夢だけど夢じゃない
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「ごめんねぇ〜〜早とちりしちゃってぇ〜!悪気はなかったんだよぉ〜?」
後頭部で両腕を組み大きなソファに我が物顔でそっくり返った長男が全く悪びれてない口調でのたまう。
シングルベッドより大きな2つのソファに長男三男四男六男と私次男五男がそれぞれ座っていた。
先程の騒動から一転、部屋の中は穏やかな空気だ。
成人男性4人がゆったり座れるくらい、やっぱりこのソファは大きいんだなあ。ぼんやりそんなことを思いながらグズグズ泣くカラ松の背中をさすり、湿布を貼る。反対側で十四松が手当を手伝ってくれてるけどすごい量の包帯が空を舞っているのをなるべく視界に入れないようにする。彼なりの手当だ。気にしないでおこう。
対面ソファで目線だけで会話していた彼らだったが覚悟を決めたのか緊張した面持ちで六男が口を開いた。
「あ、あの、名前、ちゃん」
「はい、トド松さん」
「っ!あの…カラ松兄さんとはどういう…」
「…ご紹介のあったように親友、です」
トド松と名前を呼べば一瞬顔を赤らめた末弟の質問に当たり障りなく返す。
自分からそう名乗るのはやはり胸が痛んだけど親友でも彼の特別ならそれで良いやと思えるようになっていたし、万が一彼女になろうものならさっきみたいに断罪されるとわかったら、もう望めない。ギャグアニメだから治りが早いとわかっていても自分のせいで痛い思いをさせたくなかった。
ぎこちない笑顔がバレたらやだなと思っていたけれど間髪入れず反対側の十四松の手荒い治療に悲鳴を上げたカラ松に視線が集まったので誰にも察されることはなかった。おそ松兄さんなんかは「そーいえば最初からそんなこと言ってたもんね〜」とかへらへら笑っていたし。
「あ、ああああ、あの!!!ぼっボクのことは覚えていますでしょうか…!?」
前のめりになりながら早口でそう叫んだチョロ松に目を向ければ慌ててメガネを外した。別にメガネあってもなくてもわかるけどな…と思って返事が遅れたら「あ、あの、普段は緑色の服をよく着ておりまして…!」と追加情報もきた。
「はい、わかります。たい焼きの」
「!!!!!!そうです!!!たい焼きの…!覚えて…!!!ッン!おかげさまで全員1つずつありがたくいただきました…!!!!」
「良かったです。あそこの美味しいですよね」
「ですよね!!!!!!!!!」
何故か号泣しているチョロ松から視線を外せば隣の一松とガッツリ目が合った。
「一松くんこんにちは」
「………スズキです」
「えっ?」
「一松とか知らないですボクはスズキです」
「はぁ…???」
挨拶したらパッと目をそらされて小声でブツブツ意味不明な自己紹介をしだしたので呆気に取られていれば「他人のふりするくらい恥ずかしいなら最初からそんな格好しなけりゃいいじゃん!!!」とトド松のツッコミが入っていた。あっなるほど…、服装には触れないようにしよう。
「名前ちゃんこんにちは!!!」
「こんにちは十四松くん、お手伝いありがとう」
「どういたしマスタング!!!昨日ちょー可愛かった!!」
「ッ…ありがとう…」
カラ松の頭越しにソファに膝立ちした十四松から明るい声がかかる。
太陽のような明るい満面の笑みでそう告げられ思わず顔が熱くなる。可愛いのはそっちだよ…頼むから昨日のライブは忘れて…
照れて俯いたままはい、手当完了、と軽くカラ松を叩けば向かいから間延びした長男の声がした。
「…てゆーかさぁ、名前ちゃん、俺らの見分けつくんだね」
ギクッとしてそちらを見れば、頭の後ろで手を組んだまま随分リラックスした体勢の長男と目が合う。ナチュラルな表情だったけど目は探るように鋭かった。
「そりゃこんだけバラバラな格好していたらわかるだろう」
なんて言おうと思っていたら隣から助け船が出た。カラ松くん…!!!そっかぁ〜と長男がへらりと笑ったのを見て改めて、と次男が姿勢を正すので私もつられて背筋を伸ばす。
「オレの親友の名前だ。名前、知っていると思うがオレのブラザー、五男の十四松だ」
「十四松でっす!」
元気よく挙手して挨拶してくれた十四松に改めてよろしくねと微笑み返す。かわいいなぁ。
六男のトド松、四男の一松、と指差しながら紹介され会釈し合う。
「三男のチョロ松」
「あ、あのよければえっ遠慮なくチョロ松と呼んでください!!!」
「チョロ松さん」
「ハァン!!!」
鼻血を出したチョロ松の顔に一松とトド松が勢い良くティッシュを押し付ける。
無視してカラ松は一番端の長男を指差した。
「そして前も会ったよな、長男のおそ松だ」
「おそ松兄さん」
「えっ」
「えっ」
「えっ…あっ!」
自分が何を口走ったのか自覚して慌てて口を両手で抑えるも隣の次男、声こそ出さなかったものの呆気に取られて凝視してくる五男三男四男六男の視線から逃げるように長男を見れば、見たことないくらい顔を真っ赤にして口を半開きにした長男と目が合った。えっ。
「えっ名前ちゃん…?」
「あっ!ごめんなさい!他の人につられて…!」
嘘だ。いやあながち嘘じゃないけど!
アニメを見ていた頃からずっとおそ松のことはおそ松兄さんと呼んでいたので癖で…!トッティと呼んでしまった時と同じ過ち!ばか!学べいい加減!!!どうしたらいいかわからず俯く。
長男は口を片手で抑えると目線を左右にうろつかせながら「も、もっかい言って…」と絞り出すように掠れた声で言い、隣のチョロ松から腹部に鋭い手刀を食らっていた。
「グフッ」
「バカ長男!!!なんつーお願いしてんだよ!」
「だ、だって…聞いた?あんなかわいい子がおそ松兄さん♡って!おそ松兄さん♡って!!!えっちすぎない!?ちょっと元気になっちゃったもん!俺お兄ちゃんに生まれて良かったぁ!」
「ふざっけんな仕舞えバカ!!!イメクラじゃねんだぞ!!!♡ついてねーし!!!」
長男の股間にソファのクッションを押し付けチョロ松が口角泡を飛ばしながらガン切れており、そーだそーだと四男六男が怒っていたけど、私は隣から殺気めいた圧が凄くて顔を上げられないでいた。反対隣の十四松もそれに気付いてあたふたしている気配がする。
「おそ松」
地を這うような低音が響いて向かいのソファでぎゃあぎゃあやっていた4人がぴたりと静かになったのがわかる。恐ろしくて顔が上げられない。
「えっ、カラま…」
「名前はそういうのではないと前も言ったはずだが?」
「アッハイごめんなさい」
一言一句噛み締めるせいで歯が軋む音がするくらい怒りを文字通り嚙み殺しながら発言した次男が恐ろしすぎたのかあの長男が食い気味に即答で謝った。ちらりと向かいを見れば涙目で抱き合った四男と六男がひそひそと「なんであんなモンペなわけ?」「わかんない」と怯えていた。私もわかんない。昨日からカラ松くん怒ってばっかでこわい。
ヒリヒリと殺気を感じて縮こまっていたら入り口のドアが突然開いた。みんながそこを見るが誰もおらず、一瞬驚いて目線を下に向ければ背の低いハタ坊が大きなケーキを持って笑顔で立っていた。
「友達がいっぱいダジョ!」
来てくれて嬉しいジョと言いながら部屋を見渡して涙目の私と目が合うなり笑顔がたちまち般若になり、目にも留まらぬ速さで持っていたケーキをカラ松の顔面にめり込ませた。
「…名前を泣かせたのはお前か?」
ジョも付けない低音が響き、凍りついた部屋の中で誰もが涙目で震え上がる中、チョロ松の「本物のモンペが来た…」という呟きだけが聞こえた。
後頭部で両腕を組み大きなソファに我が物顔でそっくり返った長男が全く悪びれてない口調でのたまう。
シングルベッドより大きな2つのソファに長男三男四男六男と私次男五男がそれぞれ座っていた。
先程の騒動から一転、部屋の中は穏やかな空気だ。
成人男性4人がゆったり座れるくらい、やっぱりこのソファは大きいんだなあ。ぼんやりそんなことを思いながらグズグズ泣くカラ松の背中をさすり、湿布を貼る。反対側で十四松が手当を手伝ってくれてるけどすごい量の包帯が空を舞っているのをなるべく視界に入れないようにする。彼なりの手当だ。気にしないでおこう。
対面ソファで目線だけで会話していた彼らだったが覚悟を決めたのか緊張した面持ちで六男が口を開いた。
「あ、あの、名前、ちゃん」
「はい、トド松さん」
「っ!あの…カラ松兄さんとはどういう…」
「…ご紹介のあったように親友、です」
トド松と名前を呼べば一瞬顔を赤らめた末弟の質問に当たり障りなく返す。
自分からそう名乗るのはやはり胸が痛んだけど親友でも彼の特別ならそれで良いやと思えるようになっていたし、万が一彼女になろうものならさっきみたいに断罪されるとわかったら、もう望めない。ギャグアニメだから治りが早いとわかっていても自分のせいで痛い思いをさせたくなかった。
ぎこちない笑顔がバレたらやだなと思っていたけれど間髪入れず反対側の十四松の手荒い治療に悲鳴を上げたカラ松に視線が集まったので誰にも察されることはなかった。おそ松兄さんなんかは「そーいえば最初からそんなこと言ってたもんね〜」とかへらへら笑っていたし。
「あ、ああああ、あの!!!ぼっボクのことは覚えていますでしょうか…!?」
前のめりになりながら早口でそう叫んだチョロ松に目を向ければ慌ててメガネを外した。別にメガネあってもなくてもわかるけどな…と思って返事が遅れたら「あ、あの、普段は緑色の服をよく着ておりまして…!」と追加情報もきた。
「はい、わかります。たい焼きの」
「!!!!!!そうです!!!たい焼きの…!覚えて…!!!ッン!おかげさまで全員1つずつありがたくいただきました…!!!!」
「良かったです。あそこの美味しいですよね」
「ですよね!!!!!!!!!」
何故か号泣しているチョロ松から視線を外せば隣の一松とガッツリ目が合った。
「一松くんこんにちは」
「………スズキです」
「えっ?」
「一松とか知らないですボクはスズキです」
「はぁ…???」
挨拶したらパッと目をそらされて小声でブツブツ意味不明な自己紹介をしだしたので呆気に取られていれば「他人のふりするくらい恥ずかしいなら最初からそんな格好しなけりゃいいじゃん!!!」とトド松のツッコミが入っていた。あっなるほど…、服装には触れないようにしよう。
「名前ちゃんこんにちは!!!」
「こんにちは十四松くん、お手伝いありがとう」
「どういたしマスタング!!!昨日ちょー可愛かった!!」
「ッ…ありがとう…」
カラ松の頭越しにソファに膝立ちした十四松から明るい声がかかる。
太陽のような明るい満面の笑みでそう告げられ思わず顔が熱くなる。可愛いのはそっちだよ…頼むから昨日のライブは忘れて…
照れて俯いたままはい、手当完了、と軽くカラ松を叩けば向かいから間延びした長男の声がした。
「…てゆーかさぁ、名前ちゃん、俺らの見分けつくんだね」
ギクッとしてそちらを見れば、頭の後ろで手を組んだまま随分リラックスした体勢の長男と目が合う。ナチュラルな表情だったけど目は探るように鋭かった。
「そりゃこんだけバラバラな格好していたらわかるだろう」
なんて言おうと思っていたら隣から助け船が出た。カラ松くん…!!!そっかぁ〜と長男がへらりと笑ったのを見て改めて、と次男が姿勢を正すので私もつられて背筋を伸ばす。
「オレの親友の名前だ。名前、知っていると思うがオレのブラザー、五男の十四松だ」
「十四松でっす!」
元気よく挙手して挨拶してくれた十四松に改めてよろしくねと微笑み返す。かわいいなぁ。
六男のトド松、四男の一松、と指差しながら紹介され会釈し合う。
「三男のチョロ松」
「あ、あのよければえっ遠慮なくチョロ松と呼んでください!!!」
「チョロ松さん」
「ハァン!!!」
鼻血を出したチョロ松の顔に一松とトド松が勢い良くティッシュを押し付ける。
無視してカラ松は一番端の長男を指差した。
「そして前も会ったよな、長男のおそ松だ」
「おそ松兄さん」
「えっ」
「えっ」
「えっ…あっ!」
自分が何を口走ったのか自覚して慌てて口を両手で抑えるも隣の次男、声こそ出さなかったものの呆気に取られて凝視してくる五男三男四男六男の視線から逃げるように長男を見れば、見たことないくらい顔を真っ赤にして口を半開きにした長男と目が合った。えっ。
「えっ名前ちゃん…?」
「あっ!ごめんなさい!他の人につられて…!」
嘘だ。いやあながち嘘じゃないけど!
アニメを見ていた頃からずっとおそ松のことはおそ松兄さんと呼んでいたので癖で…!トッティと呼んでしまった時と同じ過ち!ばか!学べいい加減!!!どうしたらいいかわからず俯く。
長男は口を片手で抑えると目線を左右にうろつかせながら「も、もっかい言って…」と絞り出すように掠れた声で言い、隣のチョロ松から腹部に鋭い手刀を食らっていた。
「グフッ」
「バカ長男!!!なんつーお願いしてんだよ!」
「だ、だって…聞いた?あんなかわいい子がおそ松兄さん♡って!おそ松兄さん♡って!!!えっちすぎない!?ちょっと元気になっちゃったもん!俺お兄ちゃんに生まれて良かったぁ!」
「ふざっけんな仕舞えバカ!!!イメクラじゃねんだぞ!!!♡ついてねーし!!!」
長男の股間にソファのクッションを押し付けチョロ松が口角泡を飛ばしながらガン切れており、そーだそーだと四男六男が怒っていたけど、私は隣から殺気めいた圧が凄くて顔を上げられないでいた。反対隣の十四松もそれに気付いてあたふたしている気配がする。
「おそ松」
地を這うような低音が響いて向かいのソファでぎゃあぎゃあやっていた4人がぴたりと静かになったのがわかる。恐ろしくて顔が上げられない。
「えっ、カラま…」
「名前はそういうのではないと前も言ったはずだが?」
「アッハイごめんなさい」
一言一句噛み締めるせいで歯が軋む音がするくらい怒りを文字通り嚙み殺しながら発言した次男が恐ろしすぎたのかあの長男が食い気味に即答で謝った。ちらりと向かいを見れば涙目で抱き合った四男と六男がひそひそと「なんであんなモンペなわけ?」「わかんない」と怯えていた。私もわかんない。昨日からカラ松くん怒ってばっかでこわい。
ヒリヒリと殺気を感じて縮こまっていたら入り口のドアが突然開いた。みんながそこを見るが誰もおらず、一瞬驚いて目線を下に向ければ背の低いハタ坊が大きなケーキを持って笑顔で立っていた。
「友達がいっぱいダジョ!」
来てくれて嬉しいジョと言いながら部屋を見渡して涙目の私と目が合うなり笑顔がたちまち般若になり、目にも留まらぬ速さで持っていたケーキをカラ松の顔面にめり込ませた。
「…名前を泣かせたのはお前か?」
ジョも付けない低音が響き、凍りついた部屋の中で誰もが涙目で震え上がる中、チョロ松の「本物のモンペが来た…」という呟きだけが聞こえた。