名探偵のお気に入り
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「ナマエはなんでナマエなんですか?」
「うん?」
急に哲学的な質問が降って湧いて、私は曖昧な笑みを浮かべたまま声の方を向いた。
まさかロミオ貴方は何故ロミオなの?みたいな質問ではあるまい。
「ワイミーズハウスに入る際に、皆コードネームを名乗るようになっているはずです」
それはイニシャルだったり本名をもじった短い名前だったり。
施設へ入る際にそれまでの自分 にひとつ、仮面を被るのだ。
仲の良かった金髪や白髪の少年のあだ名を思い出しながら斜め上を見上げていると「貴女のは本名でしょう」と追撃がきた。
「…それを知っている人は?」
「施設の責任者、ワタリ、それに私くらいでしょうね」
「なら良いじゃない」
さらりと言えば男の眉根に皺が寄った。
その顔に笑って、眉間の皺を伸ばすようにぐりぐりと指を押し付ける。
「コードネームが義務付けられた場でまさか本名だと思う人はいないでしょ」
心理を逆手に取った発想を自信たっぷりに明かせば、指を押し付けていた眉間がフラットになった。
「驚きました」
「ふふん」
「まさか私と同じ発想をする者がいるとは」
「…え?」
今度は自分の眉間に皺が刻まれる。
それを押し伸ばすようにLの指が容赦なくめり込んだ。
「貴女は賢いと思ってましたが、それを思い付いたのは施設へ入った頃でしょう?4歳かそこらですよね…本当、貴女は面白い…」
「ちょ、ちょっと待って、」
Lはイニシャルじゃないの?
眉間をぐりぐり押されて目を瞬かせながら問い質せば、目の前の男はにやりと笑った。
ワイミーズハウス出身のキレ者達は皆イニシャルを語る。昔の事件でXやらZやらが活躍したのを知っている。Lがワイミーズハウス出身というのを明確に聞いたことはないけれど、恐らくそうなのだろうし、在籍中はローとかそんな感じの名前で、独り立ちしてからイニシャルを名乗り出したんだとばかり思っていた。
「…アルファベット一文字がまさか本名だと思う人はいないでしょう?」
先ほどの私の口ぶりを真似て飄々と言ってのける。
お互い指を眉間に押し付け合ったままのおかしな体勢で見つめ合う。
「……全く思わなかった」
「ふふん」
やっぱり私を真似て笑う彼に舌を巻く。裏の裏は表とはよくいったもんだ。
「……このことを知っている人は?」
「ワタリと…ナマエくらいですね」
だから全く問題ない。
眉間に押し付けられていた指がするりと輪郭をなぞって頰を撫でる。その指に無意識に擦り寄りながら呆けた顔のままぼんやりと私はこの男の秘密の護り人になったのだ、と思った。
「うん?」
急に哲学的な質問が降って湧いて、私は曖昧な笑みを浮かべたまま声の方を向いた。
まさかロミオ貴方は何故ロミオなの?みたいな質問ではあるまい。
「ワイミーズハウスに入る際に、皆コードネームを名乗るようになっているはずです」
それはイニシャルだったり本名をもじった短い名前だったり。
施設へ入る際にそれまでの
仲の良かった金髪や白髪の少年のあだ名を思い出しながら斜め上を見上げていると「貴女のは本名でしょう」と追撃がきた。
「…それを知っている人は?」
「施設の責任者、ワタリ、それに私くらいでしょうね」
「なら良いじゃない」
さらりと言えば男の眉根に皺が寄った。
その顔に笑って、眉間の皺を伸ばすようにぐりぐりと指を押し付ける。
「コードネームが義務付けられた場でまさか本名だと思う人はいないでしょ」
心理を逆手に取った発想を自信たっぷりに明かせば、指を押し付けていた眉間がフラットになった。
「驚きました」
「ふふん」
「まさか私と同じ発想をする者がいるとは」
「…え?」
今度は自分の眉間に皺が刻まれる。
それを押し伸ばすようにLの指が容赦なくめり込んだ。
「貴女は賢いと思ってましたが、それを思い付いたのは施設へ入った頃でしょう?4歳かそこらですよね…本当、貴女は面白い…」
「ちょ、ちょっと待って、」
Lはイニシャルじゃないの?
眉間をぐりぐり押されて目を瞬かせながら問い質せば、目の前の男はにやりと笑った。
ワイミーズハウス出身のキレ者達は皆イニシャルを語る。昔の事件でXやらZやらが活躍したのを知っている。Lがワイミーズハウス出身というのを明確に聞いたことはないけれど、恐らくそうなのだろうし、在籍中はローとかそんな感じの名前で、独り立ちしてからイニシャルを名乗り出したんだとばかり思っていた。
「…アルファベット一文字がまさか本名だと思う人はいないでしょう?」
先ほどの私の口ぶりを真似て飄々と言ってのける。
お互い指を眉間に押し付け合ったままのおかしな体勢で見つめ合う。
「……全く思わなかった」
「ふふん」
やっぱり私を真似て笑う彼に舌を巻く。裏の裏は表とはよくいったもんだ。
「……このことを知っている人は?」
「ワタリと…ナマエくらいですね」
だから全く問題ない。
眉間に押し付けられていた指がするりと輪郭をなぞって頰を撫でる。その指に無意識に擦り寄りながら呆けた顔のままぼんやりと私はこの男の秘密の護り人になったのだ、と思った。