紅の王子様
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「あのっ…凌君、私と付き合ってくださいっ!」
期末テストも終わったわけで、男子テニス部に休みはないけれど、明日から普通の生徒は夏休みに入る。
夏休み、プールに海やお祭り…そんなイベントを好きな人と一緒に過ごしたいのか、終業式の日は告白の数が圧倒的に多い。
かれこれ自分が告られるのも今日だけで8人目。フッモテる男はつらいぜ。
「あーっと…ごめんね、俺、君と付き合うわけには…」
「やっやっぱり詩菜ちゃんと付き合ってるの!?」
また言われた。
断るごとに言われるこの台詞。もういっそ本当に付き合ってやろうか。
そうすれば詩菜にも悪い虫はつかなくなるだろうに。(もう日吉と言う輩が金魚のフンの様にくっついてるが)
「いや、そうじゃなくて…俺彼女とか作らないんだ。テニスに集中したいからさ」
「そっか……」
「でも気持ちは嬉しいよ。ありがとう。」
「えっあっうん…!」
とまあとりあえず微笑んでおけば女の子はショックなんてどこへやら、またこの凌様に惚れ込む。
すっげー清清しい。(最悪)
「凌また告られたの?」
教室に戻れば詩菜が声をかけてくる。ああ、うんと答えると、「私もモテたいなー」だって。
オイオイどんだけ自覚がないんだお前は。
詩菜が告られないのは多分(ていうか絶対)俺が近くにいるからだと思う。
だって詩菜に告るやついたらキレるもん。詩菜が日吉好きだから尚更。(日吉のためじゃなくて詩菜のためだからな)
そういえば跡部と忍足がいない。あいつらもモテるからな、今頃告白ラッシュか。
「…お前ら何やってんの?」
宍戸と岳人が二人で席でオセロしてた。(外見のわりに地味)
こいつらは表向きモテないやつらだから暇なのか。隠れファン多いもんな。
一般人とくらべたら全然モテるだろうに…もったいないのう。
まあ今は放課後で、テニス部のミーティング待ち。
部室は今ちょうど掃除の時間で使えないので、跡部のいる教室ってことで自分の教室。
明日からのきっつい練習のため、今日だけは体力温存ってことでミーティングらしい。
「明日からのスケジュールを発表する」
榊監督が置いていったでっけえ紙を黒板に貼って跡部がしゃべり始める。
レギュラー・準レギュラー・その他で練習メニューは違う。
一年はほとんどレギュラーの雑用か。可哀相に。
ブブッブブッ
机の上に置いてた自分の携帯がバイブでメッセージ受信を知らせてくれた。
読んでみると…
「やべっ」
焦って帰る仕度を始める。ミーティングはもうすぐ終わるし、もう大切な話もないだろう。
「綾香、まだ終わってねーぞ」
「どないしたん?」
「ちょっ約束してたんだった忘れてた!帰るわ、ゴメン」
「おい待て!」
跡部から静止がかかる。あー早く行かせてくれよー
「約束って誰とだ」
「あ?兄貴とだよ。」
跡部が固まった。(ついでにチョーク落とした←一本2000円の手に粉がつかないチョーク
「兄貴って青学の大石だっけか?」
「別に普通の兄妹で会うだけやろ、大したことないやん跡部。心配しすぎや」
「そうですよ部長」
「はっ…お前ら何もわかってねーな。」