夢だけど夢じゃない
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しっかりおでん背景のイヤミが踊って「おそまつ!」まで歌い切った後、真っ暗闇だった視界がパッとひらけた。さっきのビーチに座っている。ああ、ちゃんとエンディング後にオチ回収するみたいだ。よかった。
大津波が嘘のように凪いだ海がキラキラと広がっている。波に飲まれたカラ松くんはどうなったんだろう…
心配しているとふいに腕をぎゅっと掴まれた。
神松かと思って咄嗟に振り払おうとしたが、その手が小さいことに気付き、バッと見ればハタ坊がいた。えっいつの間に!?
突然のハタ坊出現に驚いていると、彼は斜め上を見上げて顔を青ざめさせガタガタ震えながら「ま、まさかアレからああなってああ展開してこうなるとは思わなかったジョ…」と呟いた。あれ、なんか聞いたことある。
ハタ坊の視線を追って見上げれば黒い煙のような影のようなおぞましい何かが蠢いていた。顔もついている。
「ね、悪松、話せばわかる…話せば…」
「我らのアイドルトト子ちゃんのみならず名前ちゃんまで…しかもあんな際どい白ビキニ姿の名前ちゃんとハワイデートだと…?羨ましい…許さん…万死に値する…貴様と話すことなど何もない……」
青ざめ震える神松に言い放つ悪松。
cv.杉田○和に名前を呼ばれて不意打ちにときめいているとあっという間に神松は叩き潰されてしまった。呆気ない。さようなら……
特に感慨もなくその様を見ている自分が我ながらちょっと酷いかもな、と反省しているとアニメならここでむつごの中に戻るはずの悪松がこちらを向いた。えっ。
空を覆い尽くすくらい大きかった黒煙はシュルシュルと小さくなり、むつごくらいの大きさの人間に成った。見た目もむつごそっくりだ。キレた時の一松くんに似た表情のそいつ はニヤニヤしながらこっちに歩いてきた。
「よぉ名前ちゃん、神松 に何もされてねぇか?」
「あ、はい特には」
「よかった…何かあったらオシオキしないといけなかったからな」
………一体誰をオシオキしないといけなかったのか。まさか私じゃあるまいな。被害者だし。
不躾にジロジロといやらしい目で舐め回すように見てくる悪松にどうしたらいいかわからず腕で身体をなんとなく隠す。もはやF6作画になっていた神松と違って悪松はむつごそっくりなのでちょっと邪険にもしづらい。どうしよう…と思っているともう一歩近寄ってきた悪松がさらに悪い顔で笑った。
「まぁ何もなかったとはいえ神松の野郎とハワイまで来ちまったってのがもうオシオキが必要だよなァ…」
「ええ…不可抗力だったんですが…」
「言い訳はベッドの中で聞こうか?」
そう言うが早いか私の手首を掴み、長い舌でべろりと舌舐めずりをする悪松に怯む。えっやだ!助けてハタ坊…と斜め下を慌てて見れば見覚えのある小さな丸い物体を手のひらに乗せた真顔のハタ坊が目に入った。えっそれは……
「ばるす」
小さな物体から伸びる紐を躊躇なく引っ張ったハタ坊。
カッ!!!!と眩い光が辺りを包み、半径2km以内の生き物が死滅した。
「う〜〜ん」
気付くと砂浜にうつ伏せに倒れていた。よかった生きてる。いや一回死んだのか?
よくわからないまま起き上がり、顔についた砂を払う。
キョロキョロ見渡せばもう神松も悪松も見当たらず、少し離れたところにバタバタとむつごが倒れていた。
一人だけ服を着ていない(ギラギラのブーメランパンツ姿の)カラ松に駆け寄る。仰向けにして軽く砂を払い、胸が上下していることにホッとする。溺れたりもしてないみたいだ。
「カラ松くん、カラ松くん」
「………うーん…?」
「よかった、カラ松くん大丈夫?」
「………フッ…ここは天国か…?あまりに麗しいエンジェルが迎えに来てくれたものだな…」
そう言って目を細め手を伸ばし頰を撫でられる。うん、よし。通常運転だ、元気そう。
されるがままになりながら髪についた砂も払ってやる。なんでみんながここにいるのかわからないが、さっきサーフィンしてたカラ松くんが助けに来たとか言っていた気もするし、きっとそうなんだろう。
「………天国は暑いな…」
「うん、天国じゃないからね、ハワイだからね」
「……ハワイ………ハッ!?!?!?!?大丈夫かハニー!?何もされてないか!?!?」
突然カッと目を見開いたカラ松が飛び起きたせいで顔がめちゃくちゃ近くなりびっくりして固まってしまう。そんなことは気に留めず心配そうに眉を八の字にし、神松はどうした!?とキョロキョロするカラ松。
「………神松くんは死んだよ(多分)」
「そうか………」
なら良かった。そういうカラ松に少し笑ってしまう。人ひとりいなくなったはずなのになんて不謹慎なんだろう。お互いに。元々いるはずのない存在が消えただけだからこんなものなのかもしれないけれど。
「………助けに来たのに何も出来なかったな」
自嘲気味にそういうカラ松に首を振る。助けに来てくれただけで嬉しいし、多分みんなが来てくれて何故か悪松が誕生したおかげで色々解決したし。悪松まであんなことし始めたのは驚いたけれど。未遂も未遂だから良いのだ。
「助けに来てくれてありがとう」
そう言えば、驚いたように目を見開いて、そしてへにゃりと笑った。ああ、カラ松くんのその顔好きだなあ。
カラ松くんはそこでやっと私が際どい白ビキニなことに気付いたらしく顔を真っ赤にして目をギョロギョロ彷徨わせ始めた。自分の方がよっぽど際どい格好しているくせに。とはいえ私もこの格好恥ずかしい。グラビアアイドルじゃあるまいし。自分の上着をかけて私を隠してくれようとしたけれど肝心のその上着がなくてアワアワするカラ松くんに笑いながら、他のむつごも起こそうと四つん這いになってハイハイで移動しようとしたら背後から叫び声が聞こえビビって振り向く。顔から大量に流血した松野カラ松がごめん寝ポーズで伏していた。
「!?!?カラ松くんどうしたの!?」
「いや……なんでも………ありがとうございました…」
「は!?ねぇ血が!」
「ああこれはパッションの大噴火だから問題ない…」
顔だけあげたカラ松はグイッと鼻血を手で擦った。鼻から下が汚れただけでまだダラダラと出血している。熱中症かな…ずっと浜辺に倒れてたみたいだし…
何故か蹲ったまま頑なに動かないカラ松にとりあえず水を飲ませようと思って立ち上がる。海には夕陽が沈みかけていて美しいサンセットビーチには人がまばらにくつろいでいる。さっき全滅したはずなのに不思議だな。
どこかで飲み物をゲット出来ないかと見回していると蹲ったまま顔だけあげていたカラ松がスチャッとサングラスをかけた。キメ顔している。ナンパでも始める気だろうか?とりあえず鼻血止まってからのがいいし、なんか飲んでからにしてほしい。心配だから。
そんなことを考えているとキメ顔のまま見上げてきたカラ松が囁くように語り出した。(無駄にイケボで)
「………ビューティフルなサンセットだな…」
「え?うんそうだね」
「………カラ松ガールと見られて嬉しいぜ…」
「えっカラ松ガール見つけたの?」
「えっ…いや…名前のことなんだが…」
「えっ………(私カラ松ガールだったの!?)(いや紛うことなきカラ松ガールではあるけどカラ松くんがそう思ってたなんて初耳!)」
「………」
「………」
お互い困惑の沈黙に包まれていると仕切り直すように咳払いしたカラ松くんがサングラスをずらしてキラキラした瞳を覗かした。
「………今度はハネムーンで来たいものだな…」
「えっあ、うん…頑張って…」
さすがロマンチストカラ松、ハネムーンでハワイに来たいのかあ。そうかあ。その相手が私だったらいいのになあ。なーんちゃって!
とりあえずキメ顔してるけどまだ出続けてる鼻血で台無しだしハネムーン代頑張って稼がないとね〜と現実的な応援をしたらキメ顔がみるみるうちに泣きそうな顔になってしまった。
「……名前は…ハネムーン、ハワイは嫌か…?」
「え?嫌ではないけど…ハワイよりはヨーロッパとかが良いかな…?」
「そ、そうか…俺は名前とハワイに来たかったんだが…」
「………えっ?」
「えっ?」
んっ?
なんか爆弾落とされたような?
頭で理解出来ていないのに何故かじわじわ熱くなってくる頰に手を当てて見下ろせば、砂浜に蹲ったまま見上げていたカラ松の顔もみるみる赤くなっていく。
んっ?えっ?あれ??
カラ松くん、なんて言った???
何故か甘酸っぱい空気に包まれて、落ちていく夕陽がロマンティックで、照らされた顔が紅く染まるけれど、顔が赤いのはそれだけじゃなくって、えっと、
「えっ…あの…今のは……」
「………ッ、名前!」
「ハッはい!」
「俺とハネムーンでハワイに」
「ばるす」
真っ赤な顔で一生懸命言うカラ松に夢中になっている間に、いつの間にか近くに来ていたハタ坊が二人の間で紐を引いた。
本日二度目、ビーチから半径2km以内の生物が全滅した。
大津波が嘘のように凪いだ海がキラキラと広がっている。波に飲まれたカラ松くんはどうなったんだろう…
心配しているとふいに腕をぎゅっと掴まれた。
神松かと思って咄嗟に振り払おうとしたが、その手が小さいことに気付き、バッと見ればハタ坊がいた。えっいつの間に!?
突然のハタ坊出現に驚いていると、彼は斜め上を見上げて顔を青ざめさせガタガタ震えながら「ま、まさかアレからああなってああ展開してこうなるとは思わなかったジョ…」と呟いた。あれ、なんか聞いたことある。
ハタ坊の視線を追って見上げれば黒い煙のような影のようなおぞましい何かが蠢いていた。顔もついている。
「ね、悪松、話せばわかる…話せば…」
「我らのアイドルトト子ちゃんのみならず名前ちゃんまで…しかもあんな際どい白ビキニ姿の名前ちゃんとハワイデートだと…?羨ましい…許さん…万死に値する…貴様と話すことなど何もない……」
青ざめ震える神松に言い放つ悪松。
cv.杉田○和に名前を呼ばれて不意打ちにときめいているとあっという間に神松は叩き潰されてしまった。呆気ない。さようなら……
特に感慨もなくその様を見ている自分が我ながらちょっと酷いかもな、と反省しているとアニメならここでむつごの中に戻るはずの悪松がこちらを向いた。えっ。
空を覆い尽くすくらい大きかった黒煙はシュルシュルと小さくなり、むつごくらいの大きさの人間に成った。見た目もむつごそっくりだ。キレた時の一松くんに似た表情の
「よぉ名前ちゃん、
「あ、はい特には」
「よかった…何かあったらオシオキしないといけなかったからな」
………一体誰をオシオキしないといけなかったのか。まさか私じゃあるまいな。被害者だし。
不躾にジロジロといやらしい目で舐め回すように見てくる悪松にどうしたらいいかわからず腕で身体をなんとなく隠す。もはやF6作画になっていた神松と違って悪松はむつごそっくりなのでちょっと邪険にもしづらい。どうしよう…と思っているともう一歩近寄ってきた悪松がさらに悪い顔で笑った。
「まぁ何もなかったとはいえ神松の野郎とハワイまで来ちまったってのがもうオシオキが必要だよなァ…」
「ええ…不可抗力だったんですが…」
「言い訳はベッドの中で聞こうか?」
そう言うが早いか私の手首を掴み、長い舌でべろりと舌舐めずりをする悪松に怯む。えっやだ!助けてハタ坊…と斜め下を慌てて見れば見覚えのある小さな丸い物体を手のひらに乗せた真顔のハタ坊が目に入った。えっそれは……
「ばるす」
小さな物体から伸びる紐を躊躇なく引っ張ったハタ坊。
カッ!!!!と眩い光が辺りを包み、半径2km以内の生き物が死滅した。
「う〜〜ん」
気付くと砂浜にうつ伏せに倒れていた。よかった生きてる。いや一回死んだのか?
よくわからないまま起き上がり、顔についた砂を払う。
キョロキョロ見渡せばもう神松も悪松も見当たらず、少し離れたところにバタバタとむつごが倒れていた。
一人だけ服を着ていない(ギラギラのブーメランパンツ姿の)カラ松に駆け寄る。仰向けにして軽く砂を払い、胸が上下していることにホッとする。溺れたりもしてないみたいだ。
「カラ松くん、カラ松くん」
「………うーん…?」
「よかった、カラ松くん大丈夫?」
「………フッ…ここは天国か…?あまりに麗しいエンジェルが迎えに来てくれたものだな…」
そう言って目を細め手を伸ばし頰を撫でられる。うん、よし。通常運転だ、元気そう。
されるがままになりながら髪についた砂も払ってやる。なんでみんながここにいるのかわからないが、さっきサーフィンしてたカラ松くんが助けに来たとか言っていた気もするし、きっとそうなんだろう。
「………天国は暑いな…」
「うん、天国じゃないからね、ハワイだからね」
「……ハワイ………ハッ!?!?!?!?大丈夫かハニー!?何もされてないか!?!?」
突然カッと目を見開いたカラ松が飛び起きたせいで顔がめちゃくちゃ近くなりびっくりして固まってしまう。そんなことは気に留めず心配そうに眉を八の字にし、神松はどうした!?とキョロキョロするカラ松。
「………神松くんは死んだよ(多分)」
「そうか………」
なら良かった。そういうカラ松に少し笑ってしまう。人ひとりいなくなったはずなのになんて不謹慎なんだろう。お互いに。元々いるはずのない存在が消えただけだからこんなものなのかもしれないけれど。
「………助けに来たのに何も出来なかったな」
自嘲気味にそういうカラ松に首を振る。助けに来てくれただけで嬉しいし、多分みんなが来てくれて何故か悪松が誕生したおかげで色々解決したし。悪松まであんなことし始めたのは驚いたけれど。未遂も未遂だから良いのだ。
「助けに来てくれてありがとう」
そう言えば、驚いたように目を見開いて、そしてへにゃりと笑った。ああ、カラ松くんのその顔好きだなあ。
カラ松くんはそこでやっと私が際どい白ビキニなことに気付いたらしく顔を真っ赤にして目をギョロギョロ彷徨わせ始めた。自分の方がよっぽど際どい格好しているくせに。とはいえ私もこの格好恥ずかしい。グラビアアイドルじゃあるまいし。自分の上着をかけて私を隠してくれようとしたけれど肝心のその上着がなくてアワアワするカラ松くんに笑いながら、他のむつごも起こそうと四つん這いになってハイハイで移動しようとしたら背後から叫び声が聞こえビビって振り向く。顔から大量に流血した松野カラ松がごめん寝ポーズで伏していた。
「!?!?カラ松くんどうしたの!?」
「いや……なんでも………ありがとうございました…」
「は!?ねぇ血が!」
「ああこれはパッションの大噴火だから問題ない…」
顔だけあげたカラ松はグイッと鼻血を手で擦った。鼻から下が汚れただけでまだダラダラと出血している。熱中症かな…ずっと浜辺に倒れてたみたいだし…
何故か蹲ったまま頑なに動かないカラ松にとりあえず水を飲ませようと思って立ち上がる。海には夕陽が沈みかけていて美しいサンセットビーチには人がまばらにくつろいでいる。さっき全滅したはずなのに不思議だな。
どこかで飲み物をゲット出来ないかと見回していると蹲ったまま顔だけあげていたカラ松がスチャッとサングラスをかけた。キメ顔している。ナンパでも始める気だろうか?とりあえず鼻血止まってからのがいいし、なんか飲んでからにしてほしい。心配だから。
そんなことを考えているとキメ顔のまま見上げてきたカラ松が囁くように語り出した。(無駄にイケボで)
「………ビューティフルなサンセットだな…」
「え?うんそうだね」
「………カラ松ガールと見られて嬉しいぜ…」
「えっカラ松ガール見つけたの?」
「えっ…いや…名前のことなんだが…」
「えっ………(私カラ松ガールだったの!?)(いや紛うことなきカラ松ガールではあるけどカラ松くんがそう思ってたなんて初耳!)」
「………」
「………」
お互い困惑の沈黙に包まれていると仕切り直すように咳払いしたカラ松くんがサングラスをずらしてキラキラした瞳を覗かした。
「………今度はハネムーンで来たいものだな…」
「えっあ、うん…頑張って…」
さすがロマンチストカラ松、ハネムーンでハワイに来たいのかあ。そうかあ。その相手が私だったらいいのになあ。なーんちゃって!
とりあえずキメ顔してるけどまだ出続けてる鼻血で台無しだしハネムーン代頑張って稼がないとね〜と現実的な応援をしたらキメ顔がみるみるうちに泣きそうな顔になってしまった。
「……名前は…ハネムーン、ハワイは嫌か…?」
「え?嫌ではないけど…ハワイよりはヨーロッパとかが良いかな…?」
「そ、そうか…俺は名前とハワイに来たかったんだが…」
「………えっ?」
「えっ?」
んっ?
なんか爆弾落とされたような?
頭で理解出来ていないのに何故かじわじわ熱くなってくる頰に手を当てて見下ろせば、砂浜に蹲ったまま見上げていたカラ松の顔もみるみる赤くなっていく。
んっ?えっ?あれ??
カラ松くん、なんて言った???
何故か甘酸っぱい空気に包まれて、落ちていく夕陽がロマンティックで、照らされた顔が紅く染まるけれど、顔が赤いのはそれだけじゃなくって、えっと、
「えっ…あの…今のは……」
「………ッ、名前!」
「ハッはい!」
「俺とハネムーンでハワイに」
「ばるす」
真っ赤な顔で一生懸命言うカラ松に夢中になっている間に、いつの間にか近くに来ていたハタ坊が二人の間で紐を引いた。
本日二度目、ビーチから半径2km以内の生物が全滅した。