戦国BASARA
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「名前殿!」
「…幸村さま」
たたた、と可愛らしい擬音でかけてきた若虎に思わず頬が緩む。
この人が本当に戦場で虎と化しているだなんて、想像が出来ない。戦場なんて知らなくて良い、といろんな方に言われるから、その姿を見たことはないし、これからもきっと無いだろうけれど。
何処の馬の骨かもわからないあたしを拾って、こんな姫みたいな待遇までしてくれて、お館さまも、幸村さまも、武田はとても優しい。本当に虎なのだろうか。
「…佐助を知らぬか」
「? 見ていませんけれど…お探しなのですか?」
「いや、知らぬなら良いのだ、名前殿はいつも佐助の所在を知っているからな、詩菜殿が知らぬなら近くには居らぬのだろう」
あたしの頬が染まった事に気付かないのか、きょろきょろと周りを見渡しながら言う幸村さま。
別にいつも知っているわけではない。
ただ、自然と目で追っているから尋ねられたらすぐに答えられるだけで、そんな、忍の行動なんて一般人のあたしが把握できるわけが無い。
幸村に他意はないのだろうが、佐助を常に視線ストーキングしていると指摘されたようでとてつもなく恥ずかしくなった。
幸村さまが気付くらいだから絶対佐助さまにもわかっているんだろうなぁ、わぁますます恥ずかしい。
さらに赤くなったあたしにいい加減気付いたのか、どうしたのかと顔を覗き込む幸村さまになんでもないと答え、身体ごと背けた。
「名前殿!」
「は、はい」
「一緒に食さぬか!」
何処から取り出したのか、手ぶらだったはずの幸村の手には皿が乗っていて、その上にはまさに山と形容するのが正しいであろう団子が鎮座していた。
この世界の人たちは皆、何処から出したの?という早業で大きなものを出すのでびっくりする。
イリュージョンか。そうか。素手で殴り合っていたと思った主従が瞬きをして目を開けた瞬間、大きな武器を振りかざしていた時の驚きはしっかりと心に刻まれている。本当に何処から出したの。未だに不明だ。
「佐助が居るといろいろうるさいのでな、いない間にこっそりと食そうと思って…それに万が一見つかった場合、名前殿が隣にいれば、某が食べすぎているなどとは思われないだろう?」
それは、佐助さまが山盛りの団子のほとんどをあたしが食べたと勘違いするという事か。
悪いけれどありえない。
まぁいいや、と美味しそうな団子を目の前にして、あたしがにこりと頷くと、これでもかと顔を輝かせてお礼を言うと共に、屈託の無い満面の笑みで、
「名前殿と食す団子はまた格別であろうな!」
と言った。
ただそれだけ、たったそれだけ。
いつもと変わらない廊下、いつもと変わらない昼下がり、いつもと変わらない幸村さまの笑み。のはず、なのに、あれ、どうして、息が詰まったの?顔がまた熱くなる、あれ、どうして、いつもと変わらないはずなのに、そりゃあ一緒に団子を食べるのは初めてだけど、あれ、なんで、心臓がうるさい、どうしたの、あれ?
それはある日突然に
(これは、佐助さまを見るときと似ている)(でも、今の方が身体が可笑しい)(あれ?)
「…幸村さま」
たたた、と可愛らしい擬音でかけてきた若虎に思わず頬が緩む。
この人が本当に戦場で虎と化しているだなんて、想像が出来ない。戦場なんて知らなくて良い、といろんな方に言われるから、その姿を見たことはないし、これからもきっと無いだろうけれど。
何処の馬の骨かもわからないあたしを拾って、こんな姫みたいな待遇までしてくれて、お館さまも、幸村さまも、武田はとても優しい。本当に虎なのだろうか。
「…佐助を知らぬか」
「? 見ていませんけれど…お探しなのですか?」
「いや、知らぬなら良いのだ、名前殿はいつも佐助の所在を知っているからな、詩菜殿が知らぬなら近くには居らぬのだろう」
あたしの頬が染まった事に気付かないのか、きょろきょろと周りを見渡しながら言う幸村さま。
別にいつも知っているわけではない。
ただ、自然と目で追っているから尋ねられたらすぐに答えられるだけで、そんな、忍の行動なんて一般人のあたしが把握できるわけが無い。
幸村に他意はないのだろうが、佐助を常に視線ストーキングしていると指摘されたようでとてつもなく恥ずかしくなった。
幸村さまが気付くらいだから絶対佐助さまにもわかっているんだろうなぁ、わぁますます恥ずかしい。
さらに赤くなったあたしにいい加減気付いたのか、どうしたのかと顔を覗き込む幸村さまになんでもないと答え、身体ごと背けた。
「名前殿!」
「は、はい」
「一緒に食さぬか!」
何処から取り出したのか、手ぶらだったはずの幸村の手には皿が乗っていて、その上にはまさに山と形容するのが正しいであろう団子が鎮座していた。
この世界の人たちは皆、何処から出したの?という早業で大きなものを出すのでびっくりする。
イリュージョンか。そうか。素手で殴り合っていたと思った主従が瞬きをして目を開けた瞬間、大きな武器を振りかざしていた時の驚きはしっかりと心に刻まれている。本当に何処から出したの。未だに不明だ。
「佐助が居るといろいろうるさいのでな、いない間にこっそりと食そうと思って…それに万が一見つかった場合、名前殿が隣にいれば、某が食べすぎているなどとは思われないだろう?」
それは、佐助さまが山盛りの団子のほとんどをあたしが食べたと勘違いするという事か。
悪いけれどありえない。
まぁいいや、と美味しそうな団子を目の前にして、あたしがにこりと頷くと、これでもかと顔を輝かせてお礼を言うと共に、屈託の無い満面の笑みで、
「名前殿と食す団子はまた格別であろうな!」
と言った。
ただそれだけ、たったそれだけ。
いつもと変わらない廊下、いつもと変わらない昼下がり、いつもと変わらない幸村さまの笑み。のはず、なのに、あれ、どうして、息が詰まったの?顔がまた熱くなる、あれ、どうして、いつもと変わらないはずなのに、そりゃあ一緒に団子を食べるのは初めてだけど、あれ、なんで、心臓がうるさい、どうしたの、あれ?
それはある日突然に
(これは、佐助さまを見るときと似ている)(でも、今の方が身体が可笑しい)(あれ?)