短編
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「みーんみーんみーん」
「じーみんみんみんじーみんみんみん」
「みーんみんみんみんみんんみんみんん」
「じー…あてっ」
セミの鳴きまねをしていたらついに(?)叩かれた。
叩いたのは向日岳人。
同じクラスの悪友仲間。
「痛いじゃん」
「うるさいんだよッ」
「だって暑いんだもんー」
「余計暑くなるからやめろ!!」
今日はクラス全員が登校して文化祭の準備をする日。
夏休みなのに… みんなあんまりやる気がなく模造紙を書きなぐったり、看板に落書きしたり、と結構自由気ままにやっている。
私もその中の一人で窓枠に頬杖をついてセミと一緒に鳴いていた、というわけだ。
「ホント暇そーだな」
「うん。岳人アイス買ってきてよ」
「はぁ?!パシリかよ?!」
「あはは」
「あははじゃねぇし」
そう言いつつも笑ってる岳人。
まわりの皆も涼しい部屋の中で笑ったり眠ったりいろいろやってる。
なんとも自由だなぁ
ふと窓の外を見ると明るい空と白いグラウンドのほかに黄色いものが目を引いた。
校庭のすみの花壇に咲くヒマワリ。
太陽を思いっきり見上げ、さんさんと黄色く輝く。
「あー」
「なんだよ?」
「ねー、もしさー私が葵 って名前だったとすんじゃんー」
「はぁ?」
「んでさ、岳人と双子だったとすんじゃん?」
「はぁ?!」
「そしたら向日葵だねーって。そんだけ」
「…別に双子じゃなくてもなれんじゃん」
「へぇ、どやって?」
「俺のお嫁さんになれば向日葵だろ?」
「あーほんとだーでも私、葵じゃないから無理だね」
「……俺の告白はシカト?」
「えっ告白なの?」
「あ、いや、ち、ちげーよバカ!」
「なによそれー」
そう、私は葵じゃない。
でも、向日葵になれなくても岳人のお嫁さんになってもいいよ。
直接本人に言えないまま、また腕の中へ頭を預けてセミの鳴き真似を再開した。
「……なぁ、俺が太陽になるからさ、俺だけ見てろよ、ヒマワリ」
うるさいセミの声に紛れて、すごーく小さい声がそう言った。
幻聴かと思って勢いよく顔を上げたら目の前の岳人が髪と同じくらい顔を真っ赤にさせて窓の外を見つめていた。
「……………わ、本当に太陽になってる」
「う、うるせっ…お前だって太陽になってるぞ」
私もなってたのか、通りで爆発しそうなくらい顔が熱いわけだ。
「二人で太陽になっちゃった」
「……お前はヒマワリになって欲しいんだけど」
耳まで赤くなった太陽がそっぽを向いたままそう言うから、お望み通り見つめてやったら「お前はやっぱセミ」てデコピンされた。
「じーみんみんみんじーみんみんみん」
「みーんみんみんみんみんんみんみんん」
「じー…あてっ」
セミの鳴きまねをしていたらついに(?)叩かれた。
叩いたのは向日岳人。
同じクラスの悪友仲間。
「痛いじゃん」
「うるさいんだよッ」
「だって暑いんだもんー」
「余計暑くなるからやめろ!!」
今日はクラス全員が登校して文化祭の準備をする日。
夏休みなのに… みんなあんまりやる気がなく模造紙を書きなぐったり、看板に落書きしたり、と結構自由気ままにやっている。
私もその中の一人で窓枠に頬杖をついてセミと一緒に鳴いていた、というわけだ。
「ホント暇そーだな」
「うん。岳人アイス買ってきてよ」
「はぁ?!パシリかよ?!」
「あはは」
「あははじゃねぇし」
そう言いつつも笑ってる岳人。
まわりの皆も涼しい部屋の中で笑ったり眠ったりいろいろやってる。
なんとも自由だなぁ
ふと窓の外を見ると明るい空と白いグラウンドのほかに黄色いものが目を引いた。
校庭のすみの花壇に咲くヒマワリ。
太陽を思いっきり見上げ、さんさんと黄色く輝く。
「あー」
「なんだよ?」
「ねー、もしさー私が
「はぁ?」
「んでさ、岳人と双子だったとすんじゃん?」
「はぁ?!」
「そしたら向日葵だねーって。そんだけ」
「…別に双子じゃなくてもなれんじゃん」
「へぇ、どやって?」
「俺のお嫁さんになれば向日葵だろ?」
「あーほんとだーでも私、葵じゃないから無理だね」
「……俺の告白はシカト?」
「えっ告白なの?」
「あ、いや、ち、ちげーよバカ!」
「なによそれー」
そう、私は葵じゃない。
でも、向日葵になれなくても岳人のお嫁さんになってもいいよ。
直接本人に言えないまま、また腕の中へ頭を預けてセミの鳴き真似を再開した。
「……なぁ、俺が太陽になるからさ、俺だけ見てろよ、ヒマワリ」
うるさいセミの声に紛れて、すごーく小さい声がそう言った。
幻聴かと思って勢いよく顔を上げたら目の前の岳人が髪と同じくらい顔を真っ赤にさせて窓の外を見つめていた。
「……………わ、本当に太陽になってる」
「う、うるせっ…お前だって太陽になってるぞ」
私もなってたのか、通りで爆発しそうなくらい顔が熱いわけだ。
「二人で太陽になっちゃった」
「……お前はヒマワリになって欲しいんだけど」
耳まで赤くなった太陽がそっぽを向いたままそう言うから、お望み通り見つめてやったら「お前はやっぱセミ」てデコピンされた。