夢だけど夢じゃない
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川辺で数字松と別れた私はまっすぐ魚屋へ行き、トト子ちゃんの部屋で歌とダンスの練習をし、トト子ちゃんのサインの練習に付き合い、夕方解散になった。楽しいけど疲れた。日が暮れるの早くなったなあ。まだ夕方の早めの時間なのに辺りはもう薄暗い。
商店街を歩いて帰っていると緑色に光る看板が目に入った。スタバァだ。寒いしあったかいラテでも飲んで帰ろうかな。ふらりとそちらへ歩み寄った瞬間「名前?」と聞き慣れた声をかけられ反射で振り向く。
「カラ松くん!」
「どうした、こんなところで」
黒いスカジャンに身を包んだカラ松がこちらに歩み寄りながらにこりと話しかけてくる。
「今帰るとこなの。カラ松くんは?」
「俺も今帰るところだ」
かさり、と音がした方に目をやるとカラ松の腕に下がった小さな白無地のビニール袋が目に入った。
「…あぁそうだ、名前、これが好きだと言っていただろう」
そのビニールから歌舞伎揚げの袋を取り出す。これは。パチンコの。
私の目線に気付いたらしいカラ松はパチン☆とウインクをし「ブラザー達には内緒だぞ」と囁いた。ウワッかっこいい好き死ぬ。
「今日はちょっと懐があったかいんでな。どうだ?」
一杯、とお猪口を煽るジェスチャー。
私は夢中になって頷いた。
「らっしゃい!…ってお前かよ」
「よぅチビ太、グッナ〜〜ァイ?」
「寝んのかよ」
慣れた手つきで暖簾をくぐる。
ジト目で軽口を叩く店主は、カラ松が自分のくぐった後も暖簾を手で押し上げていることに気づき、屋台の外に目をやった。
カラ松が上げてくれている暖簾をくぐって顔を見せた私に破顔する。
「名前ちゃんも一緒かぁ〜!いらっしゃい!」
「こんばんは」
飲みに誘われた後、当たり前のように連れてこられたチビ太の屋台。季節がら吹きさらしの席は寒いけれど、目の前の湯気があがるおでんはめちゃくちゃ美味しそうだ。
「今夜は冷えるな。チビ太、熱燗」
「大丈夫かぁ?お前弱ぇえだろ」
「あっ大丈夫、私飲めるから」
「おっ?名前ちゃん結構イケるクチ?」
それなら…とお猪口2つと徳利を出してくれる。烏龍茶も2つ頼んで「お酒半分こしよ、烏龍茶も飲みながらね」と囁けば、格好つけたかったらしいカラ松は少しむっとした顔をしながらも頷いてくれた。
「お前ら今日も一緒に遊んでたのかぁ?」
「あ、ううん、さっきそこで会ったの」
「ベストフレンドと偶然出会うディスティニー…その祝い酒と洒落込んだわけさ」
「はいはい」
お猪口片手に既に顔を赤くしながら格好つけるカラ松に慣れたように適当に相槌をつくチビ太。
お皿に盛られたあつあつのおでんを口にしながら「ハタ坊は元気か?」「うん!」「そりゃ良かった」などとチビ太と談笑しているとボロロ〜〜ンと突然隣から大きな音が鳴ってびっくりして横を見る。
どこから出したのかアコースティックギターを構えたカラ松は私とチビ太の方を流し見るとパチンと指を鳴らして「今夜はキミとディスティニー」と低く呟いた。
「こぉ〜〜んなにグレェェエトムーンなナイトは〜〜俺とキミとでディスティニーランデヴ〜〜」
「あっ、今の曲名!?」
突如始まったリサイタルにあっけに取られる。
隣で気持ちよさそうに謎の歌を歌うカラ松は首まで真っ赤で目もすわっているし呂律も若干怪しい。えっ酔うの早ッ!
それでも心地の良い低音と滑るような手つきで弾き語りするカラ松が格好良くて見惚れてしまう。
「こぉおんやはぁぁああ、きぃみぃとぉぉおおおおぉぉぉおおおお…でぃいいいい〜〜〜〜すぅ〜〜〜〜〜〜てぃいいいいいい…………にぃ〜〜〜〜〜〜〜〜(ジャカジャカジャカジャカジャカジャカジャーン!)」というタメにタメた歌い終わりに思わずパチパチと拍手をする。
「すごい!格好良い!」
「…えっ?ほ、ほんとに?」
気持ちよさそうに歌い上げ、キメ顔で余韻を楽しんでいたカラ松は心底びっくりしたという顔でこちらを見るものだから私も何かおかしなことを言ったか?と首をかしげる。
「…イタいとか、うるさいとか、言わないのか?」
「えっ?う、うん、作詞作曲カラ松くん?だよね??楽器できるの格好良いし歌もうまかったよ」
私が素直な感想を述べるとあっけに取られていたカラ松はガシィ!!!!とすごい力で私の手を両手で掴んできた。い、痛い。ち、近い。
「そんな風に言ってくれるの名前だけだ…!!」
「えっそうなの?」
「ありがとう…さすが俺のベストフレンド…」
瞳が潤んでいるのは感動からか酔いからか。至近距離で手を握られ熱い眼差しで見つめられて私までじわじわ赤くなってきた。目線をそらせないでいると、先に目をそらしたカラ松がギターを構え直した。
「それでは2曲目、聞いてください、『回り出したぜ恋の歯車』」
「続きは他所でやってくんねーかな」
チビ太の冷静な仲裁により1曲で強制終了したカラ松'sリサイタルだったが、続きは今度聞かせてね、との私の言葉に心底嬉しそうに頷いたカラ松はその後ものの5分で酔い潰れて眠ってしまい、この約束覚えててくれるかなぁと思いながらお猪口を傾けたのだった。アー、熱燗うんまいなぁ!
商店街を歩いて帰っていると緑色に光る看板が目に入った。スタバァだ。寒いしあったかいラテでも飲んで帰ろうかな。ふらりとそちらへ歩み寄った瞬間「名前?」と聞き慣れた声をかけられ反射で振り向く。
「カラ松くん!」
「どうした、こんなところで」
黒いスカジャンに身を包んだカラ松がこちらに歩み寄りながらにこりと話しかけてくる。
「今帰るとこなの。カラ松くんは?」
「俺も今帰るところだ」
かさり、と音がした方に目をやるとカラ松の腕に下がった小さな白無地のビニール袋が目に入った。
「…あぁそうだ、名前、これが好きだと言っていただろう」
そのビニールから歌舞伎揚げの袋を取り出す。これは。パチンコの。
私の目線に気付いたらしいカラ松はパチン☆とウインクをし「ブラザー達には内緒だぞ」と囁いた。ウワッかっこいい好き死ぬ。
「今日はちょっと懐があったかいんでな。どうだ?」
一杯、とお猪口を煽るジェスチャー。
私は夢中になって頷いた。
「らっしゃい!…ってお前かよ」
「よぅチビ太、グッナ〜〜ァイ?」
「寝んのかよ」
慣れた手つきで暖簾をくぐる。
ジト目で軽口を叩く店主は、カラ松が自分のくぐった後も暖簾を手で押し上げていることに気づき、屋台の外に目をやった。
カラ松が上げてくれている暖簾をくぐって顔を見せた私に破顔する。
「名前ちゃんも一緒かぁ〜!いらっしゃい!」
「こんばんは」
飲みに誘われた後、当たり前のように連れてこられたチビ太の屋台。季節がら吹きさらしの席は寒いけれど、目の前の湯気があがるおでんはめちゃくちゃ美味しそうだ。
「今夜は冷えるな。チビ太、熱燗」
「大丈夫かぁ?お前弱ぇえだろ」
「あっ大丈夫、私飲めるから」
「おっ?名前ちゃん結構イケるクチ?」
それなら…とお猪口2つと徳利を出してくれる。烏龍茶も2つ頼んで「お酒半分こしよ、烏龍茶も飲みながらね」と囁けば、格好つけたかったらしいカラ松は少しむっとした顔をしながらも頷いてくれた。
「お前ら今日も一緒に遊んでたのかぁ?」
「あ、ううん、さっきそこで会ったの」
「ベストフレンドと偶然出会うディスティニー…その祝い酒と洒落込んだわけさ」
「はいはい」
お猪口片手に既に顔を赤くしながら格好つけるカラ松に慣れたように適当に相槌をつくチビ太。
お皿に盛られたあつあつのおでんを口にしながら「ハタ坊は元気か?」「うん!」「そりゃ良かった」などとチビ太と談笑しているとボロロ〜〜ンと突然隣から大きな音が鳴ってびっくりして横を見る。
どこから出したのかアコースティックギターを構えたカラ松は私とチビ太の方を流し見るとパチンと指を鳴らして「今夜はキミとディスティニー」と低く呟いた。
「こぉ〜〜んなにグレェェエトムーンなナイトは〜〜俺とキミとでディスティニーランデヴ〜〜」
「あっ、今の曲名!?」
突如始まったリサイタルにあっけに取られる。
隣で気持ちよさそうに謎の歌を歌うカラ松は首まで真っ赤で目もすわっているし呂律も若干怪しい。えっ酔うの早ッ!
それでも心地の良い低音と滑るような手つきで弾き語りするカラ松が格好良くて見惚れてしまう。
「こぉおんやはぁぁああ、きぃみぃとぉぉおおおおぉぉぉおおおお…でぃいいいい〜〜〜〜すぅ〜〜〜〜〜〜てぃいいいいいい…………にぃ〜〜〜〜〜〜〜〜(ジャカジャカジャカジャカジャカジャカジャーン!)」というタメにタメた歌い終わりに思わずパチパチと拍手をする。
「すごい!格好良い!」
「…えっ?ほ、ほんとに?」
気持ちよさそうに歌い上げ、キメ顔で余韻を楽しんでいたカラ松は心底びっくりしたという顔でこちらを見るものだから私も何かおかしなことを言ったか?と首をかしげる。
「…イタいとか、うるさいとか、言わないのか?」
「えっ?う、うん、作詞作曲カラ松くん?だよね??楽器できるの格好良いし歌もうまかったよ」
私が素直な感想を述べるとあっけに取られていたカラ松はガシィ!!!!とすごい力で私の手を両手で掴んできた。い、痛い。ち、近い。
「そんな風に言ってくれるの名前だけだ…!!」
「えっそうなの?」
「ありがとう…さすが俺のベストフレンド…」
瞳が潤んでいるのは感動からか酔いからか。至近距離で手を握られ熱い眼差しで見つめられて私までじわじわ赤くなってきた。目線をそらせないでいると、先に目をそらしたカラ松がギターを構え直した。
「それでは2曲目、聞いてください、『回り出したぜ恋の歯車』」
「続きは他所でやってくんねーかな」
チビ太の冷静な仲裁により1曲で強制終了したカラ松'sリサイタルだったが、続きは今度聞かせてね、との私の言葉に心底嬉しそうに頷いたカラ松はその後ものの5分で酔い潰れて眠ってしまい、この約束覚えててくれるかなぁと思いながらお猪口を傾けたのだった。アー、熱燗うんまいなぁ!