短編
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「なんか全然大晦日って感じしないな」
「そうですか?」
こんなの淹れてるからかもしれないけどね、と彼の傍のテーブルにカップを置けば、別に正月だから和風にしなければいけないなんてことはありません、と返されて。
そりゃあそうだけど、正月なら緑茶とか抹茶とか飲みたくなる、のは変なのかな、少なくとも正月と言われてミルクティー連想する人ってあんまいないと思うんだけど。
キャラメルの甘い香りが鼻をくすぐって、彼の方を見ればボトボトと、これでもかってくらいキャラメルをカップに落としているところだった。
「あ、除夜の鐘だ、年明けたんだ、あけましておめでとう、L」
「…寒いです、閉めてください」
新年の挨拶も無しにソレですか。
良く聞きたくて、窓を開けたら、嫌そうに眉を顰められた。
はいはい、ごめんなさいねー、今閉めますよ、
「あ、花火」
遠くに小さくパッパッとカラフルな円が現れては消え、現れては消えしている。
窓を閉めてしばらく窓辺で眺めていたら、いきなり陶器の割れる音がして、慌てて振り返った。
「ワタリ、」
「あ、いいよ、私片付けるよ、」
「セスナの用意を」
「、は?」
割れたカップを綺麗に無視してワタリに命じるカエル顔をぽかん、と見つめる私は一体何顔なんだろう。
「える、カップ、」
「ああ、割れてしまいましたね、せっかく淹れて頂いたのに申し訳ないです、それより早く出かける準備を」
「え、は、?」
ほら、貴女と言う人は、混乱する私を瞳に映し、にっこりと滅多に見せない笑顔を浮かべ、予測できない言葉を紡ぐんだ。
「初詣行きましょう、空からだと花火も綺麗に見えますよ」
ああ、カーペットに駱駝色の円ができてしまった。
キャラメルミルクティー (ちょっと素敵な8のお題【liberalism】)
「そうですか?」
こんなの淹れてるからかもしれないけどね、と彼の傍のテーブルにカップを置けば、別に正月だから和風にしなければいけないなんてことはありません、と返されて。
そりゃあそうだけど、正月なら緑茶とか抹茶とか飲みたくなる、のは変なのかな、少なくとも正月と言われてミルクティー連想する人ってあんまいないと思うんだけど。
キャラメルの甘い香りが鼻をくすぐって、彼の方を見ればボトボトと、これでもかってくらいキャラメルをカップに落としているところだった。
「あ、除夜の鐘だ、年明けたんだ、あけましておめでとう、L」
「…寒いです、閉めてください」
新年の挨拶も無しにソレですか。
良く聞きたくて、窓を開けたら、嫌そうに眉を顰められた。
はいはい、ごめんなさいねー、今閉めますよ、
「あ、花火」
遠くに小さくパッパッとカラフルな円が現れては消え、現れては消えしている。
窓を閉めてしばらく窓辺で眺めていたら、いきなり陶器の割れる音がして、慌てて振り返った。
「ワタリ、」
「あ、いいよ、私片付けるよ、」
「セスナの用意を」
「、は?」
割れたカップを綺麗に無視してワタリに命じるカエル顔をぽかん、と見つめる私は一体何顔なんだろう。
「える、カップ、」
「ああ、割れてしまいましたね、せっかく淹れて頂いたのに申し訳ないです、それより早く出かける準備を」
「え、は、?」
ほら、貴女と言う人は、混乱する私を瞳に映し、にっこりと滅多に見せない笑顔を浮かべ、予測できない言葉を紡ぐんだ。
「初詣行きましょう、空からだと花火も綺麗に見えますよ」
ああ、カーペットに駱駝色の円ができてしまった。
キャラメルミルクティー (ちょっと素敵な8のお題【liberalism】)