短編
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「わぁ。一面ピンクだー」
「えっ?あっ、ごめん、つまんないよね?」
「ううん、楽しそうな名前ちゃん見てるとキヨも楽しいから。」
「そう?」
部活の買出ししてるキヨと偶然会った私は、どうせ学校の図書館に行く途中だし、と思ってキヨの荷物を少し持ってあげて一緒に学校までの道をぶらぶらしながら歩いていた。
そこで可愛い雑貨屋さんを発見、思わず立ち寄ってしまったのだ。
キヨにはつまんないだろうな、と思いつつも視界いっぱいのキラキラに思わず店内をくまなく見てしまう。
可愛いな、ほしいな、あっあれかわいい。
きょろきょろしてる私がおもしろいのかキヨはずっと眺めてる。
そんなに見ないでよ、恥ずかしいよ…
「あ、これかわいー…」
可愛い針金のかごに入ったヘアピンを一本抜いて前髪に当ててみる。
鏡を見て、どうかな?とキヨを振り返る。
あれ
なんかむすっとしてる?
変かな…似合わないかな…
「それ、透明だよ。」
「え?あ、うん?」
「名前ちゃん透明なのが好きなの?」
「えっ…別に…ピンクとかも可愛いけど…私ピンクあんま似合わないから…クリアが無難かなって…」
「オレンジのもあるよ」
「うん?」
「オレンジにしなよ」
「えっ?でも…」
そういう明るい色似合わないんだよな私…
そんなのはお構いなしに私の手から透明なヘアピンを取り、色違いのオレンジのヘアピンを私の前髪に当てた。
「ほら、可愛い」
「…そうかな?」
「うん」
やっぱり似合わないと思うんだけどな…
鏡を見て無言ではずしてしまった私をちょっと切なそうに見ながらキヨが言う。
「キヨの色なのに」
「…え?」
「透明なのが好きなわけじゃないんでしょ?
無難なのを選んだんでしょ?
…何色にも染まってないのならキヨ色に染まっちゃいなよ」
顔が赤くなるのがわかる。
店内はクーラーが効きすぎて寒いくらいなのにすっごく暑い。
いや、熱いのか。
わけわからないでパニくってるとキヨが同じピンを自身に当てて鏡を見た。
「うーん、オレの髪だと一体化しちゃうね。名前ちゃん、ホントは何色が好き?」
「…みどり。」
「オッケー」
緑色のピンを髪にとめる。
良く映えて似合う。
「おそろいが良かったけど、色違いもさりげなくていいよね。
これとこれくださーい」
自分の髪についてるピンと私の髪についてるピンを指差し、レジにいる店員さんに向かってあまりにも自然に言うもんだから、キヨがお金を払ってから へっ? と間抜けな声を出してしまった。
「あげる。つけるかつけないかは名前ちゃん次第だから。」
ピンの一つ入った小さな袋を渡してくれる。
無言のまま店を出て、学校へ。
なにか言わなきゃ、と思ってるうちに学校についてしまった。
じゃあね、とキヨはコートへ向かった。
どうしよう。
図書室でもなにしにきたのか忘れてしまって、椅子に座って袋からそっとピンを出してみる。
綺麗なオレンジ色。
キヨの色。
そりゃすごい嬉しいけど。
好きな人からの初めてのプレゼントだし。
でもあの言葉を真に受けて舞い上がっていいものか。
しばらく迷ってから髪にピンをつけ、テニスコートへと走った。
コートについて、フェンスにへばりつく。
ちょうど休憩のようでみんな座ったりドリンク飲んだりしている。
キヨは…
「お姫さま発見」
いきなり後ろから声をかけられてすっごくびっくりした。
フェンスをつかんでる自分の手のすぐ傍に大きめな手がくる。
背中越しに熱気が伝わってくる。
頭だけ上に上げるとにっこり笑うキヨの顔。
近い…
「あっ!!つけてくれたんだ」
そういうキヨの前髪はさっきの緑色のピンでとめられていて。
あまりにも顔も身体も近いので離れたいけど
キヨとフェンスに挟まれて動けない。
「…キヨ色に染まってくれるの?」
「……染めてくれるの?」
「もちろん」
ふれるかふれないかくらいまで顔が近付き、かするかかすらないかくらいのキスを落とされる。
「…しっかりどっぷりキヨ色に染めてあげる。」
「その言い方なんかいや…」
「えー… 笑」
オレはもうこんなにどっぷり名前ちゃん色に染まってるのに!
そう言って全身緑色のユニフォームをわざとらしく見せびらかしてくるので、それは他の人ともお揃いでしょ!と笑ったけど、翌日制服のインナーもスニーカーも緑色で現れた男に赤面するのはまた別のお話。
「えっ?あっ、ごめん、つまんないよね?」
「ううん、楽しそうな名前ちゃん見てるとキヨも楽しいから。」
「そう?」
部活の買出ししてるキヨと偶然会った私は、どうせ学校の図書館に行く途中だし、と思ってキヨの荷物を少し持ってあげて一緒に学校までの道をぶらぶらしながら歩いていた。
そこで可愛い雑貨屋さんを発見、思わず立ち寄ってしまったのだ。
キヨにはつまんないだろうな、と思いつつも視界いっぱいのキラキラに思わず店内をくまなく見てしまう。
可愛いな、ほしいな、あっあれかわいい。
きょろきょろしてる私がおもしろいのかキヨはずっと眺めてる。
そんなに見ないでよ、恥ずかしいよ…
「あ、これかわいー…」
可愛い針金のかごに入ったヘアピンを一本抜いて前髪に当ててみる。
鏡を見て、どうかな?とキヨを振り返る。
あれ
なんかむすっとしてる?
変かな…似合わないかな…
「それ、透明だよ。」
「え?あ、うん?」
「名前ちゃん透明なのが好きなの?」
「えっ…別に…ピンクとかも可愛いけど…私ピンクあんま似合わないから…クリアが無難かなって…」
「オレンジのもあるよ」
「うん?」
「オレンジにしなよ」
「えっ?でも…」
そういう明るい色似合わないんだよな私…
そんなのはお構いなしに私の手から透明なヘアピンを取り、色違いのオレンジのヘアピンを私の前髪に当てた。
「ほら、可愛い」
「…そうかな?」
「うん」
やっぱり似合わないと思うんだけどな…
鏡を見て無言ではずしてしまった私をちょっと切なそうに見ながらキヨが言う。
「キヨの色なのに」
「…え?」
「透明なのが好きなわけじゃないんでしょ?
無難なのを選んだんでしょ?
…何色にも染まってないのならキヨ色に染まっちゃいなよ」
顔が赤くなるのがわかる。
店内はクーラーが効きすぎて寒いくらいなのにすっごく暑い。
いや、熱いのか。
わけわからないでパニくってるとキヨが同じピンを自身に当てて鏡を見た。
「うーん、オレの髪だと一体化しちゃうね。名前ちゃん、ホントは何色が好き?」
「…みどり。」
「オッケー」
緑色のピンを髪にとめる。
良く映えて似合う。
「おそろいが良かったけど、色違いもさりげなくていいよね。
これとこれくださーい」
自分の髪についてるピンと私の髪についてるピンを指差し、レジにいる店員さんに向かってあまりにも自然に言うもんだから、キヨがお金を払ってから へっ? と間抜けな声を出してしまった。
「あげる。つけるかつけないかは名前ちゃん次第だから。」
ピンの一つ入った小さな袋を渡してくれる。
無言のまま店を出て、学校へ。
なにか言わなきゃ、と思ってるうちに学校についてしまった。
じゃあね、とキヨはコートへ向かった。
どうしよう。
図書室でもなにしにきたのか忘れてしまって、椅子に座って袋からそっとピンを出してみる。
綺麗なオレンジ色。
キヨの色。
そりゃすごい嬉しいけど。
好きな人からの初めてのプレゼントだし。
でもあの言葉を真に受けて舞い上がっていいものか。
しばらく迷ってから髪にピンをつけ、テニスコートへと走った。
コートについて、フェンスにへばりつく。
ちょうど休憩のようでみんな座ったりドリンク飲んだりしている。
キヨは…
「お姫さま発見」
いきなり後ろから声をかけられてすっごくびっくりした。
フェンスをつかんでる自分の手のすぐ傍に大きめな手がくる。
背中越しに熱気が伝わってくる。
頭だけ上に上げるとにっこり笑うキヨの顔。
近い…
「あっ!!つけてくれたんだ」
そういうキヨの前髪はさっきの緑色のピンでとめられていて。
あまりにも顔も身体も近いので離れたいけど
キヨとフェンスに挟まれて動けない。
「…キヨ色に染まってくれるの?」
「……染めてくれるの?」
「もちろん」
ふれるかふれないかくらいまで顔が近付き、かするかかすらないかくらいのキスを落とされる。
「…しっかりどっぷりキヨ色に染めてあげる。」
「その言い方なんかいや…」
「えー… 笑」
オレはもうこんなにどっぷり名前ちゃん色に染まってるのに!
そう言って全身緑色のユニフォームをわざとらしく見せびらかしてくるので、それは他の人ともお揃いでしょ!と笑ったけど、翌日制服のインナーもスニーカーも緑色で現れた男に赤面するのはまた別のお話。