夢だけど夢じゃない
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むつごが来ることを伝えると友達たくさん集まるからみんなでケーキが食べたいと話していたハタ坊に、名前はどのケーキが良い?と色々写真を見せられるために呼ばれていたので後からケーキとハタ坊が来ることは知っていたけどタイミングがやばい。
カラ松の顔と大きな皿の間からぼとり、と落ちたクリームを見て私のリクエストしたケーキが一口も食べることはないままお陀仏したことに悲しくなりつつ、カラ松に馬乗りになっているハタ坊の袖を慌てて引っ張る。
「ハタ坊、違うの、ちょっとあくびしちゃっただけ、誰も悪くないよ」
「…名前泣いてないジョ?」
「泣いてないよ」
笑いかければいつも通りの顔になったハタ坊が親指で涙を拭ってくれる。それなら良いけど…と納得してない感じでカラ松から退くとカラ松と私の間に無理やり座ろうとするので少し避けてスペースをあける。
カラ松の顔に張り付いたままのケーキ皿を残念…とこぼしながら横目で見ていたら一番端の十四松が気を利かせたみたいな顔をしてカラ松の顔の横から溢れたクリームをベロベロ舐めとって美味い!これ美味いよ!!と私にも食べるようにジェスチャーした。うん、そこから食べる勇気はないかな…
パンパン!とハタ坊が手を叩くと全く同じケーキを持った旗の人が現れてソファの間のテーブルにそれを置いた。驚いて見ていると綺麗に器用に7等分され小皿に取り分けられていく。もう1人入って来た執事風の人がワゴンの上で紅茶を淹れ始めた。隣でハタ坊が得意げに「こんなこともあろうかと予備を用意してあったんだジョ。ビジネスマンの当然のリスクヘッジだジョ」と話しかけてくる。こんなこともあろうかと!?なんの想定してたの!?向かいでむつごが「これがビジネスマン…!」と精神攻撃を受けていたが違うと思う…!
7等分されそれぞれの前に置かれたケーキと紅茶。しかしカラ松の前には紅茶しか置かれなかった。えっ…と隣を見ればスンとしたハタ坊が「特別に1人で1ホール食べれるジョ」と言いながら皿を張り付けたままのカラ松を見上げた。ええ〜〜そんな意地悪な…
微動だにしないカラ松を心配して立ち上がり、カラ松の手首を掴めば皿を張り付けたまま視界の閉ざされたカラ松がビクッとこっちを向いた。間にいるハタ坊が何か言いたげに眉を潜めたが「このままだとクリームが落ちて汚れちゃうから」とあくまでソファが汚れることを気にしている風を装ってそのまま手首を引きカラ松を立たせ、観音扉の方へ歩かせる。器用に顔にケーキを皿ごと貼り付けたまま手を引かれて歩いてきているカラ松を確認して観音扉の中に入り、こちらを見ている6つの顔に「すぐ戻るからケーキを食べていて」と伝えると観音扉を閉めた。
2人きりになったベッドルームで顔の見えないカラ松が困惑しているのを察していたが、黙ってそのまま手を引き、ベッドルーム奥の洗面所へ誘導する。手洗い場の前で前屈みにさせてそっと皿をはずせばクリームだらけのベタベタの顔面が覗いた。ケーキがべっとりとくっついているため表情はわからない。蛇口を捻って水を出しながら顔からケーキを指ですくって皿に乗せていく。固形が大体取り除けたら出しっ放しにしていた水で手を洗ってそのままカラ松をさらに前屈みにさせて顔を洗わせる。カラ松の両手はだらりと身体の横に垂れたままで前屈みになって顔を洗面ボウルの上に固定したまま横から私に顔を洗われている。一通り綺麗になった感触を感じて顔を上げさせタオルを顔に充てがうと、やっと両手でタオルを掴んで顔に自分で押し付けた。しばらくそうして動かないので、私も棚から新しくタオルを取り出して手を拭く。洗面ボウルに残ったクリームを洗い流す。詰まっちゃうかなこれ…後でお掃除道具借りよう。そう思いながらふと顔を上げれば真っ赤にした目元だけをタオルから覗かせたカラ松と鏡ごしに目が合った。泣いてる。
ギョッとしてどこか痛いのかと横を向いて確認するも、どこも怪我してなさそうどころかさっき手当した怪我も湿布も包帯も全部なくなっていた。こ、これだからギャグアニメは〜〜…。
グズグズとまた泣き出してタオルに顔を埋めてしまったカラ松の背中を優しく撫でる。
「よしよし」
「び、びっくりした…」
「うんうん」
「オレなにもしてな…」
「…うん、私のために怒ってくれただけだよね」
「うんっ…名前、大切、だから…」
「うん、ありがとう」
「オレも、ちゃんと、ケーキ食べたかっ…」
「うん、戻ったら私のケーキあげるから」
「グズっ…そしたら名前のがなくなっちゃうじゃないか」
「いいよ」
「良くない、半分こにする…」
「ふふ、わかった、優しいね」
そう言えばタオルから顔を離したカラ松がキュッと口を結んだままこちらを向いた。
「優しいのは名前だろう。怪我したオレをいつも手当してくれるのも、こうして慰めてくれるのも、いつも名前だけだ」
俺だけ食べられなさそうだったケーキを分けてくれるし、と続けタオルで涙を拭った。そんなの、カラ松事変を知っていたら、1人だけ食べられないなんてこと2度とさせたくないって思うに決まってるじゃん。手当だってさっきは十四松くんも手伝ってくれたし…私が特別優しいわけじゃない。ぐちゃぐちゃのケーキが乗った皿を持って部屋に戻ろうとしたらタオルを置いたカラ松がふにゃっと幸せそうに笑って
「オレ、名前のこと好きだなぁ」
と言った。
ガシャアアアンとけたたましい音が鳴ってハッとすれば私の落とした皿とケーキが粉々に洗面所中に飛び散っていた。でもそんなこと気にならないくらい私の全身は脈打っていた。
えっえっえっな、なんて…?
カラ松の顔と大きな皿の間からぼとり、と落ちたクリームを見て私のリクエストしたケーキが一口も食べることはないままお陀仏したことに悲しくなりつつ、カラ松に馬乗りになっているハタ坊の袖を慌てて引っ張る。
「ハタ坊、違うの、ちょっとあくびしちゃっただけ、誰も悪くないよ」
「…名前泣いてないジョ?」
「泣いてないよ」
笑いかければいつも通りの顔になったハタ坊が親指で涙を拭ってくれる。それなら良いけど…と納得してない感じでカラ松から退くとカラ松と私の間に無理やり座ろうとするので少し避けてスペースをあける。
カラ松の顔に張り付いたままのケーキ皿を残念…とこぼしながら横目で見ていたら一番端の十四松が気を利かせたみたいな顔をしてカラ松の顔の横から溢れたクリームをベロベロ舐めとって美味い!これ美味いよ!!と私にも食べるようにジェスチャーした。うん、そこから食べる勇気はないかな…
パンパン!とハタ坊が手を叩くと全く同じケーキを持った旗の人が現れてソファの間のテーブルにそれを置いた。驚いて見ていると綺麗に器用に7等分され小皿に取り分けられていく。もう1人入って来た執事風の人がワゴンの上で紅茶を淹れ始めた。隣でハタ坊が得意げに「こんなこともあろうかと予備を用意してあったんだジョ。ビジネスマンの当然のリスクヘッジだジョ」と話しかけてくる。こんなこともあろうかと!?なんの想定してたの!?向かいでむつごが「これがビジネスマン…!」と精神攻撃を受けていたが違うと思う…!
7等分されそれぞれの前に置かれたケーキと紅茶。しかしカラ松の前には紅茶しか置かれなかった。えっ…と隣を見ればスンとしたハタ坊が「特別に1人で1ホール食べれるジョ」と言いながら皿を張り付けたままのカラ松を見上げた。ええ〜〜そんな意地悪な…
微動だにしないカラ松を心配して立ち上がり、カラ松の手首を掴めば皿を張り付けたまま視界の閉ざされたカラ松がビクッとこっちを向いた。間にいるハタ坊が何か言いたげに眉を潜めたが「このままだとクリームが落ちて汚れちゃうから」とあくまでソファが汚れることを気にしている風を装ってそのまま手首を引きカラ松を立たせ、観音扉の方へ歩かせる。器用に顔にケーキを皿ごと貼り付けたまま手を引かれて歩いてきているカラ松を確認して観音扉の中に入り、こちらを見ている6つの顔に「すぐ戻るからケーキを食べていて」と伝えると観音扉を閉めた。
2人きりになったベッドルームで顔の見えないカラ松が困惑しているのを察していたが、黙ってそのまま手を引き、ベッドルーム奥の洗面所へ誘導する。手洗い場の前で前屈みにさせてそっと皿をはずせばクリームだらけのベタベタの顔面が覗いた。ケーキがべっとりとくっついているため表情はわからない。蛇口を捻って水を出しながら顔からケーキを指ですくって皿に乗せていく。固形が大体取り除けたら出しっ放しにしていた水で手を洗ってそのままカラ松をさらに前屈みにさせて顔を洗わせる。カラ松の両手はだらりと身体の横に垂れたままで前屈みになって顔を洗面ボウルの上に固定したまま横から私に顔を洗われている。一通り綺麗になった感触を感じて顔を上げさせタオルを顔に充てがうと、やっと両手でタオルを掴んで顔に自分で押し付けた。しばらくそうして動かないので、私も棚から新しくタオルを取り出して手を拭く。洗面ボウルに残ったクリームを洗い流す。詰まっちゃうかなこれ…後でお掃除道具借りよう。そう思いながらふと顔を上げれば真っ赤にした目元だけをタオルから覗かせたカラ松と鏡ごしに目が合った。泣いてる。
ギョッとしてどこか痛いのかと横を向いて確認するも、どこも怪我してなさそうどころかさっき手当した怪我も湿布も包帯も全部なくなっていた。こ、これだからギャグアニメは〜〜…。
グズグズとまた泣き出してタオルに顔を埋めてしまったカラ松の背中を優しく撫でる。
「よしよし」
「び、びっくりした…」
「うんうん」
「オレなにもしてな…」
「…うん、私のために怒ってくれただけだよね」
「うんっ…名前、大切、だから…」
「うん、ありがとう」
「オレも、ちゃんと、ケーキ食べたかっ…」
「うん、戻ったら私のケーキあげるから」
「グズっ…そしたら名前のがなくなっちゃうじゃないか」
「いいよ」
「良くない、半分こにする…」
「ふふ、わかった、優しいね」
そう言えばタオルから顔を離したカラ松がキュッと口を結んだままこちらを向いた。
「優しいのは名前だろう。怪我したオレをいつも手当してくれるのも、こうして慰めてくれるのも、いつも名前だけだ」
俺だけ食べられなさそうだったケーキを分けてくれるし、と続けタオルで涙を拭った。そんなの、カラ松事変を知っていたら、1人だけ食べられないなんてこと2度とさせたくないって思うに決まってるじゃん。手当だってさっきは十四松くんも手伝ってくれたし…私が特別優しいわけじゃない。ぐちゃぐちゃのケーキが乗った皿を持って部屋に戻ろうとしたらタオルを置いたカラ松がふにゃっと幸せそうに笑って
「オレ、名前のこと好きだなぁ」
と言った。
ガシャアアアンとけたたましい音が鳴ってハッとすれば私の落とした皿とケーキが粉々に洗面所中に飛び散っていた。でもそんなこと気にならないくらい私の全身は脈打っていた。
えっえっえっな、なんて…?