夢だけど夢じゃない
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元旦から1週間すぎてのこのこ行った割にはニューイヤーセールは良い物が残っていて、ショッピングモールの隅から隅まで練り歩いてヘトヘトになった。
トト子ちゃんが何を試着しても褒め称えるむつごの語彙力には感心したが「どっちがいいかなぁー?」との問いに「なんでも可愛いよ!」と答え、それに不服だった彼女の同じ問いに「どっちも良いけど、これの方が似合うと思う」と第三の選択肢を示せば「そう!!こーゆーのが欲しいの!!!これが正解!!!」とむつごに憤慨し、それに習って別の店で同じ問いを受けたむつごが第三の選択肢を勧めれば「どっちがいいかって聞いてるの!なんで選択肢にないもの見せるわけ!?」と理不尽に叱られていた。かわいそう。言ってることさっきと違う。
みんながトト子ちゃんにつきっきりになっているので、同じ店内を自由に歩く。
つい先月来たなぁ…と思いながら商品を見ていると、デート用に買った服がセールになっていた。
ウッ…と思いながら見なきゃ良いのに値札をめくればなんとまさかの70%オフ…70%て!!!一瞬着たけれど日の目を見ることなく脱がされた服を思い出し、こんなことならあの時定価で買わずに70%オフで今買えば良かったな…と後悔する。
まぁ今買ったところでもう着る予定はないのだから無意味なんだけど。
凹んでいるといつの間にか隣に立っていたトト子が名前が名残惜しそうに掴んでいる服を覗き込んで不思議そうに首を傾げた。
「いつも同じ服着てるから名前ちゃんも何か買えば〜て思ったけど、そういうのが趣味なの?名前ちゃんにはちょっとセクシー過ぎない?トト子似合わないと思うなー」
無邪気な言葉が突き刺さる。
トト子ちゃんだっていっぱい買ってもいつも同じ服じゃん、とは口に出せず、先日彼の好みだろうと買った身体のラインの出る短めのタイトなワンピースから手を離す。見てただけだよ、と言い訳を添えて。
「たしかに。名前には似合わないんじゃないか」
追撃がくるとは思わなかった。
壊れたブリキのおもちゃのようにギギギとそちらを振り返れば、顎に手をやって不思議そうに首を傾げたカラ松がいた。トト子ちゃんと同じポーズで同じセリフ吐かないで。彼のために買った服だというのにこんなこと言われたらもう二度と着れない。
ショックを受けて何も言えないでいるとのそのそとやってきた一松がちらりと私の顔を見たあと「…それ一枚だとアレかもしれないけど、今着てるもふもふのコートとかこのダボっとしたカーディガンと合わせたらふわふわして可愛いんじゃない」とそばにあったざっくりニットのビッグシルエットカーディガンを手に取った。
「たしかにそれなら名前ちゃんのふわふわした雰囲気に合うかも〜」とトト子ちゃんもキャッキャして一松は嬉しそうにはにかんだ。
…一松くんってコラボや派生の私服系衣装を見るたび思ってたけど、オシャレだよね…センスが良いというか…普段の本人が心底適当な格好をしているから気づかないだけで多分むつご一ファッションセンスが良いと思う。ファッションリーダーを自称するトド松が負けじとじゃあこの靴合わせたらもっと良いんじゃない!と勧めてきた靴はどう見ても合わないし…「はぁー?トド松くん本気?どう見ても合わないでしょ!」…トト子ちゃんにも一刀両断されてしまったし…
凹んで隅っこにしゃがみ込みキノコを生やしながら暗雲立ち込めてしまった彼を十四松がバシバシ叩く。慰めてるんだろうか…
むつご一ファッションセンスのヤバイカラ松は腑に落ちないのか憮然とした顔のまま黙ってしまったし、カラ松程ではないがセンスの疑わしいチョロ松は「もう何着ても可愛いと思う!!!」という何のフォローにもなってない言葉を目をハートにしたまま叫んでいた。
「買ったら?名前ちゃん」
「うーん…そうしようかな…」
ワンピースは持ってるけどこの場でそれを言うのは憚られて、似合うと勧めてもらったカーディガンに手を伸ばす。いくつかカラバリのある中から黒を選ぶと顰めっ面だったカラ松がそれを掴んだ。
「なんで黒なんだ?こっちにしたら良い」
こっち、とは水色のカーディガンだ。青ではないものの、ドキリとする。
ラインナップは黒、白、パステルブルー、パステルイエロー、パステルパープル、パステルピンク。
全体的に淡い色合いで、白いワンピースに合わせたらふわふわ過ぎる気がする。
それに…
「白いインナーに黒いアウターだとカラ松くんの白シャツ革ジャンと同じ色だなって…」
「えっ」
ニュアンスお揃いが良いな、と私欲にまみれた理由を零せば、カラ松の眉間に刻まれた皺がみるみるうちになくなった。
ポカンとしたあと、ゆるゆる表情が甘くなり、ふにゃっとはにかむ。かわいい!!!
「そういう理由なら良いんじゃないk」
「えーーーー!!!!!!黄色にしなよきーろ!!!!!!」
勢い良くカラ松にタックルして弾き飛ばした十四松がガチャガチャと黄色のカーディガンをハンガーごと外して名前に押し当てる。ほら似合う!!!とにぱっと笑う。いつの間に復活したのか負けじとトド松がいーやピンクが似合うね!とピンクのカーディガンを押し当ててくる。えっえっと困っていると押し退けられたカラ松が紫のカーディガンを手にこれだけはダメだ!と言っていた。えっなんで。パステルパープルかわいいのに。後ろからア゛?とドス低い声が聞こえる。ヒッ一松くん顔こわ…!?
「なーんだ赤ないじゃん、ダメダメ却下」
今までどこにいたのか、ふらりと現れたおそ松が全てのラインナップを流し見たあと、お話にならないとばかりに手をひらひらとさせて言い放った。
言い返そうとする弟たちより先に「ねートト子ちゃん、俺疲れちった〜どっかでお茶でもして休憩しよー?」とあざとく首を傾げてトト子に提案する。
あっけなく、そうね!トト子も疲れた!と同意した鶴の一声のおかげでその店で何も買うことなく我々はカフェへと向かった。
トト子ちゃんが何を試着しても褒め称えるむつごの語彙力には感心したが「どっちがいいかなぁー?」との問いに「なんでも可愛いよ!」と答え、それに不服だった彼女の同じ問いに「どっちも良いけど、これの方が似合うと思う」と第三の選択肢を示せば「そう!!こーゆーのが欲しいの!!!これが正解!!!」とむつごに憤慨し、それに習って別の店で同じ問いを受けたむつごが第三の選択肢を勧めれば「どっちがいいかって聞いてるの!なんで選択肢にないもの見せるわけ!?」と理不尽に叱られていた。かわいそう。言ってることさっきと違う。
みんながトト子ちゃんにつきっきりになっているので、同じ店内を自由に歩く。
つい先月来たなぁ…と思いながら商品を見ていると、デート用に買った服がセールになっていた。
ウッ…と思いながら見なきゃ良いのに値札をめくればなんとまさかの70%オフ…70%て!!!一瞬着たけれど日の目を見ることなく脱がされた服を思い出し、こんなことならあの時定価で買わずに70%オフで今買えば良かったな…と後悔する。
まぁ今買ったところでもう着る予定はないのだから無意味なんだけど。
凹んでいるといつの間にか隣に立っていたトト子が名前が名残惜しそうに掴んでいる服を覗き込んで不思議そうに首を傾げた。
「いつも同じ服着てるから名前ちゃんも何か買えば〜て思ったけど、そういうのが趣味なの?名前ちゃんにはちょっとセクシー過ぎない?トト子似合わないと思うなー」
無邪気な言葉が突き刺さる。
トト子ちゃんだっていっぱい買ってもいつも同じ服じゃん、とは口に出せず、先日彼の好みだろうと買った身体のラインの出る短めのタイトなワンピースから手を離す。見てただけだよ、と言い訳を添えて。
「たしかに。名前には似合わないんじゃないか」
追撃がくるとは思わなかった。
壊れたブリキのおもちゃのようにギギギとそちらを振り返れば、顎に手をやって不思議そうに首を傾げたカラ松がいた。トト子ちゃんと同じポーズで同じセリフ吐かないで。彼のために買った服だというのにこんなこと言われたらもう二度と着れない。
ショックを受けて何も言えないでいるとのそのそとやってきた一松がちらりと私の顔を見たあと「…それ一枚だとアレかもしれないけど、今着てるもふもふのコートとかこのダボっとしたカーディガンと合わせたらふわふわして可愛いんじゃない」とそばにあったざっくりニットのビッグシルエットカーディガンを手に取った。
「たしかにそれなら名前ちゃんのふわふわした雰囲気に合うかも〜」とトト子ちゃんもキャッキャして一松は嬉しそうにはにかんだ。
…一松くんってコラボや派生の私服系衣装を見るたび思ってたけど、オシャレだよね…センスが良いというか…普段の本人が心底適当な格好をしているから気づかないだけで多分むつご一ファッションセンスが良いと思う。ファッションリーダーを自称するトド松が負けじとじゃあこの靴合わせたらもっと良いんじゃない!と勧めてきた靴はどう見ても合わないし…「はぁー?トド松くん本気?どう見ても合わないでしょ!」…トト子ちゃんにも一刀両断されてしまったし…
凹んで隅っこにしゃがみ込みキノコを生やしながら暗雲立ち込めてしまった彼を十四松がバシバシ叩く。慰めてるんだろうか…
むつご一ファッションセンスのヤバイカラ松は腑に落ちないのか憮然とした顔のまま黙ってしまったし、カラ松程ではないがセンスの疑わしいチョロ松は「もう何着ても可愛いと思う!!!」という何のフォローにもなってない言葉を目をハートにしたまま叫んでいた。
「買ったら?名前ちゃん」
「うーん…そうしようかな…」
ワンピースは持ってるけどこの場でそれを言うのは憚られて、似合うと勧めてもらったカーディガンに手を伸ばす。いくつかカラバリのある中から黒を選ぶと顰めっ面だったカラ松がそれを掴んだ。
「なんで黒なんだ?こっちにしたら良い」
こっち、とは水色のカーディガンだ。青ではないものの、ドキリとする。
ラインナップは黒、白、パステルブルー、パステルイエロー、パステルパープル、パステルピンク。
全体的に淡い色合いで、白いワンピースに合わせたらふわふわ過ぎる気がする。
それに…
「白いインナーに黒いアウターだとカラ松くんの白シャツ革ジャンと同じ色だなって…」
「えっ」
ニュアンスお揃いが良いな、と私欲にまみれた理由を零せば、カラ松の眉間に刻まれた皺がみるみるうちになくなった。
ポカンとしたあと、ゆるゆる表情が甘くなり、ふにゃっとはにかむ。かわいい!!!
「そういう理由なら良いんじゃないk」
「えーーーー!!!!!!黄色にしなよきーろ!!!!!!」
勢い良くカラ松にタックルして弾き飛ばした十四松がガチャガチャと黄色のカーディガンをハンガーごと外して名前に押し当てる。ほら似合う!!!とにぱっと笑う。いつの間に復活したのか負けじとトド松がいーやピンクが似合うね!とピンクのカーディガンを押し当ててくる。えっえっと困っていると押し退けられたカラ松が紫のカーディガンを手にこれだけはダメだ!と言っていた。えっなんで。パステルパープルかわいいのに。後ろからア゛?とドス低い声が聞こえる。ヒッ一松くん顔こわ…!?
「なーんだ赤ないじゃん、ダメダメ却下」
今までどこにいたのか、ふらりと現れたおそ松が全てのラインナップを流し見たあと、お話にならないとばかりに手をひらひらとさせて言い放った。
言い返そうとする弟たちより先に「ねートト子ちゃん、俺疲れちった〜どっかでお茶でもして休憩しよー?」とあざとく首を傾げてトト子に提案する。
あっけなく、そうね!トト子も疲れた!と同意した鶴の一声のおかげでその店で何も買うことなく我々はカフェへと向かった。