夢だけど夢じゃない
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「相変わらずすげぇとこに住んでんなぁ」
「あっ!チビ太くん!」
「ヨォ名前ちゃん、お誘いありがとな」
マフラーを外しながら現れた小さなハゲ頭に笑顔をこぼす。
お店大丈夫だった?と聞けば今日は元々定休日の予定だったから、家で1人晩飯の用意する前に電話くれて良かったよと歯を見せて笑ってくれた。
リクエストにお応えして厨房でポトフを作ったのだけれど、一緒に作ると言って聞かないハタ坊と1人何もしないのはつまらなかったらしいカラ松が邪魔し…もとい手伝ってくれたためとても3人前ではない量のポトフが出来上がってしまったのだ。そんなに切らなくて良いと言ってもキャベツもにんじんもジャガイモもすごい量切ってくれたし鍋も給食室みたいな大鍋しかなくて一体何人が何日かけて食べるんだろうって量のポトフを前に途方に暮れた私は駄目元でチビ太に電話して来てもらったのだ。より多くの人に食べてもらわないと困る。トト子ちゃんにも連絡したけど返事がないし、松野家に電話したけど誰も出なかった。人手が欲しかったのに。
チビ太のマフラーと上着を預かってソファに置いて、奥に案内すると広い広い大理石張りのリビングに突然畳が敷かれコタツが置かれた謎の空間でコタツにすっぽり入ったハタ坊とカラ松がワクワクこっちを見ながら待っていた。
「よぅチビ太」
「おーカラ松もいんのか…前来た時にこんなのなかったよな?」
「さっき用意したんだジョ!」
「食堂の机は長すぎるから私の部屋で食べない?って提案したらせっかくだからコタツで食べようってなって…あっという間に…」
「せっかくだからの意味がわかんねーけど良いなコタツ!」
よっこいせ、と畳に上がったチビ太が空いていた辺の1つに座ったので四角いコタツの残り一辺に私も入る。
ポトフだけだとアレかなと思ってクラッカーにチーズやサラミ、タマゴサラダやピクルスなどを乗っけて、厚めに切ったバゲットをガーリックトーストにし、ポトフに入れなかった分の生たまねぎの千切りにツナマヨとごまドレッシングをかけた簡単なサラダを所狭しとコタツに並べる。こんなに作らなくても良かったかも。ポトフ自体がすごい量ある上に、ソーセージとかベーコンとかを入れると教えたら、バカでかいフランクフルトとほぼ肉塊のスペアリブをハタ坊がドボドボと入れてしまったので具沢山だし具の1つ1つがでかい。お肉はどっちかで良かったんだけど。
大きめのスープ皿に大きなフランクフルトとこれまた大きなスペアリブ、じゃがいも人参たまねぎキャベツがごろごろ入ったポトフを全員が歓声を上げて覗き込む。普段和系の家庭料理が多いのか、カラ松とチビ太は物珍しい食卓に興味津々で興奮気味にそれぞれの皿を眺めてから期待のこもった目で名前を見つめた。その視線にはにかみながら顔の前で手を合わせると習うように3人も手を合わせた。
「「「「いただきます!」」」」
アツアツのじゃがいもにフォークを入れれば力を入れずともほろりと崩れる。ふぅふぅして口に含めばじんわりとコンソメが染みる。少し薄味だけど仕上げにかけた胡椒が効いてて美味しい。ほとんど溶けたたまねぎと舌で潰せるほど柔らかい人参も甘くて自然と笑顔になってしまう。一人暮らしの小さなキッチンとは火力が違うな…と思いながらかぶりついたフランクフルトの溢れる肉汁の美味しさに泣きそうになる。自炊の時はケチってスーパーで2袋150円の適当なソーセージだったから…それでも美味しいと思ってたけど。
向かいのカラ松を見ると夢中になってポトフにがっついていて、コンソメ味のスープがお気に召すか気になってたけど気に入ってくれたようで良かった。
「このツナマヨ、美味いなぁ!隠し味に醤油が入ってんじゃねェか?生たまねぎと一緒に食べると余計美味い」
「わー!お店持ってる食べ物屋さんに褒められると嬉しいね」
ポトフもコンソメのしみ具合が絶妙でめちゃくちゃ美味い!オイラフレンチかじってたことあんだけどよ、名前ちゃんなら一流シェフになれるぜ!なんて褒められて照れるしかない。てか何その新設定知らない!!!アニメだけではわからないことも多いなぁ。
ガーリックトーストをちぎってポトフに浸して食べていると隣のハタ坊がきらめくシャンパンを注いでくれる。わぁ〜豪華〜〜!喜んでシャンパングラスに口をつけながらワインクーラーに目を落とす。今飲んでいる先程注がれたばかりのシャンパンボトルがお行儀良くこちらを向いていた。白く輝く美しいボトル。Dom Perignon Vintage 1995 White Gold Jeroboam…
何の気なしにラベルを滑った目をパチパチとまばたき。ごくり、と喉を通り過ぎた華やかで爽やかな後味が脳を揺らす。私、おたくなんですよ。パロディとかも大好きな。その昔ホストパロにハマってお酒をたくさん調べてた時期があって。だからこれがなんだか知っている。何も知らず口に含んだ瞬間はおーいしー♡なんて呑気に喜んだけど、このボトルがなんだか知っている。画像でしか見たことなかったこの白く輝く美しいボトルを知っている。口につけたままのワイングラスを持つ手がカタカタと震える。もう味も匂いもわからない。カラカラに乾いた口にシャンパンを流し込む事も出来ず口元にワイングラスを押し付けたままワインクーラーを凝視して固まっている私に気づいた隣の男が不思議そうに首を傾げて「気に入らなかったならこっちもあるジョ」と片手で黒いボトルを掴むと注いでやるよとばかりに瓶を傾けた。ラベルに目が走ったのはもう仕方ない。黒瓶に白銀のダイヤモンド型ラベル、その下の文字はGoût de Diamantsーーー
今度こそ叫んだ私にびっくりしたチビ太とカラ松が喉にそれぞれじゃがいもを詰まらせ、手元のシャンパン一気飲みで流し込んだのを見て更に叫んでしまったのだった。
「あっ!チビ太くん!」
「ヨォ名前ちゃん、お誘いありがとな」
マフラーを外しながら現れた小さなハゲ頭に笑顔をこぼす。
お店大丈夫だった?と聞けば今日は元々定休日の予定だったから、家で1人晩飯の用意する前に電話くれて良かったよと歯を見せて笑ってくれた。
リクエストにお応えして厨房でポトフを作ったのだけれど、一緒に作ると言って聞かないハタ坊と1人何もしないのはつまらなかったらしいカラ松が邪魔し…もとい手伝ってくれたためとても3人前ではない量のポトフが出来上がってしまったのだ。そんなに切らなくて良いと言ってもキャベツもにんじんもジャガイモもすごい量切ってくれたし鍋も給食室みたいな大鍋しかなくて一体何人が何日かけて食べるんだろうって量のポトフを前に途方に暮れた私は駄目元でチビ太に電話して来てもらったのだ。より多くの人に食べてもらわないと困る。トト子ちゃんにも連絡したけど返事がないし、松野家に電話したけど誰も出なかった。人手が欲しかったのに。
チビ太のマフラーと上着を預かってソファに置いて、奥に案内すると広い広い大理石張りのリビングに突然畳が敷かれコタツが置かれた謎の空間でコタツにすっぽり入ったハタ坊とカラ松がワクワクこっちを見ながら待っていた。
「よぅチビ太」
「おーカラ松もいんのか…前来た時にこんなのなかったよな?」
「さっき用意したんだジョ!」
「食堂の机は長すぎるから私の部屋で食べない?って提案したらせっかくだからコタツで食べようってなって…あっという間に…」
「せっかくだからの意味がわかんねーけど良いなコタツ!」
よっこいせ、と畳に上がったチビ太が空いていた辺の1つに座ったので四角いコタツの残り一辺に私も入る。
ポトフだけだとアレかなと思ってクラッカーにチーズやサラミ、タマゴサラダやピクルスなどを乗っけて、厚めに切ったバゲットをガーリックトーストにし、ポトフに入れなかった分の生たまねぎの千切りにツナマヨとごまドレッシングをかけた簡単なサラダを所狭しとコタツに並べる。こんなに作らなくても良かったかも。ポトフ自体がすごい量ある上に、ソーセージとかベーコンとかを入れると教えたら、バカでかいフランクフルトとほぼ肉塊のスペアリブをハタ坊がドボドボと入れてしまったので具沢山だし具の1つ1つがでかい。お肉はどっちかで良かったんだけど。
大きめのスープ皿に大きなフランクフルトとこれまた大きなスペアリブ、じゃがいも人参たまねぎキャベツがごろごろ入ったポトフを全員が歓声を上げて覗き込む。普段和系の家庭料理が多いのか、カラ松とチビ太は物珍しい食卓に興味津々で興奮気味にそれぞれの皿を眺めてから期待のこもった目で名前を見つめた。その視線にはにかみながら顔の前で手を合わせると習うように3人も手を合わせた。
「「「「いただきます!」」」」
アツアツのじゃがいもにフォークを入れれば力を入れずともほろりと崩れる。ふぅふぅして口に含めばじんわりとコンソメが染みる。少し薄味だけど仕上げにかけた胡椒が効いてて美味しい。ほとんど溶けたたまねぎと舌で潰せるほど柔らかい人参も甘くて自然と笑顔になってしまう。一人暮らしの小さなキッチンとは火力が違うな…と思いながらかぶりついたフランクフルトの溢れる肉汁の美味しさに泣きそうになる。自炊の時はケチってスーパーで2袋150円の適当なソーセージだったから…それでも美味しいと思ってたけど。
向かいのカラ松を見ると夢中になってポトフにがっついていて、コンソメ味のスープがお気に召すか気になってたけど気に入ってくれたようで良かった。
「このツナマヨ、美味いなぁ!隠し味に醤油が入ってんじゃねェか?生たまねぎと一緒に食べると余計美味い」
「わー!お店持ってる食べ物屋さんに褒められると嬉しいね」
ポトフもコンソメのしみ具合が絶妙でめちゃくちゃ美味い!オイラフレンチかじってたことあんだけどよ、名前ちゃんなら一流シェフになれるぜ!なんて褒められて照れるしかない。てか何その新設定知らない!!!アニメだけではわからないことも多いなぁ。
ガーリックトーストをちぎってポトフに浸して食べていると隣のハタ坊がきらめくシャンパンを注いでくれる。わぁ〜豪華〜〜!喜んでシャンパングラスに口をつけながらワインクーラーに目を落とす。今飲んでいる先程注がれたばかりのシャンパンボトルがお行儀良くこちらを向いていた。白く輝く美しいボトル。Dom Perignon Vintage 1995 White Gold Jeroboam…
何の気なしにラベルを滑った目をパチパチとまばたき。ごくり、と喉を通り過ぎた華やかで爽やかな後味が脳を揺らす。私、おたくなんですよ。パロディとかも大好きな。その昔ホストパロにハマってお酒をたくさん調べてた時期があって。だからこれがなんだか知っている。何も知らず口に含んだ瞬間はおーいしー♡なんて呑気に喜んだけど、このボトルがなんだか知っている。画像でしか見たことなかったこの白く輝く美しいボトルを知っている。口につけたままのワイングラスを持つ手がカタカタと震える。もう味も匂いもわからない。カラカラに乾いた口にシャンパンを流し込む事も出来ず口元にワイングラスを押し付けたままワインクーラーを凝視して固まっている私に気づいた隣の男が不思議そうに首を傾げて「気に入らなかったならこっちもあるジョ」と片手で黒いボトルを掴むと注いでやるよとばかりに瓶を傾けた。ラベルに目が走ったのはもう仕方ない。黒瓶に白銀のダイヤモンド型ラベル、その下の文字はGoût de Diamantsーーー
今度こそ叫んだ私にびっくりしたチビ太とカラ松が喉にそれぞれじゃがいもを詰まらせ、手元のシャンパン一気飲みで流し込んだのを見て更に叫んでしまったのだった。