短編
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3、4時限目。
お腹も空き始めた頃、とある教室からいいにおいがしてきました。
今日は調理実習。
みんなエプロンして、各班に分かれて実習用の必要最小限機能の小さな台所で作業する。
本日の品目、鯖の味噌煮込み、締め卵の澄まし汁、ほうれん草のおひたし。
和食を作ってみよう、がテーマだった。
「うっわくせー!!なにこの魚くせぇよ!!」
違う班なのにわざわざそんなことを報告しに来る岳人。
「こんなの普通だよ!」
「普通じゃねぇよ!!」
「味噌で臭み取るんだって!岳人煮込みー」
「味噌煮込みだろっ!」
無駄口をたたきながら鯖を捌き、鍋に入れ、調味料を流し込んで落し蓋。
水分が減ってくるまで弱火で煮込む。
火をつけ、よし、とひと段落着いたとき、隣でかしゃり、と音がした。
「あ」
「え?ってうわなにやってんの宍戸!」
「あー…」
綴じ卵を作っているはずの宍戸は卵をグッシャリと割ってしまっていて、だらーんと黄身と白身が宍戸の手から垂れる。
殻も白身も黄身もぐちゃぐちゃで、どうやったらこんな割り方できるんだろう。
とりあえず宍戸に手を洗うように言って、新しく卵を貰ってきてボールに割り入れ、溶く。
沸騰した湯の中に流し入れふわっとなったら穴開きお玉ですくい、す巻きに乗せて巻く。
調理実習レシピのプリントに書いてある通りにやっていたら、手を洗い終わった宍戸が横から眺めてるのに気がついた。
「暇ならほうれん草切って」
「名前…うまいな」
「は?」
「手際がいいな」
「こんなの普通ですー」
「普段どんくさいくせにテキパキやるな、って褒めてんだよ」
「褒められた気しないんだけど!?」
普段人を褒めたりしない宍戸に言われるとちょっと嬉しくなってしまったり
「わー…マジ激うまそ…いいお嫁さんになれるな」
え?
「何?プロポーズ?」
「バ…ッ!?違げぇよ!!」
真っ赤になって否定する宍戸をからかって遊んだけれど
数年後、本当にされることになるとは
まだ誰も知らない頃の話。
お腹も空き始めた頃、とある教室からいいにおいがしてきました。
今日は調理実習。
みんなエプロンして、各班に分かれて実習用の必要最小限機能の小さな台所で作業する。
本日の品目、鯖の味噌煮込み、締め卵の澄まし汁、ほうれん草のおひたし。
和食を作ってみよう、がテーマだった。
「うっわくせー!!なにこの魚くせぇよ!!」
違う班なのにわざわざそんなことを報告しに来る岳人。
「こんなの普通だよ!」
「普通じゃねぇよ!!」
「味噌で臭み取るんだって!岳人煮込みー」
「味噌煮込みだろっ!」
無駄口をたたきながら鯖を捌き、鍋に入れ、調味料を流し込んで落し蓋。
水分が減ってくるまで弱火で煮込む。
火をつけ、よし、とひと段落着いたとき、隣でかしゃり、と音がした。
「あ」
「え?ってうわなにやってんの宍戸!」
「あー…」
綴じ卵を作っているはずの宍戸は卵をグッシャリと割ってしまっていて、だらーんと黄身と白身が宍戸の手から垂れる。
殻も白身も黄身もぐちゃぐちゃで、どうやったらこんな割り方できるんだろう。
とりあえず宍戸に手を洗うように言って、新しく卵を貰ってきてボールに割り入れ、溶く。
沸騰した湯の中に流し入れふわっとなったら穴開きお玉ですくい、す巻きに乗せて巻く。
調理実習レシピのプリントに書いてある通りにやっていたら、手を洗い終わった宍戸が横から眺めてるのに気がついた。
「暇ならほうれん草切って」
「名前…うまいな」
「は?」
「手際がいいな」
「こんなの普通ですー」
「普段どんくさいくせにテキパキやるな、って褒めてんだよ」
「褒められた気しないんだけど!?」
普段人を褒めたりしない宍戸に言われるとちょっと嬉しくなってしまったり
「わー…マジ激うまそ…いいお嫁さんになれるな」
え?
「何?プロポーズ?」
「バ…ッ!?違げぇよ!!」
真っ赤になって否定する宍戸をからかって遊んだけれど
数年後、本当にされることになるとは
まだ誰も知らない頃の話。