夢だけど夢じゃない
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「そんなこと心配しなくたって、名前なら簡単に買えるくらいの貯金があるジョ?」
「…そうかもしれないけど私の手料理に合わせるお酒じゃないでしょ…」
「マカロンお使い料と晩御飯作った料合わせた今日のお給料は3億円だジョ」
「そんな一等前後賞合わせて3億みたいな…そんなに貰えません…」
「今日のお給料だけでグードディアモン買えるジョ?」
「買えなくて良いのよ…今日は楽しかったしお仕事のつもりでやったんじゃないからお給料はいらないの」
いつものお仕事(おやつ買いに行く)だけで良いからと宥めすかせば、不満そうな顔のままわかったジョ…と頷いた。ハタ坊はお金持ちだってわかってるけど、ギャグアニメの世界ならではのご都合大富豪だと思っているからたまにこうして現実世界を匂わせるものを見せられると動揺してしまう。
厨房まで一緒にお皿を下げにきたハタ坊は不満気に口をへの字に曲げたまま、わかったけど名前の誕生日にはアンリキャトル デュドニョンエリタージュを贈るからちゃんと受け取るんだジョとぶうたれた。なんだかわからないけど怖くてググる気も起きず返事はしないまま蛇口をひねる。
ハタ坊ありがとう、あとは遊んでて良いよと言うと厨房の入口にチビ太とカラ松がやってきた。
「酒の残りは貯蔵庫に戻すとかで頭に旗刺さった人が持ってったぞ」
「コタツも台拭きで拭いて後片付け終わったかんな」
「あー、ありがと2人とも、あとはやるからハタ坊と遊んでて」
「あとはやるって名前ちゃんごはんも作ったんだから後片付けはオイラにやらせてよ」
腕まくりしながら流しに近寄ってきたチビ太はその辺にあったバケツをひっくり返して上に立つと私からスポンジを取り上げてしまった。
「えっ悪いよ…」
「いーからいーから。皿洗いは屋台でなれてるしよ」
「じゃあ一緒にやる、スポンジまだあるしお皿も多いし」
「ハタ坊も手伝うジョ」
「おっ、そーか、じゃあ2人で乗れる箱のがいーな」
そう笑うとバケツを退けて厨房の隅にあった大きな木箱を横長の流しまで押してくると上に立った。
背の低い2人にはちょうど良い足場になったようで流しの皿を洗うのに困らない高さにご満悦だ。
いくら大きな流しとはいえ2人並ばれてしまうと自分の立つ場所がなく、皿洗いを出来なさそうで困る。任せるのは悪い。ふと中身の残った鍋を見つけ、ねぇ、と声をかけた。
「皿洗い私がやるから2人は残ったポトフを冷蔵用に何かタッパとか保存容器に入れて欲しいな。チビ太くん持って帰っても良いし!ハタ坊、私タッパの場所とかわかんないから用意してもらっても良い?」
素人の私より店も持ってる料理人の方が食品保存の仕方とかわかってそうだし皿洗ってもらうよりそっちを任せたい。そう思って頼むと顔を見合わせていた2人はわかった、と頷いて箱から降り、ズルズルと鍋の方へ箱を押して行った。
あいた流しの前に立ってさてやるぞ!とスポンジに洗剤をつけているとそれまで突っ立っていたカラ松が「……俺も手伝う」と隣に立った。
「えっ良いのに」
「ひとり何もしないのもアレだろ…」
みんなが楽しそうに片付けてるのに、と口を尖らせるのを見て、仲間ハズレにするのも悪いかとお皿洗いをお願いする。
2人で並んでカチャカチャと皿を洗っているとカラ松がクスクス笑い出した。
「なんかデジャブだな」
「え?」
「名前と皿を洗ってばかりいる気がする」
「あはは、ほんとだ」
「今日ありがとな、美味かった」
「気に入ってくれて良かった」
「マミーの言う通り名前は良いお嫁さんになるな」
隣で皿を洗う泡だらけの手と自分の手がぶつかる。顔を上げられない。喉まで出かかった「誰の?」という言葉を飲み込むのに必死で愛想笑いも出来ない。
黙っている私に気づいていないカラ松は「名前の手料理好きだなぁ、また作ってくれよ」と言うのでかろうじて「うん」と短い相槌を絞り出した。
「終わったー」
「2人で洗えばすぐだな」
手を拭いて伸びをするとこちらを見下ろしたカラ松がふはっと吹き出した。なに?と首を傾げていたらすっと手が伸びてきて「泡ついてる」とカラ松の大きな人差し指が擦るように頰を拭った。そのまま手のひらが開いて頰を包み込むとふにふにとゆるく揉まれる。
突然のことに見上げたまま固まっていると心底幸せそうに顔を緩めたカラ松がやわらかい、と呟いた。暑い。多分私は真っ赤だろう。
「邪魔してごめんなーポトフ詰め終わったしオイラそろそろ帰るわ」
隣から声をかけられてハッと我に返ってそちらを向けばニッヤニヤした半目のチビ太が立っていた。
見られたことに慌ててそういえば2人きりじゃないんだったとあたふたする私と対照的にまだ私の頰に手をやってふにふにと揉んでいるカラ松はそのまま「俺も帰ろうかな」と言った。良いから手を離せ。
イチャイチャしてくれちゃってもう、と溜息をつくもニヤニヤとこちらを見てくるチビ太から視線をそらしてカラ松くん離してと言おうとしたらそれより早くハタ坊がカラ松の腕をバシッとはたいて落とした。
「えっ痛…!?」
「松野家の分も詰めたからお土産に持って帰ると良いジョ」
「えっ?今叩いて…えっ?」
「持って帰ると良いジョ」
帰ると良いを強調しながら紙袋をグイグイ押し付けてカラ松を私から遠ざける。前から思ってたけどハタ坊ってカラ松くんに厳しくない?
その様子をキョトンと見ていたチビ太はへー…ふぅん…名前ちゃんも大変だねェとかよくわからないことを言いながら「今日はご馳走さま!またな!おらカラ松帰るぞ」とカラ松の首根っこを掴んでズルズル引きずって出て行った。
「…そうかもしれないけど私の手料理に合わせるお酒じゃないでしょ…」
「マカロンお使い料と晩御飯作った料合わせた今日のお給料は3億円だジョ」
「そんな一等前後賞合わせて3億みたいな…そんなに貰えません…」
「今日のお給料だけでグードディアモン買えるジョ?」
「買えなくて良いのよ…今日は楽しかったしお仕事のつもりでやったんじゃないからお給料はいらないの」
いつものお仕事(おやつ買いに行く)だけで良いからと宥めすかせば、不満そうな顔のままわかったジョ…と頷いた。ハタ坊はお金持ちだってわかってるけど、ギャグアニメの世界ならではのご都合大富豪だと思っているからたまにこうして現実世界を匂わせるものを見せられると動揺してしまう。
厨房まで一緒にお皿を下げにきたハタ坊は不満気に口をへの字に曲げたまま、わかったけど名前の誕生日にはアンリキャトル デュドニョンエリタージュを贈るからちゃんと受け取るんだジョとぶうたれた。なんだかわからないけど怖くてググる気も起きず返事はしないまま蛇口をひねる。
ハタ坊ありがとう、あとは遊んでて良いよと言うと厨房の入口にチビ太とカラ松がやってきた。
「酒の残りは貯蔵庫に戻すとかで頭に旗刺さった人が持ってったぞ」
「コタツも台拭きで拭いて後片付け終わったかんな」
「あー、ありがと2人とも、あとはやるからハタ坊と遊んでて」
「あとはやるって名前ちゃんごはんも作ったんだから後片付けはオイラにやらせてよ」
腕まくりしながら流しに近寄ってきたチビ太はその辺にあったバケツをひっくり返して上に立つと私からスポンジを取り上げてしまった。
「えっ悪いよ…」
「いーからいーから。皿洗いは屋台でなれてるしよ」
「じゃあ一緒にやる、スポンジまだあるしお皿も多いし」
「ハタ坊も手伝うジョ」
「おっ、そーか、じゃあ2人で乗れる箱のがいーな」
そう笑うとバケツを退けて厨房の隅にあった大きな木箱を横長の流しまで押してくると上に立った。
背の低い2人にはちょうど良い足場になったようで流しの皿を洗うのに困らない高さにご満悦だ。
いくら大きな流しとはいえ2人並ばれてしまうと自分の立つ場所がなく、皿洗いを出来なさそうで困る。任せるのは悪い。ふと中身の残った鍋を見つけ、ねぇ、と声をかけた。
「皿洗い私がやるから2人は残ったポトフを冷蔵用に何かタッパとか保存容器に入れて欲しいな。チビ太くん持って帰っても良いし!ハタ坊、私タッパの場所とかわかんないから用意してもらっても良い?」
素人の私より店も持ってる料理人の方が食品保存の仕方とかわかってそうだし皿洗ってもらうよりそっちを任せたい。そう思って頼むと顔を見合わせていた2人はわかった、と頷いて箱から降り、ズルズルと鍋の方へ箱を押して行った。
あいた流しの前に立ってさてやるぞ!とスポンジに洗剤をつけているとそれまで突っ立っていたカラ松が「……俺も手伝う」と隣に立った。
「えっ良いのに」
「ひとり何もしないのもアレだろ…」
みんなが楽しそうに片付けてるのに、と口を尖らせるのを見て、仲間ハズレにするのも悪いかとお皿洗いをお願いする。
2人で並んでカチャカチャと皿を洗っているとカラ松がクスクス笑い出した。
「なんかデジャブだな」
「え?」
「名前と皿を洗ってばかりいる気がする」
「あはは、ほんとだ」
「今日ありがとな、美味かった」
「気に入ってくれて良かった」
「マミーの言う通り名前は良いお嫁さんになるな」
隣で皿を洗う泡だらけの手と自分の手がぶつかる。顔を上げられない。喉まで出かかった「誰の?」という言葉を飲み込むのに必死で愛想笑いも出来ない。
黙っている私に気づいていないカラ松は「名前の手料理好きだなぁ、また作ってくれよ」と言うのでかろうじて「うん」と短い相槌を絞り出した。
「終わったー」
「2人で洗えばすぐだな」
手を拭いて伸びをするとこちらを見下ろしたカラ松がふはっと吹き出した。なに?と首を傾げていたらすっと手が伸びてきて「泡ついてる」とカラ松の大きな人差し指が擦るように頰を拭った。そのまま手のひらが開いて頰を包み込むとふにふにとゆるく揉まれる。
突然のことに見上げたまま固まっていると心底幸せそうに顔を緩めたカラ松がやわらかい、と呟いた。暑い。多分私は真っ赤だろう。
「邪魔してごめんなーポトフ詰め終わったしオイラそろそろ帰るわ」
隣から声をかけられてハッと我に返ってそちらを向けばニッヤニヤした半目のチビ太が立っていた。
見られたことに慌ててそういえば2人きりじゃないんだったとあたふたする私と対照的にまだ私の頰に手をやってふにふにと揉んでいるカラ松はそのまま「俺も帰ろうかな」と言った。良いから手を離せ。
イチャイチャしてくれちゃってもう、と溜息をつくもニヤニヤとこちらを見てくるチビ太から視線をそらしてカラ松くん離してと言おうとしたらそれより早くハタ坊がカラ松の腕をバシッとはたいて落とした。
「えっ痛…!?」
「松野家の分も詰めたからお土産に持って帰ると良いジョ」
「えっ?今叩いて…えっ?」
「持って帰ると良いジョ」
帰ると良いを強調しながら紙袋をグイグイ押し付けてカラ松を私から遠ざける。前から思ってたけどハタ坊ってカラ松くんに厳しくない?
その様子をキョトンと見ていたチビ太はへー…ふぅん…名前ちゃんも大変だねェとかよくわからないことを言いながら「今日はご馳走さま!またな!おらカラ松帰るぞ」とカラ松の首根っこを掴んでズルズル引きずって出て行った。