忍たま
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とた、とたた、とたとた
…随分と不安定な足音がする。
とたた、とた、 ごつん、
…今、確実に何かにぶつかったぞ。
これは相当ふらついているなぁ。
不運委員と名高い保健委員を5年間も勤め上げていれば、このふらついた足音がこの部屋の前で止まって、扉があいて、怪我人か病人が入ってくる、なんて筋書きは嫌でも予測できるわけで。
ああ、今回は誰だろう。
私が当番の時は誰も来なかったら平和なのになぁ。
軽い怪我なんかなら来てくれても全然構わないんだけど、この足音は重症だ。
この前なんか善法寺先輩に用があって医務室に来てみたら、肝心の先輩はいなくて、代わりに食べすぎで目を回した食満先輩と潮江先輩が寝てたからびっくりした。
慌てて逃げようと思ったのに、目を覚まして喧嘩を始めるし…この前は自惚れやの滝夜叉丸が自主的入院をしてたし…なんだろう、医務室の利用者って面倒臭い人ばっかじゃないか。
あーあ、これも不運のなすワザなのかな…
とた、
足音が扉の前で止まる。
やっぱりな、と思いつつ、思わず身構える。
誰だ?誰でも良い、かかってこい!
がらり、
「こっ小松田さん?!なんですかその怪我!!」
「ふあ~…学園長せんせえがぁ~…」
「…あー…自慢話でヒートアップですね…」
ふらふらしている酷い怪我な小松田さんを座らせて、救急箱を近くに引き寄せる。
あーあ、なんだこれ…どうやったらこんなに怪我を…この人、前も大怪我おってなかったっけ?この人も不運というか不憫というか…
「ぐずぐず」
「あーもう泣かないで下さいよ!災難でしたね…」
「痛いよぉ…」
「うーん、今回は全治二ヶ月ってとこですかねぇ…」
傷口を消毒して包帯を巻いて、打撲に良く効く薬草を貼って、
「前、酷い目に合ったんですから誘われる前に逃げちゃえば良かったんですよ」
「だって~」
だってじゃない。
全く、学習してくれなけゃ仕事が増えて、こっちだって大変だ。
そりゃ怪我人の手当てが保健委員の仕事だけども、こういう、ちょっと自業自得な怪我はそんな頻繁にしないで欲しい。
「わーおっきなたんこぶできちゃってますよ!」
氷、こお、り…あれ、なんで動けないんだ?
私の動きを邪魔する原因の方に目を向ければ、小松田さんが私の服の裾を掴んでいた。何してんだこの人。
「小松田さん?」
「だって…」
「だってじゃないですよ。離して下さらないと氷に手が届かないんですけど…冷やさないと痛いままですよ?」
「…ち、げつって」
「え?」
「全治二ヶ月、って、治るの、に、二ヶ月かかる、ってこ、と?」
顔が痛むのか、区切れ区切れに言う小松田さんに、そうだ、と頷いてみせる。
何か思案顔の小松田さんの手をやんわりと服から剥がして氷を取って来てしまおうと、そーっと小松田さんの手に自分の手を乗せた瞬間、私の手が力強く握られて思わず固まってしまった。握ったのは誰だ!?まあ、この場には私と小松田さんしかいないんだけれども。
「こまつださ「じゃあ、二ヶ月間毎日名前ちゃんに会えるんだね!」ん…?!」
すごく良い笑顔で、私の手を力強く握り締めて、元気良く言った小松田さんに開いた口が塞がらない。
小松田さんは小松田さんでいきなり元気良く喋ったからかいろんなところが痛かったらしく途端に涙目になっていた。
「え、あ、あの、別に私毎日医務室にいるわけではないので…」
「えっ…」
いや、あの、そんなびっくりして残念そうにしないで下さい…何だこの人…前回の大怪我の時だって、毎日包帯換えたり何やかやするために通ってきていたけど、私が手当てしたのは数回だったじゃないか。
「あの、「僕、毎日手当てしてくれる人、名前ちゃんじゃなきゃやだ!」、え、」
この人は、私の台詞に被るのが好きなのか、って違う違う!
なんで私に!?嫌がらせか?!私だって忙しいのに!!
「なんで、」
「だって名前ちゃんが手当てしてくれると痛みがすっと消えるんだよ」
他の人だと痛いままなのに、これって名前ちゃんの手当てが凄いんだよね?
なんて言われて嬉しくないはずがない。5年も保健委員やってて良かったと思える瞬間だ。
「それにね、」
きみの笑顔が見たいから
(名前ちゃんの笑顔見ると治るのが早くなる気がするんだ!だからお願い!毎日僕の手当てして?)(…なんだか、小松田さん、それって、私の手当てスキル云々の問題じゃ、ない気がするんですけど、)(? あれ、名前ちゃん顔赤いよ??)(っ…何でもありません!!!!)(痛ーッ?!)
…随分と不安定な足音がする。
とたた、とた、 ごつん、
…今、確実に何かにぶつかったぞ。
これは相当ふらついているなぁ。
不運委員と名高い保健委員を5年間も勤め上げていれば、このふらついた足音がこの部屋の前で止まって、扉があいて、怪我人か病人が入ってくる、なんて筋書きは嫌でも予測できるわけで。
ああ、今回は誰だろう。
私が当番の時は誰も来なかったら平和なのになぁ。
軽い怪我なんかなら来てくれても全然構わないんだけど、この足音は重症だ。
この前なんか善法寺先輩に用があって医務室に来てみたら、肝心の先輩はいなくて、代わりに食べすぎで目を回した食満先輩と潮江先輩が寝てたからびっくりした。
慌てて逃げようと思ったのに、目を覚まして喧嘩を始めるし…この前は自惚れやの滝夜叉丸が自主的入院をしてたし…なんだろう、医務室の利用者って面倒臭い人ばっかじゃないか。
あーあ、これも不運のなすワザなのかな…
とた、
足音が扉の前で止まる。
やっぱりな、と思いつつ、思わず身構える。
誰だ?誰でも良い、かかってこい!
がらり、
「こっ小松田さん?!なんですかその怪我!!」
「ふあ~…学園長せんせえがぁ~…」
「…あー…自慢話でヒートアップですね…」
ふらふらしている酷い怪我な小松田さんを座らせて、救急箱を近くに引き寄せる。
あーあ、なんだこれ…どうやったらこんなに怪我を…この人、前も大怪我おってなかったっけ?この人も不運というか不憫というか…
「ぐずぐず」
「あーもう泣かないで下さいよ!災難でしたね…」
「痛いよぉ…」
「うーん、今回は全治二ヶ月ってとこですかねぇ…」
傷口を消毒して包帯を巻いて、打撲に良く効く薬草を貼って、
「前、酷い目に合ったんですから誘われる前に逃げちゃえば良かったんですよ」
「だって~」
だってじゃない。
全く、学習してくれなけゃ仕事が増えて、こっちだって大変だ。
そりゃ怪我人の手当てが保健委員の仕事だけども、こういう、ちょっと自業自得な怪我はそんな頻繁にしないで欲しい。
「わーおっきなたんこぶできちゃってますよ!」
氷、こお、り…あれ、なんで動けないんだ?
私の動きを邪魔する原因の方に目を向ければ、小松田さんが私の服の裾を掴んでいた。何してんだこの人。
「小松田さん?」
「だって…」
「だってじゃないですよ。離して下さらないと氷に手が届かないんですけど…冷やさないと痛いままですよ?」
「…ち、げつって」
「え?」
「全治二ヶ月、って、治るの、に、二ヶ月かかる、ってこ、と?」
顔が痛むのか、区切れ区切れに言う小松田さんに、そうだ、と頷いてみせる。
何か思案顔の小松田さんの手をやんわりと服から剥がして氷を取って来てしまおうと、そーっと小松田さんの手に自分の手を乗せた瞬間、私の手が力強く握られて思わず固まってしまった。握ったのは誰だ!?まあ、この場には私と小松田さんしかいないんだけれども。
「こまつださ「じゃあ、二ヶ月間毎日名前ちゃんに会えるんだね!」ん…?!」
すごく良い笑顔で、私の手を力強く握り締めて、元気良く言った小松田さんに開いた口が塞がらない。
小松田さんは小松田さんでいきなり元気良く喋ったからかいろんなところが痛かったらしく途端に涙目になっていた。
「え、あ、あの、別に私毎日医務室にいるわけではないので…」
「えっ…」
いや、あの、そんなびっくりして残念そうにしないで下さい…何だこの人…前回の大怪我の時だって、毎日包帯換えたり何やかやするために通ってきていたけど、私が手当てしたのは数回だったじゃないか。
「あの、「僕、毎日手当てしてくれる人、名前ちゃんじゃなきゃやだ!」、え、」
この人は、私の台詞に被るのが好きなのか、って違う違う!
なんで私に!?嫌がらせか?!私だって忙しいのに!!
「なんで、」
「だって名前ちゃんが手当てしてくれると痛みがすっと消えるんだよ」
他の人だと痛いままなのに、これって名前ちゃんの手当てが凄いんだよね?
なんて言われて嬉しくないはずがない。5年も保健委員やってて良かったと思える瞬間だ。
「それにね、」
きみの笑顔が見たいから
(名前ちゃんの笑顔見ると治るのが早くなる気がするんだ!だからお願い!毎日僕の手当てして?)(…なんだか、小松田さん、それって、私の手当てスキル云々の問題じゃ、ない気がするんですけど、)(? あれ、名前ちゃん顔赤いよ??)(っ…何でもありません!!!!)(痛ーッ?!)
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