戦国BASARA
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「やあ姫さん何で逃げんの」
「別に逃げてない」
「俺見て踵を返すのは逃げてんじゃないの」
「…うるさい」
さも偶然見つけたとばかりに近付けば、慌てたように逃げようとする。
まぁ、声かけたら踏みとどまるのは、意地っていうか、変わってないよねぇ。
「竜の旦那とは上手くいってんの?」
「ええ、そっちも仲良くやってんでしょ」
「まぁね」
机に腰掛けてスマホをいじる。
別にすることないんだけどね、意味も無くデータフォルダとかひらいてみたり。
ただ、直視できなくて、見る対象を求めて、スマホに逃げたなんて、気付きやしないんだろ?
つられたように、彼女もスマホをいじりだす。
「LINE総シカトって酷くない?」
「…返す返さないはあたしの自由でしょ、だいたい元カノに毎日LINEしてくるやつがいる?自分からふっといて」
最後だけトーンが落ちたのを聞き逃さない。
そうだ、自分から勝手にふって、新しく彼女作って、なのに元カノに男ができた途端、LINEしてみるとか我ながら最悪だ。
「…寂しがってんじゃないかなと思って」
「生憎、政宗がいますから」
スマホをポケットに仕舞い、彼女がこっちを見た。けど、俺はスマホを見たまま。
「秋の夜は春日忘るるものなれや霞に霧や千重まさるらむ」
「…伊勢物語?」
「ご名答」
困った顔をしているかと彼女を見れば、まっすぐこっちを見据えていて、その無表情に若干ビビってすぐ視線をスマホに戻す。
「じゃあ、『千々の秋ひとつの春にむかはめや紅葉も花もともにこそ散れ』」
「…現代語訳は?」
「授業でやったでしょ」
「聞いてなかった」
「じゃ真田にでも聞いたら?あたし政宗待ってるから行くわ」
教室にただひとり残され、廊下の足音が遠ざかっていくのをただ聞いている。
なんだか腹の下の方が熱い。吐きそうだ。
『新しい男が出来れば俺の事は忘れてしまうのか 俺に比べればあいつは千倍勝ってるんだろ?』
『千人今の男がいてもひとりの貴方には叶いません でも、今の男も貴方も愛情の希薄さという点では同じよ』
さっきまで逃げ場にしていたスマホが急に忌々しくなって、思いっきり投げた。
壁に当たって、床を跳ねて、不様に落ちたスマホにくっついた奇抜な色のステッカーが忌々しい。(今の彼女に貰ったやつなのに、貰った時はあんなに嬉しかったのに)(そういや彼女とお揃いだったイヤホンジャックはどこへいったんだっけ)
未練ありまくりで醜いと思う。自分から勝手に切ったくせに。
時は秋になむありける
(自分で掘った墓穴は自分じゃ埋められないんだろうか)(ねぇ名前、竜の旦那に不満があるならもう一度俺と、なんて)(手放してからも自分のものだと叫びたいだなんて、ホント虫が良すぎるよねぇ)
「別に逃げてない」
「俺見て踵を返すのは逃げてんじゃないの」
「…うるさい」
さも偶然見つけたとばかりに近付けば、慌てたように逃げようとする。
まぁ、声かけたら踏みとどまるのは、意地っていうか、変わってないよねぇ。
「竜の旦那とは上手くいってんの?」
「ええ、そっちも仲良くやってんでしょ」
「まぁね」
机に腰掛けてスマホをいじる。
別にすることないんだけどね、意味も無くデータフォルダとかひらいてみたり。
ただ、直視できなくて、見る対象を求めて、スマホに逃げたなんて、気付きやしないんだろ?
つられたように、彼女もスマホをいじりだす。
「LINE総シカトって酷くない?」
「…返す返さないはあたしの自由でしょ、だいたい元カノに毎日LINEしてくるやつがいる?自分からふっといて」
最後だけトーンが落ちたのを聞き逃さない。
そうだ、自分から勝手にふって、新しく彼女作って、なのに元カノに男ができた途端、LINEしてみるとか我ながら最悪だ。
「…寂しがってんじゃないかなと思って」
「生憎、政宗がいますから」
スマホをポケットに仕舞い、彼女がこっちを見た。けど、俺はスマホを見たまま。
「秋の夜は春日忘るるものなれや霞に霧や千重まさるらむ」
「…伊勢物語?」
「ご名答」
困った顔をしているかと彼女を見れば、まっすぐこっちを見据えていて、その無表情に若干ビビってすぐ視線をスマホに戻す。
「じゃあ、『千々の秋ひとつの春にむかはめや紅葉も花もともにこそ散れ』」
「…現代語訳は?」
「授業でやったでしょ」
「聞いてなかった」
「じゃ真田にでも聞いたら?あたし政宗待ってるから行くわ」
教室にただひとり残され、廊下の足音が遠ざかっていくのをただ聞いている。
なんだか腹の下の方が熱い。吐きそうだ。
『新しい男が出来れば俺の事は忘れてしまうのか 俺に比べればあいつは千倍勝ってるんだろ?』
『千人今の男がいてもひとりの貴方には叶いません でも、今の男も貴方も愛情の希薄さという点では同じよ』
さっきまで逃げ場にしていたスマホが急に忌々しくなって、思いっきり投げた。
壁に当たって、床を跳ねて、不様に落ちたスマホにくっついた奇抜な色のステッカーが忌々しい。(今の彼女に貰ったやつなのに、貰った時はあんなに嬉しかったのに)(そういや彼女とお揃いだったイヤホンジャックはどこへいったんだっけ)
未練ありまくりで醜いと思う。自分から勝手に切ったくせに。
時は秋になむありける
(自分で掘った墓穴は自分じゃ埋められないんだろうか)(ねぇ名前、竜の旦那に不満があるならもう一度俺と、なんて)(手放してからも自分のものだと叫びたいだなんて、ホント虫が良すぎるよねぇ)