短編
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「うぉーいそこの帽子しょうねーん!!」
頭上から声がした。
「ねぇっちょっと!宍戸!!」
「…なんだよ。」
やめろ、名前呼ぶな。
俺は呼ばれただけでニヤケそうになる顔を必死で真顔にしながら上を向いた。
二階の窓から身を乗り出すように下を見ていた名前と目が合う。
「うーわー傷つくー。なにその嫌そうな顔!」
「別にいやじゃねぇよ」
真顔にしすぎたのか眉間にしわがよっていたらしく少し悲しそうな顔をされる。
しかし、その顔もすぐいつものニコニコ顔に戻る。
「部活は?」
「もうすぐ文化祭だろ?跡部も太郎(43)も忙しいから部活無しになったんだ。」
「ふーん。じゃ、もう帰るの??」
「おう。」
「一緒に帰ろ?」
「…は?」
何故そんなことを言い出したのか問いただす暇もなく待っててねーと叫び窓から顔を引っ込めてしまった。
しばらく待っていると昇降口からローファーをつっかけて鞄を担いだ名前が飛び出してきた。
「はぁっはぁっ…お待たせ!」
「靴ちゃんと履け。」
「はいはーい」
名前がローファーをちゃんとはくのを待ってから二人並んで歩き出す。
校門を出ても会話はなく。
隣を見てもただ歩いているだけの名前がいるだけで。
不自然じゃない程度に離れて歩くだけ。なんなんだよ…
「あっ!!」
「うをっ?!なんだよいきなり大声出すな!!」
「あぁごめん。」
「で、どうかしたのかよ?」
「なんでもないよ。しゃっくりをこらえただけ!」
「あぁ?!なんだそりゃ!」
こいつ…意味わかんねえ…
でも隣を歩いてるってだけでドキドキしてる自分がいる。
あーぁ激ダセェ…
「し・り・と・り!りだよ!!」
「はぁ?」
「だってあんまり会話がないからさー…」
「だからしりとりかよ?!」
会話ないって…誘ったのお前だろ…
こいつ別に何も用がないのか?
今日が何の日だか知らないのか?
鞄の中でもらった箱だの包みだののこすれる音がした。
ミントガムだのタオルだのグリップテープだの女子からいろいろ押し付けられた。
忍足からはなんか胡散臭い薄汚れたお守り、長太郎からはやけに高そうなシャーペン、ジローと岳人からはミルキーの包み紙。(もらった瞬間投げ返したけどな)
今日、は俺の誕生日だから。
でも中三にもなって誕生日だなんておめでとうと言われれば嬉しいけど、自分から俺今日誕生日なんだぜ!とかは絶対言わない。(ジローや岳人は言ってたけど…あと跡部も)
だから、こいつがなにも言わなくても別に何もしない。
凹んだりもしない。こいつが俺の誕生日知ってるわけないし。
女子って何故かそういうこと知ってるから知ってるかも…とかいう無駄な期待もしない。
だって切ないだけだろ。
「てかさ、部活引退したんじゃないの?」
「うーん…した、けどまだ元レギュはみんな行ってんぜ毎日当たり前のように。後輩指導だのなんだかんだ言って。」
「テニス好きなんだね。」
「まぁな。」
また会話が途切れる。
気の利いたこと言ってみたいけどいい言葉が見つからない。
自分から会話振るのって苦手なんだよ!!
「あーぁ、方面が一緒ならなぁ」
駅について、改札入ったところで名前が漏らす。名前と俺は反対方面の電車だ。
その言葉がどういう意味か知らないけどドキッとしてしまう。
あー激ダサ!!!
「あ、お互い電車きたんじゃん?」
「げ、ホントだ。」
「走れば間に合うね!じゃまた明日!!」
「おぅ!」
お互い別の階段を駆け上がりホームに出る。
駆け込み乗車でドアが閉まるぎりぎりに滑り込む。
ふと前を見ると隣の電車、つまり反対方面へ向かう電車のドアも閉まったところで俺のように滑り込んだ名前と目が合った。
その時スマホのバイブが鳴る。
新着LINE一件。
名前をちらちらと見ながらチェックしたそのLINEの内容は。
____________
HAPPY BIRTHDAY SHISHIDO!!!
プレゼント、いっぱいもらってたみたいだから…
私からも欲しかったら帰ったら電話して来い!!
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
ばっと名前を見る。
スマホを握り締め、赤い顔してそっぽを向いていた。
ちら、と目だっけこっち向いた名前は同時に発車した電車のせいですぐ見えなくなった。
すれ違い、ついに車体ごと見えなくなった電車の走っていった方向をアホみたいに見つめたままドア付近につっ立っている俺は心臓がバクバクでヤバかった。
こんな誕生日、アリかよ…
頭上から声がした。
「ねぇっちょっと!宍戸!!」
「…なんだよ。」
やめろ、名前呼ぶな。
俺は呼ばれただけでニヤケそうになる顔を必死で真顔にしながら上を向いた。
二階の窓から身を乗り出すように下を見ていた名前と目が合う。
「うーわー傷つくー。なにその嫌そうな顔!」
「別にいやじゃねぇよ」
真顔にしすぎたのか眉間にしわがよっていたらしく少し悲しそうな顔をされる。
しかし、その顔もすぐいつものニコニコ顔に戻る。
「部活は?」
「もうすぐ文化祭だろ?跡部も太郎(43)も忙しいから部活無しになったんだ。」
「ふーん。じゃ、もう帰るの??」
「おう。」
「一緒に帰ろ?」
「…は?」
何故そんなことを言い出したのか問いただす暇もなく待っててねーと叫び窓から顔を引っ込めてしまった。
しばらく待っていると昇降口からローファーをつっかけて鞄を担いだ名前が飛び出してきた。
「はぁっはぁっ…お待たせ!」
「靴ちゃんと履け。」
「はいはーい」
名前がローファーをちゃんとはくのを待ってから二人並んで歩き出す。
校門を出ても会話はなく。
隣を見てもただ歩いているだけの名前がいるだけで。
不自然じゃない程度に離れて歩くだけ。なんなんだよ…
「あっ!!」
「うをっ?!なんだよいきなり大声出すな!!」
「あぁごめん。」
「で、どうかしたのかよ?」
「なんでもないよ。しゃっくりをこらえただけ!」
「あぁ?!なんだそりゃ!」
こいつ…意味わかんねえ…
でも隣を歩いてるってだけでドキドキしてる自分がいる。
あーぁ激ダセェ…
「し・り・と・り!りだよ!!」
「はぁ?」
「だってあんまり会話がないからさー…」
「だからしりとりかよ?!」
会話ないって…誘ったのお前だろ…
こいつ別に何も用がないのか?
今日が何の日だか知らないのか?
鞄の中でもらった箱だの包みだののこすれる音がした。
ミントガムだのタオルだのグリップテープだの女子からいろいろ押し付けられた。
忍足からはなんか胡散臭い薄汚れたお守り、長太郎からはやけに高そうなシャーペン、ジローと岳人からはミルキーの包み紙。(もらった瞬間投げ返したけどな)
今日、は俺の誕生日だから。
でも中三にもなって誕生日だなんておめでとうと言われれば嬉しいけど、自分から俺今日誕生日なんだぜ!とかは絶対言わない。(ジローや岳人は言ってたけど…あと跡部も)
だから、こいつがなにも言わなくても別に何もしない。
凹んだりもしない。こいつが俺の誕生日知ってるわけないし。
女子って何故かそういうこと知ってるから知ってるかも…とかいう無駄な期待もしない。
だって切ないだけだろ。
「てかさ、部活引退したんじゃないの?」
「うーん…した、けどまだ元レギュはみんな行ってんぜ毎日当たり前のように。後輩指導だのなんだかんだ言って。」
「テニス好きなんだね。」
「まぁな。」
また会話が途切れる。
気の利いたこと言ってみたいけどいい言葉が見つからない。
自分から会話振るのって苦手なんだよ!!
「あーぁ、方面が一緒ならなぁ」
駅について、改札入ったところで名前が漏らす。名前と俺は反対方面の電車だ。
その言葉がどういう意味か知らないけどドキッとしてしまう。
あー激ダサ!!!
「あ、お互い電車きたんじゃん?」
「げ、ホントだ。」
「走れば間に合うね!じゃまた明日!!」
「おぅ!」
お互い別の階段を駆け上がりホームに出る。
駆け込み乗車でドアが閉まるぎりぎりに滑り込む。
ふと前を見ると隣の電車、つまり反対方面へ向かう電車のドアも閉まったところで俺のように滑り込んだ名前と目が合った。
その時スマホのバイブが鳴る。
新着LINE一件。
名前をちらちらと見ながらチェックしたそのLINEの内容は。
____________
HAPPY BIRTHDAY SHISHIDO!!!
プレゼント、いっぱいもらってたみたいだから…
私からも欲しかったら帰ったら電話して来い!!
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
ばっと名前を見る。
スマホを握り締め、赤い顔してそっぽを向いていた。
ちら、と目だっけこっち向いた名前は同時に発車した電車のせいですぐ見えなくなった。
すれ違い、ついに車体ごと見えなくなった電車の走っていった方向をアホみたいに見つめたままドア付近につっ立っている俺は心臓がバクバクでヤバかった。
こんな誕生日、アリかよ…