夢だけど夢じゃない
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「うぅ、緊張するよぅ…」
「大丈夫ザンス。名前なら一躍売れっ子になってガッポガッポザンス」
ケラケラ笑いながら背中をバシバシ叩いてくる出っ歯に呆れた目線を送りながらもステージ袖からトト子ちゃんのライブを見る。
どのくらいお客さんが入ってるのかわからないけどコーレスもあってすごく盛り上がっている。
カラフルなスポットライトを浴びて歌い踊るトト子ちゃんは横から見てもとっても魅力的で、そんなのを真正面から浴びてる客席は納得の盛り上がりだなぁと人ごとのように思う。
新ユニット発表ライブとは銘打って貰ってるけどお金を払って見に来ている人たちはみんなトト子ちゃんのファンのはず。トト子ちゃんを見に来ている人たちにとって私はとっても邪魔なのでは?うぅ、なんでワンマンなんだろう、色んなアーティストが出る対バン形式ならそれぞれ違う推しを見に来ている人で埋まってるからまだ大丈夫そうなのにトト子ちゃんワンマンライブの今日はトト子ちゃんのオタクしかいないわけで。めちゃくちゃアウェーじゃないか。
もうやだ帰りたい………と俯いたところでステージから可愛らしいトト子ちゃんの声が聞こえた。
「みんなありがと〜!さーて!次は皆さんお待ちかね☆新ユニットの発表で〜す!まだまだ盛り上がってこ〜〜!」
FOOOOという熱い客席の声に怖気付きながらも顔を上げてステージを見ればトト子ちゃんがまっすぐこちらを向いていた。
暗転する舞台、慌ててステージ上に転がるように走り出て、トト子ちゃんの隣の立ち位置に立った。
トト子ちゃんは一瞬横目で私を見ると「がんばろうね」と口パクで言ってウインクしてくれた。かわいい。
「聞いてください、『アンダーザシー』」というギリギリアウトの曲名を艶っぽく呟くとご機嫌なイントロが鳴り響く。題名と裏腹に曲はお魚天国と泳げたいやきくんのミックスっぽいこれまたギリギリアウトな感じだが、2人でたくさん練習した成果を必死にステージでこなす。
熱いくらい顔を照らしてくるスポットライトが明るくて客席の様子は全く見えないし、曲が爆音で掛かっているので音も曲と自分たちの歌声しか聞こえない。まるでお客さんなどいないような、今迄の練習と変わらないような気持ちになって、時たまトト子ちゃんと目配せして笑い合って、すっかり緊張のとけた私は何も見えない光に向かって笑顔を振りまきながら歌って踊った。
チャラーン…と曲が終わり決めポーズで止まっていたところからMCタイムに突入する。
トト子ちゃんが慣れたように「ありがとお〜〜!改めまして!私たち、オーシャンガールズですっ♡おさかなアイドルのトト子と!」と振ってくれるので慌てて「甲殻類アイドルの名前です!」と名乗る。よろしくお願いしま〜すと2人で深々とお辞儀して顔を上げれば、いつの間にか光量が調節されて客席の様子が丸わかりになっていた。
決して広くないライブハウスの客席は人がほとんどいなくて、最前列に並んだ6つの同じ顔がそれぞれあんぐりとこれまた同じ表情で私を見ていた。
あまりに同じ顔だしみんな揃いのトト子法被を着ているので誰が誰だか一瞬わからなかったが、その中でも頭にサイリウムを指し一際ガチっぽい装備の男と目が合い、信じられない、とその男の顔にありありと書かれているのを見て全身が沸騰したように熱くなった。
カラ松くんが愕然としてる!!!!
恥ずかしい!!!!
死にたい!!!!!!!!
押し切られてアイドルなんかやらなきゃ良かった、ちゃんと断れば良かった、やっぱりおかしいんだ、私がアイドルなんて!
パニックになった私はガシャン!と兜を降ろして顔を隠したが、足が震えてその場から動けずライトを浴びたまま突っ立っていた。
「大丈夫ザンス。名前なら一躍売れっ子になってガッポガッポザンス」
ケラケラ笑いながら背中をバシバシ叩いてくる出っ歯に呆れた目線を送りながらもステージ袖からトト子ちゃんのライブを見る。
どのくらいお客さんが入ってるのかわからないけどコーレスもあってすごく盛り上がっている。
カラフルなスポットライトを浴びて歌い踊るトト子ちゃんは横から見てもとっても魅力的で、そんなのを真正面から浴びてる客席は納得の盛り上がりだなぁと人ごとのように思う。
新ユニット発表ライブとは銘打って貰ってるけどお金を払って見に来ている人たちはみんなトト子ちゃんのファンのはず。トト子ちゃんを見に来ている人たちにとって私はとっても邪魔なのでは?うぅ、なんでワンマンなんだろう、色んなアーティストが出る対バン形式ならそれぞれ違う推しを見に来ている人で埋まってるからまだ大丈夫そうなのにトト子ちゃんワンマンライブの今日はトト子ちゃんのオタクしかいないわけで。めちゃくちゃアウェーじゃないか。
もうやだ帰りたい………と俯いたところでステージから可愛らしいトト子ちゃんの声が聞こえた。
「みんなありがと〜!さーて!次は皆さんお待ちかね☆新ユニットの発表で〜す!まだまだ盛り上がってこ〜〜!」
FOOOOという熱い客席の声に怖気付きながらも顔を上げてステージを見ればトト子ちゃんがまっすぐこちらを向いていた。
暗転する舞台、慌ててステージ上に転がるように走り出て、トト子ちゃんの隣の立ち位置に立った。
トト子ちゃんは一瞬横目で私を見ると「がんばろうね」と口パクで言ってウインクしてくれた。かわいい。
「聞いてください、『アンダーザシー』」というギリギリアウトの曲名を艶っぽく呟くとご機嫌なイントロが鳴り響く。題名と裏腹に曲はお魚天国と泳げたいやきくんのミックスっぽいこれまたギリギリアウトな感じだが、2人でたくさん練習した成果を必死にステージでこなす。
熱いくらい顔を照らしてくるスポットライトが明るくて客席の様子は全く見えないし、曲が爆音で掛かっているので音も曲と自分たちの歌声しか聞こえない。まるでお客さんなどいないような、今迄の練習と変わらないような気持ちになって、時たまトト子ちゃんと目配せして笑い合って、すっかり緊張のとけた私は何も見えない光に向かって笑顔を振りまきながら歌って踊った。
チャラーン…と曲が終わり決めポーズで止まっていたところからMCタイムに突入する。
トト子ちゃんが慣れたように「ありがとお〜〜!改めまして!私たち、オーシャンガールズですっ♡おさかなアイドルのトト子と!」と振ってくれるので慌てて「甲殻類アイドルの名前です!」と名乗る。よろしくお願いしま〜すと2人で深々とお辞儀して顔を上げれば、いつの間にか光量が調節されて客席の様子が丸わかりになっていた。
決して広くないライブハウスの客席は人がほとんどいなくて、最前列に並んだ6つの同じ顔がそれぞれあんぐりとこれまた同じ表情で私を見ていた。
あまりに同じ顔だしみんな揃いのトト子法被を着ているので誰が誰だか一瞬わからなかったが、その中でも頭にサイリウムを指し一際ガチっぽい装備の男と目が合い、信じられない、とその男の顔にありありと書かれているのを見て全身が沸騰したように熱くなった。
カラ松くんが愕然としてる!!!!
恥ずかしい!!!!
死にたい!!!!!!!!
押し切られてアイドルなんかやらなきゃ良かった、ちゃんと断れば良かった、やっぱりおかしいんだ、私がアイドルなんて!
パニックになった私はガシャン!と兜を降ろして顔を隠したが、足が震えてその場から動けずライトを浴びたまま突っ立っていた。