夢だけど夢じゃない
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聖なる夜のアバンチュールを求めて冷えた夜空の下煌めく街へと出向いたオレは、運命の出会いを果たした大天使と性なる夜を迎えるはずがちょっとアダルティ過ぎる店へと連れ込まれ心底肝を冷やすハメになった。
咄嗟に頭に浮かんだ彼女に助けを求め、颯爽と現れて窮地を救ってくれた名前はまさにヒーロー…フッ、オレの親友はなんて格好良くて頼りになるんだ。まるでオレみたいだな。流石オレのバディというべきか。
そんな名前と店を出てすぐ、思わぬ申し出がありクリスマスデートと洒落こむことになった。
数多のカラ松ガールズには悪いが、親友がクリスマスの予定もなく独り寂しい夜を過ごすのを見過ごせないだろう?友を想うあまりカラ松ガールズとの聖夜を来年へ先延ばしするギルティなオレ…来年まで待っててくれガールズ…まぁ名前は親友であってカラ松ガールではないからデートとは名ばかりの単なる晩飯なのだが。
クリスマスらしく夜に待ち合わせにしたが、昼間特に予定があるわけでもない。晩飯にしては少し早めの17時集合にしたがもう少し遅めに落ち合って値引きの始まるケーキをハントしに行くのも悪くはないかもな。名前に電話して待ち合わせ時間を遅らせる相談をしようか…そう思い、電話のある玄関先へ出たところを有馬記念へ向かうブラザー達に捕まった。クリスマスイブといえば競馬だろう!!!オレとしたことが今夜の予定で頭がいっぱいですっかり失念していた。サンキューブラザー!オレはありったけの有り金を引っ掴んで電話しないまま家を飛び出たのだった。
結局大枚を叩いただけで勝つこともなく、セレモニーまで観ていたら約束の時間も過ぎてしまい、40分ほど遅れて待ち合わせ場所についた。遅刻は申し訳なかったが名前なら待っていてくれる自信があった。
しかし待ち合わせ場所についた時彼女は居なかった。ははーん、名前も遅刻だな?おっちょこちょいな彼女のことだ、出かける間際に何かしでかして手間取っているのかも。海のように心の広いこの松野カラ松、親友の遅刻くらい笑って許そう。
そう思って待ち合わせ場所に突っ立っていること20分。18時を告げる音楽が鳴り響く。周りには楽しそうに肩寄せ合って歩くカップルやファミリー。「あっごめん!待った?」という声に「待ってないさフレンズ」と振り向くも全く知らない女性と「待ってないよ大丈夫」と笑って手を取る男を見送ること12回。段々と不安になってきた。まだたった20分しか待っていないがしかし遅すぎないか?
自分が40分遅刻したことを棚に上げ、そわそわと辺りを意味もなくウロつく。その間にも近場にいた人間がどんどん連れと合流し去って行く。
広場の時計が19時を告げる音楽を鳴らす頃、焦燥感からすっかり苛々へと感情シフトしていたオレは片足を足踏みするように小刻みに揺らしながら歯軋りしていた。
遅い!!!いくらなんでも遅すぎる。まさか約束をすっぽかしたというのか?あの名前が?このオレの親友が?まさか!
最初の40分で愛想を尽かされ帰られたという可能性を微塵も考えつかないまま、もしかしたら腹が空いて先に店へ行ったのかも、なんて思いつき行く予定だったチビ太の屋台へと赴いた。
結論から言うとチビ太の屋台に名前はいなかった。まぁ昨日約束した時にこの店へ行こうとは言ってなかったから当然といえば当然だが、オレら2人で行く店なんてここ以外ないのだから居なかったことにだいぶイラついた。
更にいえば、名前はいなかったがその小さな屋台にひしめき合うように同じ顔が5つ並んでおり、あれカラ松やっと来たのかよだのお前競馬のあとどこほっつき歩いてたんだよだのどうせカラ松ガールズとクリスマスデートとか思って街で逆ナン待ちでもしてたんだろ誰がお前に声なんかかけるかよだの言いたい放題浴びせた上でいつも通り長男と三男の間に収まったオレに「クリスマスの予定ない者同士カンパーイ」と無理やりビールのグラスをぶつけてきた。クリスマスの予定ならある。お前らと一緒にするな。チビ太がおでんにとんでもないものをぶちまけているのをぼんやり眺めながら名前に会えなかったイライラを逃すように貧乏ゆすりをしていると背後から花火の上がる爆音とどんちゃん騒ぎの音楽が流れてきて何事かと振り向く。
「メリークリスマスだジョ〜!」
充分広い川幅をさも狭そうにギリギリの幅で豪華客船が通り過ぎていった。
あまりに大きな船でおそらく上の方に乗っていたのだろうハタ坊の姿は見えなかったがばら撒かれる札束と声だけは聞こえて、ミスターフラッグミスターフラッグという黄色い歓声が遠くなっていくのをただただ呆然と見送った。
「誰だよさっき男は金じゃないとか言ったやつ」
兄弟の誰かがごちた声でハッと我にかえる。
もしかしてあの中に名前がいたのでは…?
自分との約束を反故にしハタ坊とのクリスマスクルーズナイトに参加した可能性にハラワタが煮えくり返るほどカッとなった。
オレより優先すべきものなんてないだろう?
おそらく物凄い形相をしていただろうオレだが、兄弟達も同じような形相だったらしい。
「ッは〜〜〜〜やってらんねー!!!」
「いーもんね、俺らにはトト子ちゃんがいるもんね!」
「そーだよトト子ちゃんがいる!!!」
「こうしちゃいられない!トト子ちゃんをデートに誘おう!!!」
言うが早いか金も払わず走り出したオレたちはサンタコスに身を包み、愛しのトト子ちゃんの元へ向かったのだった。
咄嗟に頭に浮かんだ彼女に助けを求め、颯爽と現れて窮地を救ってくれた名前はまさにヒーロー…フッ、オレの親友はなんて格好良くて頼りになるんだ。まるでオレみたいだな。流石オレのバディというべきか。
そんな名前と店を出てすぐ、思わぬ申し出がありクリスマスデートと洒落こむことになった。
数多のカラ松ガールズには悪いが、親友がクリスマスの予定もなく独り寂しい夜を過ごすのを見過ごせないだろう?友を想うあまりカラ松ガールズとの聖夜を来年へ先延ばしするギルティなオレ…来年まで待っててくれガールズ…まぁ名前は親友であってカラ松ガールではないからデートとは名ばかりの単なる晩飯なのだが。
クリスマスらしく夜に待ち合わせにしたが、昼間特に予定があるわけでもない。晩飯にしては少し早めの17時集合にしたがもう少し遅めに落ち合って値引きの始まるケーキをハントしに行くのも悪くはないかもな。名前に電話して待ち合わせ時間を遅らせる相談をしようか…そう思い、電話のある玄関先へ出たところを有馬記念へ向かうブラザー達に捕まった。クリスマスイブといえば競馬だろう!!!オレとしたことが今夜の予定で頭がいっぱいですっかり失念していた。サンキューブラザー!オレはありったけの有り金を引っ掴んで電話しないまま家を飛び出たのだった。
結局大枚を叩いただけで勝つこともなく、セレモニーまで観ていたら約束の時間も過ぎてしまい、40分ほど遅れて待ち合わせ場所についた。遅刻は申し訳なかったが名前なら待っていてくれる自信があった。
しかし待ち合わせ場所についた時彼女は居なかった。ははーん、名前も遅刻だな?おっちょこちょいな彼女のことだ、出かける間際に何かしでかして手間取っているのかも。海のように心の広いこの松野カラ松、親友の遅刻くらい笑って許そう。
そう思って待ち合わせ場所に突っ立っていること20分。18時を告げる音楽が鳴り響く。周りには楽しそうに肩寄せ合って歩くカップルやファミリー。「あっごめん!待った?」という声に「待ってないさフレンズ」と振り向くも全く知らない女性と「待ってないよ大丈夫」と笑って手を取る男を見送ること12回。段々と不安になってきた。まだたった20分しか待っていないがしかし遅すぎないか?
自分が40分遅刻したことを棚に上げ、そわそわと辺りを意味もなくウロつく。その間にも近場にいた人間がどんどん連れと合流し去って行く。
広場の時計が19時を告げる音楽を鳴らす頃、焦燥感からすっかり苛々へと感情シフトしていたオレは片足を足踏みするように小刻みに揺らしながら歯軋りしていた。
遅い!!!いくらなんでも遅すぎる。まさか約束をすっぽかしたというのか?あの名前が?このオレの親友が?まさか!
最初の40分で愛想を尽かされ帰られたという可能性を微塵も考えつかないまま、もしかしたら腹が空いて先に店へ行ったのかも、なんて思いつき行く予定だったチビ太の屋台へと赴いた。
結論から言うとチビ太の屋台に名前はいなかった。まぁ昨日約束した時にこの店へ行こうとは言ってなかったから当然といえば当然だが、オレら2人で行く店なんてここ以外ないのだから居なかったことにだいぶイラついた。
更にいえば、名前はいなかったがその小さな屋台にひしめき合うように同じ顔が5つ並んでおり、あれカラ松やっと来たのかよだのお前競馬のあとどこほっつき歩いてたんだよだのどうせカラ松ガールズとクリスマスデートとか思って街で逆ナン待ちでもしてたんだろ誰がお前に声なんかかけるかよだの言いたい放題浴びせた上でいつも通り長男と三男の間に収まったオレに「クリスマスの予定ない者同士カンパーイ」と無理やりビールのグラスをぶつけてきた。クリスマスの予定ならある。お前らと一緒にするな。チビ太がおでんにとんでもないものをぶちまけているのをぼんやり眺めながら名前に会えなかったイライラを逃すように貧乏ゆすりをしていると背後から花火の上がる爆音とどんちゃん騒ぎの音楽が流れてきて何事かと振り向く。
「メリークリスマスだジョ〜!」
充分広い川幅をさも狭そうにギリギリの幅で豪華客船が通り過ぎていった。
あまりに大きな船でおそらく上の方に乗っていたのだろうハタ坊の姿は見えなかったがばら撒かれる札束と声だけは聞こえて、ミスターフラッグミスターフラッグという黄色い歓声が遠くなっていくのをただただ呆然と見送った。
「誰だよさっき男は金じゃないとか言ったやつ」
兄弟の誰かがごちた声でハッと我にかえる。
もしかしてあの中に名前がいたのでは…?
自分との約束を反故にしハタ坊とのクリスマスクルーズナイトに参加した可能性にハラワタが煮えくり返るほどカッとなった。
オレより優先すべきものなんてないだろう?
おそらく物凄い形相をしていただろうオレだが、兄弟達も同じような形相だったらしい。
「ッは〜〜〜〜やってらんねー!!!」
「いーもんね、俺らにはトト子ちゃんがいるもんね!」
「そーだよトト子ちゃんがいる!!!」
「こうしちゃいられない!トト子ちゃんをデートに誘おう!!!」
言うが早いか金も払わず走り出したオレたちはサンタコスに身を包み、愛しのトト子ちゃんの元へ向かったのだった。