いよく引っ張って掃除道具入れに突っ込んで扉を閉めた。
がっしゃん!という多分バケツがひっくり返った音で皆ぴたり、と言い争いをやめ、思惑通りに「月センセは?」と言ってくれたAちゃんに「さっき女の先生を呼びに言っちゃったよ」と返せば、三人とも血相を変えて隣の校舎の職員室まで走っていった。
行ってらっしゃい、そのびしょ濡れの上履きで階段を駆け下りて、そのまま三人で滑って意識不明になってくれたらいいのにな。
そんな都合良くはいかないだろうけど、まぁ、五分強は戻ってこないであろう彼女らに心の中で平謝りしつつ、とびきりの笑顔を作って掃除道具入れを静かに開けた。
「センセ、あたしとイイコトしません?」
学級清掃は学級戦争
(ひっくり返ったバケツに座ったセンセは目を丸くするでもなく、全てを見通したような瞳をギラつかせて口の端だけで笑ったんだ)(嗚呼、その妖艶な笑みに何人の乙女が酔わされたのか、わかっているの?センセ)