短編
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さん!にぃ!いち!
「ハッピーニューイヤー!」
寒空に響いた、この歓声が、気持ち良い。
いっせいに放たれた、色とりどりの風船がその空を覆いつくし、花火が次々と上がって、テンションのあがった人の波は、歓声を上げながら、お賽銭をあげる為に石段へ向かってゆっくり動き始めた。
いつもなら自分からなんて近付いても来ない日吉が、はぐれないように、と自然に指を絡ませてきて、手袋の上からでも、手汗がばれてしまうんじゃないかってくらい緊張して、(だって手なんて数えるほどしか繋いだことない!)人が押し合いへし合いしながら寺の方へ進むもんだから、身体が密着して、あつい、熱い、
「おめでとう」
「え、あ、おめでとう」
いきなり耳元(立ち位置的に、だけど)で囁かれて、若干裏返った声で返す。
熱くて熱くて、顔はきっと赤い、これは寒さのせいだよ、って言ってみたら通じるだろうか、日吉は変に鋭いからな、ああ、もう、
「ね、日吉は何て書いたの?お願い事」
さっきの風船にくくりつけた紙に、(年明け前に配られたのだ、それに願いを書いて、飛ばしたのだ)(3000個もあったんだって!風船!)なんとか話題を作りたくてそう切り出したのに、この人は、私を熱くさせる名人だ、
「お前と今年もいっしょにいられますように、だ」
風に舞う、恋の花。
(ちょっと素敵な8のお題【liberalism】)
「ハッピーニューイヤー!」
寒空に響いた、この歓声が、気持ち良い。
いっせいに放たれた、色とりどりの風船がその空を覆いつくし、花火が次々と上がって、テンションのあがった人の波は、歓声を上げながら、お賽銭をあげる為に石段へ向かってゆっくり動き始めた。
いつもなら自分からなんて近付いても来ない日吉が、はぐれないように、と自然に指を絡ませてきて、手袋の上からでも、手汗がばれてしまうんじゃないかってくらい緊張して、(だって手なんて数えるほどしか繋いだことない!)人が押し合いへし合いしながら寺の方へ進むもんだから、身体が密着して、あつい、熱い、
「おめでとう」
「え、あ、おめでとう」
いきなり耳元(立ち位置的に、だけど)で囁かれて、若干裏返った声で返す。
熱くて熱くて、顔はきっと赤い、これは寒さのせいだよ、って言ってみたら通じるだろうか、日吉は変に鋭いからな、ああ、もう、
「ね、日吉は何て書いたの?お願い事」
さっきの風船にくくりつけた紙に、(年明け前に配られたのだ、それに願いを書いて、飛ばしたのだ)(3000個もあったんだって!風船!)なんとか話題を作りたくてそう切り出したのに、この人は、私を熱くさせる名人だ、
「お前と今年もいっしょにいられますように、だ」
風に舞う、恋の花。
(ちょっと素敵な8のお題【liberalism】)