名探偵のお気に入り
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捜査も行き詰まって嫌な空気の充満する捜査本部。
呑気にブルーシートを敷いて1人でスイカ割りをしている(目隠しをしてスイカとはまるで違う場所をひたすら棒で殴っている)少女にイライラして捜査はどうしたんだと喧嘩を売れば、頭ではやっていますよ身体が運動不足なのでと返ってきた上に、そういう貴方は何か成果があったんですか?と喧嘩を売り返された。
成果はないが僕だって色々調べている。そこから最近読んだ興味深い論文の話をいくつか振ってしまったのが全ての元凶だった。
「っていう論文に書いてあったんだ、素晴らしい論文だった!」
「ありがとうございます」
「は?」
「読んで下さった上で褒めて下さってるのでしょう?ありがとうございます。ポーラ=スプリングもブランカ=ヒューズもあとその辺り読んだなら多分エラ=サンタマリアのも読んだんじゃないですか?全部私です」
「は…何言って…」
「大学いくつか出ていますが、身元が割れないよう全部違う名前で在籍していましたので。犯罪心理学 と不可解論理学 、あと神経言語プログラミング、ゲーム理論辺りが専攻でした、他にも工学系を少々やってましたけど」
「えっ、キティちゃんゲームプログラマーなの?」
松田の的はずれな疑問に笑いながら違いますけど作ろうと思えば作れますよ、と答える少女。マジかよこいつなんでも出来るのか…本当は何歳なんだ…。
「大学ってどこ出たの!?まさかハーバードとか!?」
「ハーバードには行ってませんけどCross-registration system があったので授業は受けました」
「えっ?クロッ…なに?」
……ハーバードと単位互換制度がある大学…まさかMITを出ているというのか?まさか…でもそのまさかがあり得るのがこの目の前の少女なのだから恐ろしい。痛むこめかみを押さえながら、松田が割り込んでくれたおかげで少女との喧嘩(?)が有耶無耶になったことに安堵する。なんというか竜崎以上に掴み所がなく能力がチート級で1言えば100返してくる口の減らなさが苦手だった。
「このビルの設計も私ですしね」
「えーっ!そうなの!?」
「嘘だろ……」
思わず声が出てしまった。
もう何でもありかこの女。
セキュリティ関係は全部任されているので、そう言いながらようやくスイカを棒で殴った少女は目隠しを少しずり上げてスイカを見た。力が弱いのか少し凹んだだけで大したヒビも入っていないスイカに顰めっ面をしている。
「へぇ〜すごいなぁキティちゃん…そういえば僕のベルト壊れてるっぽいんだけどもしかして直せちゃったりする?」
「壊れてる?」
「この間ピンチの時にバックルを二回押したんだけど何も起こらなくて…何度か押したんだけどどうもしないから自力でなんとかしたんだけど…」
「……ワタリの携帯に連絡がいかなかったってことですか?」
「多分…誰も助けてくれなかったから…」
「ちょっと見せてください」
そのベルトも私が作ったので、そう言いながら目隠しを適当にずり上げたまま(片方ずり下がって片目が隠れた状態だ)棒を放って、立っている松田の前まで歩いていくとそのまま膝立ちになった。ちょうど顔の前に松田の股がある形だ。
「バックル見るので少し屈んでください」
「あっ、うん」
腰の位置が目線より高いのでベルトを掴んで下に引っ張る。引っ張られた松田は言われた通り少し膝を折って少女の目線にバックルがくるよう屈んだ。
「んぅ…邪魔だな」
「あ、目隠しずり落ちちゃう?外してあげようか」
「お願いします」
顔を上げたせいかずり落ちてきて視界を奪う鉢巻状の目隠しを邪険にする少女に親切心から松田が申し出て、少女の後頭部にある目隠し布の結び目に手をやった。前屈みになっていたこともあって少女の頭を抱き込んでいるように見える。己の股間に。少女は少女で頭ごと股間に引き寄せられたことも気にせず目線の高さのベルトのバックルに手をやっているから、なんていうか、その、だいぶよろしくない絵面だ。
一旦やめるよう声をかけようか…そう思って口を開いたタイミングで、ジャーという水音と共にすぐ隣で扉が開いた。
何故僕がこんな壁際に突っ立って少女と口喧嘩をしていたかというと、手錠で繋がった竜崎 が用を足していたからである。竜崎は監視だとか言って僕が用を足している個室にも押し入ってくるけれど、僕は竜崎が致しているところなんか見たくもないから彼がトイレに行く時は扉を閉めて(鎖があるから完全には閉まらないが)その扉のすぐ横で終わるのを待つのだ。その間やる事がないので視界の中でひたすら棒を振り回している少女にイライラしてしまったというわけだ。
こいついつもにも増して長かったな…大の方か…?いやそんなことはどうでもいい…知りたくもない…それよりもトイレから出てきた竜崎がドアノブに手をかけたまま固まってしまったことが問題だ。目線の先は見なくてもわかる、問題の絵面の2人だ。声は聞こえていただろうからどういう状況か解っているはずだがあまりの絵面のインパクトに固まってしまったんだろう。
竜崎がトイレから出てきたのに気付いてないのか、松田はうーん取れないとかなんとか言いながら良く見ようとしたのかさらに少女の後頭部を覗き込むように引き寄せたせいでもう少女の鼻先が股間のジッパーに擦れんばかりだった。少女は少女であまり覆い被さると暗いんですけど!とか文句を言っている。そうじゃないだろ。他に気にすることがあるだろ。そう、例えば隣で固まったまま殺気を放ち出したこいつのこととか。
「……何してるんですか?」
竜崎が淡々と呟いた疑問はその声音に似合わず一瞬のうちに繰り出された回し蹴りを松田が顔面にもろに食らって後ろに吹っ飛んだ後に発せられた。
あまりに俊敏に動いたせいで手錠ごと引っ張られた僕も転んだ。何するんだ。
覆い被さっていた男が消えて、残された膝立ちの少女はずり落ちて完全に目元を隠された目隠し姿のまま、蹴りを繰り出した男の方を訝しげに顔ごと向いた。目隠ししているから見えてはいないだろうけど。
「……痛ってて…」
「………人のものに手を出した挙句目隠しフェラとは良いご趣味ですね」
あまりにダイレクトな単語が飛び出してギョッとしたが、倒れ込んだ上に馬乗りになられて胸倉を掴まれた松田は何のことかまるでわかっていないようで目を白黒させていた。
「…何言ってるの竜崎?」
膝立ちだった少女はそのままその場でぺたんと座り込み、片手で目隠し布をおでこまで押し上げて呆れた目線を送っていた。
それを聞いた正気じゃない竜崎は松田の胸倉を両手で掴んだままぐりんと頭だけ振り向いた。
「大体名前も無防備が過ぎます、そんな風に育てた覚えはありませんよ」
「はあ?」
「しゃぶるなら私のだけにしてください」
「何言ってるの竜崎!?」
本当に何言ってるんだ竜崎………
床に倒れ込んだまま頭痛がしてきた頭を抱えるように突っ伏する。
大体、ベルトを見るなら外してからにすればこんなことにはなっていない。全く頭が良いのか悪いのか………
少し離れた机の方から一連の流れに堪忍袋の尾が切れた相沢さんの「いい加減にしてくれ…!」という怒号が飛ぶまであと2秒。
呑気にブルーシートを敷いて1人でスイカ割りをしている(目隠しをしてスイカとはまるで違う場所をひたすら棒で殴っている)少女にイライラして捜査はどうしたんだと喧嘩を売れば、頭ではやっていますよ身体が運動不足なのでと返ってきた上に、そういう貴方は何か成果があったんですか?と喧嘩を売り返された。
成果はないが僕だって色々調べている。そこから最近読んだ興味深い論文の話をいくつか振ってしまったのが全ての元凶だった。
「っていう論文に書いてあったんだ、素晴らしい論文だった!」
「ありがとうございます」
「は?」
「読んで下さった上で褒めて下さってるのでしょう?ありがとうございます。ポーラ=スプリングもブランカ=ヒューズもあとその辺り読んだなら多分エラ=サンタマリアのも読んだんじゃないですか?全部私です」
「は…何言って…」
「大学いくつか出ていますが、身元が割れないよう全部違う名前で在籍していましたので。
「えっ、キティちゃんゲームプログラマーなの?」
松田の的はずれな疑問に笑いながら違いますけど作ろうと思えば作れますよ、と答える少女。マジかよこいつなんでも出来るのか…本当は何歳なんだ…。
「大学ってどこ出たの!?まさかハーバードとか!?」
「ハーバードには行ってませんけど
「えっ?クロッ…なに?」
……ハーバードと単位互換制度がある大学…まさかMITを出ているというのか?まさか…でもそのまさかがあり得るのがこの目の前の少女なのだから恐ろしい。痛むこめかみを押さえながら、松田が割り込んでくれたおかげで少女との喧嘩(?)が有耶無耶になったことに安堵する。なんというか竜崎以上に掴み所がなく能力がチート級で1言えば100返してくる口の減らなさが苦手だった。
「このビルの設計も私ですしね」
「えーっ!そうなの!?」
「嘘だろ……」
思わず声が出てしまった。
もう何でもありかこの女。
セキュリティ関係は全部任されているので、そう言いながらようやくスイカを棒で殴った少女は目隠しを少しずり上げてスイカを見た。力が弱いのか少し凹んだだけで大したヒビも入っていないスイカに顰めっ面をしている。
「へぇ〜すごいなぁキティちゃん…そういえば僕のベルト壊れてるっぽいんだけどもしかして直せちゃったりする?」
「壊れてる?」
「この間ピンチの時にバックルを二回押したんだけど何も起こらなくて…何度か押したんだけどどうもしないから自力でなんとかしたんだけど…」
「……ワタリの携帯に連絡がいかなかったってことですか?」
「多分…誰も助けてくれなかったから…」
「ちょっと見せてください」
そのベルトも私が作ったので、そう言いながら目隠しを適当にずり上げたまま(片方ずり下がって片目が隠れた状態だ)棒を放って、立っている松田の前まで歩いていくとそのまま膝立ちになった。ちょうど顔の前に松田の股がある形だ。
「バックル見るので少し屈んでください」
「あっ、うん」
腰の位置が目線より高いのでベルトを掴んで下に引っ張る。引っ張られた松田は言われた通り少し膝を折って少女の目線にバックルがくるよう屈んだ。
「んぅ…邪魔だな」
「あ、目隠しずり落ちちゃう?外してあげようか」
「お願いします」
顔を上げたせいかずり落ちてきて視界を奪う鉢巻状の目隠しを邪険にする少女に親切心から松田が申し出て、少女の後頭部にある目隠し布の結び目に手をやった。前屈みになっていたこともあって少女の頭を抱き込んでいるように見える。己の股間に。少女は少女で頭ごと股間に引き寄せられたことも気にせず目線の高さのベルトのバックルに手をやっているから、なんていうか、その、だいぶよろしくない絵面だ。
一旦やめるよう声をかけようか…そう思って口を開いたタイミングで、ジャーという水音と共にすぐ隣で扉が開いた。
何故僕がこんな壁際に突っ立って少女と口喧嘩をしていたかというと、手錠で繋がった
こいついつもにも増して長かったな…大の方か…?いやそんなことはどうでもいい…知りたくもない…それよりもトイレから出てきた竜崎がドアノブに手をかけたまま固まってしまったことが問題だ。目線の先は見なくてもわかる、問題の絵面の2人だ。声は聞こえていただろうからどういう状況か解っているはずだがあまりの絵面のインパクトに固まってしまったんだろう。
竜崎がトイレから出てきたのに気付いてないのか、松田はうーん取れないとかなんとか言いながら良く見ようとしたのかさらに少女の後頭部を覗き込むように引き寄せたせいでもう少女の鼻先が股間のジッパーに擦れんばかりだった。少女は少女であまり覆い被さると暗いんですけど!とか文句を言っている。そうじゃないだろ。他に気にすることがあるだろ。そう、例えば隣で固まったまま殺気を放ち出したこいつのこととか。
「……何してるんですか?」
竜崎が淡々と呟いた疑問はその声音に似合わず一瞬のうちに繰り出された回し蹴りを松田が顔面にもろに食らって後ろに吹っ飛んだ後に発せられた。
あまりに俊敏に動いたせいで手錠ごと引っ張られた僕も転んだ。何するんだ。
覆い被さっていた男が消えて、残された膝立ちの少女はずり落ちて完全に目元を隠された目隠し姿のまま、蹴りを繰り出した男の方を訝しげに顔ごと向いた。目隠ししているから見えてはいないだろうけど。
「……痛ってて…」
「………人のものに手を出した挙句目隠しフェラとは良いご趣味ですね」
あまりにダイレクトな単語が飛び出してギョッとしたが、倒れ込んだ上に馬乗りになられて胸倉を掴まれた松田は何のことかまるでわかっていないようで目を白黒させていた。
「…何言ってるの竜崎?」
膝立ちだった少女はそのままその場でぺたんと座り込み、片手で目隠し布をおでこまで押し上げて呆れた目線を送っていた。
それを聞いた正気じゃない竜崎は松田の胸倉を両手で掴んだままぐりんと頭だけ振り向いた。
「大体名前も無防備が過ぎます、そんな風に育てた覚えはありませんよ」
「はあ?」
「しゃぶるなら私のだけにしてください」
「何言ってるの竜崎!?」
本当に何言ってるんだ竜崎………
床に倒れ込んだまま頭痛がしてきた頭を抱えるように突っ伏する。
大体、ベルトを見るなら外してからにすればこんなことにはなっていない。全く頭が良いのか悪いのか………
少し離れた机の方から一連の流れに堪忍袋の尾が切れた相沢さんの「いい加減にしてくれ…!」という怒号が飛ぶまであと2秒。