夢だけど夢じゃない
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それはボクらがあの悪夢松をどうしたら葬り去ることが出来るのか額を突き合わせて作戦会議していた時の事だった。
先日あろうことかボクらの唯一神トト子ちゃんとデートに行きやがった神松の野郎は今日も今日とて不在だ。
どうせ仕事だろう。何の仕事か知らないけど。母さん達に結構な額渡してるみたいだからもしかしたらサラリーマンなんてやっちゃってるのかもしれない。ありえない。ボクらの兄弟だってんなら真っ当な職になんか就くな!
話が脱線したけれど、ボクらの命題はただ一つ、如何に素早く奴を滅するか。早く手を下さねば更に悪いことになる。けれどこうして悪知恵を絞れば絞るほど奴は強くなっていく…どうしたら…
ああでもないこうでもないと6人揃って文殊の知恵×2のはずなのに特段名案も出ないまま二階の部屋で輪になって話し込んでいるところに突然襖が開かれた。
「大変だジョ!!!名前がいないジョ!!!」
そこに立っていたのはハタ坊だった。
正直ハタ坊に構っている暇は無いのだが、出てきた名前に全員が顔を上げた。
「…名前がなんだって?」
「出かけるって言って昨日出て行ったっきり帰って来ないジョ!!!ここには来てないジョ?」
いち早く質問したカラ松兄さんにハタ坊が答える。
無断外泊をするような子じゃない。
一気に場に緊張が走った。
「なにそれ…連絡はつかないの?」
「音信不通だジョ!!電話しても電波の届かない所にいるって言われるジョ!」
「えっヤバくないそれ?名前ちゃんどこ行くとか言ってた?」
「『松野くんに会う』って出かけたジョ」
「…俺らじゃん?」
「誰か会った?」
「会ってない…」
「ねぇ待って、『松野くん』って言ったの?誰か名前ちゃんに松野くんって呼ばれてる?」
「呼ばれてない…」
「名前ちゃん全員見分けついてるよな?全員名前で呼ぶよな?」
「………なぁあいつ 、昨日帰ってきたか?」
「「「「「…………」」」」」
兄弟全員に殺気が走った。
「神松あんのやろ…!!まさかトト子ちゃんだけじゃなく名前ちゃんにまで…!?!?」
「しかも外泊…!?!?ねぇ待ってちょっと待って何処で!?!?まさかホ」
「それ以上言ったらコロスぞ縁起でもねえ!!!!」
「うわああああああああああ」
「落ち着いて!!まだそうと決まったわけじゃない!!神松はどっかでのたれ死んでて名前ちゃんは全然関係ない事件に巻き込まれてるのかも…!」
「大変だ!!ハタ坊、他に何か手掛かりない!?」
「わからないジョ…」
「とりあえず名前の部屋に行ってみよう、書き置きとかがあるかもしれない」
さめざめと泣いているハタ坊を連れてカラ松兄さんの提案に乗ったボク達はフラッグコーポレーションビルへと急いだ。
「名前の服は1着分しか減ってないジョ…」
「ということは計画的に旅行に行ったわけじゃなさそうだね、ハタ坊他に気付いたことは?」
ボク達の部屋と同じくらいの大きさのウォークインクローゼットの中でチョロ松兄さんとハタ坊が物色している。
カラ松兄さんはさっきから眉間に物凄い皺を刻んだままずっと電話をかけ続けている。どんなに鬼電しても電波が届かないか電源が入っていない…と自動音声が繰り返されているのが漏れ聞こえる。ボクもさっきLINEを送ってみたけど当たり前のように未読のまま。
寝室にある小さなデスクにも書き置きらしきものは見当たらない。
すごく良い匂いのする部屋に不謹慎ながらちょっと興奮していると一松兄さんがウワッと絶望したような声を上げたのですっ飛んでいく。
「なに!?!?何か見つけたの一松兄さん!?」
「あ、あれ…」
震える指が指す方を見上げて絶句した。
ベッドサイドの棚に鎮座している小さなぬいぐるみ。
どう見てもカラ松兄さんだった。
まーーーじーーーかーーーよーーー
うーーわ名前ちゃんマジかよ…実在する人間のぬいぐるみなんてある!?!?それをベッドルームに飾ってるなんてことある!?!?!?!?そこまで好きなの!?嘘でしょ!?そんなのもうボクなんか入る隙ないじゃん!!!!
絶望の眼差しのまま一松兄さんを見れば、彼もまた絶望の眼差しで見つめ返してきた。うん、わかるよ、まさかそこまでだと思わなかったよね。見てはいけないものを見てしまったよね。
ボクらはこれ以上このおぞましい物体に皆が気づかないよう(特にクソ松兄さんなんかに見つかったら調子に乗りまくること必須なので)そっと棚の奥に追いやり手前にハタ坊と仲良さげに写っているツーショット(それはそれでムカつくけど)(この二人本当に付き合ってないの…?)の写真立てを並べてぬいぐるみが見えないようにした。
「なぁそっちなんかあったぁ〜?」
「「別に何もない」」
「…そう?なんかいちまっちゃんとトッティがハモるの珍しいね…?」
「そんなことはどうでもいんだよおそ松兄さん」
「そうだよおそ松兄さん、ねぇハタ坊、名前ちゃんのスマホのGPS追ったりとか出来ないかな?スマホを探す機能とかで」
「もう試したジョ!電源が入ってないからダメだったジョ」
「ん〜〜最後に電源が入ってた場所もわかんない?」
「それは空港だったジョ」
「「「「「「空港ぅ!?!?」」」」」」
そこまでわかってんのかよ!?!?
空港で電源が切られているということは飛行機に乗ったということでは!?
名前ちゃんが1人で飛行機に乗ったとは考えにくい。乗ったとしても自分の意思なら何らかの連絡をしてからにするはず。
ということは誰かに連れ去られた可能性がある。
考えられる可能性は…
①トト子ちゃん→突然のバカンスだ〜とか言いかねない→でもハタ坊が先にトト子ちゃん宅を訪ねて彼女が何も知らないことを確認済だったから無し
②イヤミ→アイドルプロデュースで南国ロケして写真集を売り捌くとかやりそう→でもあいつにそんな金ないから無し
③チビ太→舟で連れ出すことはあっても飛行機には乗らないだろうから無し
④ハタ坊→一番やりそうだけど本人が捜しているので無し
⑤神松→金あり動機あり前科(トト子ちゃんとデート)あり
やっぱりアイツしかいない…!!!!
神松と連絡がつかなかったらもうビンゴなのに誰も神松の連絡先を知らないので確かめようがない。
「あっ」
「なに!?ハタ坊!?!?何か思い出したの!?!?」
「名前を見つけられる方法思い出したジョ」
部屋の壁を覆い尽くす馬鹿でかいモニターをむつご全員で呆然と見上げる。
その前の様々なキーボードやスイッチを操作するハタ坊は一体何をやっているのかサッパリだ。
モニターにはたくさんウィンドウが表示されていてハタ坊が何かを打ち込むとそれのうち一つが大きく表示された。世界地図だ。太平洋の真ん中に突然赤い光が点滅した。
「見つけたジョ!」
「えっ?名前ちゃんここにいるの!?」
「スマホ電源入ってないのにどうやったの!?」
「名前に渡してある殺戮ブザーにGPSを仕込んでたの忘れてたジョ!」
「殺戮ブザーってなに…めっちゃおっかない防犯ブザー待たせてるの…?」
「防犯ブザーじゃないジョ、紐を引っ張ると半径2km以内の人間が死滅する実行犯ブザーだジョ」
「鳴らした人が実行犯になるってこと!?そんなヤベェもんあの子に持たせんなよ!!!?」
チョロ松兄さんのツッコミはもっともだけど今はそんなことどうでもいい。
太平洋の真ん中で一体何をしているのか。
しかもその光る点は結構なスピードで動いていた。
「これ何か乗り物に乗ってる動きだよね!?」
「時速800km…飛行機っすね!!!」
「十四松兄さん見ただけで時速何キロかわかんの!?」
「やっぱり飛行機なんだ…!」
「名前は無事なのか!?」
カチャカチャとハタ坊がキーボードを叩くとモニターの端にずらっと英語が表示された。何かのリスト…?
ボクが得意じゃない英語を上から辿っているとポーンという音と共にある一行が色が変わって点滅した。
ローマ字で書かれた名前ちゃんの名前だ!!!!
そしてその真上にボク達は見つけてしまった…
KAMIMATSU MATSUNOの文字を……
「搭乗者リストだジョ」
「ちくしょうあのヤローやっぱり乗ってやがった!!!!」
「ハアアアアアアアアア???????あいつ名前ちゃん拉致って飛行機乗ってんの!?!?」
「絶対に許さない…どこに向かってるんだ!?」
モニターにぎゃんぎゃん噛み付いているとハタ坊から信じられないくらい低い声が発せられた。
「ハワイだジョ」
誰よりも(ブチギレかしてたカラ松兄さんよりも)殺気を纏ったハタ坊は手元のキーボードを拳で叩き割っていた。
「迎えに行くジョ」
先日あろうことかボクらの唯一神トト子ちゃんとデートに行きやがった神松の野郎は今日も今日とて不在だ。
どうせ仕事だろう。何の仕事か知らないけど。母さん達に結構な額渡してるみたいだからもしかしたらサラリーマンなんてやっちゃってるのかもしれない。ありえない。ボクらの兄弟だってんなら真っ当な職になんか就くな!
話が脱線したけれど、ボクらの命題はただ一つ、如何に素早く奴を滅するか。早く手を下さねば更に悪いことになる。けれどこうして悪知恵を絞れば絞るほど奴は強くなっていく…どうしたら…
ああでもないこうでもないと6人揃って文殊の知恵×2のはずなのに特段名案も出ないまま二階の部屋で輪になって話し込んでいるところに突然襖が開かれた。
「大変だジョ!!!名前がいないジョ!!!」
そこに立っていたのはハタ坊だった。
正直ハタ坊に構っている暇は無いのだが、出てきた名前に全員が顔を上げた。
「…名前がなんだって?」
「出かけるって言って昨日出て行ったっきり帰って来ないジョ!!!ここには来てないジョ?」
いち早く質問したカラ松兄さんにハタ坊が答える。
無断外泊をするような子じゃない。
一気に場に緊張が走った。
「なにそれ…連絡はつかないの?」
「音信不通だジョ!!電話しても電波の届かない所にいるって言われるジョ!」
「えっヤバくないそれ?名前ちゃんどこ行くとか言ってた?」
「『松野くんに会う』って出かけたジョ」
「…俺らじゃん?」
「誰か会った?」
「会ってない…」
「ねぇ待って、『松野くん』って言ったの?誰か名前ちゃんに松野くんって呼ばれてる?」
「呼ばれてない…」
「名前ちゃん全員見分けついてるよな?全員名前で呼ぶよな?」
「………なぁ
「「「「「…………」」」」」
兄弟全員に殺気が走った。
「神松あんのやろ…!!まさかトト子ちゃんだけじゃなく名前ちゃんにまで…!?!?」
「しかも外泊…!?!?ねぇ待ってちょっと待って何処で!?!?まさかホ」
「それ以上言ったらコロスぞ縁起でもねえ!!!!」
「うわああああああああああ」
「落ち着いて!!まだそうと決まったわけじゃない!!神松はどっかでのたれ死んでて名前ちゃんは全然関係ない事件に巻き込まれてるのかも…!」
「大変だ!!ハタ坊、他に何か手掛かりない!?」
「わからないジョ…」
「とりあえず名前の部屋に行ってみよう、書き置きとかがあるかもしれない」
さめざめと泣いているハタ坊を連れてカラ松兄さんの提案に乗ったボク達はフラッグコーポレーションビルへと急いだ。
「名前の服は1着分しか減ってないジョ…」
「ということは計画的に旅行に行ったわけじゃなさそうだね、ハタ坊他に気付いたことは?」
ボク達の部屋と同じくらいの大きさのウォークインクローゼットの中でチョロ松兄さんとハタ坊が物色している。
カラ松兄さんはさっきから眉間に物凄い皺を刻んだままずっと電話をかけ続けている。どんなに鬼電しても電波が届かないか電源が入っていない…と自動音声が繰り返されているのが漏れ聞こえる。ボクもさっきLINEを送ってみたけど当たり前のように未読のまま。
寝室にある小さなデスクにも書き置きらしきものは見当たらない。
すごく良い匂いのする部屋に不謹慎ながらちょっと興奮していると一松兄さんがウワッと絶望したような声を上げたのですっ飛んでいく。
「なに!?!?何か見つけたの一松兄さん!?」
「あ、あれ…」
震える指が指す方を見上げて絶句した。
ベッドサイドの棚に鎮座している小さなぬいぐるみ。
どう見てもカラ松兄さんだった。
まーーーじーーーかーーーよーーー
うーーわ名前ちゃんマジかよ…実在する人間のぬいぐるみなんてある!?!?それをベッドルームに飾ってるなんてことある!?!?!?!?そこまで好きなの!?嘘でしょ!?そんなのもうボクなんか入る隙ないじゃん!!!!
絶望の眼差しのまま一松兄さんを見れば、彼もまた絶望の眼差しで見つめ返してきた。うん、わかるよ、まさかそこまでだと思わなかったよね。見てはいけないものを見てしまったよね。
ボクらはこれ以上このおぞましい物体に皆が気づかないよう(特にクソ松兄さんなんかに見つかったら調子に乗りまくること必須なので)そっと棚の奥に追いやり手前にハタ坊と仲良さげに写っているツーショット(それはそれでムカつくけど)(この二人本当に付き合ってないの…?)の写真立てを並べてぬいぐるみが見えないようにした。
「なぁそっちなんかあったぁ〜?」
「「別に何もない」」
「…そう?なんかいちまっちゃんとトッティがハモるの珍しいね…?」
「そんなことはどうでもいんだよおそ松兄さん」
「そうだよおそ松兄さん、ねぇハタ坊、名前ちゃんのスマホのGPS追ったりとか出来ないかな?スマホを探す機能とかで」
「もう試したジョ!電源が入ってないからダメだったジョ」
「ん〜〜最後に電源が入ってた場所もわかんない?」
「それは空港だったジョ」
「「「「「「空港ぅ!?!?」」」」」」
そこまでわかってんのかよ!?!?
空港で電源が切られているということは飛行機に乗ったということでは!?
名前ちゃんが1人で飛行機に乗ったとは考えにくい。乗ったとしても自分の意思なら何らかの連絡をしてからにするはず。
ということは誰かに連れ去られた可能性がある。
考えられる可能性は…
①トト子ちゃん→突然のバカンスだ〜とか言いかねない→でもハタ坊が先にトト子ちゃん宅を訪ねて彼女が何も知らないことを確認済だったから無し
②イヤミ→アイドルプロデュースで南国ロケして写真集を売り捌くとかやりそう→でもあいつにそんな金ないから無し
③チビ太→舟で連れ出すことはあっても飛行機には乗らないだろうから無し
④ハタ坊→一番やりそうだけど本人が捜しているので無し
⑤神松→金あり動機あり前科(トト子ちゃんとデート)あり
やっぱりアイツしかいない…!!!!
神松と連絡がつかなかったらもうビンゴなのに誰も神松の連絡先を知らないので確かめようがない。
「あっ」
「なに!?ハタ坊!?!?何か思い出したの!?!?」
「名前を見つけられる方法思い出したジョ」
部屋の壁を覆い尽くす馬鹿でかいモニターをむつご全員で呆然と見上げる。
その前の様々なキーボードやスイッチを操作するハタ坊は一体何をやっているのかサッパリだ。
モニターにはたくさんウィンドウが表示されていてハタ坊が何かを打ち込むとそれのうち一つが大きく表示された。世界地図だ。太平洋の真ん中に突然赤い光が点滅した。
「見つけたジョ!」
「えっ?名前ちゃんここにいるの!?」
「スマホ電源入ってないのにどうやったの!?」
「名前に渡してある殺戮ブザーにGPSを仕込んでたの忘れてたジョ!」
「殺戮ブザーってなに…めっちゃおっかない防犯ブザー待たせてるの…?」
「防犯ブザーじゃないジョ、紐を引っ張ると半径2km以内の人間が死滅する実行犯ブザーだジョ」
「鳴らした人が実行犯になるってこと!?そんなヤベェもんあの子に持たせんなよ!!!?」
チョロ松兄さんのツッコミはもっともだけど今はそんなことどうでもいい。
太平洋の真ん中で一体何をしているのか。
しかもその光る点は結構なスピードで動いていた。
「これ何か乗り物に乗ってる動きだよね!?」
「時速800km…飛行機っすね!!!」
「十四松兄さん見ただけで時速何キロかわかんの!?」
「やっぱり飛行機なんだ…!」
「名前は無事なのか!?」
カチャカチャとハタ坊がキーボードを叩くとモニターの端にずらっと英語が表示された。何かのリスト…?
ボクが得意じゃない英語を上から辿っているとポーンという音と共にある一行が色が変わって点滅した。
ローマ字で書かれた名前ちゃんの名前だ!!!!
そしてその真上にボク達は見つけてしまった…
KAMIMATSU MATSUNOの文字を……
「搭乗者リストだジョ」
「ちくしょうあのヤローやっぱり乗ってやがった!!!!」
「ハアアアアアアアアア???????あいつ名前ちゃん拉致って飛行機乗ってんの!?!?」
「絶対に許さない…どこに向かってるんだ!?」
モニターにぎゃんぎゃん噛み付いているとハタ坊から信じられないくらい低い声が発せられた。
「ハワイだジョ」
誰よりも(ブチギレかしてたカラ松兄さんよりも)殺気を纏ったハタ坊は手元のキーボードを拳で叩き割っていた。
「迎えに行くジョ」