「どうしよう、どんなに探しても窓もドアもないし、隠し扉やギミックもないし…」
「なんでここに閉じ込められてるのか前後の記憶もないし…」
「明るいし綺麗だし一通り家具家電も水回りも揃ってる至って普通の１Ｋということが逆に怖い」
「もっと怖いこと言うとね、家具は違うけど、間取りが私が前住んでた部屋と全く同じなの」
「えっ！」
「窓とドアがないこと以外は私の一人暮らしマンションと全く同じ…」
「（名前ちゃん一人暮らししてたんだ…なんで今はハタ坊のとこに住んでんの…いや、今はそんなことどうでもいいや）」
「なんか懐かしいな～家具は違うけど配置はまんまなんだよね…変な感じ…」
「（…もしこのまま出られなかったらここで…ど、同棲みたいな…名前ちゃんの部屋（仮）で…出口もないから誰にも邪魔されず二人きり…！！あーーー神様ありがとう！！！！！ッシャ！！！！！念願の脱童貞…！！！）」
「！？　ねえ、今玄関からガチャって聞こえなかった！？」
「え、」
「わあ！！ドア！！！玄関にドアがある！！！！開いた！！！！！やったー外だ！！！！」
「えええ………」


どちらかが部屋を出ることを諦めないと出られない部屋


「あーよかった！トド松くん！外だよ！！」
「神は死んだ」
「えっ？」


お題：トド松 と『どちらかが部屋を出ることを諦めないと出られない部屋』に閉じ込められました。