雨、雨、ふれ、ふれ、
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雨の中、傘もささず、鼻歌を歌いながら、水溜りを避けて急にハンドルを切った自転車がこっちに、突っ込んだ。
「わぁっどいて!」
いや、わぁ、じゃないし!!
チャリは私のすぐ隣でがしゃん!と盛大な音を立ててシャッターに突っ込んだ。
「ふぅ」
ふぅ、じゃないし!
シャッターどうすんの!!へこんだよ!ヤバいって!!
なんだかここにいては責任転嫁されそうで、他の雨宿り場所に移ろうとしたら、チャリの運転者と目が合った。
「…なにしてんの、ジロー」
「わぁ きGood!」
「や、キグー!じゃなくて」
「だって奇遇じゃん!」
にこっと笑う。やっぱり無邪気であどけない。
「何故この事故を起こしたのか申してみよ。」
「まぁ、ほら、はっとしてきゅっとやってつるってなってききってなってがっしゃーんみたいな」
「もの凄いアバウトな説明」
「えへへ」
「褒めてないし。居眠り運転じゃないでしょうね?」
「うわー見て!この凹み方!!すっげーすっげーすさまG!!!」
話逸らしたな。
まぁ、私には被害なかったからいいけど。
「名前は何してんの?」
「雨宿り」
「ふぅん…家帰る途中?」
「うん、やんだら帰る」
「のせてく!!」
は?
まぁ、それは、うん、ありがとう。
やむまで一緒に待ってる相手ができてよかった、と思ってると、
「なにしてんの、はやく!」
「は?!え、今?!今乗るの?!」
「当たり前だC」
「だってずぶ濡れに…」
「たのCよ!!」
ジロの顔はいつもにも増してキラキラしてて、ザーッと降りしきる雨の中、私が後ろに乗るのを待ったまま。
私が黙って後ろにまたがると、にこ、と嬉しそうに微笑んだ。
「しっかりつかまっててね!はいっジロー号突撃!!」
「どこに!!」
「隣の晩御飯!!」
「えぇー!!」笑
ジロは小柄のくせにすいすい自転車をこいでく。やっぱ運動部なんだなぁ…
雨はやむどころか強くなって、容赦なく顔を攻撃する。
でも、それが冷たくて気持ちいい。
下り坂を一気に滑る。
道は水浸しで、ブレーキは大丈夫か、とか心配することあるんだろうけど、ジェットコースターみたいで超楽しい。
水をはねる音、風を切る音、雨の音、すべてが混ざってさらにスリリングな気分にさせる。
「E気持ち!!」
「うん!!」
しゃーっと坂を滑り降りて、しゃかしゃかと人の多い繁華街を傘を差して歩いてる人の真横を水を撒き散らして進んでく。
人を避けたり水たまりを避けたり、ふらふらとやたらハンドルを切るのでちょっと不安になる。
「おっと!」
いきなり急ブレーキ。
思わず、ぎゅっと抱きついてしまう。
「わ!名前胸当たった!!」
「!!?」
「だっいたーん♪」
「うるさいっ」
くすくすと主婦らしき人たちに笑われる。
若いわね、と声がする。
そうだよ、若いんだ。まだまだ現役!!!
「俺ね、こないだネズミーシー行ってさ!!」
「わ、いいな!」
「でも、今日より凄い雨でさ、並んでる間ずぶ濡れでマジ最悪!って感じ」
「うわーそれキツイねー」
「でも、雨ってなんか興奮するよね!嵐とかわくわくする!!」
びしょびしょの髪から水が飛ぶ。
声は弾んでて、こいでる足取りも弾んでて。
うん、わかる。
濡れるのやだし、基本的に雨はすきじゃない。
けど、今みたいに濡れてドキドキわくわくする雨は好き。
びゅう、と風がふいて、雨が横殴りになった。
横から首の隙間とかに雨が容赦なく当たる。
でも、もうどうなってもいい。
「ではっ再発進!」
雨の中、雨に突っ込みながらびゅんびゅん進む。
二人乗りだし、実際そこまで早くないんだろうけど、凄いスピード感。
車がはねてく水がばしゃばしゃ足にかかる。
「俺今超楽しい!!」
「私も!!」
「マジ興奮してる!!」
「雨気持ちーっ」
「名前のも気持ちーっ」
「ヘンタイっ!!」
背中に頭突きしてやるといてーって笑った声がかえってきた。
雨の中、どこへでもなく、ただ、びしょびしょにサイクリングってのも悪くない。
あなたと一緒だし。
「わぁっどいて!」
いや、わぁ、じゃないし!!
チャリは私のすぐ隣でがしゃん!と盛大な音を立ててシャッターに突っ込んだ。
「ふぅ」
ふぅ、じゃないし!
シャッターどうすんの!!へこんだよ!ヤバいって!!
なんだかここにいては責任転嫁されそうで、他の雨宿り場所に移ろうとしたら、チャリの運転者と目が合った。
「…なにしてんの、ジロー」
「わぁ きGood!」
「や、キグー!じゃなくて」
「だって奇遇じゃん!」
にこっと笑う。やっぱり無邪気であどけない。
「何故この事故を起こしたのか申してみよ。」
「まぁ、ほら、はっとしてきゅっとやってつるってなってききってなってがっしゃーんみたいな」
「もの凄いアバウトな説明」
「えへへ」
「褒めてないし。居眠り運転じゃないでしょうね?」
「うわー見て!この凹み方!!すっげーすっげーすさまG!!!」
話逸らしたな。
まぁ、私には被害なかったからいいけど。
「名前は何してんの?」
「雨宿り」
「ふぅん…家帰る途中?」
「うん、やんだら帰る」
「のせてく!!」
は?
まぁ、それは、うん、ありがとう。
やむまで一緒に待ってる相手ができてよかった、と思ってると、
「なにしてんの、はやく!」
「は?!え、今?!今乗るの?!」
「当たり前だC」
「だってずぶ濡れに…」
「たのCよ!!」
ジロの顔はいつもにも増してキラキラしてて、ザーッと降りしきる雨の中、私が後ろに乗るのを待ったまま。
私が黙って後ろにまたがると、にこ、と嬉しそうに微笑んだ。
「しっかりつかまっててね!はいっジロー号突撃!!」
「どこに!!」
「隣の晩御飯!!」
「えぇー!!」笑
ジロは小柄のくせにすいすい自転車をこいでく。やっぱ運動部なんだなぁ…
雨はやむどころか強くなって、容赦なく顔を攻撃する。
でも、それが冷たくて気持ちいい。
下り坂を一気に滑る。
道は水浸しで、ブレーキは大丈夫か、とか心配することあるんだろうけど、ジェットコースターみたいで超楽しい。
水をはねる音、風を切る音、雨の音、すべてが混ざってさらにスリリングな気分にさせる。
「E気持ち!!」
「うん!!」
しゃーっと坂を滑り降りて、しゃかしゃかと人の多い繁華街を傘を差して歩いてる人の真横を水を撒き散らして進んでく。
人を避けたり水たまりを避けたり、ふらふらとやたらハンドルを切るのでちょっと不安になる。
「おっと!」
いきなり急ブレーキ。
思わず、ぎゅっと抱きついてしまう。
「わ!名前胸当たった!!」
「!!?」
「だっいたーん♪」
「うるさいっ」
くすくすと主婦らしき人たちに笑われる。
若いわね、と声がする。
そうだよ、若いんだ。まだまだ現役!!!
「俺ね、こないだネズミーシー行ってさ!!」
「わ、いいな!」
「でも、今日より凄い雨でさ、並んでる間ずぶ濡れでマジ最悪!って感じ」
「うわーそれキツイねー」
「でも、雨ってなんか興奮するよね!嵐とかわくわくする!!」
びしょびしょの髪から水が飛ぶ。
声は弾んでて、こいでる足取りも弾んでて。
うん、わかる。
濡れるのやだし、基本的に雨はすきじゃない。
けど、今みたいに濡れてドキドキわくわくする雨は好き。
びゅう、と風がふいて、雨が横殴りになった。
横から首の隙間とかに雨が容赦なく当たる。
でも、もうどうなってもいい。
「ではっ再発進!」
雨の中、雨に突っ込みながらびゅんびゅん進む。
二人乗りだし、実際そこまで早くないんだろうけど、凄いスピード感。
車がはねてく水がばしゃばしゃ足にかかる。
「俺今超楽しい!!」
「私も!!」
「マジ興奮してる!!」
「雨気持ちーっ」
「名前のも気持ちーっ」
「ヘンタイっ!!」
背中に頭突きしてやるといてーって笑った声がかえってきた。
雨の中、どこへでもなく、ただ、びしょびしょにサイクリングってのも悪くない。
あなたと一緒だし。