短編
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「…何してんの」
「あれ、見つかっちゃった」
見つかっちゃった、じゃないわよ、部屋の電気ばっちりつけて物音盛大に立ててたらそりゃあ起きるわよ。
あたしの部屋には何故か赤い人物がいてベッド(勿論あたしが寝ているあたし専用のベッドだ)に腰掛けてにこにこしていた。
「可愛いね、ご丁寧に靴下さげてるなんて思わなかったよ?」
「これは弟に合わせてあげてんの」
歳の離れたまだ幼い弟が幼稚園で作ってきたフェルト製の靴下(自分のだけじゃなくあたしの分を態々作って「はい、サンタさんにお手紙書いて中に入れておくんだよ!」と渡されたらぶら下げないわけにいかないでしょ)(勿論手紙は書いていないけれど)を眺めて心底面白そうに笑う奴をまだ覚めきってない眼で出来る限り睨みつける。こんな夜中に人の部屋でなにをしているのか、と。
ご丁寧に巷で「サンタさん」と呼ばれる格好(何処で仕入れたんだ)をしている。
「あ、0時になった、メリークリスマス」
「そんなことより何をしているのですかまさかサンタさんが来たよとか言わないでしょうね大体どっから湧いてきたんですか」
「息継ぎしなくちゃダメだよ、無呼吸症候群は危険なんだよ」
そんな心配そうに言われましても、あたしがノンブレスで喋ったのは問い質してる感を出したかっただけであってそんな症候群ではないのだよ不二君。
「ホントは逆の方が嬉しかったんだけど、」
勝手に人の寝具に腰掛けていたにこにこサンタは、悶々と心の中で文句を並べるあたしを暫く眺めていたけれど、何を思ったかいきなり覆い被さってきて一際にっこりと至極楽しそうな幸せそうな笑みを浮かべた。
「僕がクリスマスプレゼントだよ」
ああ、サンタさん、手紙書かなくてごめんなさい、今から電波を飛ばすのでどうか受け取ってください、あたしの欲しいものは静かな夜です、どうかこの偽サンタをあたしのうえから退かして下さい。
この夜を越えて (不二*庭球)
「あれ、見つかっちゃった」
見つかっちゃった、じゃないわよ、部屋の電気ばっちりつけて物音盛大に立ててたらそりゃあ起きるわよ。
あたしの部屋には何故か赤い人物がいてベッド(勿論あたしが寝ているあたし専用のベッドだ)に腰掛けてにこにこしていた。
「可愛いね、ご丁寧に靴下さげてるなんて思わなかったよ?」
「これは弟に合わせてあげてんの」
歳の離れたまだ幼い弟が幼稚園で作ってきたフェルト製の靴下(自分のだけじゃなくあたしの分を態々作って「はい、サンタさんにお手紙書いて中に入れておくんだよ!」と渡されたらぶら下げないわけにいかないでしょ)(勿論手紙は書いていないけれど)を眺めて心底面白そうに笑う奴をまだ覚めきってない眼で出来る限り睨みつける。こんな夜中に人の部屋でなにをしているのか、と。
ご丁寧に巷で「サンタさん」と呼ばれる格好(何処で仕入れたんだ)をしている。
「あ、0時になった、メリークリスマス」
「そんなことより何をしているのですかまさかサンタさんが来たよとか言わないでしょうね大体どっから湧いてきたんですか」
「息継ぎしなくちゃダメだよ、無呼吸症候群は危険なんだよ」
そんな心配そうに言われましても、あたしがノンブレスで喋ったのは問い質してる感を出したかっただけであってそんな症候群ではないのだよ不二君。
「ホントは逆の方が嬉しかったんだけど、」
勝手に人の寝具に腰掛けていたにこにこサンタは、悶々と心の中で文句を並べるあたしを暫く眺めていたけれど、何を思ったかいきなり覆い被さってきて一際にっこりと至極楽しそうな幸せそうな笑みを浮かべた。
「僕がクリスマスプレゼントだよ」
ああ、サンタさん、手紙書かなくてごめんなさい、今から電波を飛ばすのでどうか受け取ってください、あたしの欲しいものは静かな夜です、どうかこの偽サンタをあたしのうえから退かして下さい。
この夜を越えて (不二*庭球)