短編
はじめにお名前変換してください
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
「場のシチュエーションに合わせて、MだったりSだったり」
「と言うより、付き合う前はMを演じて、付き合ったらSに豹変する」
「一種のサギだよね」
「むしろ磁石」
「磁石はNだろ」
「Nは沖縄に駆け落ち中。繰り上げ当選」
「帰ってこい、N、パパが悪かった」
「Nから電話がきました。ラーメン二つ」
「間違い電話かよ」
「ストッキングを、かぶって沖縄に来い」
「かぶってどうすんだよ。しかも命令系かよ」
「どんぶり戦隊メンレンジャー」
「弱そうだな、おい」
「戦いのあとはラップをかけて冷蔵庫」
「ヒーロー再利用かよ」
「地球に優しいメンレンジャー」
「三分で完成、メンレンジャー」
「のびると戦えないメンレンジャー」
「役にたたねぇヒーローだ」
「へたれンジャー」
「ひまジャー」
「ブラジャー」
「炊飯ジャー」
「立て、立つんだ、ジャー」
「ハリーポッターと明日のブラジャー」
げらげら笑う声が廊下まで響く。
取り込んだ洗濯物を抱え宿舎の廊下を歩いていたあたしは溜息をつき力任せににぎやかな部屋のドアを開けた。
「もうとっくに就寝時間過ぎてますけど?」
「うわッいきなり現れんなよ!ここ男子部屋だぜ?」
「もし全員全裸だったりしたらどうすんだよお前!!ノックぐらいしろよ!」
「全員全裸だったら警察に通報して爆破してマッハで逃げるわ。」
「爆破すんなよ!?」
今日は夏期強化合宿一日目。
午前中にバスで合宿舎に到着し、昼食後ランニングやらトレーニングやらがあったのに皆結構元気だ。さすが中学生は若い。
私、苗字名前は氷帝学園中等部男子テニス部マネージャー。
忙しい中三の夏にもかかわらずむさ苦しい男どもの世話をしている。
なんて優しいのかしら。
まあ冗談はさておきこいつらのエネルギーは底なしか…
中一から中三まで部員数二百人近いこの部活は氷帝の名物でもあるホテルみたいなでっかい合宿舎を三棟も貸しきって合宿を行う。
マネージャーは各学年に一人ずつで、しかも今年は一年のマネージャーがいないし、二年のマネージャーは風邪引いたとかで来られないしで、私ひとりで全ての雑務をこなしている。
絶対私が一番疲れてる…
今私が乱入したのは三年の部屋。
ひっろい布団部屋で三百畳くらいある。(そんなにはないだろ)
そこに男子がごろごろ雑魚寝だ。
ヒィむっさくるし…
「とにかく。明日から超疲れるんだからもう寝な…」
私の言葉を遮ったのは白い物体。
…枕は頭の下にひくもんだぞコラァ…
「が~く~と~?」
「やっ、そんなに命中するとは思わなくって…」
弁解する岳人の顔めがけて思いっきり枕を投げつける。
ぼすっ
「…あ」
「げ」
あたしの投げた枕は高速回転しながら勢い良く部屋の隅で座ってプリントを読んでいた人物の顔面を直撃した。
「なんのつもりだ苗字。あ?」
白い枕がずり落ち、現れた顔。
跡部景吾。
部長だ。そして俺様。
「ごめん…じゃ、私はこれで☆」
「おいどこ行くんだよ」
ドスの聞いた声で金縛りにあったように動けなくなる。
普段は美技に酔えとかアホな事言ってんのにこういう時だけ恐いのとかホントやめてよ…てか金持ちなんだからこんな大部屋で雑魚寝してないで1人で個室とかにいてくれよ…!
「俺様の美しい顔に頭にひくもんぶち当てるとはいい度胸してんじゃねぇか…あーん?」
ゆっくり近付いてくる跡部は本気で怒り心頭のご様子。
後ずさりすることも叶わず、根の生えたようにその場に突っ立って跡部を見上げる私の前にぴょこんと出てきた影。
「おい、あんまいじめんなよな!こわがってんだろ!!」
岳…人…?
「どけ岳人。」
「や だ ね。お前がよけなかったから悪いんだろ?」
「事の発端はお前だろうが。」
「それは悪かったって!な、名前のことは許してやれって。明日からすんげえ働くんだしよ!」
「そうだな…覚悟しとけよ。」
ニヤリとほくそ笑むと元の場所に戻り再びプリントを広げた。
た、助かった…けど、枕ぶつけられただけでキレんじゃねーよ!
心の中で毒づく私の方にふいに岳人が振り向いた。
「大丈夫か?」
「ん、助けてくれてありがと。でも元凶はがっくんだし。」
「それを言うなよー」
こういう時頼りになるんだよね、こんなミソっこでも。
「あーもーそんないちゃいちゃしとんやったら二人でどっかエスケープでもしたらええんちゃう」
「は!?いちゃついてなんかっ!」
「そだっ!外に蛍いるんだよ!見に行こ?」
「蛍?!行くっ!!」
仲良く手を繋いで部屋を出て行った二人を跡部と忍足以外の三年はぽかんと見送ってましたとさ。
男前ヒーロー
「って、え?!なんで手繋いで…っ?!」
「なんや、自分ら知らんかったん?あいつら彼カノやで」
「うっそ?!ありえねー!!!」
「部室でキスとかしてたじゃねぇかよ」
「知らねぇよ!正レギュ部室の事なんか!!そうなのかよ宍戸!!」
「いや…俺も知らなかった…」
「うをーっ俺苗字狙ってたのに!!」
「マジ?!」
「ご愁傷様…」
「と言うより、付き合う前はMを演じて、付き合ったらSに豹変する」
「一種のサギだよね」
「むしろ磁石」
「磁石はNだろ」
「Nは沖縄に駆け落ち中。繰り上げ当選」
「帰ってこい、N、パパが悪かった」
「Nから電話がきました。ラーメン二つ」
「間違い電話かよ」
「ストッキングを、かぶって沖縄に来い」
「かぶってどうすんだよ。しかも命令系かよ」
「どんぶり戦隊メンレンジャー」
「弱そうだな、おい」
「戦いのあとはラップをかけて冷蔵庫」
「ヒーロー再利用かよ」
「地球に優しいメンレンジャー」
「三分で完成、メンレンジャー」
「のびると戦えないメンレンジャー」
「役にたたねぇヒーローだ」
「へたれンジャー」
「ひまジャー」
「ブラジャー」
「炊飯ジャー」
「立て、立つんだ、ジャー」
「ハリーポッターと明日のブラジャー」
げらげら笑う声が廊下まで響く。
取り込んだ洗濯物を抱え宿舎の廊下を歩いていたあたしは溜息をつき力任せににぎやかな部屋のドアを開けた。
「もうとっくに就寝時間過ぎてますけど?」
「うわッいきなり現れんなよ!ここ男子部屋だぜ?」
「もし全員全裸だったりしたらどうすんだよお前!!ノックぐらいしろよ!」
「全員全裸だったら警察に通報して爆破してマッハで逃げるわ。」
「爆破すんなよ!?」
今日は夏期強化合宿一日目。
午前中にバスで合宿舎に到着し、昼食後ランニングやらトレーニングやらがあったのに皆結構元気だ。さすが中学生は若い。
私、苗字名前は氷帝学園中等部男子テニス部マネージャー。
忙しい中三の夏にもかかわらずむさ苦しい男どもの世話をしている。
なんて優しいのかしら。
まあ冗談はさておきこいつらのエネルギーは底なしか…
中一から中三まで部員数二百人近いこの部活は氷帝の名物でもあるホテルみたいなでっかい合宿舎を三棟も貸しきって合宿を行う。
マネージャーは各学年に一人ずつで、しかも今年は一年のマネージャーがいないし、二年のマネージャーは風邪引いたとかで来られないしで、私ひとりで全ての雑務をこなしている。
絶対私が一番疲れてる…
今私が乱入したのは三年の部屋。
ひっろい布団部屋で三百畳くらいある。(そんなにはないだろ)
そこに男子がごろごろ雑魚寝だ。
ヒィむっさくるし…
「とにかく。明日から超疲れるんだからもう寝な…」
私の言葉を遮ったのは白い物体。
…枕は頭の下にひくもんだぞコラァ…
「が~く~と~?」
「やっ、そんなに命中するとは思わなくって…」
弁解する岳人の顔めがけて思いっきり枕を投げつける。
ぼすっ
「…あ」
「げ」
あたしの投げた枕は高速回転しながら勢い良く部屋の隅で座ってプリントを読んでいた人物の顔面を直撃した。
「なんのつもりだ苗字。あ?」
白い枕がずり落ち、現れた顔。
跡部景吾。
部長だ。そして俺様。
「ごめん…じゃ、私はこれで☆」
「おいどこ行くんだよ」
ドスの聞いた声で金縛りにあったように動けなくなる。
普段は美技に酔えとかアホな事言ってんのにこういう時だけ恐いのとかホントやめてよ…てか金持ちなんだからこんな大部屋で雑魚寝してないで1人で個室とかにいてくれよ…!
「俺様の美しい顔に頭にひくもんぶち当てるとはいい度胸してんじゃねぇか…あーん?」
ゆっくり近付いてくる跡部は本気で怒り心頭のご様子。
後ずさりすることも叶わず、根の生えたようにその場に突っ立って跡部を見上げる私の前にぴょこんと出てきた影。
「おい、あんまいじめんなよな!こわがってんだろ!!」
岳…人…?
「どけ岳人。」
「や だ ね。お前がよけなかったから悪いんだろ?」
「事の発端はお前だろうが。」
「それは悪かったって!な、名前のことは許してやれって。明日からすんげえ働くんだしよ!」
「そうだな…覚悟しとけよ。」
ニヤリとほくそ笑むと元の場所に戻り再びプリントを広げた。
た、助かった…けど、枕ぶつけられただけでキレんじゃねーよ!
心の中で毒づく私の方にふいに岳人が振り向いた。
「大丈夫か?」
「ん、助けてくれてありがと。でも元凶はがっくんだし。」
「それを言うなよー」
こういう時頼りになるんだよね、こんなミソっこでも。
「あーもーそんないちゃいちゃしとんやったら二人でどっかエスケープでもしたらええんちゃう」
「は!?いちゃついてなんかっ!」
「そだっ!外に蛍いるんだよ!見に行こ?」
「蛍?!行くっ!!」
仲良く手を繋いで部屋を出て行った二人を跡部と忍足以外の三年はぽかんと見送ってましたとさ。
男前ヒーロー
「って、え?!なんで手繋いで…っ?!」
「なんや、自分ら知らんかったん?あいつら彼カノやで」
「うっそ?!ありえねー!!!」
「部室でキスとかしてたじゃねぇかよ」
「知らねぇよ!正レギュ部室の事なんか!!そうなのかよ宍戸!!」
「いや…俺も知らなかった…」
「うをーっ俺苗字狙ってたのに!!」
「マジ?!」
「ご愁傷様…」
67/67ページ