名探偵のお気に入り
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「きらしっているか」
隣に立つ茶髪の青年が僅かに反応した。
「ナマエはしーどる しかのまない」
「貴女ワインもリモンチェッロも好きでしょう」
間髪入れずツッコミが入り、ソファにごろりと寝転んでいた少女は今迄口を付けていたビンを振って抗議した。
「ユーモアだよユーモア」
「意味がわかりませんよ、酔ったんですか」
「まさか、アップルサイダー だもん」
でも酒でも飲まないとやってらんないですよね〜と向かいのソファに座る松田に話しかける少女。
「そうだね…最近目ぼしい進展もないし…ってキティちゃんお酒飲める歳なの!?」
「やだなぁマッツー、その呼び方また怒られちゃいますよ」
「あっ!だ、だってミサミサがそう呼ぶからつられちゃって。確かにドヌーヴちゃんって言いづらいし音も強いし」
「人の名前にケチつけないでくださいよ」
ゆるゆるとくだらない会話をしている2人を咎める人は今は誰もいない。普段注意をする面々はちょうど席を外していた。
「で、飲める歳なの?」
「あ、そこ掘り返すんですか?」
せっかくはぐらかしたのに。
切り込んでくる松田に笑いながら少女は2本目のビンを開けた。
「んー…果実酒が好きです」
「やっぱり飲める歳なんだ!?」
「さあ?」
「えっ、未成年飲酒!?ダメだよ、僕は一応警察官だしそういうのは…」
「マッツー、お酒はハタチからというのは世界共通じゃないんですよ」
暗に10代だというのをほのめかす少女を横目で見る。やはり歳下なのか。年齢不詳を謳う少女は見た目はとても幼い。はじめは10歳かそこらかと思ったが話を聞いていくうちにもう少し上でないと辻褄が合わなくなってから探るのをやめてしまった。僕には敬語だから歳下と考えるか、竜崎にタメ口だから歳上と考えるか…。
思案していた夜神月を突然、碧い目が射抜いた。
「何が好きですか?」
「…は?」
「えっこの距離で聞いてなかったんですか?お酒ですよ、お・さ・け!」
カチンとくる物言いに「いや、僕は未成年だから…」と苦々しく返す青年を丸い目で見返すと「そっかそっか…未成年だったねえ…飲んだことないんだあ」と大きな独り言を零してにやにやとビンを煽る。煽られたのは青年もだが、手に持った書類を少し握り締めてシワにした以外は特に反応しなかった。今日の彼女は珍しく面倒臭い。本当に酔っているのではないか。
「竜崎はどうです!?」
「竜崎は甘いのしか飲まないよ!カルーアミルクとかカシオレとかピーチマリブとか」
「えっ女子みたい!」
カルーア以外は私も好き!キティちゃんは果物ならなんでも良いんだね〜とキャッキャする2人を、勝手に趣向を暴露され馬鹿にされた黒髪の男は呆れたような半目で見やった。
「でも竜崎も飲むことあるんだねえ」
「滅多にないですけど…強いですよ!」
「ええ〜意外…でもないか…?」
「ねえ、今度みんなで飲み会しません?日本人ってそういうの好きなんでしょ?」
「おっ良いこと言うねえキティちゃん!」
「ナマエ、ここは日本ですよ」
やっと割って入った竜崎に忠告の意味を即座に理解した少女は「同席するだけなら問題ないじゃん」と口を尖らせる。
ああ、この少女はやはり未成年なのだ、と夜神月は思った。
「警察官の集まりで未成年が誤って飲酒してしまったら不味いでしょう」
そう言って夜神月の方を見た竜崎に「僕の心配をしていたのか?彼女のではなく?」と思わず大きな声で応じてしまえば「彼女は何も問題ないので」とのうのうと返され、やはり成人済みなのか?と混乱する。
「あ、問題はありました」
今思い出した、みたいな顔をする竜崎に部屋中の注目が集まる。
「酔ったナマエはとても可愛いので皆さんにお見せしたくありません」
真顔で言い放った男に、部屋はしん…と静まり返った。
「そ、そんなこと」
「あります。あと私が強いのではなく貴女が弱すぎるだけです」
私は普通です、貴女みたいに乱れたりしません、みっ乱れたりなんかしないでしょ!?おや、記憶がないんですか?良いことを知りました、どういう意味!?などといつもの調子でわいわいやり始めてしまった2人に当てられてすっかり冷めてしまった松田と月はお互い目で会話した後、深々と溜息をついた。
隣に立つ茶髪の青年が僅かに反応した。
「ナマエは
「貴女ワインもリモンチェッロも好きでしょう」
間髪入れずツッコミが入り、ソファにごろりと寝転んでいた少女は今迄口を付けていたビンを振って抗議した。
「ユーモアだよユーモア」
「意味がわかりませんよ、酔ったんですか」
「まさか、
でも酒でも飲まないとやってらんないですよね〜と向かいのソファに座る松田に話しかける少女。
「そうだね…最近目ぼしい進展もないし…ってキティちゃんお酒飲める歳なの!?」
「やだなぁマッツー、その呼び方また怒られちゃいますよ」
「あっ!だ、だってミサミサがそう呼ぶからつられちゃって。確かにドヌーヴちゃんって言いづらいし音も強いし」
「人の名前にケチつけないでくださいよ」
ゆるゆるとくだらない会話をしている2人を咎める人は今は誰もいない。普段注意をする面々はちょうど席を外していた。
「で、飲める歳なの?」
「あ、そこ掘り返すんですか?」
せっかくはぐらかしたのに。
切り込んでくる松田に笑いながら少女は2本目のビンを開けた。
「んー…果実酒が好きです」
「やっぱり飲める歳なんだ!?」
「さあ?」
「えっ、未成年飲酒!?ダメだよ、僕は一応警察官だしそういうのは…」
「マッツー、お酒はハタチからというのは世界共通じゃないんですよ」
暗に10代だというのをほのめかす少女を横目で見る。やはり歳下なのか。年齢不詳を謳う少女は見た目はとても幼い。はじめは10歳かそこらかと思ったが話を聞いていくうちにもう少し上でないと辻褄が合わなくなってから探るのをやめてしまった。僕には敬語だから歳下と考えるか、竜崎にタメ口だから歳上と考えるか…。
思案していた夜神月を突然、碧い目が射抜いた。
「何が好きですか?」
「…は?」
「えっこの距離で聞いてなかったんですか?お酒ですよ、お・さ・け!」
カチンとくる物言いに「いや、僕は未成年だから…」と苦々しく返す青年を丸い目で見返すと「そっかそっか…未成年だったねえ…飲んだことないんだあ」と大きな独り言を零してにやにやとビンを煽る。煽られたのは青年もだが、手に持った書類を少し握り締めてシワにした以外は特に反応しなかった。今日の彼女は珍しく面倒臭い。本当に酔っているのではないか。
「竜崎はどうです!?」
「竜崎は甘いのしか飲まないよ!カルーアミルクとかカシオレとかピーチマリブとか」
「えっ女子みたい!」
カルーア以外は私も好き!キティちゃんは果物ならなんでも良いんだね〜とキャッキャする2人を、勝手に趣向を暴露され馬鹿にされた黒髪の男は呆れたような半目で見やった。
「でも竜崎も飲むことあるんだねえ」
「滅多にないですけど…強いですよ!」
「ええ〜意外…でもないか…?」
「ねえ、今度みんなで飲み会しません?日本人ってそういうの好きなんでしょ?」
「おっ良いこと言うねえキティちゃん!」
「ナマエ、ここは日本ですよ」
やっと割って入った竜崎に忠告の意味を即座に理解した少女は「同席するだけなら問題ないじゃん」と口を尖らせる。
ああ、この少女はやはり未成年なのだ、と夜神月は思った。
「警察官の集まりで未成年が誤って飲酒してしまったら不味いでしょう」
そう言って夜神月の方を見た竜崎に「僕の心配をしていたのか?彼女のではなく?」と思わず大きな声で応じてしまえば「彼女は何も問題ないので」とのうのうと返され、やはり成人済みなのか?と混乱する。
「あ、問題はありました」
今思い出した、みたいな顔をする竜崎に部屋中の注目が集まる。
「酔ったナマエはとても可愛いので皆さんにお見せしたくありません」
真顔で言い放った男に、部屋はしん…と静まり返った。
「そ、そんなこと」
「あります。あと私が強いのではなく貴女が弱すぎるだけです」
私は普通です、貴女みたいに乱れたりしません、みっ乱れたりなんかしないでしょ!?おや、記憶がないんですか?良いことを知りました、どういう意味!?などといつもの調子でわいわいやり始めてしまった2人に当てられてすっかり冷めてしまった松田と月はお互い目で会話した後、深々と溜息をついた。