雨、雨、ふれ、ふれ、
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「何やってんだよ」
黒いピカピカの車が目の前に止まり、窓が開いて、そこにいたのは、
「跡部?!」
いきなりドアが開いてちょっとビビる。
「何してんだ、中が濡れるだろ。」
早く入れと言わんばかりの不機嫌さの混じった声に押され、いそいそと乗り込む。
私が乗ると勝手にドアが閉まった。タクシーみたい。
車内は落ち着いた感じの明るさで、クラシックっぽいのがかかってて、窓は暗めで、外からは中が見えないようになってて、シートは肌触りがよくて、多分高級ななんかの革
「何してたんだ?」
私がきょろきょろしてると隣(つっても向かい側なんだけど。電車みたいに対面式の椅子なんだもん!リムジン?っていうやつ?)で優雅に足を組んだテニス部部長が声をかけた。
「いや…雨宿り。」
「濡れたか?」
「大丈夫。平気。」
跡部はじろっと私を上から下まで見て ふぅん と気のない返事をした。
「…ありがと」
「あん?どうってことねぇよ。礼は倍返しな。」
「はぁ?!」
「冗談だよ」
ククッと笑う跡部はちょっとやな感じ。
「んだよ、やっぱ濡れてんじゃねぇか」
そう言って隣に座りなおす。
はっきり言って近い。
跡部を見るとあんまり顔が近いので慌ててうつ向く。
「? どうした元気ねぇな。ほら、これやるよ、最高級焼き菓子だ。外はさくっと中はしっとり…」
「中はもっこり?」
「『もっこり』じゃねぇよ、『しっとり』だよ。どんな聞き間違いだよ」
盛大に顔をゆがめる跡部がおかしくて噴出す。
それが気に触ったのか更に険しい顔になってく跡部の横で腹を抱えて笑い出しちゃう始末。
あー私ってもうちょっと可愛く笑えないもんかね。
「名前」
「ん?」
口に当たったやわらかい感触。
ぺろりと己の唇を舐められ、背筋がぞくっとする。
離れた顔は意地悪く、それでいて見入ってしまうような美しさで、ニヤリと不敵な笑みを浮かべていた。
「ついたぜ、ここだろ?おまえんち。」
はっと外を見ると私の家の玄関前で車は停車していた。
ドアが開いた途端、転がり落ちるように車から飛び出す。
「今日はこれでチャラにしてやるよ」
跡部の声を背中に、玄関のドアを勢いよく開け、急いで閉める。
へなへなとその場に座り込み、唇に手を当てる。
まだ残ってる。あの甘い感触。
ぞくぞくしてドキドキして心臓が飛び出そう。壊れちゃいそう。
明日会ったらどうすればいいんだ。
全く意識してなかったただのクラスメイトが急に異性として脳内を占拠した。
黒いピカピカの車が目の前に止まり、窓が開いて、そこにいたのは、
「跡部?!」
いきなりドアが開いてちょっとビビる。
「何してんだ、中が濡れるだろ。」
早く入れと言わんばかりの不機嫌さの混じった声に押され、いそいそと乗り込む。
私が乗ると勝手にドアが閉まった。タクシーみたい。
車内は落ち着いた感じの明るさで、クラシックっぽいのがかかってて、窓は暗めで、外からは中が見えないようになってて、シートは肌触りがよくて、多分高級ななんかの革
「何してたんだ?」
私がきょろきょろしてると隣(つっても向かい側なんだけど。電車みたいに対面式の椅子なんだもん!リムジン?っていうやつ?)で優雅に足を組んだテニス部部長が声をかけた。
「いや…雨宿り。」
「濡れたか?」
「大丈夫。平気。」
跡部はじろっと私を上から下まで見て ふぅん と気のない返事をした。
「…ありがと」
「あん?どうってことねぇよ。礼は倍返しな。」
「はぁ?!」
「冗談だよ」
ククッと笑う跡部はちょっとやな感じ。
「んだよ、やっぱ濡れてんじゃねぇか」
そう言って隣に座りなおす。
はっきり言って近い。
跡部を見るとあんまり顔が近いので慌ててうつ向く。
「? どうした元気ねぇな。ほら、これやるよ、最高級焼き菓子だ。外はさくっと中はしっとり…」
「中はもっこり?」
「『もっこり』じゃねぇよ、『しっとり』だよ。どんな聞き間違いだよ」
盛大に顔をゆがめる跡部がおかしくて噴出す。
それが気に触ったのか更に険しい顔になってく跡部の横で腹を抱えて笑い出しちゃう始末。
あー私ってもうちょっと可愛く笑えないもんかね。
「名前」
「ん?」
口に当たったやわらかい感触。
ぺろりと己の唇を舐められ、背筋がぞくっとする。
離れた顔は意地悪く、それでいて見入ってしまうような美しさで、ニヤリと不敵な笑みを浮かべていた。
「ついたぜ、ここだろ?おまえんち。」
はっと外を見ると私の家の玄関前で車は停車していた。
ドアが開いた途端、転がり落ちるように車から飛び出す。
「今日はこれでチャラにしてやるよ」
跡部の声を背中に、玄関のドアを勢いよく開け、急いで閉める。
へなへなとその場に座り込み、唇に手を当てる。
まだ残ってる。あの甘い感触。
ぞくぞくしてドキドキして心臓が飛び出そう。壊れちゃいそう。
明日会ったらどうすればいいんだ。
全く意識してなかったただのクラスメイトが急に異性として脳内を占拠した。