短編
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「やぁ、まいったなぁ、起きているとは」
「サンタさん」は白いお髭のお爺さんだと信じていたのに、目の前にいるのは目の覚めるようなオレンジ色の髪で笑顔が眩しい若い青年だった。
「まぁいっか、とりあえず、はい」
渡されたのは欲しがっていた兎のぬいぐるみで、あたしはそれを抱きしめて、半分布団に潜ったまま、再度その「サンタさん」を凝視した。視線が痛かったのか、はは、と小さく笑って眉根を下げるとあたしの頭をくしゃりと撫でて、じゃあね、と出て行こうとした。
慌てて服を引っ掴み、「くっきー!」と叫ぶと目を丸くして驚かれたけど、あたしの指差す方向に顔を向け、子供机の上にクッキーとミルクを見つけると本当に嬉しそうに、こっちが幸せになるくらい嬉しそうに笑ってありがとうね、とまた頭を撫でてくれて、その手の暖かさに驚いて、外をソリで移動しているのに寒くないのかなとか思っているうちにサンタさんはぺろりと平らげてしまって、今度こそ本当に出て行こうとした。
あたしは何とか引き止めなくてはと、窓に手を掛けた(うちは煙突がないから窓から入ってきたのだ)サンタさんに今し方貰ったばっかりの兎を投げつけて注意を引いた。
「また、来年も、来る?」
「良い子にしてたらね」
「また、来年も、クッキー、食べたい?」
「うん、美味しかったからね」
「サンタさん、」
「キヨスミ」
「、え?」
「お兄ちゃんはね、サンタさんだけどキヨスミって言うんだよ」
「キヨスミ、さん」
「なぁに」
「来てくれて、ありがとう」
「うん」
朝になっても夜中の事がインパクト強すぎて眠れなかったあたしは兎を抱きしめ両親の寝室へ向かった。寝ぼけ眼の両親は2人の間にもぞもぞと入ってきた小さな人間の頭を義務的に撫でてくれたけれど、あたしはサンタさんの掌の余韻がなくなる気がしていやいやと頭を振った。
これは恋なんかじゃない (千石*庭球)(「執着は契約違反」のキヨ&ヒロインと同一)
「サンタさん」は白いお髭のお爺さんだと信じていたのに、目の前にいるのは目の覚めるようなオレンジ色の髪で笑顔が眩しい若い青年だった。
「まぁいっか、とりあえず、はい」
渡されたのは欲しがっていた兎のぬいぐるみで、あたしはそれを抱きしめて、半分布団に潜ったまま、再度その「サンタさん」を凝視した。視線が痛かったのか、はは、と小さく笑って眉根を下げるとあたしの頭をくしゃりと撫でて、じゃあね、と出て行こうとした。
慌てて服を引っ掴み、「くっきー!」と叫ぶと目を丸くして驚かれたけど、あたしの指差す方向に顔を向け、子供机の上にクッキーとミルクを見つけると本当に嬉しそうに、こっちが幸せになるくらい嬉しそうに笑ってありがとうね、とまた頭を撫でてくれて、その手の暖かさに驚いて、外をソリで移動しているのに寒くないのかなとか思っているうちにサンタさんはぺろりと平らげてしまって、今度こそ本当に出て行こうとした。
あたしは何とか引き止めなくてはと、窓に手を掛けた(うちは煙突がないから窓から入ってきたのだ)サンタさんに今し方貰ったばっかりの兎を投げつけて注意を引いた。
「また、来年も、来る?」
「良い子にしてたらね」
「また、来年も、クッキー、食べたい?」
「うん、美味しかったからね」
「サンタさん、」
「キヨスミ」
「、え?」
「お兄ちゃんはね、サンタさんだけどキヨスミって言うんだよ」
「キヨスミ、さん」
「なぁに」
「来てくれて、ありがとう」
「うん」
朝になっても夜中の事がインパクト強すぎて眠れなかったあたしは兎を抱きしめ両親の寝室へ向かった。寝ぼけ眼の両親は2人の間にもぞもぞと入ってきた小さな人間の頭を義務的に撫でてくれたけれど、あたしはサンタさんの掌の余韻がなくなる気がしていやいやと頭を振った。
これは恋なんかじゃない (千石*庭球)(「執着は契約違反」のキヨ&ヒロインと同一)