短編
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靴箱に手紙
『今日の放課後良かったら体育館倉庫横へ来て下さい』
わざわざ行ってやったのに、「これ義理なんだけど」?
しかも、くれてやる、みたいなその態度にカチンときて、思わず言い捨てた。
「義理なんているかよ」
「…うっわ最低なにそれ最悪死んで来いよ」
「なんでお前にそこまで言われなきゃなんないんだよ」
「だって明らかに本命じゃん」
「…どこが?」
その精一杯の照れ隠しを見抜けないなんて。
女心をわかっていない。
ていうかもし本当に義理でも貰っておけよバカ!
呼び出した時点で本命だと気付いても良さそうなものを。
「何処の誰?謝っておいで」
「なんで」
「なんでとくるか!お前それ絶対泣かしてるぞ!どんな子だった?」
「…割と可愛い…」
「それなのに突き放したわけ!?」
「そっぽ向いて紙袋突き出して『これ義理なんだけど』だぜ抑揚の無い声で『これ義理なんだけど』だぜナメてんのかコラ」
「バッカ、明らかに照れ隠しだろ、きっとその子ツンデレなんだよバカが!」
「バカバカ言うなブス」
「…おいゴルァなんか言ったか」
その子はきっと泣いてる。
貰ってきてやれよ、お前はそんなに非情な奴じゃないだろ?
「戻れよ」
「もういねぇだろぃ」
「わかんないだろ」
「もう20分も前だぜ?」
「…」
あたしなら、そのシュチュエーションで行くところは、きっと、
「南校舎裏の外階段奥」
「は?」
「行って来い、場所はわかるだろ」
「そんな辺鄙なトコになんでいるってんだよ」
「…お前、そこにどんな時に行く?」
「どんなって掃除のあとくらいしかいかね…」
あ、と瞳が見開かれて、まさか、という視線が向く。
「女の子は一生懸命作ったものでもショックの反動でサヨナラすることに戸惑わない生き物だぜ」
悩んで書いたラブレターも破いてトイレに流せるし、長年の思い出の写真も無心に燃やせるし、命より大切だった指輪だって海に投げ捨てられる。
振られる、というショックが大きければ大きいほど。
南校舎裏外階段奥。
そこにあるのは、轟々と燃える、焼却所。
絶対にいる。あたしなら行く。ゴミ箱に捨てたら誰に見られるか解らないし、第一気持ちがやるせない。
あんな言い方されたら火の中へぽーいなんてお手の物だ。
「ああもうめんどくせ!」
がしがし頭をかくと立ち上がって教室を出て行った。
ばたばたと廊下に響く足音が遠ざかる。
いそげいそげ、ちゃんと謝れよ、ばかやろーめ。
走れ走れおばかさん
『今日の放課後良かったら体育館倉庫横へ来て下さい』
わざわざ行ってやったのに、「これ義理なんだけど」?
しかも、くれてやる、みたいなその態度にカチンときて、思わず言い捨てた。
「義理なんているかよ」
「…うっわ最低なにそれ最悪死んで来いよ」
「なんでお前にそこまで言われなきゃなんないんだよ」
「だって明らかに本命じゃん」
「…どこが?」
その精一杯の照れ隠しを見抜けないなんて。
女心をわかっていない。
ていうかもし本当に義理でも貰っておけよバカ!
呼び出した時点で本命だと気付いても良さそうなものを。
「何処の誰?謝っておいで」
「なんで」
「なんでとくるか!お前それ絶対泣かしてるぞ!どんな子だった?」
「…割と可愛い…」
「それなのに突き放したわけ!?」
「そっぽ向いて紙袋突き出して『これ義理なんだけど』だぜ抑揚の無い声で『これ義理なんだけど』だぜナメてんのかコラ」
「バッカ、明らかに照れ隠しだろ、きっとその子ツンデレなんだよバカが!」
「バカバカ言うなブス」
「…おいゴルァなんか言ったか」
その子はきっと泣いてる。
貰ってきてやれよ、お前はそんなに非情な奴じゃないだろ?
「戻れよ」
「もういねぇだろぃ」
「わかんないだろ」
「もう20分も前だぜ?」
「…」
あたしなら、そのシュチュエーションで行くところは、きっと、
「南校舎裏の外階段奥」
「は?」
「行って来い、場所はわかるだろ」
「そんな辺鄙なトコになんでいるってんだよ」
「…お前、そこにどんな時に行く?」
「どんなって掃除のあとくらいしかいかね…」
あ、と瞳が見開かれて、まさか、という視線が向く。
「女の子は一生懸命作ったものでもショックの反動でサヨナラすることに戸惑わない生き物だぜ」
悩んで書いたラブレターも破いてトイレに流せるし、長年の思い出の写真も無心に燃やせるし、命より大切だった指輪だって海に投げ捨てられる。
振られる、というショックが大きければ大きいほど。
南校舎裏外階段奥。
そこにあるのは、轟々と燃える、焼却所。
絶対にいる。あたしなら行く。ゴミ箱に捨てたら誰に見られるか解らないし、第一気持ちがやるせない。
あんな言い方されたら火の中へぽーいなんてお手の物だ。
「ああもうめんどくせ!」
がしがし頭をかくと立ち上がって教室を出て行った。
ばたばたと廊下に響く足音が遠ざかる。
いそげいそげ、ちゃんと謝れよ、ばかやろーめ。
走れ走れおばかさん