短編
はじめにお名前変換してください
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
こつん
隣の席のオカッパの手が私の右手に当たった。
シャーペンの先についているマスコットのチェーンが向日のシャーペンの頭の飾り(何これ何のキャラクター?)に絡まった。
そうとは知らず、そのままシャーペンを引っ張った向日のせいで、チェーンが切れてマスコットが吹っ飛んだ。(ついでに向日のシャーペンの頭も吹っ飛んだ)
「あー壊した!」
「お前こそ!シャー芯飛び出したじゃねーか!」
「変なシャーペン使ってるそっちが悪い!」
「変な人形ぶら下げてるお前が悪い!」
授業中なので小声で喧嘩。
細いボールチェーンは見事に切れて、もう直らない。
向日のはまたはめれば元通り。なんか不公平じゃね?
「弁償してよ」
「はぁー?」
「だいたい何で左手にシャーペン持っ…あれ?」
左利きだったっけ?と間抜けに問えば、何言ってんだ今更、と怪訝な顔をされる。
知らなかった…
まじまじと見つめてれば気を害したように手を引っ込め、ぷいっとそっぽを向かれる。
あーだからこの前ハサミ隣のあたしじゃなくて遠くのY子に借りてたのか。あの子も左利きだもんな。
「あたしのハサミ両利き用だよ」
「へ?」
だから今度からはあたしの借りなよ、って目で言ってみる。なんでこんな事言ったのかわかんないけど。
しばらく珍しいものでも見るような目で眺めてた向日だけど(なんか失礼じゃない?)ニコッと笑うと手を出した。
「じゃ、消しゴム貸して!」
「消耗品はダメ」
はぁ?なんだよケチ!とか言ってくるこいつを軽く蹴って、
さっきなんでハサミ貸すよ宣言をしたのかもう一度考えた。けど、わかんなかった。
039 mano sinistra (マノ シニストラ * 左手で)(向日 * 庭球)
隣の席のオカッパの手が私の右手に当たった。
シャーペンの先についているマスコットのチェーンが向日のシャーペンの頭の飾り(何これ何のキャラクター?)に絡まった。
そうとは知らず、そのままシャーペンを引っ張った向日のせいで、チェーンが切れてマスコットが吹っ飛んだ。(ついでに向日のシャーペンの頭も吹っ飛んだ)
「あー壊した!」
「お前こそ!シャー芯飛び出したじゃねーか!」
「変なシャーペン使ってるそっちが悪い!」
「変な人形ぶら下げてるお前が悪い!」
授業中なので小声で喧嘩。
細いボールチェーンは見事に切れて、もう直らない。
向日のはまたはめれば元通り。なんか不公平じゃね?
「弁償してよ」
「はぁー?」
「だいたい何で左手にシャーペン持っ…あれ?」
左利きだったっけ?と間抜けに問えば、何言ってんだ今更、と怪訝な顔をされる。
知らなかった…
まじまじと見つめてれば気を害したように手を引っ込め、ぷいっとそっぽを向かれる。
あーだからこの前ハサミ隣のあたしじゃなくて遠くのY子に借りてたのか。あの子も左利きだもんな。
「あたしのハサミ両利き用だよ」
「へ?」
だから今度からはあたしの借りなよ、って目で言ってみる。なんでこんな事言ったのかわかんないけど。
しばらく珍しいものでも見るような目で眺めてた向日だけど(なんか失礼じゃない?)ニコッと笑うと手を出した。
「じゃ、消しゴム貸して!」
「消耗品はダメ」
はぁ?なんだよケチ!とか言ってくるこいつを軽く蹴って、
さっきなんでハサミ貸すよ宣言をしたのかもう一度考えた。けど、わかんなかった。
039 mano sinistra (マノ シニストラ * 左手で)(向日 * 庭球)