名探偵のお気に入り
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ジャラ
重い金属音が部屋に響く。
音の原因を咎めるように鋭い視線が飛んだ。
「…ほんと、それどうかと思う」
金髪の可愛らしい少女が白いフリルのワンピースの裾を揺らして脚を組み替えながら苛々した口調で吐き捨てた。
可愛い顔は乱暴についた頬杖のせいで歪んでいる。
音を立てた方にある2つの人影から反応が無いことに更に苛ついた彼女は脚をばたつかせながらもう一度「それ!どうかと思う!!!」と叫んだ。
「…ミサ、静かに出来ないのなら出て行ってくれ」
「呼んでもいないし許可してもいないのにここに居座るのもどうかと思いますよ」
金切り声にやっと反応した2人の男は同時に振り返り、同時に意見を述べた。
同時に違うことを言われたせいで2人の言ったことが半分程しか聞き取れなかったが、苦言を呈されたことは理解した少女は思い切り頰を膨らませてふかふかのソファーに沈み込んだ。
「…ミサだって好きでこんなところにいるわけじゃありません〜!2人がずっとここにカンヅメだから暇で見に来ただけだし…」
「夜には行くって言っただろ」
「来てくれてもさあ!2人きりにはなれないじゃん!!!」
それのせいで!とビシッと指差した先には重苦しい鎖、その先には枷で繋がれた2人の男。
指差された先を目で追って、顔を上げ目を合わせた男達は2人して重々しい溜息を吐いた。茶髪の姿勢正しい青年の方はよく吐くが、黒髪の酷い猫背の方には珍しいことだ。
金髪の少女をチラリと見た黒髪の男は椅子に深く腰掛け直し、膝の上に置いていた手を伸ばしてポップコーンを鷲掴みにするとそのまま頬張った。無理な量を口に運んだのでぼろぼろと零すのも気にせず、モゴモゴと咀嚼して、砂糖の塊が形を留めたまま沈んだ紅茶で飲み流した。
「…私だってしたくてしてるわけではありません」
「そっちが言い出したんでしょ!?好きでしてるんじゃない!」
ソファーから立ち上がり茶髪の青年へ駆け寄って抱き着いた少女はキャンキャン噛み付くように叫び散らした。眉をキッとあげて睨み付けるもビクともしない爬虫類顔にますます顰めっ面をしながら「せっかく月と一緒に寝てるのに、何も出来ない」と漏らした。
それを聞いた黒髪の男は珍しく表情らしい表情を顔に浮かべたので茶髪の青年は驚く。内心、やはり彼女絡みは面白いなと興味深く思いながら。
「お言葉ですが。この状況のせいで何も出来ないのはこちらも同じです。月くんと繋がっているせいで一体いつからナマエとしていないとお思いですか?」
「したいなら外せば良いじゃない!!こっちだって同じ期間してないからっ!」
べーっと舌を出して威嚇する金髪をあやすように撫でれば「月からも何とか言ってよぉ」と腕にまとわりついてくる。薄い白地のワンピースから柔らかそうな双丘が覗き、その間に挟まれた自身の腕を無感情に見下ろしていれば、親指の爪を噛んだ横の男に「月くんは鋼の忍耐力ですね…私だったらそんなことされたらその場でひん剥いて食べます」と恐ろしい宣言をされた。
「竜崎、それはいくらなんでも、」と言いかけたところでガチャリと部屋の扉が開き、もう1人の少女が顔を出した。竜崎と同じ白いシンプルな長袖Tシャツにジーパン姿の彼女がミサのようなはしたない薄着でいるところを見たことがない。彼女自身のその姿には興味がないが、そんな姿の彼女相手にこの男がどうなるのかは興味があるから見てみたい。今度ミサに服を貸すよう言ってみようか。
そんなことを考えながら眺めていれば「海砂ちゃんここにいたの、探したよ」と言いながら部屋に入ってきた女に、ジャラジャラと金属音を立てながら駆け寄った男がしがみついた。
「私のことは探してくれなかったんですか」
「いや竜崎がここにいるのは知ってるし…」
抱き竦められても慣れたもので全く動じず返事をする彼女は、男の肩越しに背伸びをして顔を少し覗かせると「晩御飯準備できてるよ」と海砂に話しかけた。
腕にまとわりついたままだった金髪の少女は「月も一緒なら食べる」と更にくっついてきたので「仕方ない、竜崎、休憩にしよう」と提案する。
「どうぞ、お二人で行ってきてください」
「そんなこと言ったって…コレで繋がってるんだから一緒に行かないといけないだろ?」
「はぁ………私はナマエと繋がりたい…………」
爆弾発言を落とした男の真意に気付かないのか、ハァ?なんのために?重いだけじゃんやだよ、と切り捨てた女はしがみついてくる男の背中を促すように叩く。
「ほら、じゃあ4人で食べよ」
「私はナマエを食べたいです…」
「はぁ!?」
ようやく解ったようで顔を赤くした少女は抱き締めてくる腕から逃れようと身をよじるが抵抗虚しく噛み付くようなキスをされてしまっていた。
それを見たミサが嫉妬の呻き声を上げ、負けじと強請ってくるので仕方なく唇を落としながら、つくづく面白いなと鎖で繋がった先を眺めた。
重い金属音が部屋に響く。
音の原因を咎めるように鋭い視線が飛んだ。
「…ほんと、それどうかと思う」
金髪の可愛らしい少女が白いフリルのワンピースの裾を揺らして脚を組み替えながら苛々した口調で吐き捨てた。
可愛い顔は乱暴についた頬杖のせいで歪んでいる。
音を立てた方にある2つの人影から反応が無いことに更に苛ついた彼女は脚をばたつかせながらもう一度「それ!どうかと思う!!!」と叫んだ。
「…ミサ、静かに出来ないのなら出て行ってくれ」
「呼んでもいないし許可してもいないのにここに居座るのもどうかと思いますよ」
金切り声にやっと反応した2人の男は同時に振り返り、同時に意見を述べた。
同時に違うことを言われたせいで2人の言ったことが半分程しか聞き取れなかったが、苦言を呈されたことは理解した少女は思い切り頰を膨らませてふかふかのソファーに沈み込んだ。
「…ミサだって好きでこんなところにいるわけじゃありません〜!2人がずっとここにカンヅメだから暇で見に来ただけだし…」
「夜には行くって言っただろ」
「来てくれてもさあ!2人きりにはなれないじゃん!!!」
それのせいで!とビシッと指差した先には重苦しい鎖、その先には枷で繋がれた2人の男。
指差された先を目で追って、顔を上げ目を合わせた男達は2人して重々しい溜息を吐いた。茶髪の姿勢正しい青年の方はよく吐くが、黒髪の酷い猫背の方には珍しいことだ。
金髪の少女をチラリと見た黒髪の男は椅子に深く腰掛け直し、膝の上に置いていた手を伸ばしてポップコーンを鷲掴みにするとそのまま頬張った。無理な量を口に運んだのでぼろぼろと零すのも気にせず、モゴモゴと咀嚼して、砂糖の塊が形を留めたまま沈んだ紅茶で飲み流した。
「…私だってしたくてしてるわけではありません」
「そっちが言い出したんでしょ!?好きでしてるんじゃない!」
ソファーから立ち上がり茶髪の青年へ駆け寄って抱き着いた少女はキャンキャン噛み付くように叫び散らした。眉をキッとあげて睨み付けるもビクともしない爬虫類顔にますます顰めっ面をしながら「せっかく月と一緒に寝てるのに、何も出来ない」と漏らした。
それを聞いた黒髪の男は珍しく表情らしい表情を顔に浮かべたので茶髪の青年は驚く。内心、やはり彼女絡みは面白いなと興味深く思いながら。
「お言葉ですが。この状況のせいで何も出来ないのはこちらも同じです。月くんと繋がっているせいで一体いつからナマエとしていないとお思いですか?」
「したいなら外せば良いじゃない!!こっちだって同じ期間してないからっ!」
べーっと舌を出して威嚇する金髪をあやすように撫でれば「月からも何とか言ってよぉ」と腕にまとわりついてくる。薄い白地のワンピースから柔らかそうな双丘が覗き、その間に挟まれた自身の腕を無感情に見下ろしていれば、親指の爪を噛んだ横の男に「月くんは鋼の忍耐力ですね…私だったらそんなことされたらその場でひん剥いて食べます」と恐ろしい宣言をされた。
「竜崎、それはいくらなんでも、」と言いかけたところでガチャリと部屋の扉が開き、もう1人の少女が顔を出した。竜崎と同じ白いシンプルな長袖Tシャツにジーパン姿の彼女がミサのようなはしたない薄着でいるところを見たことがない。彼女自身のその姿には興味がないが、そんな姿の彼女相手にこの男がどうなるのかは興味があるから見てみたい。今度ミサに服を貸すよう言ってみようか。
そんなことを考えながら眺めていれば「海砂ちゃんここにいたの、探したよ」と言いながら部屋に入ってきた女に、ジャラジャラと金属音を立てながら駆け寄った男がしがみついた。
「私のことは探してくれなかったんですか」
「いや竜崎がここにいるのは知ってるし…」
抱き竦められても慣れたもので全く動じず返事をする彼女は、男の肩越しに背伸びをして顔を少し覗かせると「晩御飯準備できてるよ」と海砂に話しかけた。
腕にまとわりついたままだった金髪の少女は「月も一緒なら食べる」と更にくっついてきたので「仕方ない、竜崎、休憩にしよう」と提案する。
「どうぞ、お二人で行ってきてください」
「そんなこと言ったって…コレで繋がってるんだから一緒に行かないといけないだろ?」
「はぁ………私はナマエと繋がりたい…………」
爆弾発言を落とした男の真意に気付かないのか、ハァ?なんのために?重いだけじゃんやだよ、と切り捨てた女はしがみついてくる男の背中を促すように叩く。
「ほら、じゃあ4人で食べよ」
「私はナマエを食べたいです…」
「はぁ!?」
ようやく解ったようで顔を赤くした少女は抱き締めてくる腕から逃れようと身をよじるが抵抗虚しく噛み付くようなキスをされてしまっていた。
それを見たミサが嫉妬の呻き声を上げ、負けじと強請ってくるので仕方なく唇を落としながら、つくづく面白いなと鎖で繋がった先を眺めた。