夢だけど夢じゃない
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オレは混乱していた。
名前はオレに気があるんだろう?
なのに今隣でゲームコントローラーをカチャカチャやっているこいつからは微塵もそんな感じがしない。
話が違うじゃないか?
親友としてではなく女性として好きだと自覚してから色々思い返してみると心当たることが多くて、あと女性として見ていなかったからこその失態も思い出されて昨夜はろくに眠れなかった。
ぼんやりと菓子に手を伸ばすと名前も手を伸ばしていたらしく指がぶつかってしまった。咄嗟に謝ろうとするより前に、名前はぶつかった手をバッとすごい勢いで引いてパッと目をそらした。
え、ええ〜〜〜〜そんな嫌だったのか…?ショッキング………
「うわ〜〜また負けたーっ!マジか〜名前ちゃん強すぎねぇ?」
「えーっ悔しい!ね、ね、次からはさ、1位の人が4位の人に何でも命令出来るってのはどう!?」
「なにそれトッティ天才じゃん?そしたら俺ぜってー負けねーわ」
「でしょ〜?ボクだって絶対勝つから!」
おそ松とトド松が何か言ってドッと盛り上がっていることに気付いてハッとする。
しまった、あまり聞いていなかった。
きょろきょろすると隣の名前が困ったように笑いながら「じゃあ次はカラ松くんもやったら?」とオレにコントローラーを差し出していた。コントローラーが4つしかないので変わりばんこにプレイしていたのだ。
「あっ!ダメダメ!名前ちゃんは絶対参加なの!」
「そーそー!じゃなきゃ何のために勝つかわかんないじゃん。ほらチョロ松、カラ松に代わってやって」
「は!?なんで!?自分が代われば良いだろ!?」
ぶつくさ言いながらもコントローラーを押し付けてくるチョロ松は良い奴だな。
オレはお礼を言ってコントローラーを握りしめた。
「だーーーーーーッ負けた〜〜」
「名前ちゃん強すぎ!!しかもボクら2位と3位ってなーんもないじゃん!カラ松兄さんビリって狙ってやったでしょ!?」
「なっ…まさか!狙ってビリになるわけない!」
「え〜〜そんなこと言ってさあ…」
トド松はジト目のままオレを見据えて「ビリになったら名前ちゃんの命令きけるもんね?」と言った。
は?命令??なんのことだ???
さっきの盛り上がりを全然聞いてなかったオレは頭の上に?をたくさん浮かべてキョトンとした。
隣でモジモジする名前がおそ松に小突かれている。おい、気安く触るな。
「ねーなんにすんの?命令。ビリが1位にちゅーとか?」
「ッえっっっっっっっっっ!!!!!!!!!!!!」
「うわうるさっ!なんでお前がそんなでかい声出すんだよチョロ松ぅ…俺は名前ちゃんの恥じらう声が聞きたかったのに」
どうやら鼻血が出たらしい顔面を抑えたチョロ松(顔が真っ赤だ)はドタバタと茶の間を出て行った。
それを呆然と見送ったが、おそ松の先ほどの発言をようやく理解してハッとなる。
ビリが1位にちゅー?
つまりオレが名前に………!?!!?
やっと理解した事態にオレが大げさに飛び退いたから周りもびくっとした。
顔が熱い。おそらく真っ赤だろう。見られたくない。
片手で顔を覆って少し離れてしまった名前を恐る恐る見れば、オレの赤面が移ったのか、キョトンとしていた顔がみるみる赤くなっていった。かわいい。
「あーハイハイ、そーゆーの無しね」
パンパンと手を叩きながら赤面同士見つめ合っていたオレらの間にトッティが割り込んできた。
王様ゲームじゃないから、とかなんとか言いながらそのままそこに座った。
おい、何ちゃっかり名前の隣を陣取ってるんだ。そこはオレの席だろうが。(自分から飛び退いて空けてしまったのは棚に上げる)
困ったようにきょどきょどしていた名前は助けを求めるように一松を見た。おい、なんでそこで一松なんだ。助けを求めるなら親友のオレだろうが。イラっときて見ていると含み笑いをした一松が名前の耳元に口を寄せた。そのままキッスでもするのかと思って立ち上がりそうになったが内緒話をしているだけだった。それにしても顔が近い。近すぎる。どういうつもりだ。握りしめたままだったコントローラーがミシ…と嫌な音を立てた。
内緒話が終わったらしい名前が「えっ!」と声を上げてこちらを見たのでイライラが少しだけ緩和される。なんだ?申し訳なさそうな顔もかわいい…じゃなくて。
「え、ええと、カラ松くんに命令…です、えっと…ごめんなさい、灯油入れてきてください!!!!」
「へっ?」
指差す先を見れば灯油が空になったことを示す冷え切ったストーブがあった。あれ、いつの間に。
「ゲーム熱中してる人たちは気付いてなかったと思うんですけどぉ」
「だいぶ前から寒いんすよね!!!!」
名前の横でニヤニヤ笑う一松のセリフをコタツから頭だけ出した十四松が心底機嫌が悪そうに叫んで継いだ。
灯油なら今廊下に出てるチョロ松についでに持って来させれば良いのに…そう思って出て行った襖の方を見ればタイミング良くチョロ松(鼻にティッシュを詰めている)が襖を開けた。
「チョロ松、悪いが」
「ストーブ切れてたよね?ついでに灯油持ってこようと思ったんだけどストックも切れてたわ」
「……」
言いたいことの先手を越されてしまった。
部屋が静まり返る。
寝転がったおそ松の声が静寂を切り裂く。
「ビリは灯油持ってきてくださぁ〜〜い」
「……買いに行けと?」
「だって命令でしょ?」
「1位の言うことはぁ〜?」
「「「「ぜったぁ〜〜い」」」」
こういう時だけ結束力がかたい。
はぁ…と溜息をついて立ち上がる。
もうこうなったら行くしかない。
せっかく名前が来ているのに…オレ1人だけ外出するなんて…こいつらの中に名前を残していくのは嫌だな…何をされるかわかったもんじゃない………
上着を着てマフラー巻いて、未練がましく振り返れば何故か名前も立ち上がっていた。
「?」
「あ、あの、一緒に行きます」
!!!!!!!!
め、女神か…!?!!?
長男と末弟がええ〜〜!?!!?行っちゃうの〜〜!?!!?と叫ぶのを十四松の何でも良いから早くして!!!!との叫びが上書く。
えーじゃあ僕も行く、ついでだし…とか言ってこちらに向かってこようとしたチョロ松は一松の伸ばしていた脚に引っかかって盛大に転んでいた。何やってんだ。
「何でも良いから早く行ってきて。寒いから」
「お、おう」
一松にしっしっと手で追いやられたオレ達は灯油ゲットの旅に出たのだった。
名前はオレに気があるんだろう?
なのに今隣でゲームコントローラーをカチャカチャやっているこいつからは微塵もそんな感じがしない。
話が違うじゃないか?
親友としてではなく女性として好きだと自覚してから色々思い返してみると心当たることが多くて、あと女性として見ていなかったからこその失態も思い出されて昨夜はろくに眠れなかった。
ぼんやりと菓子に手を伸ばすと名前も手を伸ばしていたらしく指がぶつかってしまった。咄嗟に謝ろうとするより前に、名前はぶつかった手をバッとすごい勢いで引いてパッと目をそらした。
え、ええ〜〜〜〜そんな嫌だったのか…?ショッキング………
「うわ〜〜また負けたーっ!マジか〜名前ちゃん強すぎねぇ?」
「えーっ悔しい!ね、ね、次からはさ、1位の人が4位の人に何でも命令出来るってのはどう!?」
「なにそれトッティ天才じゃん?そしたら俺ぜってー負けねーわ」
「でしょ〜?ボクだって絶対勝つから!」
おそ松とトド松が何か言ってドッと盛り上がっていることに気付いてハッとする。
しまった、あまり聞いていなかった。
きょろきょろすると隣の名前が困ったように笑いながら「じゃあ次はカラ松くんもやったら?」とオレにコントローラーを差し出していた。コントローラーが4つしかないので変わりばんこにプレイしていたのだ。
「あっ!ダメダメ!名前ちゃんは絶対参加なの!」
「そーそー!じゃなきゃ何のために勝つかわかんないじゃん。ほらチョロ松、カラ松に代わってやって」
「は!?なんで!?自分が代われば良いだろ!?」
ぶつくさ言いながらもコントローラーを押し付けてくるチョロ松は良い奴だな。
オレはお礼を言ってコントローラーを握りしめた。
「だーーーーーーッ負けた〜〜」
「名前ちゃん強すぎ!!しかもボクら2位と3位ってなーんもないじゃん!カラ松兄さんビリって狙ってやったでしょ!?」
「なっ…まさか!狙ってビリになるわけない!」
「え〜〜そんなこと言ってさあ…」
トド松はジト目のままオレを見据えて「ビリになったら名前ちゃんの命令きけるもんね?」と言った。
は?命令??なんのことだ???
さっきの盛り上がりを全然聞いてなかったオレは頭の上に?をたくさん浮かべてキョトンとした。
隣でモジモジする名前がおそ松に小突かれている。おい、気安く触るな。
「ねーなんにすんの?命令。ビリが1位にちゅーとか?」
「ッえっっっっっっっっっ!!!!!!!!!!!!」
「うわうるさっ!なんでお前がそんなでかい声出すんだよチョロ松ぅ…俺は名前ちゃんの恥じらう声が聞きたかったのに」
どうやら鼻血が出たらしい顔面を抑えたチョロ松(顔が真っ赤だ)はドタバタと茶の間を出て行った。
それを呆然と見送ったが、おそ松の先ほどの発言をようやく理解してハッとなる。
ビリが1位にちゅー?
つまりオレが名前に………!?!!?
やっと理解した事態にオレが大げさに飛び退いたから周りもびくっとした。
顔が熱い。おそらく真っ赤だろう。見られたくない。
片手で顔を覆って少し離れてしまった名前を恐る恐る見れば、オレの赤面が移ったのか、キョトンとしていた顔がみるみる赤くなっていった。かわいい。
「あーハイハイ、そーゆーの無しね」
パンパンと手を叩きながら赤面同士見つめ合っていたオレらの間にトッティが割り込んできた。
王様ゲームじゃないから、とかなんとか言いながらそのままそこに座った。
おい、何ちゃっかり名前の隣を陣取ってるんだ。そこはオレの席だろうが。(自分から飛び退いて空けてしまったのは棚に上げる)
困ったようにきょどきょどしていた名前は助けを求めるように一松を見た。おい、なんでそこで一松なんだ。助けを求めるなら親友のオレだろうが。イラっときて見ていると含み笑いをした一松が名前の耳元に口を寄せた。そのままキッスでもするのかと思って立ち上がりそうになったが内緒話をしているだけだった。それにしても顔が近い。近すぎる。どういうつもりだ。握りしめたままだったコントローラーがミシ…と嫌な音を立てた。
内緒話が終わったらしい名前が「えっ!」と声を上げてこちらを見たのでイライラが少しだけ緩和される。なんだ?申し訳なさそうな顔もかわいい…じゃなくて。
「え、ええと、カラ松くんに命令…です、えっと…ごめんなさい、灯油入れてきてください!!!!」
「へっ?」
指差す先を見れば灯油が空になったことを示す冷え切ったストーブがあった。あれ、いつの間に。
「ゲーム熱中してる人たちは気付いてなかったと思うんですけどぉ」
「だいぶ前から寒いんすよね!!!!」
名前の横でニヤニヤ笑う一松のセリフをコタツから頭だけ出した十四松が心底機嫌が悪そうに叫んで継いだ。
灯油なら今廊下に出てるチョロ松についでに持って来させれば良いのに…そう思って出て行った襖の方を見ればタイミング良くチョロ松(鼻にティッシュを詰めている)が襖を開けた。
「チョロ松、悪いが」
「ストーブ切れてたよね?ついでに灯油持ってこようと思ったんだけどストックも切れてたわ」
「……」
言いたいことの先手を越されてしまった。
部屋が静まり返る。
寝転がったおそ松の声が静寂を切り裂く。
「ビリは灯油持ってきてくださぁ〜〜い」
「……買いに行けと?」
「だって命令でしょ?」
「1位の言うことはぁ〜?」
「「「「ぜったぁ〜〜い」」」」
こういう時だけ結束力がかたい。
はぁ…と溜息をついて立ち上がる。
もうこうなったら行くしかない。
せっかく名前が来ているのに…オレ1人だけ外出するなんて…こいつらの中に名前を残していくのは嫌だな…何をされるかわかったもんじゃない………
上着を着てマフラー巻いて、未練がましく振り返れば何故か名前も立ち上がっていた。
「?」
「あ、あの、一緒に行きます」
!!!!!!!!
め、女神か…!?!!?
長男と末弟がええ〜〜!?!!?行っちゃうの〜〜!?!!?と叫ぶのを十四松の何でも良いから早くして!!!!との叫びが上書く。
えーじゃあ僕も行く、ついでだし…とか言ってこちらに向かってこようとしたチョロ松は一松の伸ばしていた脚に引っかかって盛大に転んでいた。何やってんだ。
「何でも良いから早く行ってきて。寒いから」
「お、おう」
一松にしっしっと手で追いやられたオレ達は灯油ゲットの旅に出たのだった。