短編
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ふざけるな。
「ごめんねごめんねっ」
「ううんいいよ。」
良くねぇよ。
「ホントにあたし…」
「謝んなくていいって。」
土下座しろよ。
「…ホント…ごめんね?」
「いいって別にー。」
全然良くねぇよ。
「でも…」
「そこまで本気じゃなかったしさー。」
「ホント?」
んなわけねぇだろタコ。
「うん…じゃあ…ごめんね?」
「うん!お幸せにねー」
早く破局しちまえバーカ。
あーあ…
失恋しちゃったよ…
私には好きな人がいて
その人に告白するかどうか相談してた友達がいて
その友達はとてもよく相談に乗ってくれて
よしっ告白するぞって思って学校に来たら
朝っぱらから靴箱でいちゃついてる
私の好きな人と、その友達がいた―…
・・・どうなってるの?・・・
こんなの
漫画の中とかそういう世界だと思ってた
自分でも嫌なくらい心の中がぐちゃぐちゃで
汚い感情だらけで
初めて授業サボってみたり
見つからないかとか進学に影響がとか
普段怖がってることも
なんかどうでも良くて
じめじめした湿気の多い重たい空気が
首の辺りに張り付いて
あたしの気分より一層盛り下げた
「…はぁ~…」
「ため息ついたらラッキィ逃げるよー?」
突然の声に思わずビビる。
振り向くと…
どっかで見た事あるオレンジの髪。
テニス部…だっけ??
「どーしたの?名前ちゃん」
「…誰?」
「あれぇ忘れたの?中二の時隣のクラスだったじゃん!!」
「知るか!!同じクラスならまだしも隣とか知るか!!」
「えー隣のクラスメイトくらい覚えとかなくちゃ」
隣のクラスの人はクラスメイトではありません。
そんなツッコミをしようかとも思ったけど
あっけらかんと笑ってる彼は
じめじめした空気なんて気にしないかのように
妙に爽やかで
醜い私の心を晴らすようで
突然話しかけてきたのにそんなにウザくはなかった。
「で、名前は?」
「千石清純☆」
「…へぇ。」
「…☆にひいたでしょ。」
「うん、ちょっと。」
ひどーいキヨ傷つくーとか言いながらも
へらへらと笑ってて
何コイツ
やめてよ そんな風に笑われたら
我慢してた わけでもないけど
あ 涙腺が
やだ こいつの前で泣くの
「…まぁそういうこともあるっしょ」
私の葛藤に気付いたのかいないのか
空を見つめたままフェンスによりかかって
二人しかいない屋上に
その言葉がなんとなく響いた
「何の話?」
「別に?」
ああ
干渉してこないんだ
ありがとう
彼のオレンジの髪は
どんよりした空によく映えて
どんよりした空は
今にも泣き出しそうで
「嫌い」
「ん?」
「嫌いなんだから」
「…」
「大っ嫌い…!!」
「…好きでしょ?」
「嫌いだもん…嫌い…大好き…」
ぽつぽつ降り出した空の涙は
泣きたいなら好きなだけめいっぱい泣いとけって
囁いてるようで
頬や肩に当たる度
泣いちゃえ 泣いちゃえって
私の視界を曇らそうと
「ばかぁ…」
「うん、みんなばかだね」
私は雨か涙かわからないけど
びしょびしょになりながら
声も出さずに思いっきり泣いた
止まる事を知らないかのように
だんだん激しくなる雨の中で
だんだん激しくなる涙を見ることもなく
ただ立っているだけの彼
その鮮やかなオレンジの髪は
視界を曇らす灰色の雨にも負けず
道を見失わないでって
目印のように私の目を引く
「はい」
不意に手渡された色褪せたオレンジのハンカチ
「無意味っしょ」
「まぁ俺の気持ち」
雨の中
ハンカチを受け取って
目尻に押し当てる
「…これ綺麗?」
「なんで」
「汗臭い」
「…メンゴ☆」
「綺麗かって聞いてんの」
ああ
なんでだろう
まだ視界はクリアじゃないのに
自然と笑みがこぼれる
変なの
悲しくないや
私の中の醜い気持ち達も
どこかへ消えて
じめじめした風さえも
どこか気持ちいい
ねぇ
そこのオレンジの人
「行こっか名前ちゃん」
手を差し伸べて
にこって
笑いかけてくれるそこのラッキィな人
私
また 恋してみようかな
今度は 叶うかな
きっと叶うよね
だって
ラッキィな貴方が私を呼んでくれてるから
「ごめんねごめんねっ」
「ううんいいよ。」
良くねぇよ。
「ホントにあたし…」
「謝んなくていいって。」
土下座しろよ。
「…ホント…ごめんね?」
「いいって別にー。」
全然良くねぇよ。
「でも…」
「そこまで本気じゃなかったしさー。」
「ホント?」
んなわけねぇだろタコ。
「うん…じゃあ…ごめんね?」
「うん!お幸せにねー」
早く破局しちまえバーカ。
あーあ…
失恋しちゃったよ…
私には好きな人がいて
その人に告白するかどうか相談してた友達がいて
その友達はとてもよく相談に乗ってくれて
よしっ告白するぞって思って学校に来たら
朝っぱらから靴箱でいちゃついてる
私の好きな人と、その友達がいた―…
・・・どうなってるの?・・・
こんなの
漫画の中とかそういう世界だと思ってた
自分でも嫌なくらい心の中がぐちゃぐちゃで
汚い感情だらけで
初めて授業サボってみたり
見つからないかとか進学に影響がとか
普段怖がってることも
なんかどうでも良くて
じめじめした湿気の多い重たい空気が
首の辺りに張り付いて
あたしの気分より一層盛り下げた
「…はぁ~…」
「ため息ついたらラッキィ逃げるよー?」
突然の声に思わずビビる。
振り向くと…
どっかで見た事あるオレンジの髪。
テニス部…だっけ??
「どーしたの?名前ちゃん」
「…誰?」
「あれぇ忘れたの?中二の時隣のクラスだったじゃん!!」
「知るか!!同じクラスならまだしも隣とか知るか!!」
「えー隣のクラスメイトくらい覚えとかなくちゃ」
隣のクラスの人はクラスメイトではありません。
そんなツッコミをしようかとも思ったけど
あっけらかんと笑ってる彼は
じめじめした空気なんて気にしないかのように
妙に爽やかで
醜い私の心を晴らすようで
突然話しかけてきたのにそんなにウザくはなかった。
「で、名前は?」
「千石清純☆」
「…へぇ。」
「…☆にひいたでしょ。」
「うん、ちょっと。」
ひどーいキヨ傷つくーとか言いながらも
へらへらと笑ってて
何コイツ
やめてよ そんな風に笑われたら
我慢してた わけでもないけど
あ 涙腺が
やだ こいつの前で泣くの
「…まぁそういうこともあるっしょ」
私の葛藤に気付いたのかいないのか
空を見つめたままフェンスによりかかって
二人しかいない屋上に
その言葉がなんとなく響いた
「何の話?」
「別に?」
ああ
干渉してこないんだ
ありがとう
彼のオレンジの髪は
どんよりした空によく映えて
どんよりした空は
今にも泣き出しそうで
「嫌い」
「ん?」
「嫌いなんだから」
「…」
「大っ嫌い…!!」
「…好きでしょ?」
「嫌いだもん…嫌い…大好き…」
ぽつぽつ降り出した空の涙は
泣きたいなら好きなだけめいっぱい泣いとけって
囁いてるようで
頬や肩に当たる度
泣いちゃえ 泣いちゃえって
私の視界を曇らそうと
「ばかぁ…」
「うん、みんなばかだね」
私は雨か涙かわからないけど
びしょびしょになりながら
声も出さずに思いっきり泣いた
止まる事を知らないかのように
だんだん激しくなる雨の中で
だんだん激しくなる涙を見ることもなく
ただ立っているだけの彼
その鮮やかなオレンジの髪は
視界を曇らす灰色の雨にも負けず
道を見失わないでって
目印のように私の目を引く
「はい」
不意に手渡された色褪せたオレンジのハンカチ
「無意味っしょ」
「まぁ俺の気持ち」
雨の中
ハンカチを受け取って
目尻に押し当てる
「…これ綺麗?」
「なんで」
「汗臭い」
「…メンゴ☆」
「綺麗かって聞いてんの」
ああ
なんでだろう
まだ視界はクリアじゃないのに
自然と笑みがこぼれる
変なの
悲しくないや
私の中の醜い気持ち達も
どこかへ消えて
じめじめした風さえも
どこか気持ちいい
ねぇ
そこのオレンジの人
「行こっか名前ちゃん」
手を差し伸べて
にこって
笑いかけてくれるそこのラッキィな人
私
また 恋してみようかな
今度は 叶うかな
きっと叶うよね
だって
ラッキィな貴方が私を呼んでくれてるから