夢だけど夢じゃない
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「ぶえっくし!!!」
大きなくしゃみをした男の脇からピピと鳴った棒を抜き取る。39.6℃。だいぶ高熱だ。
ううん…と眉間に皺を寄せ苦しそうに眠る彼の汗と鼻水を拭い、ぬるくなったおでこの冷えピタを取り替える。
彼、松野カラ松は風邪をひいていた。
もう秋も深まり肌寒くなってきたというのに先日手作りしたクソタンクトップと短すぎるホットパンツというコーディネートでフラッグコーポレーションの屋上でギターをかき鳴らしていたらしい。
ただでさえ超ウルトラ高層ビルのフラッグコーポレーションの屋上は雲の上を突き抜けていて真夏でもひんやりしているらしいのにこんな季節に登ったら寒いことこの上ないだろう。しかもそんな薄着で。松野家の屋根上とは違うとわかってほしい。
そんなわけで超自業自得の風邪をひいていたのだった。
ハタ坊は相変わらず忙しく、今日も某国大統領と会談しているため私がつきっきりで看病している。
カラ松はハタ坊の部屋に居候しているからハタ坊の馬鹿でかいベッドの端に寝かされていた。端といってもベッドサイドから手を伸ばしても届かない距離のところへいるからこうして看病する私もベッドの上に座っていた。
ふうふうと荒い息で寝苦しそうな彼を見ているのは辛い。うつったらいけないからとマスク着用を義務づけられたため私はマスクをしているが、もし私にうつして治るのなら全然うつしてくれて良いのに。
そう思いながら見下ろしていると薄っすらと彼が目を開けた。顰めっ面で眉間には深く皺が刻まれているが、赤い顔で虚ろな目を左右に漂わせている。
「カラ松くんおはよう」
「ん゛…」
「お粥あるんだけど食べれそう?」
少し冷めてしまったかも、と言いながらお椀を見せるとぼんやりとした目線のままゆるゆると頷くので頭の下に枕をたくさん入れて少し上体を起こす。
作ってからしばらく経ったからもう熱くないかなと思いつつ、一応ふーふーしてスプーンを口元に持っていく。
あーん、とか言わずとも口を開けたカラ松はぱくり、とスプーンを咥え、もぐ…もぐ…とゆっくり咀嚼した。
「うまい」
「そう?よかった」
「たまごのおかゆ」
「そう、白がゆより栄養あるかなと思って」
ぼんやりとまた口を開ける彼に粥を食べさせる。
ハタの人達に頼んだけどシカトされたので勝手に台所を借りて作ったからお口に合わなかったらどうしようとハラハラしたのだけどよかった。
ゆっくりではあるものの完食し、水と薬も飲ませ、また寝かせる。
はーはーと荒い息だが目をつぶった彼を見、皿を片付けて新しいタオルでも持ってこよう、とベッドから降りようと四つん這いになったら突然右手首を強く掴まれて引っ張られた。
四つん這いになってたところを引っ張られたためバランスを崩し、引っ張られるがままそちらへ倒れこむ。カラ松の上体へ倒れこむ形となって鼻頭を硬い胸板に強めにぶつけた私はあまりの痛さに目から星が飛んだ。
「〜〜ッ!?!?」
あんまり痛くて言葉も出ず、涙目のまま顔を上げると思ったよりも至近距離にカラ松の顔がありギョッと仰け反る。しかし手首を掴まれたままなので大して距離を取ることも出来ずに至近距離で見つめ合う。ぼんやりと熱に浮かされた潤んだ瞳が焦点を合わせようと揺れている。
「カラ松く…」
「どこへいく?」
呂律の回らないゆったりとした口調でありながらドスのきいた重低音が鼓膜を揺らし、ぴったりくっついた上半身も震わせた。対人向けではない素の彼の地声だった。くそッ良い声だな!?パニクりながらも冷静にcv.中村○一を噛みしめる。返事をしない私にさらに眉間の皺を増やして再度同じ質問を投げかけてくる。やめて!上半身がくっついてるから直に響く!やめて!
「お皿片付けてタオル取ってこようと思っただけだよ」
「…」
「すぐ戻ってくるよ」
「…どこにも行くな」
胸を撃ち抜かれるとはこのことか。今目に見える形でズキューン!!♡♡ってピンクの文字が私の身体を貫通してったし。さすがギャグアニメ。
掴まれたままの右手首をぎりっと強く握られる。正直めっちゃ痛い。でも至近距離で熱く見つめてくる瞳から目が離せない。熱い息がマスク越しの顔にかかる。触れている手も身体も熱い熱い熱い。なにこれ?キスする流れ?は???テンパって硬直していると掴まれたままの手首を急に上に引っ張られ、その勢いのまま引っ張られた私はぐるんと半回転してカラ松の上から隣へと寝転んだ。私が真横に寝そべったのを確認して満足したのかふわりと笑い、「そこにいてくれ」と優しい声で言った後、手首を優しく握り直し目を閉じてしまった。
すやすやと安らかな寝息を立て出したカラ松を呆然と見つつ、手首を拘束されたままなのでどこへも行けず、ドッと疲れた私は反対の手で顔を覆いながらふかふかのベッドに身を沈ませた。心臓に悪い!!心臓に悪いよちくしょー!!!!
大きなくしゃみをした男の脇からピピと鳴った棒を抜き取る。39.6℃。だいぶ高熱だ。
ううん…と眉間に皺を寄せ苦しそうに眠る彼の汗と鼻水を拭い、ぬるくなったおでこの冷えピタを取り替える。
彼、松野カラ松は風邪をひいていた。
もう秋も深まり肌寒くなってきたというのに先日手作りしたクソタンクトップと短すぎるホットパンツというコーディネートでフラッグコーポレーションの屋上でギターをかき鳴らしていたらしい。
ただでさえ超ウルトラ高層ビルのフラッグコーポレーションの屋上は雲の上を突き抜けていて真夏でもひんやりしているらしいのにこんな季節に登ったら寒いことこの上ないだろう。しかもそんな薄着で。松野家の屋根上とは違うとわかってほしい。
そんなわけで超自業自得の風邪をひいていたのだった。
ハタ坊は相変わらず忙しく、今日も某国大統領と会談しているため私がつきっきりで看病している。
カラ松はハタ坊の部屋に居候しているからハタ坊の馬鹿でかいベッドの端に寝かされていた。端といってもベッドサイドから手を伸ばしても届かない距離のところへいるからこうして看病する私もベッドの上に座っていた。
ふうふうと荒い息で寝苦しそうな彼を見ているのは辛い。うつったらいけないからとマスク着用を義務づけられたため私はマスクをしているが、もし私にうつして治るのなら全然うつしてくれて良いのに。
そう思いながら見下ろしていると薄っすらと彼が目を開けた。顰めっ面で眉間には深く皺が刻まれているが、赤い顔で虚ろな目を左右に漂わせている。
「カラ松くんおはよう」
「ん゛…」
「お粥あるんだけど食べれそう?」
少し冷めてしまったかも、と言いながらお椀を見せるとぼんやりとした目線のままゆるゆると頷くので頭の下に枕をたくさん入れて少し上体を起こす。
作ってからしばらく経ったからもう熱くないかなと思いつつ、一応ふーふーしてスプーンを口元に持っていく。
あーん、とか言わずとも口を開けたカラ松はぱくり、とスプーンを咥え、もぐ…もぐ…とゆっくり咀嚼した。
「うまい」
「そう?よかった」
「たまごのおかゆ」
「そう、白がゆより栄養あるかなと思って」
ぼんやりとまた口を開ける彼に粥を食べさせる。
ハタの人達に頼んだけどシカトされたので勝手に台所を借りて作ったからお口に合わなかったらどうしようとハラハラしたのだけどよかった。
ゆっくりではあるものの完食し、水と薬も飲ませ、また寝かせる。
はーはーと荒い息だが目をつぶった彼を見、皿を片付けて新しいタオルでも持ってこよう、とベッドから降りようと四つん這いになったら突然右手首を強く掴まれて引っ張られた。
四つん這いになってたところを引っ張られたためバランスを崩し、引っ張られるがままそちらへ倒れこむ。カラ松の上体へ倒れこむ形となって鼻頭を硬い胸板に強めにぶつけた私はあまりの痛さに目から星が飛んだ。
「〜〜ッ!?!?」
あんまり痛くて言葉も出ず、涙目のまま顔を上げると思ったよりも至近距離にカラ松の顔がありギョッと仰け反る。しかし手首を掴まれたままなので大して距離を取ることも出来ずに至近距離で見つめ合う。ぼんやりと熱に浮かされた潤んだ瞳が焦点を合わせようと揺れている。
「カラ松く…」
「どこへいく?」
呂律の回らないゆったりとした口調でありながらドスのきいた重低音が鼓膜を揺らし、ぴったりくっついた上半身も震わせた。対人向けではない素の彼の地声だった。くそッ良い声だな!?パニクりながらも冷静にcv.中村○一を噛みしめる。返事をしない私にさらに眉間の皺を増やして再度同じ質問を投げかけてくる。やめて!上半身がくっついてるから直に響く!やめて!
「お皿片付けてタオル取ってこようと思っただけだよ」
「…」
「すぐ戻ってくるよ」
「…どこにも行くな」
胸を撃ち抜かれるとはこのことか。今目に見える形でズキューン!!♡♡ってピンクの文字が私の身体を貫通してったし。さすがギャグアニメ。
掴まれたままの右手首をぎりっと強く握られる。正直めっちゃ痛い。でも至近距離で熱く見つめてくる瞳から目が離せない。熱い息がマスク越しの顔にかかる。触れている手も身体も熱い熱い熱い。なにこれ?キスする流れ?は???テンパって硬直していると掴まれたままの手首を急に上に引っ張られ、その勢いのまま引っ張られた私はぐるんと半回転してカラ松の上から隣へと寝転んだ。私が真横に寝そべったのを確認して満足したのかふわりと笑い、「そこにいてくれ」と優しい声で言った後、手首を優しく握り直し目を閉じてしまった。
すやすやと安らかな寝息を立て出したカラ松を呆然と見つつ、手首を拘束されたままなのでどこへも行けず、ドッと疲れた私は反対の手で顔を覆いながらふかふかのベッドに身を沈ませた。心臓に悪い!!心臓に悪いよちくしょー!!!!