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紅の王子様
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「はぁ?え、何言ってんの」
目の前のこのアホが、天才だと言うことを忘れていた。
どうしよう。
いや、うん、ちょっと落ち着け。
放課後、早めに部室へ行くと忍足が着替え終わってロッカーの整理をしていた。
私はもう着替えてきちゃったからまっすぐ自分のパソコンの前に行き、スイッチを入れる。
テニス部は新歓(新入生歓迎勧誘公演会の事ね)の前にすでに入部希望者が殺到してんだけど、一応勧誘文句を公式サイトのトップに載せなくちゃいけなくて。
去年までは、マネの先輩達が散々好き放題やってくれてたサイトも今年から私の管理下。
おとなしくて 普 通 の部活っぽいサイトにするぞー、と意気込んでサイトに飛んでみて、唖然とした。
おーいこらこらちょっと待てよ。
なんでトップに跡部がいるんだよ。(しかも全身からアップへの動画ループときたよ)(背景薔薇だよ笑っちゃうよコレ)
私の密かな意気込みをいきなり破壊してくれやがった跡部に悪態を吐きながらトップを変えてやろうとサーバーにアクセス。
こらこらなんだよなんでパスワード変わってんの。
サイト管理はマネージャーの管轄じゃなかったのかよ!!
もう外にも聞こえるくらいでかい声で罵っていたので忍足が言った事が一瞬理解できなかった。
「…え?」
「あれ、聞いてへんのかと思った」
「なに、今の、え、…は?」
「んー、いや、凌って美味しそうやんなって。」
「はぁ?え、何言ってんの」
嫌な汗が流れる。
ゆっくり振り向くと目が合って。
ニヤリ、と口の端をあげて笑う彼に言葉も出なく。
だって、凌の事は、男だって思ってるでしょ?
私はボロを出してないはずだし、いや、出してないよね、私。
そうだ、こいつはアホで変態で、でも、そうだ天才だったんだ。
こいつから見れば綾香が女の体付きだって、一目瞭然なのかもしれない。
跡部はインサイトがあるにも関わらず、わかってないみたいだけど、忍足は…
コレだけの事を約2秒の間に考え、身構えている私に返ってきた彼の答え。
「ホンマ美脚やんなーいやーあれは滝以来やで。」
は?
思わず眉間に皺を寄せた私に何を思ったのかけらけらと笑いながら心配せんでも盗らんよと言う。
私が凌の事好きだと思っているのか。いや、好きだけど恋愛感情じゃないし。女同士だし仲良いのは幼馴染だからで。
忍足はもうすっかり自分の世界に入っていて、美脚のロマンについて語り始めた。
女の子相手にここまで脚を語れる男はいないだろう。
もうこいつは男だろうが女だろうが脚が綺麗なら誰でも良いらしい。
心配して損した。
しかし、私の寿命を縮めるような発言をまたするのがこの男。
「凌って女の子みたいやしなぁ」
いつもみたいに「何ほざいてんの?」とか返せれば自然だっただろう。
私は思い切り素っ頓狂な声を上げて物凄い早口で凌は男じゃん!という意味の文を並べまくった。
あまりの私の動揺振りにさすがにきょとんとしている忍足。
しまった。困った。今度こそマズった。
「ま、まぁ、女みたいだよね、私より細いしさー白いしさー細くて長くて白い脚!いいよねー」
慌てて繕う私をしばらく無表情で見つめている忍足。
何か言えよ。
パソコンの画面からはエンドレスでチャラララーンというメロディが流れ、これまたエンドレスで薔薇を背負った跡部がテニスをしたりアップになったりを繰り返している。
痛い沈黙。
何か言って忍足。跡部の効果音が静かな部室に妙に響く。
緊張の中、ちらちらと動く画面の中の跡部が流石にウザくなり、ウィンドウを閉めようとマウスに手を伸ばしたところでがしっと両肩を掴まれ。
心臓が止まる。
「な!わかるか!あの素晴らしい脚!!!!」
やっぱり何も言わないで、と泣きそうになっていた私に言い放つ忍足。
乾詩菜、このアホをどうにかしてくれと改めて切実に思った十五の春。
「あれ、何?口説き中?」
のんびりとした声が入り口から聞こえ、目を向けるとそこには張本人の大石凌。
肩をしっかりと握られたままの私はほっとするやらムカつくやら忍足を張り倒したいやらいろいろな感情がぐるぐるになって思わず涙が零れる。
いきなりの涙に忍足も凌もぎょっとするわけで。
続けて入ってきた岳人と凌に忍足は当然のごとくシメられる。(俺何もしてへん!と叫んでいたが)
とりあえず今日から凌はマネージャー絶対命令で長ジャージ強制だった。
シメられたあと、痛いわーひどいわーと言いながらも、忍足の目の色が変わったことを誰も知らない。
目の前のこのアホが、天才だと言うことを忘れていた。
どうしよう。
いや、うん、ちょっと落ち着け。
放課後、早めに部室へ行くと忍足が着替え終わってロッカーの整理をしていた。
私はもう着替えてきちゃったからまっすぐ自分のパソコンの前に行き、スイッチを入れる。
テニス部は新歓(新入生歓迎勧誘公演会の事ね)の前にすでに入部希望者が殺到してんだけど、一応勧誘文句を公式サイトのトップに載せなくちゃいけなくて。
去年までは、マネの先輩達が散々好き放題やってくれてたサイトも今年から私の管理下。
おとなしくて 普 通 の部活っぽいサイトにするぞー、と意気込んでサイトに飛んでみて、唖然とした。
おーいこらこらちょっと待てよ。
なんでトップに跡部がいるんだよ。(しかも全身からアップへの動画ループときたよ)(背景薔薇だよ笑っちゃうよコレ)
私の密かな意気込みをいきなり破壊してくれやがった跡部に悪態を吐きながらトップを変えてやろうとサーバーにアクセス。
こらこらなんだよなんでパスワード変わってんの。
サイト管理はマネージャーの管轄じゃなかったのかよ!!
もう外にも聞こえるくらいでかい声で罵っていたので忍足が言った事が一瞬理解できなかった。
「…え?」
「あれ、聞いてへんのかと思った」
「なに、今の、え、…は?」
「んー、いや、凌って美味しそうやんなって。」
「はぁ?え、何言ってんの」
嫌な汗が流れる。
ゆっくり振り向くと目が合って。
ニヤリ、と口の端をあげて笑う彼に言葉も出なく。
だって、凌の事は、男だって思ってるでしょ?
私はボロを出してないはずだし、いや、出してないよね、私。
そうだ、こいつはアホで変態で、でも、そうだ天才だったんだ。
こいつから見れば綾香が女の体付きだって、一目瞭然なのかもしれない。
跡部はインサイトがあるにも関わらず、わかってないみたいだけど、忍足は…
コレだけの事を約2秒の間に考え、身構えている私に返ってきた彼の答え。
「ホンマ美脚やんなーいやーあれは滝以来やで。」
は?
思わず眉間に皺を寄せた私に何を思ったのかけらけらと笑いながら心配せんでも盗らんよと言う。
私が凌の事好きだと思っているのか。いや、好きだけど恋愛感情じゃないし。女同士だし仲良いのは幼馴染だからで。
忍足はもうすっかり自分の世界に入っていて、美脚のロマンについて語り始めた。
女の子相手にここまで脚を語れる男はいないだろう。
もうこいつは男だろうが女だろうが脚が綺麗なら誰でも良いらしい。
心配して損した。
しかし、私の寿命を縮めるような発言をまたするのがこの男。
「凌って女の子みたいやしなぁ」
いつもみたいに「何ほざいてんの?」とか返せれば自然だっただろう。
私は思い切り素っ頓狂な声を上げて物凄い早口で凌は男じゃん!という意味の文を並べまくった。
あまりの私の動揺振りにさすがにきょとんとしている忍足。
しまった。困った。今度こそマズった。
「ま、まぁ、女みたいだよね、私より細いしさー白いしさー細くて長くて白い脚!いいよねー」
慌てて繕う私をしばらく無表情で見つめている忍足。
何か言えよ。
パソコンの画面からはエンドレスでチャラララーンというメロディが流れ、これまたエンドレスで薔薇を背負った跡部がテニスをしたりアップになったりを繰り返している。
痛い沈黙。
何か言って忍足。跡部の効果音が静かな部室に妙に響く。
緊張の中、ちらちらと動く画面の中の跡部が流石にウザくなり、ウィンドウを閉めようとマウスに手を伸ばしたところでがしっと両肩を掴まれ。
心臓が止まる。
「な!わかるか!あの素晴らしい脚!!!!」
やっぱり何も言わないで、と泣きそうになっていた私に言い放つ忍足。
乾詩菜、このアホをどうにかしてくれと改めて切実に思った十五の春。
「あれ、何?口説き中?」
のんびりとした声が入り口から聞こえ、目を向けるとそこには張本人の大石凌。
肩をしっかりと握られたままの私はほっとするやらムカつくやら忍足を張り倒したいやらいろいろな感情がぐるぐるになって思わず涙が零れる。
いきなりの涙に忍足も凌もぎょっとするわけで。
続けて入ってきた岳人と凌に忍足は当然のごとくシメられる。(俺何もしてへん!と叫んでいたが)
とりあえず今日から凌はマネージャー絶対命令で長ジャージ強制だった。
シメられたあと、痛いわーひどいわーと言いながらも、忍足の目の色が変わったことを誰も知らない。